●前回のおさらい●
自身の今現在の体を褒めて、女性物の衣類に対する抵抗を薄め様とする倉津君。
さてさて、その効果は如何ほどの物か!!
……さてと。
心身共にリラックスする為に、自身の体を褒めながら、ゆっくりと湯船にも浸る事も出来た事だし。
そろそろ上がろ。
これ以上風呂に入ってたら、以前、奈緒さんにやられた『石川五右衛門の刑』の時みたいに、また茹蛸になっちまう。
流石に今回ばかりは、こんな所で真っ裸で倒れたら間抜け過ぎるからな。
『ガラガラガラ』
「はぁ~~~、良い湯だった。なんか、結構スッキリしたな。風呂最高!!」
……っと思ったのも束の間。
矢張り、目の前にある大きな問題を直視してしまい……
「……でもなぁ、まだ、これがあるんだよなぁ~~~、着替え最低(↓)」
一気にテンションダウン。
結局、風呂場で『必至に自分を受け入れる話』をしたり。
サッと着替える為に『リラックス効果』を期待して風呂に入ったのも何所へやら……
最後の最後になっても……矢張り、踏ん切りが付いてないでいる俺。
ホンで、どうしようにもないから。
まずは奈緒さんに借りる予定のパンツを手に取り、意味もなく、いつもの様に伸ばして遊ぶ。
「オイオイ、こんな小さいパンツで本当に大丈夫なのかよ?仮にこれを履いたって、半尻状態に成るだけで、なんの意味もねぇんじゃねぇの?」
……っと、言い訳をかましてみる。
はぁ~~~、ダメだ。
こうやって文句を言って誤魔化してるけど。
実際、この女物のパンツを履いちまったら、なんか俺の人生が全て終わっちまいそうな気分に成っちまったよ。
けっ、けど……そんな事ばかりも言ってらんねぇんだよな。
なんせ、今朝まで着ていた服は、今や洗濯機の中をグルグル回ってる状態だから、もぉどうやっても今は着れる状態じゃないし。
それになにより、家の中とは言え、このまま裸で居たんじゃ、いずれ100%風邪を引いて、お陀仏確定だもんなぁ。
まいったなぁ。
これ……なんとか、サッと履けないもんかなぁ?
・・・・・・
いや、ちょっと待てよ。
……あっ!!そうか!!そうだ、そうだ!!
こうやって変に服バッカリを意識して見てるから、こんなおかしな心境になるんじゃねぇのか?
要は、この状態って、女物の衣類を意識し過ぎてるだけの状態なんだよ。
だったら、今後は、そんな服を意識して見るんじゃなくてだな。
鏡に写ってる自分の女の子姿だけを集中して見れば、万事、上手くこれを解決出来るんじゃないのか!!
そんで俺自身も、鏡に映ってる子を、一切、自分だとは思わずに、こっそりと覗いてると思えば良いんだ!!
おぉ!!俺、賢いじゃん!!
良~~~し!!なら、まずはそれで行ってみよう!!
……って事で、迷いが入る前に決行!!
まっ、まっ、まっ、まずは、当然、今、手に持ってるパンツからだよな。
(↑早くもテンパる俺)
変に緊張して、プルプル震えながら女物パンツを持つ手は一切見ず。
視線を、必至に自分の女の姿が写る鏡だけに集中して、奈緒さんに借りたパンツに、右足、そして、左足と、順番に片足づつ入れて行く。
行けるか!!
「ハァハァハァハァハァ……ダメだぁ」
むっ、無理……
決死の思いで頑張ってみたものの。
結果は、丁度、膝ぐらいに達した時点で、俺は妙な罪悪感に囚われパンツから、つい手を離してしまった。
いや、勿論、こうなったのには、ちゃんと理由はあってだな。
鏡に映ってる俺が、あまりにもテンパった顔をして、物凄い形相で怒ってる様な感じだったもんでな。
ついつい、本能的にパンツから手を放しちまったんだよ。
なんかな。
鏡に映ってるのが自分なのに、それを覗いてるのに気付かれて、スゲェ怒られてるみたいな気分にもなっちまったんだよ。
着眼点は良かったんだが、意外と、この方法も使えなかったな。
・・・・・・
……いや、待てよ。
そうじゃないよな。
着眼点が良いなら、ひょっとして此処は、発想を転換すれば、なにか別の良いアイディアが浮かぶんじゃないか?
それって所謂、怒られてる表情が原因であるならば。
そこは頑張って、怒っている様な表情を浮かべずに、満面の笑顔でパンツを履けば問題ないって事なんじゃねぇの?
