最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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656 イヤアァ~~~崇秀が壊れた!!

公開日時: 2022年11月24日(木) 00:21
更新日時: 2023年1月19日(木) 21:32
文字数:4,023

●前回のおさらい●


 どんな時でも親切に接してくれていた崇秀が。

自分にとっては『今まで以上に大切な存在』だと認識してしまった眞子。


それ故に、女としての眞子の気持ちが前面に出して、崇秀に素直な気持ちを伝えるが……

「って事は……オイ、まさか」

「そぉ。これにはね。真琴ちゃんの男の意思は関係ないの。私は眞子で在り、眞子以外の何者でもない以上、こう考えてしまうのは自然な流れ。それに崇秀は、それに応えて私を『眞子として以外扱わなかった』……なら、これだけ優しくして貰ったら、女の眞子が、そう考えても、なにも不思議じゃないと思うよ」


ねっ、ねっ、崇秀も、そう思うよね。

……って言うか、思って下さい。

そう思って貰わないと、眞子の気持ちを尊重してる私が、余りにもいたたまれませんので。


それに、自分だけが、この感情を抑えられないって言うのも恥ずかしいし。



「それってオマエ……本気で……割り切れたって言う事か?」

「そりゃあさぁ。流石に、全部が全部は割り切れてる訳じゃないよ。それはどうやっても無理」

「だよな」

「でも……」

「でも?」

「眞子は眞子だから。眞子は、どうやっても眞子でしかないんだから。少しでも眞子が、そう思っちゃったんだったら、それだけが真実なんじゃないかな?」


崇秀が、この意見を、どう捉えるかは解らないけど。

女としての私の中では、どうやっても、崇秀に対する好意が湧いて来てしまっている。


気持ち悪いかもしれないけど……

いや、私自身も気持ち悪いと思ってる部分があるから、きっと気持ち悪い話なんだとは思うけど。


此処は素直に成って、自分の本心を崇秀に伝えてみた。


どんな反応が返って来るんだろう?


……少し怖い。



「……スゲェ」

「へっ?」

「……スゲェ、スゲェ、スゲェよ!!オマエ、最高だよ!!マジで最高の女だよ!!ははっ、まいったなぁ。マジでスゲェよ……」

「えっ?そっ、そうかなぁ?」

「いや、ホント驚いた。スゲェって。マジで感心した」

「ははっ……そっ、そうかなぁ。なっ、なんか、そう言われると照れるね」


えっ?……それって、こんな私でも受け入れてくれるって言うの?


