●前回のおさらい●
ステージになんとしても上がりたい眞子だったが。
その意志に反して、協演を望んだ知り合いからは、何故か全員から拒否される。
一体、何故、眞子は拒否されているのか?
「ごめんなさい。……興味が無いんで、全然知りません。個人だと4000位ぐらいのもんですかね?」
「ブッ!!……コイツだけは信じられねぇな。俺なんかライブが有る毎にチェックしてるのによぉ」
「ごっ、ごめんなさい。……あの、でも私って、楽しく演奏出来れば、それだけで良いんで。その他はなにも考えていませんでした」
「オイオイ、マジかよ。GUILDランクを気にしない登録者なんて初めて聞いたぞ。これって、メジャーや、業界に通じるラインなるんだぞ」
「あぁっと、ごめんなさい。そう言うの、あんまり気にしてないんで……って言いますかね。それを気に出来る程の腕じゃないんで」
「嫌味だ嫌味」
「アンちゃんの言う通り、嫌味だ嫌味」
えぇ~~~っ!!
嫌味なんか、なに1つ言ってないのにぃ!!
みんな、上手いからって酷いですよぉ!!
「違います、違います。そんなの誤解ですよ。嫌味なんて1言も言ってないですよ」
「ぷぷぷっ……」
「エアリスさん、なんで笑うんですか?」
「だって……ねぇ、鞍馬。因みにだけど、私の個人ランク知ってるの?」
「あぁ、はい。エリアスさんのは、地元の皆さんが教えてくれたので知ってますよ♪確か総合で70位ですよね♪総合で100位以内なんて凄いです」
「うわっ!!この子、凄い天然だ。じゃあさぁ、その半分以下の23位の人って、もっと凄いよね」
「あぁ……まぁ、直接逢った事が無いので、なんとも言えませんが。凄いんですかね」
「逢った事ないんだ」
「あぁ、はい、ないですね」
エリアスさんより凄い人って……どんな人?
あぁ……そう言えば。
【オクラホマ州オクラホマ・シティ】のベクター=グリムさんが、確かベースランク8位で個人ランクが30位だったから。
あの人で30位って事は……相当凄いね、その人。
想像も付かないや。
「そぉ、因みにだけどね。此処に居る全員が、その子に逢った事があって、凄いファンなんだけどね」
「へぇ~~~、そうなんですか。その人、どんな人なんですか?」
「あぁまだ、気付かないんだ。あのね、その子はねぇ。凄い天然な女の子なの」
「へぇ~~~、女の子なんですね。可愛いんですか?」
「あぁうん。一目見ただけで、ポケットに入れて持って帰りたくなるわね」
「へぇへぇ。エリアスさんが、そこまで言うんだから、相当、可愛いんですね。私も、是非、逢ってみたいです。それでですね、出来ればベースを教えて貰いたいです」
凄い子が居たもんだね。
ベースが上手くて、可愛いなんて……そんなの殆ど反則技じゃん。
その力の半分で良いから、私に下さい。
そしたら、皆さんが『私を指名』してくれるかも知れないんで……
プリーズ、プリーズ。
「ププッ……ダメだわ。もぉ無理。誰か代わって……」
「はい?なにがですか?」
「いや断る。そんな天然な奴。まともに相手出来るか。ぷぷっ……」
「ちょ!!なんで、そんな扱いなんですか?」
「まだ解ってねぇし。ぷぷぷっ……」
「あの、なんで、皆さん笑ってるんですか?私、なにか変な事を言いましたか?」
「変な事しか言って無いぞ。ぷぷぷっ……」
「アンちゃんの言う通りだ。ぷぷぷっ……」
「ちょっと!!本当になんなんですか?」
なにこれ?
「うぅ~~んとね。ぷぷっ……因みに鞍馬は、自分のベースランクが何位ぐらいだと思ってるの?」
「またランクですか?う~~~ん。ベースランクなら、多分800位ぐらいですか?」
「ぷぷぷっ……無理、本当にもぉ無理。あはっははっははっはは……」
えぇ~~~っ!!笑われてるって事は、もっと下なの?
