●前回のおさらい●
お風呂で会話しつつ、凹んでいる素直ちゃんの自己肯定感を徐々に高めていく眞子。
その上で、倉津君や山中君の件を上手く説得していこうと考えてはいるのだが……
まぁ、この後も、素直ちゃんの頭と体を綺麗に洗ってあげて。
自分の頭と体も洗ってから、ポチョピンって感じで、今現在、素直ちゃんと2人で湯船に浸かってるんだけど。
これは……凄いね。
なんか大きなクラゲみたいな物体が2つも湯船にプカプカ浮いてるよ。
こんなに大きなクラゲ、初めて見たよ。
此処の風呂場って、八景島シーパラダイスに繋がってるんだっけ?
はい……ごめんなさい。
また調子に乗って余計な事を口走ったらイケナイんで、この思考を遮断しておきますね。
素直ちゃんが本気で怒ったら、かなり粘着質で、しつこそうだし……もぉ辞めておきます。
「あぁ……気持ち良いねぇ。ねぇ、素直ちゃん、お風呂に入って、ちょっとはリラックス出来た?」
「あぁ、うん。さっきよりは、大分、気が楽になったよ。本当に、いつも気を遣ってくれて、ありがとう」
あっ……なんか、お湯に浮いてるクラゲが喋った。
嘘……ごめん。
今度こそ、もぉ言わない。
大人しく、この思考を停止します。
「うぅん、別に良いよ。この程度の事で、素直ちゃん気が、ちょっとでも楽になってくれたんだったら、それでOKだからさ。いつでも付き合うよ」
「はぁ……眞子ちゃんって、本当に優しいよね。どうやったら、そんな風に、人の事を気遣えるの?僕だったら、いつも自分の事バッカリ優先的に考えちゃうのに」
「う~~~ん。どうやったら?って聞かれても困るねぇ。私は、なにも考えてないだけだし」
「それって……自然体で、人に優しく出来てるって事?」
「違う違う。本当に何も考えてないだけだって。……ただね。私、自分で言うのもなんだけど、本当に幸せな人間だと思うのね」
「うん、そうだよね」
「まぁ勿論、どれだけ幸せな人間と言っても、両親との死別なんかもあったから、ずっと幸せだった訳じゃないんだけど」
「あっ……」
「でもね、私は、それでも自分が幸せな人間だと思ってるから、この幸せな気持ちを、みんなにも、同じ様に感じて欲しいのよ。綺麗事に聞こえるかも知れないけど。……これが本心なんだよね」
そう考えれる様になったのは、他でもない崇秀のお陰なんだけどね。
崇秀を見てると、自然にそう言う優しい考えに成ってくるし、そう言う習慣も付いてくる。
だから『今は、そんなになにも意識してない』って結論に至る訳だね。
「幸せを、お裾分けしてるって事?」
「あぁ、うん、そぉそぉ。崇秀が、私にそう教えてくれたからこそ、私もそれを実践してるのね。『自分だけが幸せに成るんじゃなくて、みんな幸せに成った方が面白いじゃん』って感じで」
「はぁ……眞子ちゃんと、ヒデ君って良い関係が構築出来てるんだね」
「うん、それはそうだね。……でも、これはね。私と崇秀に限った事じゃないんだよ」
「他にも誰か、そう言う関係の人って居るの?」
「うん、居るよ。ただ、ちょっと今の素直ちゃんには、この話自体は辛い話に成るかも知れないんだけど。真琴ちゃんと、奈緒ネェだって、私達の関係に良く似てるんだよ。お互いの良い所を吸収して、悪い所に気付いたら直ぐに注意する。私も、この真琴ちゃん達の関係は、凄く良い関係だと思うよ」
「あっ……」
「だからね。私、思うんだけど。……素直ちゃんにも、素直ちゃんにピッタリと相性の合う人が居ると思うんだよね。だから私は、素直ちゃんが、無理に真琴ちゃんを追い駆けるんじゃなくて、その相性の良い人を探した方が良いとも思うね」
今の素直ちゃんにとっては、きつい言葉に成ってしまったかも知れないけど。
どこまで行っても真琴ちゃんは、奈緒ネェのものであって、現状じゃあ、どう足掻いても素直ちゃんのものには一生成り得ない。
これはどうやっても変わり様の無い不変の法則。
だからって訳じゃないんだけど。
そんな無駄な時間を過ごさない為にも……もぉ真琴ちゃんを想うのは辞めた方が良いんじゃないかな?
