最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
殴り書き書店

1540 思わぬ閃き

公開日時: 2025年4月23日(水) 00:21
文字数:2,478

●前回のおさらい●


 今の所、元の崇秀の居る世界に戻る算段が付かないので。

取り敢えずは、その期間、こちらの世界でヒナちゃんを手伝う事にした倉津君だったのだが……

 ……まぁ、そんな事がございましてですな。

取り敢えずは、こんな風にヒナの手伝いをする事になった訳なんでござんすがね。


この直後にな。



「あの……あのさぁ、真琴」

「うん?今度は、なんだよ?」

「もしあれだったら、今日も飲んで行っても良いんだよ」

「へっ?」

「あぁっと、だって、ほら、一応はバンドの結成だし。もっ、勿論、強制じゃないんだからね。飲みたかったら、別に飲んで行っても良いよって、言ってるだけなんだからね。へっ、変に、かっ、勘違いしないでよね」


もぉ、このツンデレ娘だけは。

崇秀って女だったら、此処まで究極的にツンデレに成るんだな。


だったらアイツ……本当に女に生まれた方が良かったんじゃねぇか?


そっちの方が色々と面白いし。



「マジか?じゃあ、少しご相伴に預かって行くわ」

「そっ、そうなんだ。じゃ、じゃあ、直ぐに用意してあげるから、そこに座ってなよ」

「そうか?なんか、悪ぃな」

「べっ、別に良いよ。幼馴染だしさ。いつもの事だし」

「そっか。ありがとよ」

「あぁもぉ、なんか違うのよね」


『ビシッ!!』



「ヘブシ!!」


ホンマに辞めんかい!!

そのオマエのなにかある毎にコンパチを乱発するのはクセか?クセなのか?


この数十分で、何発食らわせる気だよ!!



「痛いわ!!」

「余計な事を言うから、そう言う目に遭うのよ。黙って、座ってろ」

「はいは~~~い」

「もぉ、なんかムカツクなぁ~~」


しかしまぁ、そうやって怒った顔も可愛いのぉ。


ひ~~な~~~ちゃ~~~~ん。


プヒヒヒ……

(↑こんな事ばっかり考えるから、何発もコンパチを食らう羽目に成る俺)


***


 そうやってヒナがグラスと酒を取りに行って1分。

少し大きめの籠の中に、酒とグラスを入れて戻ってくる。


そして着席。



「真琴」

「うん?」

「今日は、なにが飲みたい?」

「あぁ、そうだなぁ……」


なにが飲みたい?かぁ……

まぁ俺自身はなんでも飲むから、特にリクエストみたいなものはないんだよなぁ。


それ故に、適当になんか注文しようと思ったのだが。


・・・・・・


此処で俺は、ある事を閃いた。


うん?いや、ちょっと待てよ。

確か昨日、此処で酒を飲んで、余計な事を言っちまった後、そのまま寝ちまったから、こんな訳の解らん事態に成ってるんだったよな。


だとしたら、だとしたらだな。

それを順に追っていけば、また、なにか、そのおかしな現象が起こるかも知れないじゃねぇのか?


まぁ、そんな単純な話でもない様な気がしないでもないが。

取り敢えず、何の動きもなしに、ヒナを手伝いながら『奇跡の帰還を待つ』だけって言うのもなんだしなぁ。


なら、此処は一発……



「お悩み?だったら、なんか適当に作ろうか?」

「ちょっと待ってくれ。是非、作って貰いたい物がある」

「えっ?なになに?飲みたいものがあるなら、別に良いけど。なにを作って欲しいのよ?」

「ブロー・ジョブってカクテルなんだが……出来るか?」

「……最悪」

「へっ?なんで?」

「アンタさぁ、よくもまぁ女の子に、そんなもの頼めるわね」


はい?


どう言う事?

なんでブロージョブを頼んだだけなのに、こんな言われ様をしなきゃいけないんだ?



