最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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215 不良さん、奈緒さんとの夕飯での会話

公開日時: 2021年9月9日(木) 00:44
更新日時: 2022年12月7日(水) 12:25
文字数:3,012

●前回のおさらい●


 前回は、妄想が爆発しただけの倉津君でした(笑)

 そうこうと1人思考を繰り返していると、奈緒さんが居る台所から良い匂いがしてきた。

どうやら、俺がぼんやりとツマラナイ事を考えてる内に、彼女は、夜ご飯を作りに行ってくれていた様だ。


しかしまぁ、ホント幸せだよな……こう言うのって。



「お待たせクラ。ご飯出来たよぉ」

「ウッス、ウッス、待ってました、奈緒さん!!っで、っで、今晩のオカズはなんッスか?なに作ってくれたんッスか?」

「ふふっ、慌てないの……えぇっと、今日はねぇ。なんと!!スーパーが火曜で特価日だったので、奮発して『鰻』にしてみましたぁ♪」

「うほっ!!鰻ッスか!!そりゃあまた、ご馳走ッスね!!ご馳走!!」

「ふふん、ちゃんと肝のお吸い物もあるよ。嬉しい?」

「そうなんッスか?それは、マジ嬉しいッスよ!!奈緒さん、リッチマンッスね!!」

「いやいや、そんな訳ないでしょ。ただ単に、特価日の上に、時間が7時を廻ってたから、全品が半額になってたのよ。それを買って来たってだけ」

「あの、奈緒さん……そこ、別に、掘り下げて説明しなくて良くねぇッスか?」

「あはは……だね」


屈託無く良い笑顔で笑うよな。


こうやってるとな。

なんか、この時間が永遠に続く様な錯覚を起しちまうんだよな。

なんつぅか、此処に来てなんなんだが、ホント、お互いが一緒に居る時間が、もぉ残り少ない事すら忘れさせてくれる。


こう言うのを、本当の幸せって言うんだろうな。


実に悪くない感覚だ。


まぁこんな感じで、残り4日間を過ごしても悔いはない訳だが。

出来るだけ目一杯遊んで、お互いが言いたい事を言って、偶にHな事なんかしながら、充実した納得の行く時間を過ごしたいもんだよな。


ガンバろ!!



「はいはい、クラ。1笑いした所で、そろそろご飯食べよっか。このまま、いつまでも話してたんじゃ。折角の鰻が冷めちゃうしね」

「そうッスね」

「じゃあ、いただきま~す♪」

「ウッス、いただきますッス」


あぁダメだ。

この幸せには、なにも抵抗なんて出来やしない。


完全に溺れちまいそうだ。


奈緒さんが近くに居てくれるだけで、本当は、こんなにも幸せだったなんてな……気付くのが遅すぎるよな。


こんな単純な事にも気付かずに、俺……なんか、スゲェ無駄な時間を一杯過ごしてたんだな。



「うん?どうしたの、クラ?鰻……安物だから、あんまり美味しくない?」


あぁイカン、イカン!!

