最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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696 モルモット

公開日時: 2023年1月3日(火) 00:21
更新日時: 2023年1月23日(月) 13:51
文字数:3,002

●前回のおさらい●


 マイアミでのブッ倒れライブ以降。

なにかにつけて、今まで一生に演奏してくれたミュージシャンさん達がHELPをする為に、眞子の元を訪れてくれた。


そのお陰もあって、なんとか首都ワシントンまで到着する事が出来た。


 まぁそんな感じで、毎日充実した日々を楽しく送らせて貰っている私なんですけどね。


実は私が、此処まで何とかやってこれたのって……これ以外にも、もっともっと、ちゃんとした理由があるんですよ。


それが何かと言いますと。


実はさぁ……あのマイアミの一件以来、ズッとホランドさんが、私のライブに同行してくれてるのよ。

しかもね、電車に乗ってる途中で、急遽体調不良を起しちゃいけないと思って貰えてるのか、マイアミから、ズッと自分の車を出して、私を横に乗せて運転してくれてるんですよ。


もぉこの時点で、十分な程、至れり尽くせりなんだけど。

ホランドさんは、元々お医者さんを目指していたらしく、日々の『体調管理』から『食事の管理』まで、全部管理してくれている。


確かに、このホランドさんの行為には、幾ら感謝の念を口にしても尽きないんだけど……此処までしてくれる理由が、どうしてもわからなくて、車内で本人に聞いてみたところ。


こう言う……嫌な答えが返ってきたのよ。


それがこれ(↓)



「君みたいな馬鹿を世の中に放置したら、なにを仕出かすか解ったもんじゃない。君の様な無謀で危険な人物には、ちゃんとした保護者が必要だ。……それに付け加えるなら、将来、私は『馬鹿に付ける薬』でも開発しようと思ってる。君程、これに適した最高のサンプルは、私の知り合いには居ない。だから君に付き合っているだけだ」


……って、容赦の無い酷い事を言われた。


そんで当然、心の中で『馬鹿じゃないもん!!』って思ったので、ちょっとだけ反抗を試みてみる。



「そっ、そんなに馬鹿じゃないですよ。こっ、これでも、けっ、結構、学校の成績は悪くないんですよ。……中の中ぐらいですけど」

「君は、なにを聞いていたんだ?それは曲解も良い所だ。呆れる馬鹿さ加減だ」

「どうしてですか?」

「良いかい、眞子?学問なんて言うものは、普通に学校で勉強さえやってれば、ソコソコ90点ぐらいは取れるもんだ。私の言ってる事は、そう言う事を言ってるんじゃない。話を、ちゃんと聞きなさい」


きゅ、きゅ、きゅ、きゅ、90点!!

ホランドさんの話よりも、そっちの方が思いっ切りビックリしましたよ!!


学校で勉強するだけで90点なんて取れないって!!


まぁでも、そう言う人だからこそ。

私なんかを見たら、ホランドさんには、ただの馬鹿にしか写らないんだろうなぁ。


『口惜しい』っと思うと同時に……凄く嫌な感じですよ。



「じゃあ、此処までしてくれる理由は、私の観察なんですか?」

「そう言う事だ。ハッキリ言えば、君は、明らかに頭がおかしい。……もっとハッキリ言えば『変』だ『狂ってる』。そこを自覚出来てないなら、まず、そこを自覚しなさい」

「酷い!!酷過ぎますよ!!言い過ぎですよ!!」

「いいや、言い過ぎでは無い。君は確実に『キチガイ』だ」


馬鹿の上ですか?


もしそうなら、そんな上位クラスに転職したくないんですけど?

それともそれは、問答無用で『自動転職システム』でも搭載されてるって事ですかね?


ヤ・メ・テ!!



「もぉ良いですよ。……じゃあ、馬鹿でも良いですけど。そこまでして、私を観察する意味なんてあるんですか?」

「確実にあるね」

「それって……なんですか?」

「先程も言ったがね。更に、解り易く、噛み砕いて言うとだね。私にとっては、君の常軌を逸した破天荒な行動をとらせる、その頭のおかしさが不可解で成らない。故に、君の観察を兼ねて同行している」

「あの、私……モルモットなんかの扱いですか?」

「いや、そうではない。モルモットなら、もっと従順だ。君は、私に対して反抗しかしないから、まずにして全く可愛げが無い。……私から言わせれば、モルモット以下の存在だ」


うわっ!!この言い草……これじゃあ、折角の親切が、全て台無し。

『良い人』なのか?それとも『嫌な人』なのか?すら、全く区別が付かなくなって来たよ……


いや、違う。


……この人は、ただの嫌な人だ。



「別にホランドさんに対して、私、なにも反抗してないじゃないですか。……初日以外ですけど」

「どこがだね?」

「全部です。マイアミ以降、凄く従順だと思いますが」

「では聞くが。何故、私の作った朝食の『トマト』を食べない」


そこ?