「なんでぇ?」

「はぁ……あのねぇ、真琴。ブロー・ジョブって、英語のスラングで、なんだったっけ?それを、私にやらせるつもり?」

「へっ?スラング?……えぇっと、確か、ブッ!!」


あの野郎……そういう事か。

だからヒナが、こういう奇妙な反応に成ってたって事かよ。


つぅか、なんちゅうもん飲ませやがるんだよ、あのアホンダラァは!!


最悪だよ。

だから、あの時『知らないと恥を掻く』とか、ワザワザぬかしてやがったんだな。


細かい罠張りやがって……


確かに、意味が解ってたら、男の呑むもんじゃねぇし、女に注文するもんでもないわな。

(↑ブロー・ジョブが気に成ったらWEBで調べてくれ。……口に出しては言いたくねぇから)



「なに?その次も、そう言うスラングが含まれてるカクテルで攻めるつもり?次はメロンボール?」

「いや、あのよぉ、そうじゃなくてな。これには海よりも深い事情ってもんがあって……」

「今、身近に居る人で、誰かが言ってた言葉なんだけど。言い訳って……本当にミットモナイよね。見苦しいよね」

「ウグッ!!今、それを言うなよ。ホントに事情が有るんだからよぉ。頼むから聞いてくれよ、ヒナ。悪意があった訳じゃねぇんだよ」

「じゃあなに?それって、どういう事情よ?」


怒ってらっしゃる。

けど、そんな可愛い顔で怒るなよ。


確かに、この内容も知らずに注文した俺も悪いけどな。



「いやな。実は昨日な。さっき言ってた崇秀って奴と、一緒に夜明かし飲んでたんだよ」

「……っで?」

「まぁそれでな。昨日飲み過ぎてな。此処と同じ場所で、酔って寝ちまった訳だ」

「だから?」

「だからだよ。今朝起きて、こんな状況に成っちまってたんなら。これと同じ物を順に飲めば元の世界に戻るかなって思ってよ」

「……っで、その1杯目がブロー・ジョブだったって事?」

「そう言う事ですな」

「プッ!!頭悪ッ!!事情は解ったけど、普通気付かない?」


笑われたよ。


まぁ、英語を知ってりゃ、普通は気付くわな。


でも、言い訳する訳じゃないんだけどよぉ。

あの時は、そう言う冗談とかを言う様な雰囲気じゃなかったからよぉ。


まさか、そんな時に、こんな性質の悪い冗談を入れて来るとは、お天道様でも気付くまいて。



「まぁ気付くわな」

「でも、中々洒落の効いた人ね。どんな人か似顔絵描いてみてよ。確か真琴って、絵が描けるでしょ」

「あぁ、構わねぇよ」


出来れば、思いっ切りブサイクに描いてやりたい。

いやまぁ、その権利は今俺に委ねられてる訳だから、別にブサイクに書いても、なんの支障もないんだがな


ただ、それを考えなしにしちまうとな。

ヒナは、崇秀と同じ立場の人間だから、此処でブサイクに描いて、変にショックを受けるのも可哀想なんだよなぁ。


だから辞めておこう。


ってな訳で。

一応、近くにあった紙とボールペンで、ちゃんと描いてみる。


けど、これ、なんかスゲェ屈辱だな。


ヒナを傷つけない為とはいえ。

なんで俺が、崇秀なんぞをまともに書かにゃあイカンのだ?


マジで屈辱やわ!!


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


倉津君の思惑通り。

ひょっとしたら、これが元の世界に戻る鍵なのですかね?


その答えは次回明らかに!!……成るかもしれないです(笑)


しかしまぁ、なんですね。

幾ら昨日最初に飲んだカクテルとは言え、ブロージョブを女の子に頼んじゃいけませんよね(笑)


皆さんも気を付けてくださいね。


……ってな感じで。

また良かったら、次回も遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート