●前回のおさらい●
カジ君と千尋ちゃんを学校に残して、真上さんお手伝いに向かう倉津君。
違う意味で嵌ってるねぇ(笑)
俺は学校を出て、樫田の衣装を、真上さんに頼む為に川崎まで足を伸ばす。
さっさと電話で用件を済ませば良いんだが。
なんとなくよぉ、こんな厚かましい『追加発注』するのに、電話だけで済ますのって言うのはどうにも抵抗が有るんだよな。
要するに、電話だけだと、あまりにも誠意が無さ過ぎる気がしてならない。
だから、直接交渉をする為に、川崎まで足を伸ばして来たって訳だ。
先に言っておくが、別に『真上さんに会いたい』からって、ワザワザ来た訳じゃねぇので……あしからず。
***
さて……そんな事を考えながらも、いつもの通り人ごみを掻き分けながら、真上さんの店に到着する訳だが。
今日に限っては、なにやら少し様子がおかしい。
何故だかは知らないが、店先で真上さんが、誰かと軽い口論しているんだよなぁ。
いや、口論してるって言っても、勿論の事、感情を剥き出しにしてギャアギャア言ってる訳じゃないんだが……あの真上さんが、店先で揉めてるなんて、なにが有ったんだろうか?
しかも、誰が相手かと思って、眼を凝らして見てみると、真上さんの口喧嘩の相手は、どうやら悪口大王の武藤の様だ。
この状況、本当に、なにが有ったんだろうか?
取り敢えず、到着した所で、なにも現状の把握出来無い俺は無防備に声を掛ける事にした。
「おい、要。なに、店先で喧嘩なんかしてんだ?」
「あぁ?……おぅ、なんだ。誰かと思ったらデカブツじゃねぇか。なんも喧嘩なんかしてねぇよ」
「そうかぁ?なんか言い合ってたみたいだが」
「いや、言い合っちゃいねぇ。ただ、この強情女が、俺の話を聞かないだけだ」
「私、強情な事なんて、なにも言ってませんよ。要さんが、無理を言われてるだけなのではないでしょうか」
真上さんの強情……いつもの事だな。
要の無理な注文……いつもの事だな。
結果、両者共に……いつもの事だな。
なら、こりゃホントに『さて、どっちが悪いでしょう?』の世界だな。
「真上さん、真上さん。取り敢えずで良いんで落ち着きましょうよ。それに店先で言い争いなんて、みっともないッスよ」
「えっ?あぁっと、そう……ですね。本当に、みっともないですね」
「まぁまぁ、此処じゃなんですから、取り敢えず、店の中に入りましょう。内容は、俺も聞きますから。オイ、武藤も一旦、店に入らせて貰えよ」
順当な答えだった筈なんだが……
「おい、デカブツ。関係もねぇのに勝手に首突っ込んでくるんじゃねぇよ。迷惑だ」
「なっ!!」
「いいかデカブツ?これは、真上と俺の問題であって、オマエなんぞに入る隙間はねぇ。突然現れて、勝手に介入すんな」
「けどよぉ。店先は不味いだろ。じゃあ、オマエ等が中に入ったら、俺はどこか行くからさぁ。中で話し合ってくれよ」
「チッ!!面倒臭ぇなぁ。その馬鹿が、俺の言う条件を飲みゃあ、話は済むんだがな」
「わかった、わかったからよぉ。兎に角、店の中で話し合えって」
「チッ!!」
武藤は、最後に舌打ちをしながら中に入って行く。
この様子からして、相当、頭に来てるな。
まぁ普段から不機嫌そうに見える要なんだが、こんなに表情に出して怒るのは珍しい。
まだコイツとの付き合いは浅いんだが、今までに一回もこんな表情を見せた事が無かったしなぁ。
だから、真上さんの事で、相当なにか腹に据えかねてるんだろう。
けど、なんで、そんな事になったんだろうな?
ひょっとして、前回の『輸入の件』か?
もしそうだとしたら、この責任の一端は俺にも有るって事になるな。
まぁまぁ、こんな所で考えてても埒が開かねぇ。
兎に角、店の中に入ろう。
***
店内に入った後、3人で、更に奥のテーブルのある部屋まで移動する。
そんで、入るなり開口一番、武藤が話を始める。
「おい、デカブツ。サッサと失せろ」
「あぁ、わかったよ」
真上さんが心配だったが。
変に介入しないって約束した以上、下手に此処に居る訳にもいくまいて。
なので此処は約束通り、この場を去るのが順当と言え様。
「ちょっと待って下さいよ、要さん。このまま2人で話し合っても、なにも進展が無いと思うんです。ですから、倉津さんに仲介して頂いたら、どうでしょうか?」
「舐めてんのかオマエ?この馬鹿を味方につけりゃ、俺が、さっきの話を納得するとでも思ってるのか?ざけんなよ。コイツには、約束通り出てって貰う」
「ですが。それでは、また堂々巡りになってしまうのではないですか?」
「チッ!!卑怯な女だな。あぁもぉ良い。勝手にしろ」
要の奴、マジで怒ってるぞ、これ。
なら俺、用事が有って此処に来たとは言え、こんな席に同席して良いものなのか?
