●前回のおさらい●
ツアーに同行してくれるのは良かったが。
ホランドさんには『変人扱い』されたり『モルモット扱い』されて、ボロカス言われる眞子。
だがそんな中、崇秀の話題に成り。
ホランドさんの話を聞いてる内に、なにやら彼の弱点らしき物を見出した様子。
「そっかぁ。そっか、そっか。ホランドさんがそう言う考えなら、道理で崇秀には勝てない訳だぁ」
「なっ、なに?それはどういう意味だ?」
「いや、なんでもないですよ。ただの馬鹿の独り言ですから」
「そうか。なら良い。その話は、私には必要無さそうだ」
えっ!!嘘!!
この話にすら、喰い付かないんだ!!
なるほどねぇ。
マイアミで電話した時に、ジェニーさんが言ってた話は、強ち嘘でもないなぁ。
ホランドさん……人を見下し過ぎですよ。
「でも、馬鹿の独り言ですけど。正確に的は得た意見だとは思いますよ」
「うん?また異な事を言うな。それは私に、君の話に興味を持って欲しいと言う事か?」
「はい、興味を持って下さい」
「そうか。では聞くが、それはなんなんだ?」
「聞きたいですか?本当に、ちゃんと聞きたいですか?」
「別に言いたくないなら、無理に言わなくて結構だ。寧ろ、言わなくて良い」
「じゃあ、言いたいです。全部言いたいです」
「じゃあ、もう一度だけ聞くが、それはなんなんだ?」
「簡単ですよ。ホランドさんは、人一倍感性が薄いんですよ。だから、崇秀に勝てないんですよ」
だと、思うんだけどなぁ。
崇秀っと言う異世界から来た魔王の本質さえ解っていれば、これは比較的、簡単に出て来る回答の筈なんだけどなぁ。
「では、それを証明する理論を立て給え。君の意見を『信じる』か『信じない』かは、それからだ」
「あぁ理論ですか。……ふむ、理論付けろとか言われても、私には難しい事は解らないですけど。一見、崇秀って『凄く効率を重視』してる様に見えるんですが、実は、結構、無駄だらけなんですよね。それでいて、全部が全部を上手く行かせてしまうから、如何にも『効率が良く見える』だけ。だからこそですね。崇秀は、理屈だけじゃなくて、感性の面でも人一倍磨き抜かれている。完全に人から抜きに出てるんですよ。……っで、最終的な話。『理論武装だけのホランドさん』じゃ『理論+感性の崇秀』には勝てない。っと、言う単純な理屈です」
まぁ早い話、理屈だけでモノを考えても、本質的なものは見えて来ない。
この辺に関しては、見解の広さが段違いに違うんだろうね。
だから、此処でハッキリ言える事は、私なんかより、崇秀の方が、数百倍、頭がおかしいって事……
わかったかな?
「なるほど。君の理論は、実に面白い理論だ。それに中々理に適った話だな。これなら、眞子の言う事も強ち間違いではないと証明出来なくもないな」
「あれ?そんなに簡単に認めちゃうんですか?」
「認めるも、なにも、今の自分の立ち位置を少し考えてみたら解る事なんだが。私は音楽に集中する為に多くの感情を排除してきた。だが、ある程度の部分の演奏では上手く出来る様になったが。実際の所は、なにか物足りなさを感じていた事も否めない。……それが君の言う『感情の薄さだった』って言うのは、実に理に適った解答だと思うが」
えぇっと、この人って、ひょっとしてなんだけど……
人を見下して生きてるんじゃなくて、キッチリと理論付けてあげれば、人の言葉を素直に受けられる、物凄く純粋な人間なんじゃないの?
なんか、凄く真面目に意見を聞いてくれてる様な気がする。
「あっ、あの」
「因みにだが眞子。その感情と言うものは、どうやったら得れるものなんだ?『感性の塊』みたいな君なら、私にも教える事も出来るんじゃないか?」
「えっ?えぇっと……教えるもなにも。今のホランドさんなら、なにもしなくても十分ですよ」
「どういう事だ?『足りない』と言ったのに『十分』では、意味がよく解らないな」
「いや、あの、ホント難しい事は、本当に解らないんですけど。……今みたいに、他人に対しての優しい気持ち持つとか、他人に興味を持てば良いだけだと思いますよ」
「たった、それだけで良いのか?」
「あぁ、はい。だってほら、それを証明するのには打って付けの話なんですけど。私が、最初に、ホランドさんの家に行った時、私に対して『凄く冷たいアシライ』をしたじゃないですか」
「まぁ確かに、そうだったな」
「でも、今は、こうやって凄く優しく扱ってくれてる。だからぁ、このままで良いじゃないんですかね。……勿論、そう言う気持ちを忘れさえしなければですけど」
……って言うかね。
本音で言えば、ナンダカンダ言ってても、ホランドさんって必要以上に優しいんだよね。
ただ、その表現が人並み以下に下手糞だから……直ぐに誤解される。
だからね。
それを徐々に上手く表現出来る様にさえなれば、一般の生活に支障はなくなる。
それに『崇秀に勝てる』とまでは、流石に断言出来無いけど、今以上に差は開かなくなると思うんだけどね。
後は、本人の努力次第って訳だからね。
……実は、たったそれだけの事。
「ふむ。眞子には申し訳ないのだが、なにか、良く解らない理屈だな」
「そうですかぁ、じゃあきっと、今の行為自体が無意識なんですね」
「無意識?どう言う事だ?」
「いえね。これも単純な話なんですけどね。なんで、馬鹿な私に、ホランドさんが興味を持ったのかって話なんですよ」
「いや、普通、あんな常識外れな真似をされたら、嫌悪感や、若しくは恐怖感を感じるか。それとも、なんで、そんな心境に成るのかを考察する為に、君に興味を持つかの、どれかだと思うんだが。因みにだが私は、少し変わっているから後者を選んだ訳だが」
「そう言う事ですよ。だ・か・ら、ホランドさんは、きっと、知らず知らずの内に、私の事が大好きになっちゃったんですよ」
ふふ~~~ん♪
理屈の話から、全然関係ない話に持って行ってやるもんね。
って言いますのもね。
ホランドさんは物事を難しく考え過ぎだから、もっともぉ~~~っと軽い話で、この理屈を説明してみようと思う訳。
んで、選ばれたのが、私の得意分野の恋愛系の話。
それに……面白そうだから、ちょっとからかちゃお。
ホランドさんが、この意味がわからなくて完全に混乱してるみたいだしね。
ぷぷぷっ……( ´艸`)
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
キッチリと説明をしていたまでは良かったのですが。
また懲りずに『余計な事』を言って、ホランドさんを混乱させようとしている眞子なんですが……大丈夫なんでしょうかね?
しかも『私の事が大好きに成っちゃったんですよ』なんて言っちゃってるんですが。
なにやら、この言葉には嫌な予感しか残りませんね(笑)
さてさて、そんな中。
眞子のからかいは成功するのか?
はたまた失敗してしまい、怒られてハイウェイに放り出されてしまうのか?(笑)
次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾
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