最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
殴り書き書店

727 私のベースランキング?

公開日時: 2023年2月3日(金) 00:21
文字数:3,127

●前回のおさらい●


 ステージになんとしても上がりたい眞子だったが。

その意志に反して、協演を望んだ知り合いからは、何故か全員から拒否される。


一体、何故、眞子は拒否されているのか?

「ごめんなさい。……興味が無いんで、全然知りません。個人だと4000位ぐらいのもんですかね?」

「ブッ!!……コイツだけは信じられねぇな。俺なんかライブが有る毎にチェックしてるのによぉ」

「ごっ、ごめんなさい。……あの、でも私って、楽しく演奏出来れば、それだけで良いんで。その他はなにも考えていませんでした」

「オイオイ、マジかよ。GUILDランクを気にしない登録者なんて初めて聞いたぞ。これって、メジャーや、業界に通じるラインなるんだぞ」

「あぁっと、ごめんなさい。そう言うの、あんまり気にしてないんで……って言いますかね。それを気に出来る程の腕じゃないんで」

「嫌味だ嫌味」

「アンちゃんの言う通り、嫌味だ嫌味」


えぇ~~~っ!!

嫌味なんか、なに1つ言ってないのにぃ!!


みんな、上手いからって酷いですよぉ!!



「違います、違います。そんなの誤解ですよ。嫌味なんて1言も言ってないですよ」

「ぷぷぷっ……」

「エアリスさん、なんで笑うんですか?」

「だって……ねぇ、鞍馬。因みにだけど、私の個人ランク知ってるの?」

「あぁ、はい。エリアスさんのは、地元の皆さんが教えてくれたので知ってますよ♪確か総合で70位ですよね♪総合で100位以内なんて凄いです」

「うわっ!!この子、凄い天然だ。じゃあさぁ、その半分以下の23位の人って、もっと凄いよね」

「あぁ……まぁ、直接逢った事が無いので、なんとも言えませんが。凄いんですかね」

「逢った事ないんだ」

「あぁ、はい、ないですね」


エリアスさんより凄い人って……どんな人?


あぁ……そう言えば。

【オクラホマ州オクラホマ・シティ】のベクター=グリムさんが、確かベースランク8位で個人ランクが30位だったから。

あの人で30位って事は……相当凄いね、その人。


想像も付かないや。



「そぉ、因みにだけどね。此処に居る全員が、その子に逢った事があって、凄いファンなんだけどね」

「へぇ~~~、そうなんですか。その人、どんな人なんですか?」

「あぁまだ、気付かないんだ。あのね、その子はねぇ。凄い天然な女の子なの」

「へぇ~~~、女の子なんですね。可愛いんですか?」

「あぁうん。一目見ただけで、ポケットに入れて持って帰りたくなるわね」

「へぇへぇ。エリアスさんが、そこまで言うんだから、相当、可愛いんですね。私も、是非、逢ってみたいです。それでですね、出来ればベースを教えて貰いたいです」


凄い子が居たもんだね。


ベースが上手くて、可愛いなんて……そんなの殆ど反則技じゃん。


その力の半分で良いから、私に下さい。

そしたら、皆さんが『私を指名』してくれるかも知れないんで……


プリーズ、プリーズ。



「ププッ……ダメだわ。もぉ無理。誰か代わって……」

「はい?なにがですか?」

「いや断る。そんな天然な奴。まともに相手出来るか。ぷぷっ……」

「ちょ!!なんで、そんな扱いなんですか?」

「まだ解ってねぇし。ぷぷぷっ……」

「あの、なんで、皆さん笑ってるんですか?私、なにか変な事を言いましたか?」

「変な事しか言って無いぞ。ぷぷぷっ……」

「アンちゃんの言う通りだ。ぷぷぷっ……」

「ちょっと!!本当になんなんですか?」


なにこれ?



「うぅ~~んとね。ぷぷっ……因みに鞍馬は、自分のベースランクが何位ぐらいだと思ってるの?」

「またランクですか?う~~~ん。ベースランクなら、多分800位ぐらいですか?」

「ぷぷぷっ……無理、本当にもぉ無理。あはっははっははっはは……」


えぇ~~~っ!!笑われてるって事は、もっと下なの?