いやね、本当の事を言うとね。

最初は……今日のこの時間を無効にして『今日、奈緒さん家に帰ったら、また普通にしようと思ってた』んだけどね。

此処まで崇秀が、徹底的に『私を眞子』だと思って接してくれるんなら、それには、ちゃんと眞子として応えなきゃイケナイと思うんですよね。


第一今日、真琴ちゃんの『記憶データ』を取り出したんだから。

本当の意味で『眞子として好きに生きても行っても良いんじゃないかな』とも思う。


……そりゃあね。

さっきも言ったけど、大きな葛藤はあったんだよ。

これを決断するって事は、奈緒さんには、今まで以上に多大な迷惑を掛ける事になるし、彼女を困らす様なマトモな思考じゃない。


だから、こう言う事をするのは、極めて危険な発想だとは思う。


でも、止められないのも事実。


なので今日、これから奈緒さんの家に帰ったら、2度と、こんな事が無い様に。

真琴ちゃんが、奈緒さんの恋人なんじゃなくて、眞子が、奈緒さんの恋人だと思って貰える様に、いっぱい『努力』しようと思う。


勿論、崇秀と、こんな事をしてしまう以上。

これからは奈緒さんに好かれる事もなく、完全に嫌われちゃうかも知れないけど、その時は、また最初から、奈緒さんにアタックし続けるつもり。


それに1度や2度の『失敗』が有っても、挫けず、奈緒さんに何度もアタックしようとも思ってる。


だって……例え私が、女の眞子って存在で在っても『奈緒さんの事が好きで堪らない』事実も、何も変わらないんだから。


でも、そんな眞子も、さっきの件も含めて、かなり崇秀の事を意識しちゃってるみたい。


だから……全面的に茨の道ではあるんだけど。

まぁ、なんとか、その辺に関しては必至で頑張ってみるしかない。


それぐらいの覚悟がなきゃ、こんな事は言えないしね。



「いやいや、ほんとスゲェ女だよ眞子!!……だったら、尚更、今のオマエを抱く訳にはいかねぇな。そこだけは、取り敢えず保留だ」


えっ?……嘘。

なんで、この状況で、そう言う発想に成るの?

私を本気で女の眞子だと思ってくれてるなら、此処でやってくれなきゃ困る。


女の子としては、こんな惨めな結果はないよぉ。



「えっ?なんで?折角、女の子としての覚悟決めたんだから、やりなよ」

「いや、本当に、ありがたい話なんだがな。今の俺じゃあ、到底、オマエのその精神には到達しちゃ居ねぇ。だから、もしそう言う行為に至るのであれば、俺自身、自分を、もっと鍛え直してから、俺の方から、オマエに交際を申し込む」

「えっ?」

「そうじゃなきゃ、オマエのその決断を無にしちまいかねないからな」

「えぇ……」

「……つぅか、今まで、モブなんて言って悪かったな。許してくれな。オマエは、本当に最高の女だよ」


えっ?いや、そう言う問題じゃないんだけどなぁ。


それにヤメテよ……そうやって崇秀が暴走する様な思考を持つのだけはヤメテ。

なんか知らないけど、全人類が滅亡の危機に陥っちゃうような気がしないでもないからから……ヤメイ!!



「えぇ~~~っ!!ちょっと待って、ちょっと待って。これ以上、まだなんかする気なの?」

「あったり前だろ!!俄然ヤル気が出てきた!!オイ、眞子、まずはオマエを、向井さん家まで送ってやるから、早くバイクのケツに乗れ!!マジで時間が勿体ねぇ!!一分一秒でも早く、オマエを抱きたくて仕方ねぇよ!!」


うわ~~~~……この勢い、マジだぁ。

そうやって、ちゃんと女の子として見てくれてるのは嬉しいんけど、これはまた私、崇秀に余計な事を言っちゃったかなぁ。


……どうしよう?


この子、頭が良いくせに、色んな意味で頭が弱いから。

本当に予想も付かない様な、なんかややこしい事を、やらかしそうなんだけど……


このままの状態の崇秀を放置するのは危険過ぎるよ。



「あっ、あのさぁ、だったら、今……やらない?私、やってみたいなぁって思うんだけどなぁ。崇秀にやって欲しいなぁって」

「それは、絶対ダメだな。さっきから、今の俺じゃあ、オマエには相応しくないって言ってんだろうが。俺は、対等、若しくは、対等以上じゃなきゃ、絶対に嫌なんだよ」

「いやいや、十分、対等以上だって……既に人じゃないって」

「あぁ、人じゃないのは元からだ。気にすんな」

「いやいやいやいや、そう言う意味じゃなくて」

「まぁまぁ、そう言わずによぉ。ちょっとぐらい、そのオマエの決意に報いる様な努力を、俺にもさせろよ」


アナタ、馬鹿なんですか?

それとも、努力のし過ぎで死ぬ気ですか?


それ以上のペースでモノをやったら益々寿命を縮めて、ホントに、あの世に旅立つって!!

そんな事したらマジで帰れなくなるから、辞めなさいっての!!


それに崇秀が居なくなったら、寂しくなるから辞めてよ!!


でも、もし、それでも止まらなかったら……崇秀、もぉ完全に壊れてるよ。

これはもぉ『Hする』とか『私の女の立場』とか、そう言う生易しい事を言ってられる問題じゃないよ!!


ヤメテよ!!