「あの~~~、それはですね。なぁ~~~っとなく、あの酸味が嫌いなもので。それに、トマトを生で食べると、口の中に口内炎が出来るんですよ」

「そうか。なら、トマトの件は了承しよう。では、何故、パセリを食べない?」

「苦いから?」

「うくっ……何を言うかと思えば。子供みたいな事を言う」

「子供ですけど」

「そう言う事を言ってるんじゃない。体の大きな子供だと言っているんだ。……大体にして君は、食べ物の好き嫌いが多過ぎる。それを反抗と言わずして、なんと言うのかね?答えてみなさい」

「それ、反抗って言うより……ホランドさんの料理に愛情が足りないとかじゃないですか?」

「異な事を……何故そうなる?」

「えぇ~~~、だって、日本でお世話になってる奈緒さんって人が作ってくれた料理なら、私、なにも残しませんよ。嫌いなものでも、奈緒さんなら上手く調理してくれますから、1度たりとも食事を残した事が有りませんよ」


世界に通じる『奈緒飯』最高!!

寧ろ、いつも愛情タップリの料理なので『世界一』の称号をあげたい位ですよ!!


……あぁでも、崇秀の料理も好き!!

なんせ、ほっぺたが落ちる勢いの美味しさだからね♪


私の『恋人』と『親友』は、神の調理人なのですよ!!



「解らない子だな。嫌いな物を食べてる認識があるなら、味なんて物は、そんなに気になるものでもないだろうに。それに素材を最高の状態で生かすなら、出来るだけ手を加えない方が、栄養が体に無駄なく行き届く。健康の為には、その方が良いと思うんだがね」


またぁ~~。

また、そう言う可愛くない理屈を言う。


栄養摂取の為に食べるんじゃなくて、美味しい物を食べた方が、人生幸せ一杯じゃないですか。


意味がわかんないよ。



「あの、ホランドさんって、美味しい物を食べた事が無いんですか?」

「悪いが、余り興味は無いな。人間の食事と言うものは、栄養を摂取する為にある。味付けなんてものは、実際の所は余計なものでしかない。寧ろ、化学調味料を使うなど言語道断と言えるな」

「でも、美味しく食べれますよ」

「不健康極まりないだけだな。君は『栄養管理』っと言うものが、なにもわかっていない様だ」


そぉかなぁ?


上手く調理して、栄養を最大限に生かした上で、美味しく食事するのが、ご飯の正しい食べ方だと思うんだけどなぁ。


それになんかですね。

『栄養、栄養』言ってたら、湿っぽくない?



「あぁでも、ホランドさんは、そう言いますけど。……実は、崇秀も料理作ったりしますよ。しかも『超』が付く程の絶品料理を」

「仲居間さんが料理を作る?また、異な事を言う」

「なんでですか?」

「料理なんて物は、さっきも言った通り、栄養を取る為に最低限度の調理だけで十分だ。それを仲居間さんが、ワザワザ手の込んだ調理をするとは思えないな。あの人は、効率を重視して生きてる筈だが……違うか?」


あっ……それは、大きな勘違いですよ。


ホランドさんが、此処に来て初めて、崇秀についての大きな勘違いをしてる。


にゃら、にゃら。

これをチャンスと考えて……ちょっと、これをネタにしてホランドさんをからかってやるもんね。


これは、意地の悪い屁理屈バッカリ言ったホランドさんへの罰ですよ。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


眞子……完全にホランドさんのモルモットと化してますね(笑)


まぁ今現在の眞子は、近年稀にも見ない程のお馬鹿ちゃんなので。

将来、馬鹿につける薬でも開発しようとしてるホランドさんにとっては、これ以上の適任は居ないんですがね(笑)


さてさて、そんな中。

ホランドさんとの会話の中で、なにやら反撃の狼煙を上げるチャンスを得た様なのですが。

一体、眞子は、どの様にしてホランドさんに反抗しようとしているのでしょうか?


次回は、その辺を書いていきたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾

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