相手を想えば想う程、お互いがお互いを傷付け合う関係なんて、全然、良い関係性じゃないからね。
「それって……山中君って事?」
「うぅん。それは大きな誤解だよ。私は、そこを強制するつもりはないからね。素直ちゃんが、山中君の事が嫌いなら、嫌いで良いと思うよ。別に、そんな事ぐらいで、私に気を遣う必要なんてないしね。これは、素直ちゃん自身の大切な問題だしね」
「だったら僕は……やっぱり……真琴君を……」
これでもダメかぁ。
今回のは、諦めて貰うには良い言い回しだと思ったんだけどなぁ。
まぁ……約3年間もの長期間、1人の人間を想い続けてれば。
こんな短い時間での説得だけじゃ、そう簡単には諦められないかぁ。
でも、私も、この件を諦められないのも事実。
これが奈緒ネェや、真琴ちゃんの不幸に繋がるって可能性がある以上、目を瞑って見て見ないフリなんかをしている場合じゃないからね。
「そっか。それでも真琴ちゃんが好きなんだ」
「……うん。色々助言して貰ってるのに、ごめんなさい」
此処でも自分が悪い事をしてると知りつつも、それを謝罪しながらでも自分の意思を通うそうとしてくるかぁ。
こりゃあ私が思っていた以上に、素直ちゃんの真琴ちゃんへの想いは根が深いね。
でも、本当になんでそこまで真琴ちゃんの事を強く片想いしちゃったんだろうね?
そりゃあ真琴ちゃんは、決して悪い奴ではないけど。
そこまで素直ちゃんが惚れ込む様な相手でもないとも思うんだけどなぁ。
まぁそれでも、いい加減、解って貰わなきゃ困る。
だから此処からは正攻法で攻めるのはやめて、かなりキツイ現実を突きつけて行くしかない。
ただでさえ真琴ちゃんと付き合うって事は、色々複雑な事情が絡んでくるからね。
此処で素直ちゃんをキッチリと説得する為にも、今度は、そこを突かせて貰うよ。
ただ本心を言えば、この方法はあまり使いたくはなかった。
何故なら、本来、これは真琴ちゃんが、自分から素直ちゃんに言うべき事だし。
それを言えずに今日まで来たって言う事は、それ程までに知られたくない事実の筈だから、あまり軽々しくは教えたくはなかったんだけど……
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>
眞子が素直ちゃんを説得するにあたっての言い回し自体は、非常に正当性が高い物なので悪くはなかったとは思うんですが。
矢張り好きな人の事を、少々説得されたぐらいでは諦められないのが人間の心理と言うもの。
特に素直ちゃんの場合は、一途な正確な上に思い込みが激しい分、そう簡単には上手く行かない。
まぁ眞子自身も、その辺も良く理解している筈ではあるのですが。
『もしこれで理解してくれれば余計な事まで教えなくて済むなぁ』っと思っていた様なので、此処はまず正攻法で攻めた感じだったんですね。
ですが今回の一件で、それでは矢張り無理だと判断したみたいなので。
今度は、完全に素直ちゃんが、倉津君から目を背けたくなる様な厳しい現実を突きつけようとしてる様子。
果たして、それ程までに眞子が使いたくなかった最終手段とも言える説得方法とは如何なるものなのか?
次回は、その辺を書いていこうと思いますので。
良かったら、また遊びに来てくださいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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