最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1476 お風呂上がりの1シーン

公開日時: 2025年2月18日(火) 00:21
文字数:2,066

●前回のおさらい●


 沙那ちゃんのお引越しの為に、前準備を頑張る倉津君。

それで、父親に賃貸の了承をとる事や、書類集めには成功したのだが。

最後に「賃貸に於ける保証人の問題」が浮き彫りに成って……

 ……なんて事を、眉間に皺を寄せて書類と睨めっこしながら考えていたら。

奈緒さんと、沙那ちゃんが、スッキリ、サッパリした顔をして風呂から帰って来てしまった。


故に此処で、思考する時間はTIME・UP!!

保証人については、一旦保留にしておくしかなかった。


あぁ……因みにだが。

風呂に行ってた2人の下着については、ちゃんとコンビニで買って、先に届けて置いたから安心してくれ。


その辺に抜かりはない。



「ただいまぁ、クラ」

「ただいま、おにぃちゃん」

「あぁ、2人共、お帰りッス。湯加減はどうでしたか?」


ウチは、結構、人の出入りが激しいヤクザ屋さんのお家だから。

風呂は、いつ、なん時でも入れる様に、常に沸いてる状態なんだよな。

だから、風呂には、直ぐに入れた筈なんだがな。

如何せん、風呂の温度がオッサン達向けに調節してあるだけに、普通の適温よりは、ちょっと熱めで設定してあるから、微妙に熱かったんじゃないかなぁって思い。


こう言う質問をした訳だな。



「うん。良いお湯だったよ。クラ、ありがとう」

「沙那は、ちょっと熱かった」


おぉ……良く見ると、沙那ちゃんの全身が真っ赤っかだな。

肌の色が白いだけに余計赤く感じるのかもしれないが……そんなに熱かったか?


まぁ、その赤くなってる姿が『如何にも風呂上がりです』って感じなので、沙那ちゃんの可愛さが、いつもより引き立ってるようには思えるがな。



「そっか、そっか、そんなに熱かったか。大人が入るには適温なんだがな。沙那ちゃんには、ちょっと熱かったみたいだな」

「うん。あのね。沙那、茹蛸に成るぐらい熱かったんだけど。奈緒お姉ちゃんが100数えるまで風呂から上がらせてくれなかった。意地悪」

「えっ?」


あぁ……これは、そう言う事だったんだな。

奈緒さんは部類の綺麗好きだから『沙那ちゃんも同じ様に綺麗にしてあげよう』と思って、必至に長風呂させたんだな。


だから、あの温度で沙那ちゃんが真っ赤になってしまった。

そんで、その奈緒さんの行為が、沙那ちゃん本人には、ただの嫌がらせにしか感じなかった。


要するに、普通の観点より、奈緒さんの美意識が高さが裏目に出たって話だな。


そこが解ったのなら、此処は一発、奈緒さんのフォローするのが、彼氏としての役目だよな。



「そうか。あぁでもな。沙那ちゃんも、奈緒さんみたいに綺麗に成りたいだろ?」

「別にイラナイよ。沙那、熱いの嫌いだもん」


あれ?

必死にフォローしようと思って発した言葉だったんだが、コチラは、思ってた以上に美意識が薄いんだな。


それとも、例え方が悪かったから、沙那ちゃんに通じなかったのかな?



「本当かぁ?」

「本当だよ。沙那、そんなのに、全然興味ないもん」


うん。

女の子なんだから、せめて、ちょっとはそう言う部分にも興味を持とうな。


別にルッキズムを重視してる訳ではないんだが。

オィちゃんは、沙那ちゃんが『ブス子にでも成ったら』非常に悲しいぞ。



「じゃあ、沙那ちゃんは、あれだな。手入れの行き届いたビンテージギターを弾くよりも。キッタないだけで、未調整なオンボロギターを弾く方が楽しいんだな」


沙那ちゃんの理解を得るには、弦楽器で例えるのが一番手っ取り早い。

それが、なによりも沙那ちゃんの基本に成ってる部分だからな。


これでどうでっしゃろか?



「えっ?オンボロ、嫌だ。……あっ!!あぁ、でも、沙那が綺麗に手入れしたら、良い音が出るかも知れないから、ドッチも一緒かな。ソッチも楽しいかも」


思った以上に……手強いな。

ビルダーなだけに『自らリペアをする』なんて発想も出て来るんだな。


この意見は想定外だった。


「そっか。じゃあ、そんな風にギターを綺麗に出来るんなら、沙那ちゃん自身も綺麗にしてなきゃダメだよな」

「なんで?ギターと、沙那は関係ないよ」

「そんな事ないぞ。……沙那ちゃんだって、汚い人にギターを預けたりしないだろ。綺麗な人に預けた方が、綺麗に成る様な気がしないか?」

「あぁ……そっか。それなら、なんとなく、そうかも」


これでもまだ、なんとなくか……


まぁけど、今の所は、それで良いか。

こう言う美意識系の話ってのは、急激に身に付けれるもんじゃないからな。


今後、時間を掛けてでも、ジックリ習慣付けて行けば良いさ。


なんとしても沙那ちゃんには、いつまでも可愛くあって欲しいからな。



「だろ。それにお兄ちゃんも、沙那ちゃんが綺麗な方が嬉しいしな」

「えっ?ホント?おにぃちゃんは、綺麗な沙那の方が良い?」

「おぅ。勿論だ。沙那ちゃんは元々可愛いからな。もっともっと綺麗に成ってくれた方が嬉しいぞ」

「そっか。……じゃあ、綺麗にしてる。おにぃちゃんに、もっと遊んで欲しいから」


おぉ……抱き付いてきましたな。


これはまた、いつもながら可愛いですな。

もうこれは無敵の可愛さと言っても良いぐらい可愛いですな。



「う~~~わっ。この男、こんな幼い子まで本気にさせたよ。えっぐ……」


なんか言いましたか?


……って言うか。

必至に奈緒さんのフォローしたんッスから、余計な文句は言わない様にしてくんなまし。


この件に関しましては、一切の反論も受け付けませんよ。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


どうやら保証人に関しては、今の所、保留。

目星がついてない以上、此処は考えてても仕方がない事なので、妥当な判断だと思います。


……っで、その後、奈緒さんや沙那ちゃんと雑談していたみたいなのですが。

沙那ちゃんの美容関係に於ける興味は、ほぼほぼ0だと判明。

ですが、倉津君の『沙那ちゃんが綺麗な方が嬉しい』っと言う、たった一言で「これは完全に目覚めてしまった」みたいですね。


沙那ちゃんは、ホント倉津君の事が大好きなので(笑)


さてさて、そんな1場面がありながらも。

次回からは、橘家が入る予定である家のリフォーム調査に乗り出していきたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来てくださいねぇ~~~♪(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


果たして、どんな状態の家が飛び出してくるのやら……(笑)

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