第一章・第三十一話【After-talk・time】が始めるよぉ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
031【After-talk・time】
『だよね。……深く考える事なんてないんだ。結論から言えば、そう言う事なんだよね』
……崇秀によって、完全に破壊し尽くされた筈の気分が、時間が経つにつれ少しづつ体調がマシになってきたのはPM11:30を過ぎた頃。
勿論、そんな風に時間が経過してしまっているだけに。
今現在の横浜アリーナ内では、既に奈緒さんのライブをとっくの昔に終え、大勢の解体スタッフによる大掛かりな解体作業が行われていた。
私は、そんなステージの解体音を聞きながら、漸くヘタリ込んでいたトイレの床から、懸命に自力でその場から立ち上がり。
緩慢な、それでいて、ゆっくりとした動作で、まずは手洗い場に目指した。
……少々フラフラしながらも、その場に、直ぐに辿り着き。
その後、そこにある全身が写る様な大きな鏡で、今の自分の姿を写しだし。
着ている衣服に変な汚れが付いていないか、全身を隈なくチェックしはじめた。
勿論、これには訳が有って……
さっきまでトイレの中から一歩も動けず。
床にヘタリ込んだまま無駄なまでに長時間過ごしてしまったので、どうしても衣服に汚れが着いていないかが気に成っていたからだ。
普通に考えても、トイレの床にへたり込んでて服が汚れないなんて事はあり得ないしね。
それにもう一点、この行動をするに当たって大きな理由があるとすれば。
『恐らく、私以外のメンバーは、もぉ誰も此処には居ないから』こそ、自身の姿を気にしてる部分がある。
……って言いますのもね。
バンドメンバーのみんなは、あの凄惨なライブ終了後、人に構ってる余裕なんか無かったと思うし。
疲れが極限にまで達していた筈だから、直ぐにでも体を休めたいと言う本能が働いた筈。
『だから私は、此処に1人取り残された』
そう判断せざるを得なかったのよ。
要するに、そうなった場合、当然、此処から1人で家まで電車で帰らなきゃいけない訳でしょ。
だったら、そうやって人目に付く以上、最低限度の身嗜みだけでも先持ってチェックして置きたいと思って、この行動を起したと思う訳ですよ。
そんな理由から、私は、大きな鏡を覗き込み、自分の姿を映し出していた。
……で、その結果は?っと言いますと。
「はぁ~~~っ、服は思った以上には汚れてなかったし、乱れてる訳でもないけど。……それ以外は、結構、悲惨な状態だね。特に疲れ果てた顔が……ホント、惨めだね、ははっ……」
なんて独り言を呟きながら、目に見えて解る衣服の汚れをパッパッと払い落とし。
序に、見るも無惨なぐらいグチャグチャになった髪型を、自分の出来る範囲で綺麗に整えて置く。
「ふふっ……まぁまぁ、元が良いからかな。簡単に髪を整えるだけでも、普通に見れるぐらいにはなるもんだね。ははっ……ははっ……ハァ……もぉやだぁ」
……っと、渇いた笑いと共に、今現在の自分の無残な姿を自画自賛してみる。
俗に言う、自分に対するギリギリのフォローって奴ですね。
・・・・・・
ハァ~~~~……それにしても、あれだねぇ。
崇秀の奴、さっきのライブでは、本当になんの容赦もなく、トコトン完膚なきまでやり尽くしてくれたよね。
此処まで徹底的に敗北感を感じさせられたのは、生まれて初めての経験だよ。
真琴ちゃんが初めてライブをやった時の屈辱が可愛く感じるほどの敗北感。
ギター1本で、あんな完膚なきまで、精神・肉体共に叩きのめされるとは夢にも思わなかった。
崇秀って、どこまで妥協が無いんだつぅの。
……ホント、ヤナ奴だよ。
……でもね、そう思う反面。
此処まで、ハッキリと実力差を見せ……うん?実力?
いや、あれ、なんか違う様な気がするな?
……って言うのもさぁ。
あれってさぁ。
確かに崇秀の特殊なまでに上手い演奏も含まれてるけど、全体的に考えれば、あれって音楽なのかなぁ?
なんか、どちらかと言えば、直接精神に侵食してくる『高度な催眠術』にでも掛けられた気分だった様な気がしないでもないなぁ。
……まぁ、それを総合して実力って言うのかも知れないけど、なんか腑に落ちないね。
まぁ、今更どうでも良いけどね。
……ってかね。
今になって思えば、本当に嫌なぐらい散々で酷い目には遭ったけど。
結構さぁ、今日の奈緒さんのライブ自体は、凄く面白かった様な気がする。
いや、寧ろ、あぁ言う無茶苦茶なライブって、本当は私自身も大好きだったりするから、実は文句の付け様がない内容だったりする。
まぁ、なんて言うのかなぁ。
こんな風に大型施設である横浜アリーナを使ってるのにも関わらず。
その辺の安物のライブハウスを使ってるみたいな無茶苦茶な感じって、観客の皆さんにとっても、私達演者にとっても、一番面白いライブだと思わない?