いや、寧ろ、この場合なら、漫画みたいに、覗かれて、少しだけ拗ねてる感じの表情の方が良いんじゃないか?
それだったら、あんな凄い形相にはならないし、ある意味、鏡の中の自分が、俺に好意があるみたいに感じれるだろうしな。
なら、それだ!!
(↑ヤッパリ考える事が馬鹿)
俺は再度、鏡を凝視しながら、まずは少し拗ねた様な顔を作ってみる。
おや、まぁ、思った以上に、これは良い感じだな。
……いや、それ処か、滅茶苦茶可愛いって、この表情!!
自分で言うのもなんだけどな、これ……男が見たらイチコロだぞ!!
良し良し、これなら今度こそ、なんとか上手くいけそうな雰囲気だ。
良し!!なら早速行くぜ!!
再び、膝で止まったパンツに手を掛ける。
そこからは、なにも深く考えず、ただ只管に鏡だけを凝視し、拗ねた表情造りに集中する。
それで居て、繊細に、ゆっくりとパンツを上げて行った。
『ピタッ!!』
股間になにかが当った感触……
これって、やっとの思いで女性物のパンツが履けたんじゃないのか?
到達~~~~!!
やった!!やりましたよ俺!!
漸く、第一関門の女物のパンツが履けましたよ!!
いやいやいやいや、待て待て待て待て。
こんな程度で、完全に安心するのは、まだまだ早い。
これ以降も、多くの難関が待ち構えてるんだから、こんな程度の事で大手を振って喜んでる場合じゃないな。
それに……パンツの位置とかが変じゃないか、ちゃんと確認しないとな。
幾ら、パンツが履けたとは言っても、みっともない履き方をしてたんじゃ意味がねぇからな。
それが完璧に出来てこそ、初めて、第一関門突破って言えるんだからな。
気を抜くなよ俺!!
んな訳で、取り敢えず、確認。
まずは、キッチリ鏡の正面を捉えて。
前を向いて、鏡でチェック……うん、良い!!
今度は、鏡に背中を向けて。
後ろを向いた状態で、鏡でチェック……うんうん、GOOD!!
あっ、後……下の毛が薄かったから大丈夫だとは思うんだが。
陰毛が食み出てないかを、鏡でチェックしとかなきゃな……うん、これも完璧だ!!
「うん……これなら、マジで大丈夫……だよな」
……ってかね。
流石に体が女になってるだけあって、俺が想像してた様な『女装した俺の姿』はなかった。
それ処か、滅茶苦茶、良い感じだと思うんッスけどね。
自画自賛ッスかね?
つぅかさぁ。
この女物のパンツ履いてから、ちょっと思ったんだけどさぁ。
これって本当に、そこまで気にする様な話じゃないんじゃないか?
いや、だってさぁ。
此処まで見事にフィットしてるなら、いっその事、もぉ一早く、全部女物の服で統一しちゃった方が良い様にも思える。
まさに、それで全てが問題無しになるんだしな。
……って事で、早速チャレンジするでヤンス!!
じゃあ次は、順番から言って……矢張りパンツ同様の下着である【ブラ】か。
けど、流石にこれは、女性の膨らんだバストを守る為の女性専用下着だから、昨日まで男だった俺には無縁なものだな。
……とは言え、解らないなら、解らない也に、ソレを逆手にとって。
此処は変に気負いせずに『サッと行っちゃえば良いんじゃないか』って思ってるんだよな。
どうやっても、解んねぇもんは解んねぇんだし。
良し!!
なら、まずは四の五の言わずチャレンジだ!!
やってみよぉ~~~!!
・・・・・・
……えぇっと、それは良いんだが。
ブラに関しては完全に無知だから、マジの方でブラの付け方自体がわかんねぇな。
イカン、こりゃあ本気で困ったな。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
また1人でアホな事ばっかりしている様に見えるのですが。
倉津君は、倉津君也に、今ある現状から目を背けずに戦っているので、どうか生暖かい目で見守ってあげて下さい。
彼は此処までしないと『女性物の下着を履く』に当たって、抵抗感が強いですからね。
さてさて、そんな攻防の中。
漸く、女性物のパンツを履くに至った倉津君。
ですが、次の新たなる刺客は、付け方さえ解らない難敵『ブラジャー』
次回、倉津君は、この試練を乗り越えられるのか?
……ってな感じで、また次回も良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
……ってか、8月早々、何を真面目にこんな事を書いてんだ私は?(笑)
読み終わったら、ポイントを付けましょう!