最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1559 目の前に置かれたとある物

公開日時: 2025年5月12日(月) 00:21
文字数:2,205

●前回のおさらい●


 無名の移籍の件は、お互いが合意の元、特に問題なく解決。

だがその後、倉津君の体験したであろう夢物語の話に、何故か崇秀が喰い付いて来て……

「オイオイオイオイ、まさかとは思うが、オマエ、こんな与太話を鵜呑みにする気じゃねぇだろうな?」

「勿論、そのつもりだ。それにな。もし仮にだ。それが例え夢であったとしても、オマエに、そう思わせた事象がある限り、それに対しての探究心は必要だからな。考え様によっちゃあ、世の中に不思議な事なんてないんだぜぇ」

「ちょっと待てよ。こんな事が現実に有り得たらSFだぜSF。流石に、これバッカリは無理があんだろ」


いや……この馬鹿。

またロクデモナイ事を言い出しそうな雰囲気を醸し出し始めやがったな。


一体、こんな与太話で、なにを言うつもりなんだ?

頼むから、これ以上おかしな事を言うなよ。


まぁ元からオマエは、おかしな事しか言わねぇけどな。



「無理ねぇ。……じゃあ、逆に聞くがな。なんで、この世界だけしかないと思えるんだ?オマエが今居る、この世界ってのは、本当にオマエの知ってる世界なのか?」


オイオイ、急に怖い事を言うなよ。

そんなもん、いちいち全員に確認する訳にも行かねぇんだからよぉ。


そう言う事は言うもんじゃないぞ。



「うぇ……」

「まぁまぁ、ソイツは冗談としてもだ。現在・過去・未来とある中で、オマエが寸分違わず同じ場所に戻って来たって可能性が、非常に薄いってだけの話なんだからよ」

「ちょっと待て、ちょっと待て。それ以前の問題として、夢だったって話は、完全に消去かよ」

「いやいや、そうは言わねぇよ。ただ単に、その方が、夢があって面白いじゃん」

「オマエ……究極的にアホだろ」

「さぁな。ただな、可能性を追い続けなきゃ、真理も見えて来ないって話もあるぜ」


マジで言ってんのオマエ?



「そうかも知れねぇけどよぉ。ヤッパ、どう考えても有り得ねぇだろ」

「あぁっそ。じゃあ、そう思ってるなら、なんでオマエは、この瓶を探してたんだ?」


『ドンッ!!』っと言う大きな音と同時に、カウンターの上に置かれた瓶。


ラベルには、日にちが書かれているだけで。

真っ黒な瓶に入っているので、その中身までは何か解らねぇが……


それって、まさかなぁ……



「……オマエ。まさか、それって」

「そぉ、これこそが、オマエが探しているであろう物『Brew Space-Mead』世間では『黄金の蜂蜜酒』って言われてるもんだな」

「いや、本当に、ちょっと待ってくれよ!!そんなもん、本当に実在するのか?あんなもん、H・P=ラヴクラフトが空想で書き上げたもんじゃねぇのかよ!!」

「まぁ、半分は正解だな」

「半分正解って、どういう事だよ?」

「そうだなぁ。解り易く言うとだな。それ自体は、この世には存在しない架空の代物だ。ただな、これが、それと良く似た様な効果が表れたから、便宜上、そう名付けられたってこったな」


……って事は、似て非なるものの類似品?

ラヴクラフトが書いた、本物の『黄金の蜂蜜酒ではない』と言う事か?


でもよぉ。

似た様な効果って、なんだよ?



「じゃあ、時を渡れるとか、そう言う代物だって事か?」

「オイオイ、倉津。それは酷い勘違いだぞ」

「なんでだ?」

「『なんで?』ってオマエ。ラヴクラフトの書いた『黄金の蜂蜜酒』ってのは、時空を渡らせる道具じゃねぇぞ。あれ自体は、宇宙を行き来する際に、体から離れた精神を保護する為のアイテムだ。決して、飲んだだけで空間を移動出来る訳じゃない」

「そうなんか?」

「まぁ、嘘か、誠かは、自分で小説でも読み直して確認してみろ」

「あぁ、そうだな。……ってかよぉ。じゃあ、そんなもん、なんの役に立つんだ?」


例え、それが存在したとしても、精神を保護出来るだけじゃ、なんの意味も無いんじゃねぇの?

そう言うのって、移動手段があって初めて、その効果に需要が出て来ると思うんだがな。


それともオマエさんは、下級奉仕種族のビヤーキーにでも、その保護された精神を運ばせる気か?


オマエ、そんなもんまで持ってる訳?


もし、それを持ってないなら、丸っきり意味が無い様な気がするんだが……


・・・・・・


いや、でも待てよ。

その効果が立証されてるなら、それ以外にも何らかの方法があるって事なのか?


兎に角、その辺がよく解らんから、取り敢えず、話を合わせて行こう。



「果たしてそうかな?役立たずだと言い切れるか?」

「いや、どう考えた所でねぇだろ。精神の保護だけして、なんの意味が有るんだよ?」

「そうだな。確かに、保護しただけじゃ意味はない。でもな。世の中には、数学、物理学、量子力学、流体力学・その他にも、例を上げたら、天文学的な数値になりそうな程の学問が存在してるんだぜ。それらの学問の複合原理的に考えれば、時間枠や空間枠を越える事も不可能じゃないんだな、これが」


はい?


なに?

その言い分だと、マジでビヤーキーを召喚しなくても、時空を渡る方法はあるって事?


いや、流石に嘘だろ?



「なんだそりゃあ?どういうこったよ?」

「解んねぇか?」

「サッパリ解らん」


解るかぁ!!

もし仮に、そんな方法があるとしても、今の説明だけでわかる訳ねぇだろうが!!


それともオマエは、時空関連の話なだけに、相対性理論でも破壊したいのか?



「じゃあ、恒例の質問コーナーだな」

「出たよ……また出たよ」

「まぁ、そう喜ばずに、聞かれた質問に、素直に答えてみろよ」

「はいはい……ちっとも喜んでねぇけどな」

「じゃあ、質問だが」


聞けや!!

頼むから、人の話を、一回位聞けや!!


なんで、オマエは、そうやって、毎度毎度マイペースなんだよ?


偶には俺の話を嚙み砕いて聞け!!


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


はい、とうとうややこしいキーアイテムが出てきましたね♪

その名も!!

ヒナちゃんが手にしていたであろう『Brew Space-Mead』事『黄金の蜂蜜酒』


まぁただ、これ。

本編でも書きました様に、時を渡る際に精神を保護するアイテムであって、それ以外には特別なにかの効果がある様な代物ではないので、実際は、存在したとしても、なにか害のあるものではないんですがね(笑)


さてさて、そんな中。

黄金の蜂蜜酒についての説明が、質問形式でなされていく訳なのですが。


この説明の中で、倉津君は納得出来る回答を得る事が出来るのか?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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