●前回のおさらい●
崇秀の行動に感動した倉津君だったが。
ついその勢いで「俺が、アイツの幼馴染の女だったら、きっと惚れてただろうな」なんて事を考えてしまい。
今自分が、その立場にある事に気付き。
必死に「違う」っと否定していた所に……奈緒さんが帰宅する(笑)
そして奈緒さんは悪戯な悪魔の様な笑顔をしながら、倉津君ににじり寄って来る。
「いや、あのッスね。実は、さっき、崇秀から研究の進行状況についての電話があったんッスよ」
「ふむふむ、なるほど、なるほど。今回の話は仲居間さん絡みか」
はぁ~~、この奈緒さんの態度を見た時点で、早くも嫌な予感しかしない。
見ててみ。
絶対に最悪の方向で曲解するぞ、この人は。
「っでッスね。まぁ、今まで研究をしてた実験が全部失敗に終わって、特に目立った成果が得られなかったと」
「ほんでほんで」
「でもッスね。あの馬鹿は『俺の病気を直す事が、世界的にも貢献出来るもの』だって、何食わぬ顔で、他の患者まで救う気満々なんッスよ」
「っで?っで?」
「っでッスね。そこで俺が、ちょっと感動したもんだから『あっ、あのよぉ。崇秀、マジで頑張ってくれな。……俺なんかの事よりも、その人達の為によぉ』って言ったんッスよ。そしたらアイツ……」
「なになに?それで、どうなったの?そこで、とうとう愛の告白なの?2人は結ばれるの?」
ちょ……なんでそうなるん?
いや、今の話を聞いてたら、普通は、そんな酷い逸れ方はしないでしょうに!!
「違いますよ!!アイツはッスね『ふっ、遠慮するな。オマエも纏めて面倒見てやるよ』って言うんッスよ」
はいはい。
こう言ったら、絶対にこの人の事だから『面倒見てやるよ』に反応するよ。
此処だけは100%断言出来るよな。
「っで『仲居間さんに面倒を見て欲しかったクラは』そのまま仲居間さんに惚れちゃったと……うん、ヤッパリ、愛の告白じゃない」
ほらな。
案の定だよ。
言うと思ったよ。
「違うちゅ~~の!!まだ、この後に、ちゃんと続きがあるんですよ、続きが!!」
「ちぇ……ある意味、これで成立したら『禁断の幼馴染プレイ』なのに」
腐女子かアンタは!!
じゃあ、なんッスか?
あっしが『崇秀の為に、私、女の子になったよ。これで愛し合えるね♪』とでも言えば、あ~~たさんは大満足なんかい?
けどねぇ、奈緒さん。
此処だけは、心の中でハッキリ言って置きますがね。
断じて断る!!
「っで、なに?その『結ばれる筈の無かった悲しい禁断の愛』って、どうやって成立するの?」
「だから、しないつってんでしょ!!」
「ちぇ、つまんないの。……仲居間さんなら、喜んでクラをあげるのに」
「なに言ってんッスか!!やらんで良いです!!俺は、奈緒さんのものなの!!奈緒さん以外は、全員ダメェ~~~!!」
「はいはい、わかったわよ。じゃあ、カズは、いつ出て来るのよ?」
「なんで、そこで山中の名前が出て来るんッスか!!奴は、今回の登場人物には全く含まれてないッス!!」
「あっそ。じゃあ、嶋田さんは?」
「だから、嶋田さんも出て来ませんって!!……つぅか、なんでホモネタ?」
「なんでよぉ?クラ、今、女の子なんだから、全然ホモネタじゃないじゃない」
あの~~~申し訳無いんッスけど。
これでも一応、心は、まだ男のままのつもりで居るんッスけどねぇ。
それで崇秀に恋愛感情を持ったら、完全な『心のホモ』じゃないッスか!!
