最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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853 オマエ等、いい加減気色悪いんだよ!!

公開日時: 2023年6月8日(木) 00:21
文字数:2,230

●前回のおさらい●


 いつまでも、自分の心には倉津真琴の存在があると思い続け、ややおかしな思考に成っている眞子。

だが、それは、今後の事を考えると、矢張り良くない傾向。


それ故に崇秀は……

「痛ッ!!」

「ちょ!!仲居間さん。眞子は女の子なんですよ。なにも叩かなくても」

「あぁ?叩かなきゃいけない馬鹿を叩いて、なにが悪いんだ?女ってのは躾しなくても、いい生き物なのか?コイツはなぁ。いつまで経っても、ズルズルズルズル、何所かで、自分が倉津真琴のつもりで居やがるんだ。それで、さっきの自分勝手な提案が脳内で成立したんだろ?いい加減、本当に虫酸が走る。テメェで選んだ人生なら、それに徹しろ!!オマエなんぞに、もぉ倉津真琴を語る資格はねぇんだよ。この糞女」

「そんな言い方……」


そうだね……確かにそうだよ。

私は、倉津真琴の姓を捨てたくて向井眞子に成ったのに、今更、なに都合の良い事を言ってるんだろう?


なにが3人で仲良く一緒に暮らしたいだ……私には、そんな事を言う権利なんて無かった。


自分の存在を、また勘違いしてただけだ。


女の向井眞子が、女の向井奈緒ネェに惚れる訳が無い。

これは、都合良く真琴ちゃんの名前を語ったに過ぎない。


なに考えてたんだろう?



「はぁ?なんだそりゃあ?そんな言い方をされる様な奴が悪いんじゃねぇの?」

「だけど、その言い方はあんまりですよ」

「はぁ?オマエも大概、クダラネェレズ女だな。脳味噌ねぇのか?」

「えっ?」

「そんなにまでして、眞子の中に倉津真琴を仕込みたいのか?オマエも、いい加減にしろつぅの」

「なっ……」

「なにが『なっ』だ?……オマエなぁ。この際だからハッキリ言うがなぁ。アンタもアンタなんだよ、向井奈緒。向井眞子の存在を認め、自分の妹にしてまで女と認めて置きながら、いつまでも、コイツの事を倉津真琴だと思ってんじゃねぇよ。気持ち悪いんだよオマエ。あんなぁ、アンタがそうやって、この糞女を甘やかすから、この糞女は、いつまでも好い気に成って、おかしな事ばっかり言うんだよ。向井眞子に成り切れねぇんだよ。そこんとこ、少しは考えろ。……向井奈緒!!オマエが一番、向井眞子を認めてねぇんだよ」


あぁ……まただ。

また、私の勝手な我儘に付き合ってくれた奈緒ネェが、崇秀の攻撃の的にされてる。


ヤメテ……奈緒ネェは悪くないんだよ。


私1人が悪いんだよ……



「そんな事を言われたって……眞子の中には、クラが居るんですから仕方ないじゃないですか」

「居ねぇよ。んなもん。そんなもんは遠の昔に居ねぇ。明らかにそれは、アンタと、そこに居る糞女の勘違いだ。世の中で、倉津真琴を、コイツの中に求めてる間抜けは、アンタと、この糞女だけだ。他の連中はなぁ。誰もがコイツの事を、向井眞子として求めてるんだよ。身内なのに、そんな事もわからねぇのか?このボンクラ女」

「だって、それは眞子の正体を知らないから言えるだけで、知ってしまったら。そう言う眼で……」

「あぁ?『正体』だと?……コイツの正体は、向井眞子であって、向井眞子以外の何者でもない。倉津の親戚だからって、向井眞子に、倉津真琴を求めてんじゃねぇよ。馬鹿じゃねぇのかテメェ?マジで気持ち悪いんだよ」

「崇秀、もぉヤメテ……奈緒ネェは悪くないの!!表面上でしか自覚してなかった私が悪いだけなの!!」


巻き込んで、ごめんなさい。


また嫌な思いをさせて、ごめんなさい。


奈緒ネェは、なにも悪くないのに……いつも私を庇ってくれてるだけなのに……



「はぁ?なに言ってんのオマエ?明らかにオマエも、コイツも、両方とも悪いに決まってるだろ。この気持ち悪い女はなぁ。とんだ性悪だ。自分の欲望を叶える為に、表面上ではオマエを眞子だと言い。その裏では、オマエを倉津だと、まだ思っていやがった。オマエは騙されたんだよ。その性悪女に」

「なっ!!……ちょっと崇秀、今の言葉取り消して。私の事を言うなら、幾らでも言えば良いけど。幾ら崇秀でも、奈緒ネェを、そんな風に言うのは許せない。取り消して」

「嫌だね。お断りだ。絶対に取り消さねぇよ。俺はなぁ、オマエ等みたいなショウモナイ奴等に垂れる頭は持ち合わせていねぇんだよ。そんなに馴れ合いたきゃ、2人で『一生一緒に楽しいおままごとゴッコ』でもしてろカス共が!!……気持ち悪ぃ」


なにぃ……


今の言葉は、幾らなんでも聞き捨てならない!!

奈緒ネェの気持ちを考えたら、そんな言葉、絶対に言っちゃイケナイ言葉だよ!!


そんな事を平然と言う、オマエなんか大嫌いだ!!



「だったら、此処から出て行けば良いじゃない!!オマエなんか、もぉ友達じゃない!!2度と顔を見せるな!!消え失せろ!!」

「あっそ。じゃあ、もぉ勝手にしろ。これでオマエ等との腐りきった縁も、これまでだな。2度と逢う事もねぇだろうから。……2人でお達者に」

「うるさい!!余計な事を言ってないで!!さっさと出て行け!!オマエなんか消えてなくなれ!!」

「あっそ……じゃあな、あばよクソ共」

「うるさい!!うるさい!!うるさい!!早く消えろ!!オマエの顔なんて2度と見たくない!!勝手に1人で生きて、勝手に1人で死ねば良いじゃない!!消え失せろ人間の屑!!」

「はいはい、うるさいのはテメェだ。……少しは自覚しろボケ」

「このぉ~~~!!オマエなんか絶交だ!!死んじゃえ!!」

「そっかよ。……ソイツは清々したわ。じゃあな。アバヨ」


『バタン!!』

そう言って、人を小馬鹿にした様な表情を浮かべたまま、崇秀は出て行った。


そんなアイツを、私は扉が閉まるまで睨み続けていた。



『『ギリッ!!』……くっ!!そろそろ限界か……でも、これで良いんだ。これで……』


こんな事を起こした、崇秀の真意も知らずに……



最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


このTSに於ける、事の発端は崇秀の悪戯だったのですが。

その責任を取り続け。

奈緒さんや、眞子本人の納得の上で、今の眞子の姿に了承を得た以上、今の眞子の考えのままでは危険。


そう……その思考では、いつまで経っても眞子は『本当の意味での向井眞子に成り切れない』

そして、その成り切れない原因が、実は『眞子に甘い、奈緒さんにもあった』んですね。


……っで、これを注意する為に、崇秀は暴言とも言える言葉を吐いたのですが。

どうやら眞子には、その意志は伝わらず、崇秀に対する怒りだけが蓄積されてしまったようです。


まぁ、この辺は、中々割り切れない部分ではあると思いますので、実際は、眞子も奈緒さんも中々割り切れない話なんでしょうけどね。


さてさて、そんな中。

崇秀は、奇妙な言葉を残しつつ、病室の扉を閉めて出て行った訳なのですが。

果たして、此処には、どんな意図が隠されているのか?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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