まぁまぁ、最初からある程度弾ける『兵共が集まる』場所がGUILDランカーのシステムだから解らなくもないかぁ。
確か、登録したてのベースの初期最低ランクが872位。
そこから44箇所のライブをやって、1つづつランクが上がれたとしても828位……
所詮は、そんなもんかぁ……
それになにより、日本の音楽は、アメリカから10年遅れてるとか、崇秀が言ってたしね。
はぁ~~……そりゃあ、そんな奴と一緒にやりたくないよね。
そっか、そっか。
今のエリアスさんの話で、自分の実力を再認識した。
こんな実力じゃあ笑われて当然だし。
……哀し過ぎる。
「あの、すみませんでした。自分の実力も弁えず『一緒にやりたい』なんて、厚かましい我儘言って、ごめんなさい」
はぁ……私って、本当に厚かましいなぁ。
828位(仮)の分際で、自重しろって話ですよ。
一人で盛り上がってミットモナイなぁ。
「違うわよ。鞍馬のベースランクが7位なの。だから、みんな鞍馬を指名出来無いの」
「はい?なにがですか?……言ってる意味が、よくわかりませんが?」
「ホント鈍いわね。この子は」
「あの~~~、それは、よく言われますけど。その話自体が、おかしいじゃないですか」
「どうして?」
「だってですね。なんで私なんかが、エリアスさんより上になるんですか?そんなのなにも納得出来無いですよ。エリアスさんの方が、私なんかよりズッと上手いのに……こんなランキングシステム、全然アテにならないですよ。ホント、ロクでもないですね」
「えぇ……ランクが上に上がって怒る人、初めて見たわ」
「普通、下がって怒るよな」
「まぁ、鞍馬らしいと言えば、鞍馬らしいけどな」
「禿同」
「兄同」
なんにもわかってないなぁ!!
エリアスさん、凄くベースの演奏が上手くて、見た目も可愛い人なんだから……私なんかより、絶対に上だもんね!!
それに、超優しい人だし、私を何度も助けてくれた恩人なんだよ!!
このシステム、人を馬鹿にしてるの?
作り手の崇秀に似て、このダメダメランキング・システム!!
潰したろか!!
「もぉムカツクなぁ。エリアスさんの良さが解らないなんて、アメリカ人の眼は全員節穴ですよ。眼ん玉の中にビー玉でも入れたろか」
「ちょ……本気で怒ってるの?」
「当たり前ですよ!!私、もぉ滅茶苦茶怒ってますよ!!」
こんなの不当だ!!
「そぉ。ありがとう、鞍馬。……でも、私はね、GUILDランクは、正確な判断をしてると思うわよ」
「どうしてですか?私、そんなに評価して貰えるほど上手く無いですよ」
「でも、みんなが、そう思ったから評価されてるんでしょ。私も、その1人なんだけどなぁ。それでも気に喰わない?」
「エリアスさんが、私をですか?」
「そうよ。私は、鞍馬の音楽が大好き。……でもね。同じベースを弾く人間として、いつまでも負けてる気はない。直ぐに抜いてあげるから、覚悟しなさいよ」
そっか……
GUILDランクなんて、別に、どうでも良いけど。
エリアスさんや、それに他にも知り合った皆さんが、私の音楽を好きだって言ってくださるなら、それはそれで良いのかな?
それに『勝負事』って好きだから……そう言われると、エリアスさんに負けたくなくなってきた。
うっし!!じゃあ、宣戦布告!!
「じゃあ私も、もっと、皆さんに認めて貰える様に頑張ります。エリアスさんに負けたくないですもん」
「言うわね。私も鞍馬ほどじゃないけど、登録から4ヶ月で、此処まで登って来たんだから。あまり舐めない方が良いよ」
「そんな、そんな。舐めるなんて、とんでもないですよ。私、馬鹿だから、いつも必至にしか演奏出来無いだけなんですよ。でもぉ、エリアスさんにライバル心が出たんで、絶対に負けませんよ」
「そう言うの良いと思うわよ」
「あぁでも、また機会が有ったら一緒に演奏して下さいね。私、エリアスさんの音が大好きなんで」
「勿論よ。喜んで」
「やった♪そこだけで、実は満足です」
「この子だけは……」
ふふっ……やったね♪
あとね、あとね。
この後、他の方にも『また一緒に演奏して下さいね』って確認を取ったら、全員から『OK』って言ってくれた。
ははっ……これは本当に嬉しい♪
ヤタッ!!
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
眞子……ランクが高くて、他の演者が逆指名出来なかっただけですね(笑)
まぁでも、こう成ったのも、アメリカ45箇所ライブでコツコツと実績を積んで来たからこそ出来た価値。
此処でチャランポランな事をしてきていたら、逆指名以前の問題として、みんなに相手にされなかった可能性すらありますからね。
なので、これは頑張った証拠なのです♪
さてさて、そんな風に、みんなから求められる人材に成りつつある眞子なのですが。
眞子の立場としては、みんなに求められるからこそ辛い部分もあります。
なので、次回は、そんな眞子の葛藤を書いていきたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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