「・・・・・・」
「オイ、サッサと座れよ。テメェがそこに立ってたんじゃ、暗くて適わねぇんだよ」
「あっ、倉津さん、宜しかったら、こちらをお使い下さい」
「あっ、すんません」
真上さんが、俺の席を持って来てくれたので、席に着く。
今、俺と、真上さんは2人で並んで座って、武藤を見ている感じだ。
そんでその武藤はと言えば、腕組をした上に、足まで組んで、俺達を睨みつけてる。
2人を相手にするのに、この態度。
ホントに、コイツは、何事にも動じない男だ。
「っで、なんの話をしてたんだよ?」
「あぁ、そのオマエの横に座ってる引き篭もりの馬鹿女が、俺の報酬を受け取りやがらねぇんだよ。……ただ、それだけのこった」
はぁ?なんだそりゃ?
意味が解らん。
「えっ?いや、真上さん、報酬なんだったら、受け取れば良いじゃないですか?なんで、そんなに頑なに断ってるんッスか?」
「受け取れませんよ。今回のこの件は『広告』の貼り付けで話は済んでるんです。なのに今更『報酬だから受け取れ』って言われても、受け取る訳にはいかないんですよ」
オイオイオイオイ『広告』ってまさか、俺の無理な依頼の話じゃないだろうな。
まさか、ソッチの件で揉めてるなんて、夢にも思わなかった。
俺は、なんて間が悪いんだ。
これじゃあ追加注文なんて、とても出来たもんじゃねぇぞ。
「馬鹿なのかオマエは?金儲けもロクに出来無い貧乏人のクセに、口ばっかり生意気な事を言ってんじゃねぇよ。んな事はなぁ、ちゃんと店を経営が出来てから言え。……このボケが」
「ですが要さん。それを受け取ってしまったら、私の立場が有りません」
「話を聞いてないのかよ?そう言う一丁前の言葉は、儲けてる人間の言う言葉だ。オマエが、それを語るには10年早いんだよ」
「ですが、それでは契約違反ですよ」
「あのなぁ真上。契約違反って言うのは、自分に損害が出た時に言うセリフだ。この状況で、オマエになんの損害が出てるんだ?言ってみろよ。但し『立場』とかツマンネェ事は言うなよ」
「……だから」
武藤が、金銭受諾の話を持ち掛けてるって事は、真上さんの店の台所事情が問題なんだな。
恐らく武藤は、そこを心配して、強引に金を渡そうとした。
けど、真上さんは、基本的に強情だし、頑固。
その上で、筋が通らない事は異常なまでに嫌う。
っで、お互いの意思疎通が上手く出来なくて、揉めてるって感じだな。
なるほどなぁ。
こりゃあ、思ってた以上に、なんとも解りやすい展開だな。
まぁ、これに対して1つ、俺的には、簡単な打開策が有るんだが、今、それを、俺が口に出して言って良いものか?悪いものか?
そこだけが問題だよな。
「ったく、強情な女だな。……おい、デカブツ、さっきから黙ってやがるが、オマエはどう思うよ?」
「話に入って良いのか?」
「あぁ、俺が意見を求めてる時だけ発言権を認めてやるよ」
流石、空気が読める男、武藤要。
俺がなにか思い付いたのを感じたのかして、話を振ってきやがったな。
よしよし、なら、即時解決の為にも、俺の率直な意見でも言うかねぇ。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
問題とは、倉津君の身に起こる事だけが問題ではないのです。
周りが起こす問題でも、自身の身に降りかかって来る事がありますので、今回は、そう言うお話なのです♪
まぁ、なんと言いますか。
此処最近の倉津君は、結構シッカリしてきているので。
そろそろ他人の問題への介入を試練にしても良いかなぁって時期に入って来てると思うんですね。
その始まりがダッツちゃんや、広田君の恋愛事情だったのですが。
今回の件で、今度は、そう言うのとは別の人間関係を学んで欲しい所です。
さてさて、そう成るかは、勿論次回の講釈。
また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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