●前回のおさらい●
今の所、元の崇秀の居る世界に戻る算段が付かないので。
取り敢えずは、その期間、こちらの世界でヒナちゃんを手伝う事にした倉津君だったのだが……
……まぁ、そんな事がございましてですな。
取り敢えずは、こんな風にヒナの手伝いをする事になった訳なんでござんすがね。
この直後にな。
「あの……あのさぁ、真琴」
「うん?今度は、なんだよ?」
「もしあれだったら、今日も飲んで行っても良いんだよ」
「へっ?」
「あぁっと、だって、ほら、一応はバンドの結成だし。もっ、勿論、強制じゃないんだからね。飲みたかったら、別に飲んで行っても良いよって、言ってるだけなんだからね。へっ、変に、かっ、勘違いしないでよね」
もぉ、このツンデレ娘だけは。
崇秀って女だったら、此処まで究極的にツンデレに成るんだな。
だったらアイツ……本当に女に生まれた方が良かったんじゃねぇか?
そっちの方が色々と面白いし。
「マジか?じゃあ、少しご相伴に預かって行くわ」
「そっ、そうなんだ。じゃ、じゃあ、直ぐに用意してあげるから、そこに座ってなよ」
「そうか?なんか、悪ぃな」
「べっ、別に良いよ。幼馴染だしさ。いつもの事だし」
「そっか。ありがとよ」
「あぁもぉ、なんか違うのよね」
『ビシッ!!』
「ヘブシ!!」
ホンマに辞めんかい!!
そのオマエのなにかある毎にコンパチを乱発するのはクセか?クセなのか?
この数十分で、何発食らわせる気だよ!!
「痛いわ!!」
「余計な事を言うから、そう言う目に遭うのよ。黙って、座ってろ」
「はいは~~~い」
「もぉ、なんかムカツクなぁ~~」
しかしまぁ、そうやって怒った顔も可愛いのぉ。
ひ~~な~~~ちゃ~~~~ん。
プヒヒヒ……
(↑こんな事ばっかり考えるから、何発もコンパチを食らう羽目に成る俺)
***
そうやってヒナがグラスと酒を取りに行って1分。
少し大きめの籠の中に、酒とグラスを入れて戻ってくる。
そして着席。
「真琴」
「うん?」
「今日は、なにが飲みたい?」
「あぁ、そうだなぁ……」
なにが飲みたい?かぁ……
まぁ俺自身はなんでも飲むから、特にリクエストみたいなものはないんだよなぁ。
それ故に、適当になんか注文しようと思ったのだが。
・・・・・・
此処で俺は、ある事を閃いた。
うん?いや、ちょっと待てよ。
確か昨日、此処で酒を飲んで、余計な事を言っちまった後、そのまま寝ちまったから、こんな訳の解らん事態に成ってるんだったよな。
だとしたら、だとしたらだな。
それを順に追っていけば、また、なにか、そのおかしな現象が起こるかも知れないじゃねぇのか?
まぁ、そんな単純な話でもない様な気がしないでもないが。
取り敢えず、何の動きもなしに、ヒナを手伝いながら『奇跡の帰還を待つ』だけって言うのもなんだしなぁ。
なら、此処は一発……
「お悩み?だったら、なんか適当に作ろうか?」
「ちょっと待ってくれ。是非、作って貰いたい物がある」
「えっ?なになに?飲みたいものがあるなら、別に良いけど。なにを作って欲しいのよ?」
「ブロー・ジョブってカクテルなんだが……出来るか?」
「……最悪」
「へっ?なんで?」
「アンタさぁ、よくもまぁ女の子に、そんなもの頼めるわね」
はい?
どう言う事?
なんでブロージョブを頼んだだけなのに、こんな言われ様をしなきゃいけないんだ?
「なんでぇ?」
「はぁ……あのねぇ、真琴。ブロー・ジョブって、英語のスラングで、なんだったっけ?それを、私にやらせるつもり?」
「へっ?スラング?……えぇっと、確か、ブッ!!」
あの野郎……そういう事か。
だからヒナが、こういう奇妙な反応に成ってたって事かよ。
つぅか、なんちゅうもん飲ませやがるんだよ、あのアホンダラァは!!
最悪だよ。
だから、あの時『知らないと恥を掻く』とか、ワザワザぬかしてやがったんだな。
細かい罠張りやがって……
確かに、意味が解ってたら、男の呑むもんじゃねぇし、女に注文するもんでもないわな。
(↑ブロー・ジョブが気に成ったらWEBで調べてくれ。……口に出しては言いたくねぇから)
「なに?その次も、そう言うスラングが含まれてるカクテルで攻めるつもり?次はメロンボール?」
「いや、あのよぉ、そうじゃなくてな。これには海よりも深い事情ってもんがあって……」
「今、身近に居る人で、誰かが言ってた言葉なんだけど。言い訳って……本当にミットモナイよね。見苦しいよね」
「ウグッ!!今、それを言うなよ。ホントに事情が有るんだからよぉ。頼むから聞いてくれよ、ヒナ。悪意があった訳じゃねぇんだよ」
「じゃあなに?それって、どういう事情よ?」
怒ってらっしゃる。
けど、そんな可愛い顔で怒るなよ。
確かに、この内容も知らずに注文した俺も悪いけどな。
「いやな。実は昨日な。さっき言ってた崇秀って奴と、一緒に夜明かし飲んでたんだよ」
「……っで?」
「まぁそれでな。昨日飲み過ぎてな。此処と同じ場所で、酔って寝ちまった訳だ」
「だから?」
「だからだよ。今朝起きて、こんな状況に成っちまってたんなら。これと同じ物を順に飲めば元の世界に戻るかなって思ってよ」
「……っで、その1杯目がブロー・ジョブだったって事?」
「そう言う事ですな」
「プッ!!頭悪ッ!!事情は解ったけど、普通気付かない?」
笑われたよ。
まぁ、英語を知ってりゃ、普通は気付くわな。
でも、言い訳する訳じゃないんだけどよぉ。
あの時は、そう言う冗談とかを言う様な雰囲気じゃなかったからよぉ。
まさか、そんな時に、こんな性質の悪い冗談を入れて来るとは、お天道様でも気付くまいて。
「まぁ気付くわな」
「でも、中々洒落の効いた人ね。どんな人か似顔絵描いてみてよ。確か真琴って、絵が描けるでしょ」
「あぁ、構わねぇよ」
出来れば、思いっ切りブサイクに描いてやりたい。
いやまぁ、その権利は今俺に委ねられてる訳だから、別にブサイクに書いても、なんの支障もないんだがな
ただ、それを考えなしにしちまうとな。
ヒナは、崇秀と同じ立場の人間だから、此処でブサイクに描いて、変にショックを受けるのも可哀想なんだよなぁ。
だから辞めておこう。
ってな訳で。
一応、近くにあった紙とボールペンで、ちゃんと描いてみる。
けど、これ、なんかスゲェ屈辱だな。
ヒナを傷つけない為とはいえ。
なんで俺が、崇秀なんぞをまともに書かにゃあイカンのだ?
マジで屈辱やわ!!
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
倉津君の思惑通り。
ひょっとしたら、これが元の世界に戻る鍵なのですかね?
その答えは次回明らかに!!……成るかもしれないです(笑)
しかしまぁ、なんですね。
幾ら昨日最初に飲んだカクテルとは言え、ブロージョブを女の子に頼んじゃいけませんよね(笑)
皆さんも気を付けてくださいね。
……ってな感じで。
また良かったら、次回も遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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