……あの、一応、言って置きますが、俺は、ホモの方に偏見が有るんじゃないんですよ。
自分は『そうじゃない』って、言いたいだけなんッスよ。
傷付かんとってね。
(↑さっきの崇秀の話で、珍しく学習した俺)
「いやまぁ、そうなんですけど。一応ねぇ……」
「なんでなんで?此処から、登場する筈のなかったカズと、嶋田さんが出て来て、可愛くなっちゃったクラを取り合うんじゃないの?ホンで最後の最後に、仲居間さんが格好良く登場して、クラのハートをガッチリ・キャッチ。……後は、子供に見せられない様な18禁♪」
「いや、あの、奈緒さん」
「なによ?」
「そう言う妄想をされるのは結構なんですがね。……どこで、そんな余計な知識を得て来たんですか?」
「うん?木根……琴ミン」
うわっ……そう言う事か。
アイツならリアルに有り得るな。
大体にして、オタクの聖地のコミケに行きたがる様なオタクさんだもんな……
ってか、あの野郎、奈緒さんに余計な知識を植え付けやがって……
……あぁ~~~そう言えば、明日コミケだよな。
思い出し序に、このまま行って来ようかな……この形なら100%誰にもバレる心配がないからな。
悪くねぇな。
いやいや、その前に……
「いや、あの、現実世界では、アイツが言う様な世界は、あんまり存在しないですから。特に、男が男を好きになるなんて極稀な事なんッスよ」
「えぇ~~~ッ、リアルな美少年の絡み、一回ぐらい見たいぃ~~」
「いやいや、奈緒さん。そんなの、ただの幻想ですよ。普通のこの年代の野郎って脛毛ボウボウで、青髭生えてる奴が大半ッスよ。そんな奴等の、そんなシーン見たいですか?」
「あぁ大丈夫、大丈夫。仲居間さん、無駄毛とか少なそうだもん」
あぁ……確かに少なかったッスね。
「いや、だとしても」
「……っで、仲居間さんの為に可愛い女の子になったクラと絡めば、全然OKじゃない。ほら、定番の幼馴染カップル完成……お幸せに」
「辞めて下さい。……今、想像だけでも、寒気して身震いしましたから」
「う~~わ、この子エロ。……一瞬でも想像してやんの。この妄想女」
「いやいやいやいや、ちょっと待って下さいよ。奈緒さんだって、さっきから全開にエロイ事バッカリ言ってるじゃないですか」
「私のは、ただの幻想。……君のは、リアルな妄想の大暴走。って事で、君はエロ女に決定しました。おめでとう」
それ……どういう言い草なんッスか?
どう言う理屈なんッスか?
「嬉しくねぇ~~~。つぅか、酷過ぎる。……ってか、奈緒さん」
「なんじゃい?」
「話……ちゃんと聞く気有ります?」
「あっ、そうだった、そうだった。スッカリ忘れてた。続き話して」
この人だけは……
「あの、一応、確認だけはして置きますが。さっきの話の内容は憶えてますか?」
「うん、ちゃんと憶えてるよ。確か、クラが感動して『抱いて崇秀』って言った所まで聞いた。……っで、その後は、どうなったの?」
なに聞いてたの?
それは、アンタの妄想でしょうに……
「あの、アホっすか?……全然、聞いてないじゃないですか」
「冗談だよ冗談。クラが感動して、えぇ~~~と……なんだっけ?」
ヤッパリ忘れてやがる……
「いや、まぁ、それで殆ど終わりなんッスけどね。その後、アイツの、今までの一連の行動を考えてたんッスけどね。結局、世話に成りっぱなしだなぁって思ったんッスよ」
「ほぉほぉ」
「んで、その時、何気にッスね。『男視点』で『俺が女だったら、アイツにベタ惚れするんだろうな』って思った訳ッスよ」
「ふんふん」
「……っでッスね。そこで、今、自分が女だって事に気付いて『惚れてない』って言ってた訳なんッスよ。これはさっきの話の真相っス」
「う~~~わっ!!なにそれ?……しょうもな。なに、そのツマンナイ・オチ。真剣に聞いて損したよ」
なに1つ、最初から真剣に聞いてねぇ~~~~!!
ただ単にチャチャ入れながら、ズッと俺を、からかってただけじゃないッスか!!
そんでトドメが『しょうもな』ッスか?
滅茶苦茶、酷いな、この人……
……でも、そんな意地悪な奈緒さんも大ちゅきですよ♪
あぁイカンイカン。
これ言ったら、今度は『マゾレズ』とか言われそうだから黙ってよぉっと。
「まぁ、良いや。じゃあクラ、早速、仲居間さんの為に、君の『おニューの下着』でも買いに行こっか?」
「あの、奈緒さん。なんでそうなるんッスかね?……ってか、ドンだけ崇秀とやらせたいんですか?」
「ちぇ……ちょっと位、見せろちゅうの」
ちぇ……じゃねぇし!!
絶対に、なにが有っても、アイツとだけは、お断りッスよ!!
「ってか、奈緒さん」
「なによ?」
「あの、此処最近ズッと気になってたんッスけど。……なんか、俺が女に成ってから、やけに冷たくないッスか?」
「……さぁ」
「いやいやいやいや……それですよそれ。それ、明らかに冷たいじゃないッスか!!構って、構って、前みたいに、ちゃんと構って下さいよ」
「ヤダよ。面倒臭い。なんで私が、女に気を使わなきゃ成らないのよ。……君、いい加減、自分が女だって事を自覚しなよ。……面倒臭い女だなぁ、もぉ」
マジで……
奈緒さんが初日に言ったセリフと、今の態度が、全然違うじゃないッスか!!
そんなに、この姿が嫌なんッスか!!
こんな形でも、俺は俺なんッスよ!!(´;ω;`)ブワッ
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
まぁ今回は『久しぶりのネタ回』っと言う事で、奈緒さんの意地悪な口調が炸裂した模様なのですが。
なんの伏線も無く。
奈緒さんが、こんな意地悪な行動を取った訳ではありませんので、良かったら次回、その辺を確認しに来て貰えると嬉しいです♪
って事で。
次回も、是非、遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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