最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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603 月経症候群で起こりやすい症状

公開日時: 2022年10月2日(日) 00:21
更新日時: 2023年1月15日(日) 13:08
文字数:3,535

●前回のおさらい●


 痛みの正体が【生理】っと判明したまでは良かったが。

予備知識のない倉津君には、どう対応して良いのかすら解らない。


そんな折、崇秀が奈緒さんの家を訪れ。

その対処法として『とある薬』を倉津君に手渡されるのだが……

 ……痛み地獄から、1時間程経過。


崇秀が持ってきてくれた『痛み止め』が功を奏し。

さっきよりは、幾分は耐えれる様なレベルの痛みになっていた。


勿論、全面的に痛みが消えた訳では無いので、まだ腹がジワジワと痛い事は痛いんだが、これならまだ、なんとか我慢は出来るレベルだ。


でもな、まだ生理によるダメージが残ってて、寝転がったまま、全然起きれてない状態。


まぁけど、俺が苦しんでた、この一時間の間。

崇秀は、なにも言わず、俺を見守りながらMusic-man 1979 Sting -ray bassを弄り。

なにやら、またベースを調整してくれている様だ。


でもな、崇秀、オマエも疲れてるんだから、そんな風にベースを弄って遊んでないで、少しぐらい寝たらどうなんだよ?

(↑痛みが少し治まって、余裕が出た俺)



「……崇秀」

「おっ、漸く、起きたみたいだな。体の方は大丈夫か?」

「あっ、あぁ、オマエの持って来てくれた痛み止めのお陰で、大分、痛みは治まったよ」

「そっか。んじゃま、今はなにも考えず、そのままゆっくりしてろ」

「けど、オマエ……時間が」

「良いから、ゴチャゴチャ言わずに寝てろ。こうなる事は少なからず予想してたからな」


ヤッパリだ。


さっきは意識が混濁していたから、崇秀が、ハッキリと何を言っていたのかまでは憶えてないが。

コイツは直感的に俺の変調を察して、日本に帰国しやがったんだよな。


流石メフィスト座のゴールドセイント。


凄いセブンセンシズだな。



「なぁ、崇秀。なんで、こうなるって解ったんだ?」


寝転んだままで悪いんだが。

そのままの体勢で、そんな質問をぶつけてみた。


どう言う解答が返って来るのだろうか?


まずの処、全く予想も付かない状態だな。



「んあ?あぁ、それか。それならな。オマエが女性として、精神的にも不安定な時期を10日程過ごしてたからだ」

「えっ?なに?それ、どういう事だ?」

「いや、俺は女じゃないから、正確には体験した訳じゃないんだがな。女性の生理ってのは、比較的、精神的な影響を受け易いんだよ。だから、オマエが女になって10日余り……変に緊張が解けたぐらいに、生理が来るんじゃないかな?って思っただけだの話だ」


的確ですね。


確かに、クリスマスの次の日。

突然、女になって、その日1日は、訳の解らない状態の上、緊張の連続。

そこから大晦日の前日までは、妙な悩みに囚われて、答えを探して彷徨ってた。


大晦日には、気晴らしにコミケに行ったは良いが、何故か、コスプレさせられた上にアニメ系ライブの出演。

ほんで、正月から4日に掛けては、少々女と言うものに慣れてきたのか、緊張感が解れ始め、外出し捲くってたもんな。


そう考えると、精神的に気が抜けて来た所に『生理』になった。


なんとなくだが、崇秀の言ってる理屈が解らなくもないな。



「しかしまぁ、よくも、そんなに的確に解ったもんだな」

「まぁな。別に的確って訳じゃないんだがな。オマエの急激な体の変化を考えりゃ。大体これぐらいの期間で、生理が起こるとは踏んでいたな」

「なんでだ?」

「まぁ、基本的な話からすれば、通常、今オマエの身の起こった『女子の第二次性徴期』ってのはな。まず乳房の発育が起こるんだよ。ほんで、そのピークは11歳から12歳頃まで続き。そんでその他にも性器の発育。陰毛の発生。腋の下には腋毛が生えたりする。更には、皮下脂肪が身長増加率が最大になった後に、急速に増大。同時に骨盤が発育し、ヒップが、ふっくらと膨らんで丸みを帯びていき。ほんでウエストにくびれが形成される。後は、少しだけ変声が起こり。女性っぽい顔の変化。体臭の発生(所謂、女臭くなる)ってのが、年単位の時間を掛けて起こるんだよ。……此処まで解るか?」

「あぁ、はい。大体なら」


要するに……普通の女性なら、年単位で時間を掛けながらドンドンと大人の女っぽくなるって事だよな。


そんな、単純明快な解釈で良いんだよな。



「でだ。通常の女子の場合、この第二次性徴期が始る前か、始ってから『初潮』を迎える訳なんだがな」

「そうなのか?」

「あぁ、普通はな。……だが、オマエの場合は、体に急激な変化が起こっているから、女性ホルモンの分泌量が、他の女性とは比べものにならないぐらい尋常じゃないんだよ」

「なんでだ?」

「そりゃあ、オマエ。それだけの体を、1晩の内に一気に構築したんだから、それ相応の女性ホルモンも必要だろうに」

「あぁ、そうか、なるほど」


なんか怖いな。

この急激な変化に、おかしな弊害があったら、どうしたもんかな?