まぁまぁ、最初からある程度弾ける『兵共が集まる』場所がGUILDランカーのシステムだから解らなくもないかぁ。


確か、登録したてのベースの初期最低ランクが872位。

そこから44箇所のライブをやって、1つづつランクが上がれたとしても828位……


所詮は、そんなもんかぁ……


それになにより、日本の音楽は、アメリカから10年遅れてるとか、崇秀が言ってたしね。


はぁ~~……そりゃあ、そんな奴と一緒にやりたくないよね。


そっか、そっか。

今のエリアスさんの話で、自分の実力を再認識した。


こんな実力じゃあ笑われて当然だし。


……哀し過ぎる。



「あの、すみませんでした。自分の実力も弁えず『一緒にやりたい』なんて、厚かましい我儘言って、ごめんなさい」


はぁ……私って、本当に厚かましいなぁ。


828位(仮)の分際で、自重しろって話ですよ。


一人で盛り上がってミットモナイなぁ。



「違うわよ。鞍馬のベースランクが7位なの。だから、みんな鞍馬を指名出来無いの」

「はい?なにがですか?……言ってる意味が、よくわかりませんが?」

「ホント鈍いわね。この子は」

「あの~~~、それは、よく言われますけど。その話自体が、おかしいじゃないですか」

「どうして?」

「だってですね。なんで私なんかが、エリアスさんより上になるんですか?そんなのなにも納得出来無いですよ。エリアスさんの方が、私なんかよりズッと上手いのに……こんなランキングシステム、全然アテにならないですよ。ホント、ロクでもないですね」

「えぇ……ランクが上に上がって怒る人、初めて見たわ」

「普通、下がって怒るよな」

「まぁ、鞍馬らしいと言えば、鞍馬らしいけどな」

「禿同」

「兄同」


なんにもわかってないなぁ!!

エリアスさん、凄くベースの演奏が上手くて、見た目も可愛い人なんだから……私なんかより、絶対に上だもんね!!


それに、超優しい人だし、私を何度も助けてくれた恩人なんだよ!!


このシステム、人を馬鹿にしてるの?

作り手の崇秀に似て、このダメダメランキング・システム!!


潰したろか!!



「もぉムカツクなぁ。エリアスさんの良さが解らないなんて、アメリカ人の眼は全員節穴ですよ。眼ん玉の中にビー玉でも入れたろか」

「ちょ……本気で怒ってるの?」

「当たり前ですよ!!私、もぉ滅茶苦茶怒ってますよ!!」


こんなの不当だ!!



「そぉ。ありがとう、鞍馬。……でも、私はね、GUILDランクは、正確な判断をしてると思うわよ」

「どうしてですか?私、そんなに評価して貰えるほど上手く無いですよ」

「でも、みんなが、そう思ったから評価されてるんでしょ。私も、その1人なんだけどなぁ。それでも気に喰わない?」

「エリアスさんが、私をですか?」

「そうよ。私は、鞍馬の音楽が大好き。……でもね。同じベースを弾く人間として、いつまでも負けてる気はない。直ぐに抜いてあげるから、覚悟しなさいよ」


そっか……


GUILDランクなんて、別に、どうでも良いけど。

エリアスさんや、それに他にも知り合った皆さんが、私の音楽を好きだって言ってくださるなら、それはそれで良いのかな?


それに『勝負事』って好きだから……そう言われると、エリアスさんに負けたくなくなってきた。


うっし!!じゃあ、宣戦布告!!



「じゃあ私も、もっと、皆さんに認めて貰える様に頑張ります。エリアスさんに負けたくないですもん」

「言うわね。私も鞍馬ほどじゃないけど、登録から4ヶ月で、此処まで登って来たんだから。あまり舐めない方が良いよ」

「そんな、そんな。舐めるなんて、とんでもないですよ。私、馬鹿だから、いつも必至にしか演奏出来無いだけなんですよ。でもぉ、エリアスさんにライバル心が出たんで、絶対に負けませんよ」

「そう言うの良いと思うわよ」

「あぁでも、また機会が有ったら一緒に演奏して下さいね。私、エリアスさんの音が大好きなんで」

「勿論よ。喜んで」

「やった♪そこだけで、実は満足です」

「この子だけは……」


ふふっ……やったね♪


あとね、あとね。

この後、他の方にも『また一緒に演奏して下さいね』って確認を取ったら、全員から『OK』って言ってくれた。


ははっ……これは本当に嬉しい♪


ヤタッ!!


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


眞子……ランクが高くて、他の演者が逆指名出来なかっただけですね(笑)


まぁでも、こう成ったのも、アメリカ45箇所ライブでコツコツと実績を積んで来たからこそ出来た価値。

此処でチャランポランな事をしてきていたら、逆指名以前の問題として、みんなに相手にされなかった可能性すらありますからね。


なので、これは頑張った証拠なのです♪


さてさて、そんな風に、みんなから求められる人材に成りつつある眞子なのですが。

眞子の立場としては、みんなに求められるからこそ辛い部分もあります。


なので、次回は、そんな眞子の葛藤を書いていきたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート