●前回のおさらい●
眞子の説得のより、初Hに向かって動き出した2人。
去れど、矢張り自分の体の中に【異物】が挿入される事には、まだ眞子には恐怖感が残っているので……
「ほぉ。まぁ、そうなっても、おかしくはねぇわな」
「でしょ。それにね。私も、この体でオイタした事が無いから。それがどういう感覚なのかって言うのも、以前、崇秀さんに触って貰った時の感覚でしか解らないから、尚更怖いのかもしれないね」
「じゃあ、今日の所はヤメとくか?」
「それはヤメない。今更ヤメない」
「即答かよ」
だって……先延ばしにしたら先延ばしにした分、もっと深く考えちゃって、余計に怖く成っちゃいそうなんだもん。
だったら、この際、勢い任せに貫かれてしまった方が、まだマッシだと思うんですよね。
ブッチャケ、遅かれ早かれ。
将来的には2人で子作りをする訳だから、絶対にそういう関係に成って行く訳だしね。
……それにね。
「あい。即答ですね。それと序に言っちゃえばなんですが、どんな感覚のなのか知りたいじゃないですか。知りたいと思いませんか?」
「いや。流石に、その感覚は、俺には解んねぇな」
「ホント?本当に、そうかなぁ?」
「んあ?なんでそう思うんだ?」
「えっ?だってさぁ。女の人とHしてたら、凄く気持ち良さそうじゃない。……っでね。自分の体が女の子に成っちゃったら、それがどんな感覚なのか知りたくなると思うんだけど。違う?」
あれ?これって、私がおかしいのかなぁ?
崇秀さんなら知的探究心が高いから、同意してくれるもんだと思ったんだけど。
案外そこは違うんだね。
「あぁ、そう言う事な。けどよぉ、そこには、必ずしも乗り越えなきゃいけない高い壁が存在するだろ。それってよぉ。そんなに簡単に割り切れるものなのか?」
「あぁまぁ、そうだね。でもさ、1年も女の子をやってりゃ、自然とその辺は割り切れるちゃうよぉ」
「ほぉ、そりゃあまた、なんでだ?」
「そうだねぇ。まぁ、これに関しては、私の仮説でしかないんだけどね。まず半分は諦めだろうね」
「諦め?じゃあ、その感情は諦めから生じたものだって事か?」
「そうだよ。此処はね。どう足掻いても、性別は変わらないって認識しちゃうから、まずは諦めだと思う。でね。だったらこの際、その性別を満喫した方が得なんじゃないかなって思考にも成っちゃう訳。……っで、そうなったら結論的には、男性を異性として見るしかなくなるから。そう言った根本的な部分からして諦めが生じるんじゃないかな」
実際、そう思える位、女性と言う体に引っ張られて、精神的な面が色々変わっちゃったからね。
例えば、あれ程無駄にあった暴力性は、ほぼほぼ失われるわ。
無駄な位に、お喋り好きになるわ。
ちょっと親切にして貰ったら、直ぐにふわふわしちゃうし、嫉妬深くもなった。
こう言った自分自身の変化を目の当たりしたら『もう自分は女性でしかない』と自覚せざるを得ないんですよ。
それ故に、諦めと言う言葉に成っちゃう訳ですね。
「なるほどなぁ。けどよぉ、オマエの場合、俺が戻す研究をしてたじゃんか。あれを加味した上で諦めてたって事か?」
「あぁ、そこは違うよ。今の意見は『一年も女性をやってりゃ、諦める』って部分の一般論を言っただけ」
「ほぉほぉ」
「私の場合は、自ら望んで、この姿のままで居る事を望んでいた訳だから、ほぼほぼ諦めと言う感覚はなかったと思うよ。寧ろ、女性と言う性別に順応していった、って言うのが正確だと思う」
「じゃあ、あの研究自体に期待してなかったと言う訳では無いと」
「勿論だよ。あんなに必死に成ってくれてたのに、期待しない方がどうかしてるよ」
「そっか」
「あぁ、でもね。知っての通り、途中からはヤメテ欲しいと思ってたけどね」
「そっか。そう言う事か」
此処も、色々優柔不断には成ってたけど。
結論から言えば、こうやって眞子を選択出来る立場にして貰えたからこそ、私は眞子として生きる事を選んだ。
だから、そこに関しては諦めではなく、女性と言う性別に順応性していっただけの話だったりする。
「あぁ、そう言えばさぁ。あの研究って、どうなったの?」
「あぁ、あれなぁ。一応、結論は出たんだがな。気付いてないか?」
「えっ?そうなの?……だったら、それって、ノーベル賞クラスの凄い事なんじゃないの?」
「な訳ねぇだろ。もしノーベル賞クラスなら、もっと表立って発表されてるだろうに」
「……って事は、裏方面って事?」
「まぁな。事実だけを言っちまえば。クローン技術の応用を使った方法でしか、今の段階では対応のしようがねぇんだわ。早い話、まずは本体であるAから意識と記憶を取り出し、それをクローンにであるBに植え付けて、男女の性別を入れ替えるしか手立てがない訳だな。しかも、オマエの時とは違って、本体であるAからは【完全に】意識や記憶を取り出しての作業なだけに、人道的にも表沙汰には出来ねぇだろ」
あぁ……そっか。
確かに、それなら、一応の解決には至ってるけど。
そうやってクローンを使った性転換じゃ、人権問題とかも絡んできて、表立っての発表は出来無いかぁ。
しかも、今崇秀さんの話を聞いた感じじゃ、本体であるAは【破棄】されてる可能性が高そうだしね。
それに、コスト面でも大きな問題が残ってそう。
現状じゃあ、金持ちにしか許されない特権みたいな感じだね。
「じゃあ、根本的な部分では解決してないんだ」
「そう言うこったな。……まぁ、それでも、一部の金持ちの間では、自分のクローンを作って、性転換をする奴なんかも居るけどな」
「あぁ、そうなんだ。じゃあ、協力してくれた人達は、どうなんの?」
「なぁに。そこは上手くやってるさ」
「どういう事?」
「わかんねぇか?金持ちから多めに金を頂いて、それらに運用して、協力者全員分のクローンを作っちまえば問題なしなんじゃねぇか」
「あっ……」
「だから、協力してくれた人達の性転換も、ある意味、終了してるよ」
「そっか。それは良かったね。だったら皆さん、凄く喜んでたんじゃない」
「まぁな。世間に認められねぇ様な違法な技術ではあるだけど。俺は、そういうのも有りだと思うぞ」
「だよね」
そっかそっか。
一部の人達だけでも、あの苦痛から開放されたんだったら、それは良かったですね。
私は、なにもしてないですけど、ホッと一安心ですよ。
まぁ……元を正せば、私が事の発端なんだけどね。
ごめんね、貴重な時間を使って貰っちゃって……
「なぁ、眞子。それはそうとよぉ。さっきの話なんだけどよぉ。いつ位から、そう言う心境に成ったんだ?」
「えっ?あぁ、さっきの話って、女性心理に成っていったって話?」
「そぉそぉ。俺にとっちゃあ、まだ、どうにも不可解でな。どうやっても、男に抱かれ様なんて心境には成らねぇんだよな」
「よく言うよぉ。元男の私を抱いてくれ様としてる時点で、崇秀さんも同類じゃない。……それが答えだと思うよ」
だって、どうやっても、チンチンが無いんだもん。
そんなんじゃ、男として生きられる訳ないじゃん。
私は、そんなんで長々と悩むのなんて嫌だもん。
「まぁなぁ。そう言われたら、そうだわなぁ。けどな。俺は、オマエを受け入れる側じゃんか。それに見た目が完全に女だろ。行けなくねぇか?」
「うぅ……そう言われると辛いなぁ。でもね。私は、元がどうあれ、女性として、男性である崇秀さんの事が本気で好きに成っちゃったの。だから、もぉこれ以上の答えはないよ」
「あぁ、悪ぃ。そう言うつもりで言ったんじゃねぇんだぞ」
「あぁうん。心配ないよ。そこはもぉ全然大丈夫だよ」
「そうなのか?」
「うん。モチモチ。だって今はさぁ。自分自身でそう思ってるんだから、もぉその件に関してはなんとも思ってないし。人に、なんて言われ様とも、私は向井眞子であって、崇秀さんの事が大好きな女の子。だから、そんな自分を恥じるつもりもないし、堂々と胸を張って自信満々に生きられてるからね。心配は御無用ですよ」
だって、今の私は、誰よりも幸せなんだもん。
だから、この幸せを手にする事に対しても、なにも後ろめたい事なんてない。
言いたい奴には言わせて置けば良いんだよ。
「スゲェな。そこまで割り切れるもんなんだな」
「そうだね。まぁ、でもあれだよ。私は運が良かったと思うよ」
「運が良いだと?それは、どう言うこった?」
「ははっ……なになに?豪く興味津々なんだね」
「あぁ、悪ぃ」
しょうがないよね。
崇秀さんは解らない事が嫌いだし、良くも、悪くも、知的好奇心の塊だからね。
この話に、深く興味を持ってもしょうがないよ。
「うぅん。別に良いんだよ。……でもさぁ。そろそろ茹って来たから、続きは洗面所に出てから話そっか」
「あぁ、悪ぃ……だな」
可愛いね♪
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
初Hに対して、かなりの恐怖感を持っていた眞子なのですが。
なにやら、浴槽で崇秀を背にしながら話をしている内に、少し余裕らしきものが出てきたみたいですね。
そしてそれは同時に、如何に自分が崇秀の事を好きかを再認識できた感じでもある様です。
良い感じに成って来ましたね♪
さてさて、そんな中。
次回は、風呂場から移動して洗面所へ。
そこでは一体、どの様な会話が成されるのか?
次話では、その辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
いやはや、初Hは準備が大変ですわ(笑)
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