「いや、あの、崇秀さん」

「なんだ?なにかして欲しい事が有るのか?H以外なら、なんでも聞いてやるぞ」


いやいやいやいや、そんな満面の笑みでニコニコされても困るって……


いや……あの……なんと言いますか。

私なんて、本当に『モブ子』扱いで十分なんで、気軽に抱いちゃって良いんですよ。


おかしな事を考えずに、どうぞどうぞ。



「いや、あの……」

「だから、なんだよ?早く言えよ」

「あの……パンツ履き替えても良いですかね?」


違ぁ~~~~~うっ!!

そんなどうでもいい様な事を言おうとしたんじゃないんだって!!

第一、此処でパンツを履き替えたからって、なんになるって言うのよ!!


……ってか!!お願いだから。

もぉ変な事を考えずに、また前みたいに『モブ子』って呼んでぇ~~~!!



「おぉ悪い、悪い。全然気遣いが出来てねぇな俺。……ホント、ダメ人間だよな」


ダメ人間じゃないし。

崇秀は、私の最高の親友だし。


でも、そんな事より今は、慎重に言葉を選んで、当たり障り無く、この崇秀を上手く宥めないとね。


マジで大変な事に成っちゃうからね。



「いえいえ、そんなそんな、とんでもございません。良かったら、履き替えてる所を、見て頂いてても良いですよ。見ます?」

「いや、それも、もぉダメだ。オマエは、俺にとっての『高嶺の花』で居ろ。俺なんかみたいな雑魚に、簡単に自分を安売りすんな」

「いやいやいやいや、私なんてただの雑魚ですよ、雑魚。あっ、あの、私なんか、思いっ切り雑魚ですよ。……ってか、モブ子ですよ。モブ子で良い!!モブ子で良いってば!!」

「そうか。……なら、俺が『雑魚』ってのもおこがましいな。眞子が、雑魚や、モブ子だって言うなら、俺なんぞ『葉緑体以下のなにか』で十分だな。……若しくは『糞』だな」

「あっ、あっ、あのさぁ、あのさぁ崇秀……ひょっとして、なんか壊れちゃってるの?」

「あぁ、全壊に壊れてるぜ。俺は生まれて初めて、自分より凄い奴を見てるんだからな。当然、ブッ壊れのポンコツだろ」


イヤアァァァアァ~~~!!

誰でも良いから、誰か、この人を止めてぇ~~~!!


本気で世界の崩壊の序曲が聞こえてキタァ~~~!!



「……ってかよぉ、眞子。下着を履き替えて、早く帰ろうぜ」

「あぁ、はい。そうですね、そうですね」


あぁあぁぁあぁ~~~これは完全に終わったぁ~~~。

このままじゃあ、私が世界を破滅させる原因になるぅ~~~~!!


そんなのは嫌だぁぁ~~~!!


……でも、パンツは履き替えよ。

今更ながら、まだちょっとちべたいもん。



「なぁなぁ、眞子。因みにだが、さっきの話は、本当なんだろうな」


うん?なになに?

ひょっとしてこの崇秀の発言って、前言撤回のチャンス?

神様が与えてくれた、世界を滅ぼさない為の重要なフラグだったりする?


そして、これを上手く使えたら、私ってば『救世主』になれるって事?


……でも、失敗したら、ただの『破滅の原因』


これは、あまりにも難易度高過ぎるよぉ。


……ホント嫌過ぎるんですけど。


女性の本能に訴えかけられたとしても、崇秀には余計な事を言わなきゃ良かったよ……


(;´д`)トホホ


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


崇秀の変わらぬ真摯な態度に対して。

それに応えるが為に『眞子の意見を尊重した態度を取った』までは良かったのですが。

眞子……なんか大変な事に成っちゃいましたね(笑)


そして、こうやって崇秀が壊れてしまった以上、世界の存亡は眞子の手にかかってきました。


さてさて、そんな眞子は『世界の救世主』に成る事が出来るのか?

次回は、その辺の事情を書いていきたいと思いますので。

世界の存亡が少しでも気になりましたら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


まぁ、崇秀のこの態度には……何か裏がありそうですけどね(笑)

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

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