ちょっと感傷に浸って、ブルーな気持ちが入っちまってたみたいだな。


今は、そんな事を思う時でも、そんな事をしてる場合でもないのにな。


お互いが、良い時間を共有すべき時なのに、そんな時にまで、奈緒さんを心配させて、どうすんだよ。


なにやってんだかな俺。



「あぁいや、そうじゃないんッスよ。なんちゅうか、奈緒さんの鰻の方が、やけにデカイ様な気がするんッスけど?……これって、気のせいッスかね?」

「えっ?そっかなぁ?一応ね、さっき、均等には切ったつもりだったんだけどなぁ。……ごめんね、クラ。なんなら替えたげよっか?」


冗談って言うか……密かに俺の心の中に滲み出てた、ブルーな気持ちを誤魔化そうとしただけなんだけどな。


この人って、変な所まで律儀なんだよな。



「冗談ッスよ、冗談」

「あのねぇクラ。もぉ!!ビックリしたじゃない。君に、そんな酷い事を言われたら、私が、卑しい食いしん坊みたいに聞こえるでしょ……ホント、人聞き悪いなぁ」

「すんません……ってか、奈緒さん」

「うん?なに?まだ、なんか言いたい事でもあるの?」

「あぁ違うッス……ちょっと動かないで下さいね。絶対、悪戯しませんから」

「うん?……うん、良いよ」


奈緒さんな……口に一粒だけ米粒が付いてるんだよな。


なんか、そう言うのスゲェ可愛いから、そのままにして置いても良いんだけど。

俺は、敢えて、それを取って、自分の口に放り込んだ。



「あっ、なんか食べた」

「美味い!!奈緒さんのエキスが、たっぷり含まれてる米粒は絶品ッスね」

「あぁ、米粒だったんだ……って言うかクラ、エキスってなによ、エキスって……」

「いやいや、奈緒さんの体から抽出されるエキスっす。これ、最高の調味料なんッスよ」

「調味料って……なんだろ?褒めてくれてるんだろうけど。ちっとも嬉しくないんだけど」

「そッスかね?俺としては、これでも、一生懸命褒めてるつもりなんッスよ」

「いや……仮にそうだとしてもだよ。女の子に向ってエキスって言うのは、どうなの?」


あぁ、表現がイマイチ悪かったか……


要するに、俺が言いたのはだな。

奈緒さんが作った物や、奈緒さんが触れた物は『なんでも美味しくなる魔法が掛かる』って意味を伝えたかっただけなんだがな。


こう言う時って、日本語は難しいな。



「いや、あの、まぁ、あれッスよ。奈緒さんの手料理だから美味いって話ですよ」

「誤魔化したなぁ」

「いやいや、マジでマジで」

「だったら、それ、大きな勘違いだよ。……この鰻にしたって、ただ単に『レンチン』しただけだしさぁ。特に変わった調理なんてしてないし」

「じゃあ、あれッスよ。ヤッパリ、さっき言ってた奈緒さんのエキスが滲んでたんじゃないッスか」

「また、そうやって、直ぐにエキスとか言うでしょ。……あのねぇクラ、私の体は、調味料で出来てる訳じゃないんだよ。失礼だね、ホントに」


あっ、怒って膨らんだ。


けど……この流れって、エキスって言葉を上手く使えば。

今夜は2日ぶりに、奈緒さんとHが出来る流れになるんじゃねぇか。


鰻も喰って精力も付いた事だし……なら此処から、一丁、頑張ってみるか!!



「あぁ……じゃあ、奈緒さんが調味料じゃないって証拠を、食後に試しても良いですか?」

「なに?その言い方。遠回しに言ってる様だけど、それってHしたいって事?」

「いやいや、奈緒さんの体を、少し御賞味させて貰うだけッスよ。別にHがしたいって訳じゃないッスよ」

「はいはい。クラは、したくない、したくない」

「うん?なんッスか、それ?なんで、そんな意地の悪い言い方するんッスか?」

「だって、したいなら、したいって、そうハッキリ言えば良いじゃない。私、今まで一回も『嫌だ』なんて、言った憶えないよ」

「それって、ホントは、奈緒さんが、したいだけなんじゃないんッスか?」

「あっそ。……そんな事を言っちゃうんだ。だったら、君のご希望通り、私の体を味見だけさせて上げるよ。……但し、足の裏限定ね。それ以外は、お断り」


いや……それは、それで、別に良い様な気がしないでもないんッスけどねぇ。

なんか、ちょっとマニアックな臭いがプンプンして、実は、中々乙なもんなんじゃないッスかね?


まぁそれ以前にですね。

奈緒さんの足舐めて良いって事は……最終的にはHする雰囲気になる様な気がするんですけど?


ほらほら、奈緒さんって凄い敏感肌だし……違うッスか?



「あぁじゃあ、それで、お願いしちゃって良いですか?」

「良いんだ……でも、よく考えなよ、クラ。足の裏だよ足の裏」

「いや、考える余地なんて、どこにも無いッスよ。だって、奈緒さんの体だったら、何所だって問題無いんですから」

「あぁそうなんだ……ってかクラぁ。これ、食事中にする話じゃないよね」

「あぁ、ほんとッスね。食事中すんません」

「クスッ、まいっか……じゃあ、ご飯の続き食べよっか?」

「そうッスね」


ホントだよな。

なんちゅうマニアックな会話をしながら、俺達は食事してんだよ。


……所っでなんッスけど奈緒さん。

『足の裏の1件』は、どうなったんッスかね?


……いや、なんでもないッス。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ(*'ω'*)


食事中に、なんちゅうマニアック話をしてるんだ、この2人は?


そして次回、倉津君のそんな夢は叶うのか?(笑)


若しくは……


また良かったら、遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ

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