観客の皆さんとの一体感なんかも凄かったしね。
……まぁ、そうは言っても、これは私の、ただの主観なんだけどね(笑)
それに付け加えて言うなら、私がこう感じてる以上。
このライブ自体、崇秀には、最初から、全くと言って良い程、悪意は無かったと断言出来る。
これは最終的な話にはなるんだけど。
全てが終わった後に『面白かったと思えるライブ』なら、そこに悪意なんて物があっちゃいけないしね。
勿論、そう思えるのには訳が有って……
ほら……憶えてるかなぁ?
アンコール前の楽屋で、私と、奈緒さんと、知らないどこかのウザイドラムの人との3人で話をしてたでしょ。
あの時、私『崇秀の本音は、そこじゃないんだけどね』って、心の中で思ってたと思うんだけど。
あれってね。
あの時の崇秀の本質を暗示するものだったんだけど。
崇秀は『嫌がらせ』をする為に、あんな酷い事をしたんじゃなく。
『私達に高度な演奏技術を体に憶えさせる為』に、あんな無茶な真似をしたんだと思うのよね。
……って言うのも。
真琴ちゃんの話では。
真琴ちゃんが、崇秀に逢いにアメリカに行った時、散々なぐらい口酸っぱく『みんな成長が無い』って、崇秀に言われたらしいのね。
でねでね、私、そこで閃いちゃった訳( ゚д゚)ハッ!。
崇秀は、今日の奈緒さんのライブを切欠にして『強制的にみんなの演奏レベルアップを図りに来た』ってね。
まぁ、崇秀が多少無茶した部分はあったんだけど。
それだと、今日のライブで起こった出来事が、全て辻褄が合うと思いませんか?
だって……
①崇秀の、あの独特のお節介な性格。
②カラオケボックスを出た後に言った『私と居ると面白い事が起こる』ってセリフの意味。
③それが、成長が著しくない日本のバンドメンバーへの警告になる布石。
④奈緒さんのライブを引き受けた理由=実力差を見せ付ける場所の確保。
⑤他人の技術向上を、自ら開花出来る自分の能力。
ねッ♪ねっ♪
簡単な理由なら、こうやって直ぐにでも5つぐらい具体例をあげれるでしょ。
まぁ奈緒さんのHELPに関しては、メンバーのケガだったので完全にイレギュラーだったとは思うんだけど。
その偶然が重なったからこそ崇秀は、お節介にも『これは良い機会だから、自らの手で、みんなのレベルをあげとくか』とか思ったんだと思うんですよね。
……って事でね。
勿論、ヤリスギ感は有ったにせよ。
そう言った理由から、私は、崇秀には悪意が無かったと判断したのよ。
まぁまぁ、そうは言っても。
ライブが終わった瞬間には『こんな情けない姿を、晒す様な無様な目に遭うのは、もぉ2度と御免だ……』なんて情けない事を思ってたけど。
ヤッパリ!!こう言う『何が起こるか解らないライブ』って、プレイヤーも、観客の皆さんも、堪んなく面白いと思う♪
だから多分、今、崇秀に『なぁ眞子。明日も、またライブをやろうぜ』って言われたら、今の私ならホイホイ直ぐに乗っちゃいそうな勢いなんだよね。
ホント『人生楽ありゃ苦もあるさ』って感じなんだけど……実に楽しいライブだったなぁ♪
こんな成長を促してくれるライブなら、是非、また何処かでやりたいもんですよ。
……なんて思ってしまう、ややM気質な私でした(笑)
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
今回から始まった第一章・第三十一話【After-talk・time】なのですが。
ライブの途中から、既に崇秀の意図に気付きつつあった眞子は。
あんなにボロボロにされた割には、崇秀に対して肯定的な意見を言ってるみたいですね(笑)
此処に関しては、本当に付き合いの長さから来るものなのかもしれませんが。
こうやって、相手の意図をシッカリ汲み取る事が出来るのは、非常に良い事だと思いますです。
まぁただ、今回の本文は。
眞子自身が疲れ果ててるのを表現する為に『やや支離滅裂で、思考がアッチに行ったり、コッチに行ったり』してしまう非常に読みにくい文章に成ってしまったのですが。
今回のお話は『そう言った演出を試す物』ですので、出来ればお許し下さいませませです<(_ _)>
さてさて、そんな中。
やや体力も回復し、これから1人で帰路に就かなきゃいけない眞子なのですが。
ライブ終了後、そのままトイレに直行してしまったが故に、結構な量で問題が残っていますので。
まずはその辺を、次回は解決していこうと思います。
なので、今現在で、どんな問題が残っているのかが気になった方は、是非、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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