●前回のおさらい●
ちょっと変な雰囲気に成ってる教室から、真上さんと由佳ちゃんを連れて、由佳ちゃんのお姉さんがバイトしている店に荷物を借りに行く事に成功した倉津君。
その車内では……
……っで、この後3人でだな。
矢張り、無免で車に乗って来ていた真上さん家のバンに3人で乗り込んで。
由佳の姉が勤める『スタンリーバックス』なる、如何にもパチモン臭いネーミングの店に向って行った。
その間、到着までに時間が有ったので、運転しながら、先程の男共の件を2人に説明。
……っと同時に、真上さんには、深く謝罪をする。
けど、その時な。
真上さん自身は笑顔だったんだが『演技だとわかっていても、矢張り、嘘を付かれるのは悲しいですね』って言われたんだよな。
これは俺の自業自得とは言え、かなり心苦しいものがあったのは、言うまでもない。
もっと言えば、この人から発せられる言葉は特殊で、そう言う風に言われるだけで『心に溜める罪悪感がハンパじゃなかった』とも言えよう。
まぁ、そんな物凄い罪悪感を抱えながらも、取り敢えずだが、さっきの件は終了する。
っでだ。
丁度、その頃にはだな。
いつも通り、高速を使った移動していたので、バンが横浜に到着。
更に少し入り組んだ道を行くと、著作権ギリギリのネーミングセンスの怪しい店に到着する。
そこからはだな。
店長らしき『外人』と、由佳の姉に当たる『唯』なる人物に、挨拶も程々に、手早く借りる物をバンに詰め込み。
そんで帰校する。
(関係ない話だが、由佳のおねぇさん……金太郎飴かって位、由佳にソックリだったな)
***
さてさて、そうやって。
著作権ギリギリのネーミングセンスの怪しい店から、帰校したのは良いんだが……またしても、教室の様子がおかしい。
今、3人で教室の近くまで来てるんだが、なにやら必要以上に、教室内が騒がしいんだよな。
まぁ、さっきみたいに、文化祭の準備で騒いでるなら、別にどうでも良いんだが。
寧ろ、教室内がザワザワと騒がしいと言うか、喧騒としてると言うか、どうにもこうにも、尋常じゃない雰囲気を醸し出してるんだよな。
これはまるで……誰もが予期せぬ様な困った事態が起こって、収拾しきれてない時の様な感じだ。
なのでこの事態に、なにか非常に嫌な予感がする。
まぁ本来、何事もなく、平和で、安寧に生きたい俺としてはだな。
出来れば、こう言う厄介事には一切合切関わりたくないのだがな。
今の現状じゃ、そう言う訳にもいかない。
理由は勿論、著作権ギリギリのネーミングセンスの怪しい店から借りて来た『道具一式』を、教室に運び込まなきゃいけないからだ。
面倒は御免被りたい処だが、理由がこれだけに仕方が無い。
俺は諦めにも似た気持ちで、教室の扉を開けた。
するとだ。
矢張りと言うか、必然と言うか。
『これはオマエ……流石にダメ過ぎんだろ』って状況が待ち受けていた。
―――『なにがあったか?』って言うとだな。
『真上さんが持って来てくれたティーポット及びティカップが、全て破壊されてたんだ』
それを見た真上さんは、ほんの一瞬だけ『怒った』様な表情を見せたが、結局、それ以上は怒る事もなく。
彼女は割れた食器類を片付ける為に、素手で破片を拾い集め始めた。
その表情は、凄く悲しそうな顔をしていた。
当然、俺は、そんな彼女を見て黙ってられる程、人間は出来ていない。
例え真上さんが全てを不問にしたとしても、こんな卑劣な行為は許されるもんじゃない。
教室に居る全員を睨みつけながら、俺は威圧の声をあげた。
「オイオイ、コイツはまた派手にやってくれたもんだな。どこの誰がやったかは知らねぇがな。こんな事をしてタダで済むと思うなよ。犯人が見つからなきゃ、此処に居る全員、全殺し確定だよ」
「ちょっとアンタ等、最低なんじゃない!!これ、誰がやったのよ?名乗り出なさいよ。ねぇ誰?……誰なのよ!!」
どうやら俺よりも、由佳の方が、この件に対する怒りのゲージが高いらしい。
人殺しの様な目をしながら、此処に居る全員を威圧し始めた。
そういやぁ、車の中で、2人共やけに楽しそうにしてたからな。
それだけに、真上さんに対するこう言う陰湿な行為には、相当、腹に据えかねたんだろうな。
普段は、虐めっ子のクセによ。
「舞歌ぁ。アンタ、此処に居たんだよねぇ。犯人、誰?誰が、こんな酷い事したの?教えてよ」
「しっ、知らない」
どうやら由佳は、自分が一番信用の置ける伊藤に、この件の犯人を問い質すつもりの様だ。
なら、俺は……残った他の奴等を威圧しながら、1人1人睨んで行くだけだ。
『俺から目を逸らした奴が、犯人な』
……って言う、勝手な不良の定義で、犯人探しを敢行する。
「『知らない』って、なによ?それ、どういう意味よ?アンタ、此処に居たんだから、知ってるでしょ。……ねぇ、誰よ?誰?ねぇ、誰なの?って聞いてるでしょ。答えなさいよ」
「だから、私は、本当に知らないんだって」
「なんで、そんな見え透いた嘘を吐くのよ?それともなに?此処に居たのに知らないって事は、アンタも共犯なの?」
「だから違うって!!そう言うんじゃなくて、私、トイレに行って、帰って来たら、もう割れてたんだから!!知らないわよ!!」
伊藤のこの言葉に、少しだけ『良かった』と感じた。
いや、決して、この状況自体は良くはないんだが、伊藤が犯人じゃなかったのは、本当に良かったっと思える。
これは、ホント、個人的な見解なんだがな。
俺としては、真上さんを心配した伊藤が、そんな嫌な事を平気でする様な奴であって欲しくなかったんだよな。
俺は、違った意味で、此処だけは少し安心した。
「じゃあ誰?これ、誰が壊したの?」
けど、由佳の怒りは、この程度が露見したからと言って収まらない様だ。
未だに、教室に居る全員を威圧してやがる。
そんな折……
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
上手く教室から抜け出せたと思ったのも束の間。
借りものをして教室に戻ってきたら、真上さんに対する『クラスの女子の嫉妬心』が爆発してしまったのか。
真上さんが大切にしている『紅茶のセットを全破壊』されてしまったようですね。
そしてそれを目の当たりにした由佳ちゃんは大怒り!!
まぁ、真上さんの良さを肌で感じたが故に、彼女に対する、こんな嫌がらせが許せなかったんでしょうね。
さて、そんな中。
これを見た瞬間だけは、少しだけ怒った様子を見せた真上さんですが。
彼女は一体、この場を、どう考えるのでしょうね?
それは次回の講釈。
また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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