それに……去年の末は、そんなに気にしてなかったんだが。

今年の頭ぐらいから、妙に自分の周りで女の子の匂いがすると思ったら、あれって、自分の匂いだったのな。


知らない内に、体だけはドンドン女に成長して行ってるんだな……



「でだ。それだけの異常な女性ホルモンを分泌してる以上、実は、女に成った初日から『初潮』が起こっても、なにもおかしくない状態だったんだよ」

「うっ、うん」

「だが。……知っての通り、生理ってのは、必要の無くなった子宮内膜を、新しい子宮内膜に入れ替える作業。だが、まだ出来立てホヤホヤの真新しい子宮内膜を捨てる意味はない。そこに精神的な付加が掛かれば、生理にランダム性が起こる。……っで、大体、今日ぐらいに生理が来るんじゃねぇかなぁって、予想に行き着く訳だ」

「……って事は、なんですか?予想だけで動いたって事か?」

「まぁ、そう言うこったな。それに、まだ生理が来てなかったら、予備知識だけでも前以て教えとこうと思ってな」


どこまでも、準備の良いこったな。


……にしても、本当に生理になるなんて夢にも思ってなかったから、かなり驚いたのも現実。

パンツに血が付いているのを見た時は、もぉ本気で泣きそうになったもんな。


けど、本当にコイツって、タイミングが良いと言うか、頭が良いよな。

これだけの事を、簡単に仮説を立てれるんだからな。


それにだ。

さっき誰かに電話をしようと思って、電話を手に取ってはみたものの。

多分、実際は、誰にも電話を掛けれずに、トイレに閉じ篭っていただけだろうからな。


そしてトイレで1人痛みに耐えながら、奈緒さんの帰りを待つしか無かったもんな。


だから、この崇秀の体内予測には間違いなく感謝すべきだよな。



「なんか、悪いな。……あぁけど、これって、どれぐらい続くん?」

「まぁ、通常3~7日間ぐらいだな」

「ゲッ!!一週間も続くのかよ。……っで、その終わった後って、次は、いつ位に来るん?」

「そうだなぁ。基本的には28日周期って言われてるが、平均すりゃ25日~38日ぐらいの間だな。それが閉経まで続くな」

「うわっ!!まじかよ!!最悪だよ。けど、それって、突然なんの前触れもなく来るのか?」

「いいや、そこは個人差がある話なんだがな。生理の2週間ないし、1週間位前辺りから『月経前症候群』ってのが起こる可能性もあるな」

「『月経前症候群』?……なにそれ?」


そして崇秀は、月経前症候群についての症状を語る。


●身体的症状

下腹部膨満感

下腹痛

頭痛

乳房痛、乳房が張る

腰痛

関節痛

むくみ、体重増加、脚が重い

にきび

めまい

食欲亢進

便秘あるいは下痢

悪心、動悸

過剰な睡眠欲

不眠


●精神的症状

怒りやすい、反感、闘争的

憂鬱

緊張

判断力低下、不決断

無気力

孤独感

疲れやすい

不眠

パニック

妄想症

集中力低下、気力が続かない

涙もろい

悪夢を見る



「……ってのが、一般的な症状じゃねぇか」

「ふ~~~ん。……あぁ、けどよぉ。オマエ、ワザワザ、それを伝えに来てくれたのは良いけどよぉ。それらの情報が、奈緒さんから齎される、とは思わなかったのか?」

「まぁ、確率的に言えば、無くもないだろうが、仮にあったとしても、かなり低い確率だっただろうな。だから俺は、寧ろ、その件に関してだけは、ほぼ『ない』と踏んでたな」

「なんでだ?結構、奈緒さんも、この女の姿を受け入れてくれてるぞ」

「表面上はな。……けど、この『初潮』だけは、彼女の中で『一番起こって欲しくない現象』だろ。だから、心のどこかで、これだけは起こらない事を望んでたと思うぞ」

「あぁ、そっか。……そうだよな。……これで、完全に女に成っちまったのも、同然だもんな」

「ホント悪いな」


いやいや……今更、オマエを責めてる訳じゃないんだけどな。


それに、責任が、オマエに全部有るとも限らない。

……ってか、寧ろ、仮説を立てた時点から、良くバックアップしてくれてると思うぞ。

いつもピンチの時には電話してくれたり、駆け付けてくれたり、非常に助かってるしな。


ホント、責める所なんてなにもねぇよ。


ってか逆に、此処まで世話に成ってるんだから。

此処は、ちょっとは気を遣って、今の話から、話を逸らす方向に行くべきだよな。


少し気になる事もある事だし……


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


フェミニストの方から叩かれそうな内容なのですが。

少しでも女性に対する認識力を上げて頂こうと思い。

今回は【生理のメカニズム】や、それに付随して起こりやすい【月経症候群】について説明させて頂きました。


こう言う現象が、女性の精神面で起こっている事をご理解頂ければ。

女性が情緒不安定に成ったり、癇癪を起こすのにも、少しは納得して貰えると思うんですね。


そして、それと同時に。

倉津君が此処10日ほどの間、普段は考えない様な事で情緒不安定に成っていた理由もご理解頂けたと思いますですしね。


さてさて、そんな中。

罪悪感に包まれている崇秀から、今の話を逸らす為に倉津君が、なにやら別の話題を振る様なのですが。


一体、どの様な話題をするのでしょうね?


それは次回の講釈なのですが。

その辺が少しでも気になりましたら、是非、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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