最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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267 不良さん、理子さんとの会話を続ける

公開日時: 2021年10月31日(日) 00:21
更新日時: 2022年12月14日(水) 14:16
文字数:2,222

●前回のおさらい●


理子さんの『自分嫌いな所』を、言葉巧みに少し修正出来た倉津君。


まぁ、あんまり調子に乗らないようにね(笑)

「ねぇ、兄貴君……なに?その勝ち誇った様なドヤ顔?有り得ないんだけど」

「いやいやいや、俺なんかでも、人の役に立つんだなっと思って」

「うわ~~~っ、口惜しいなぁもぉ。年下に説教されちゃったよ」

「あぁ、あの、偉そうな事を言って、すんません」

「全然全然。……ってかね、兄貴君って、私の事ちゃんと見ててくれたんだね。私さぁ、兄貴君の事、本気で好きになっちゃったよ」


……出た。

いつもの女性ならではの問題発言。


しかしまぁ女の子って、なんで、そんなに簡単に人を好きになれるんだろな?

特に理子さんは判断力が良いんだから、よ~~~く観察してみて下さいな。

アナタの好きって言った相手、年下のボンクラヤクザのボンクラ息子ですよ。


ってかね……俺ッスよ俺。


ダメっしょ!!



「あぁっと……それはダメっすよ。俺、優柔不断だから、理子さんに誘惑されたらコロッと行っちゃうッスから、辞めて欲しいッス」

「凄い意地悪な事を言うんだね。今まで散々人を持ち上げといて『好き』って言ったら、急に拒絶って……それは、ちょっとないんじゃない」

「あぁ……すっ、すんません」


だよなぁ。

『自信持て』って自分で言って置いて、その後『ダメ』じゃ、自信なんて、どうやっても持てねぇよな。


完全に言葉が矛盾しちゃってるもんな。


すんません。



「嘘だよ……嘘、嘘。兄貴君となら、友達でも良いよ」

「マジっすか?だったら、コチラの方から、お願いするッス。……理子さんみたいに理智的で可愛い人なら、知り合いに一杯欲しいッスからね」

「……兄貴君は『残酷』だね」


ポソッと理子さんは何かを言ったが、俺は良く聞こえなかった。


『残…』なんとかってのは聞こえたんだが。

最後の声が、余りにも小さな声だったんで、聞き取り難かったんだよな。


遺恨が残ったらイケナイから、一応、確認しよ。



「えっ?えっ?なんッスか?残…なんッスか?」

「兄貴君は『残念』な人だねって、言ったの」

「へっ?なっ、なっ、なっ、なんでッスか?なんで、そんな悲しい言葉が出てくるんッスか?」

「だってさぁ。どう聞いても、さっきの兄貴君の言葉って痛過ぎでしょ。1人でスッゴク熱く語ちゃってさぁ。普通に聞いたら、君のセリフって、結構、恥ずかしいよ。……もぉ、金八先生か!!ってぐらいの勢いで、熱血しちゃってるんだもん」

「えぇえぇぇえぇえぇ~~~ッ!!」


判断力のある人って、直ぐに、こう言う事を言うから嫌いだ……

今更になってよぉ、そんな冷静で冷酷な意見を言わなくても良いじゃないッスかね?


なんッスか、これ?

新手の苛めッスか、これ?



「ぷっ!!そっか……奈緒が、兄貴君に嵌る理由って、これなんだ。面白い」


……からかわれてたな。

矢張りこれは、ある意味、高等な苛めだな苛め。


けど、まぁ良いか。

理子さんの気が少しでも和らいだんなら、それは、それで有りだよ有り。



「そうッスか、そうッスか、あぁそうッスか。……そんな事を言う子には、今後、頼まれても、もぉ一生、熱く語ってやんないッス!!」

「嘘だよ嘘……ありがとうね、真琴。また元気付けてね」


・・・・・・


……女は、ズルイ生き物だ(森本レオ風)


笑顔で、こんなセリフを言われて『断る』なんて言える訳ないじゃねぇか!!


ズル過ぎるッス!!汚いッスよ!!



「勿論、良いッスよ。俺なんかで、理子さんが元気付けられるなら、いつでもOKッス」


あぁ、ダメだコリャ。

文句を言ってても、所詮は、男なんてこんなもんッスよ。

女の涙と笑顔には、なにがあっても敵わない様に、神様とやらに設定されてるんッスよ。


虚しいのぉ。


けど……悪くないのぉ。



「ありがと、真琴」


あぁそうそう、これもそうだよな。

上手くさぁ……タイミング計った様に、俺の名前なんかを急に呼んじゃってさぁ……男が嫌な気分になる訳ないじゃんかよぉ。


マジで、女ってズルイよな。


けど、これも、結構好きだったりする。



「ウッス」


っで、結局、行き着く先は、この答えな訳だ。


ホント、男ってアホな生き物だな。

女に手玉に取られる様に作られてるとしか思えねぇよ。

(↑仲居間崇秀を除く男性)



「ねぇねぇ、兄貴君……そう言えばさぁ。こうやって兄貴君と、2人でゆっくり話をするのって、今日が初めてじゃない?」

「あぁ……そう言やぁそうッスね。大体、理子さんと逢う時って、仲良く美樹さん達と一緒に居ますもんね」

「ちょ、人をレズみたいに言わないでくれない。普段は、みんな、結構、バラバラの時の方が多いんだけど」

「あれ?そうなんッスか?俺は、テッキリ、いつも一緒だと思ってました」

「なっ、訳ないじゃん。どちらかと言えば、学校も違うから、滅多に逢わないよ。まぁ敢えて、絶対、逢う時があるとしたら、兄貴君のライブか、路上ダンスの時ぐらいじゃない」

「そんなもんなんッスか?」

「そうだよ。それに中学校の頃は、結構4人とも、お互いを毛嫌いしてたしね」


仲が悪かったかぁ……あれだけ仲良くしてたら、あんま、そう言うイメージはねぇな。


まぁけど、此処は、敢えて、聞かぬが仏って奴か。



「まっ、良いんじゃないッスか。今が仲が良いなら、昔なんて関係ないッスよ」

「まっ、そうだね」


話が一旦、此処で切れた。


……って、ヤバッ!!

このまま沈黙してしまっちゃあ、折角の理子さんとの時間が無駄になっちまうな。


男の俺から、なんか話題振らなきゃな。


なんかねぇかな?なんかねぇかな?


・・・・・・


おぉそうだ!!

情報通の理子さんなら、あの事情を知ってるかもな。


ちょっと、その辺を話題にして聞いてみるか。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>


なんか理子さんと良い雰囲気に成ってますけど……この子、大丈夫なんですかね?


まぁこう言う変に素直で、率直な意見を言ってしまうのが倉津君なんで、しょうがないと言えばしょうがないんですが。

これこそが、彼を『人誑し』と言われる所以なのかもしれませんね(笑)


さてさて、そんな中。

会話が途切れてしまった倉津君は、なにやら理子さんに聞きたい事がある様ですが……一体、何を聞くつもりなんでしょうね?


それはまた次回の講釈。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ

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