●前回のおさらい●
ご店主さんの説得に折れ、結局はカスタムして貰う事に成った眞子。
だが、その直後に、そのカスタム金額をご店主に聞くと『2万円』だと言われ混乱する羽目に。
では、何故、40万も掛かるカスタムが2万に成るのか?
「2、2、2、2……2万?って!!おかしいですよ。それ、明らかに、おかしいですよ」
「なにが?全然おかしくないって、これは至って正当な金額だよ」
「なっ、なんでですか?」
「考えてもみ。30万で買って貰ったのは10年前。その時点から、今日までの利子が5万程付く。その上で、オイラの唯一の心残りを、此処まで持って来てくれた感謝の気持ちで謝礼として2万。更に、今日此処でバイトするバイト料が1万……って事はだな。40万-30万-5万-2万-1万=2万。なにも間違っていないだろ」
「だから、そう言うのを詭弁って言うんですよ。ちゃんと取って下さいよぉ」
「流石、先生……素晴らしいです」
シバクよ、ホランドさん……
「まぁ、多数決で決定。ホンじゃあ鞍馬ちゃん、オイちゃん頑張って来るからねぇ」
「ちょ!!」
あぁ~~~~!!本人の了承も得ず
ギターと、ベース持って工房の方に行っちゃったぁ~~~~。
抜け道……無し……終わった……
***
……っとまぁ、そんな事が、ダラスの街であった訳なんですよ。
本当に、どうしろって話でしょ。
まぁまぁ、そうは言いましても。
この後、裏切り者のホランドさんと2人で、店でバイトをしたんですけどね。
……でも、この店って、外観が、例のあれで、魔女が出てきそうな店だから、お客さんが来ないと言いますか……前を通り過ぎる地元の人でさえ、早歩きで行っちゃう様な店なんですよね。
なので兎に角、店番と言うよりも、本当に暇な店だから、店内の掃除ばっかりしてた、ただの掃除婦だった訳ですよ。
ほんで、流石に、これじゃあ、なんか悪いなぁっと思って。
近くのスーパーに買出しに行って、夜ご飯なんかも作ってみたりもしてみた。
……っで。
ご店主には、ホランドさんと同い年ぐらいの日本のアニメおたくな息子さんが居られたので、その息子さんにも一緒にテーブルに付いて貰い。
4人でテーブルを囲んで、それなりに和気藹々とご飯を食べてると。
この時点で、ホランドさんのギターが調整を終え……返って来た。
ほんで店の中で、早速ホランドさんが試し弾きをしてみたら……思いも拠らない様な『凄い良い音』が鳴るのよ!!
(因みにだけど、此処からの奈緒さんのライブ後半戦では、爆発的に良い音が出てた)
そんで私は、それを見せ付けられたもんだから『79 Sting -rayちゃん』の帰りをドキドキしながら店番してたら。
……気付けば閉店の時間になっていた。
でも、私の大切な愛機である『79 Sting -rayちゃん専用カスタム』が、まだ終わらずに。
その場での帰還を果たす事無く『店での預かり』と言う次第になってしまう。
……ガクッ。
でもね、でもね。
『79 Sting -rayちゃん』が帰って来ない代わりに『GUILD 67 STAR-FIRE4ちゃん』を、ご店主のご好意でレンタルして貰いましたぁ♪
あぁ、実はね。
私『79 Sting -rayちゃん』から、浮気をする気は全くないんだけど。
この『GUILD 67 STAR-FIRE4ちゃん』
此処のご店主が、私の前に持って来た時からズッと気になって仕方が無かったのよね。
まぁなんと言いますかねぇ。
実質的な話で言いますとね『セミアコのベース』って、自分自身で1度も演奏に使った事が無いから……この子を見た瞬間から『この子は、どんな音がするのかなぁ?』っとか思ってたのよね。
それに奈緒ネェが、真琴ちゃんの学校で見つけた『GUILD M-80』のイメージが強いから、私の中で『GUILD』って会社のイメージが……凄く良いのよね♪
まぁそんな訳でして。
練習用として代ベース(?)を借りて、残りの奈緒さんのライブにくっ付いて行ってた訳です。
でもさぁ、これ、返すの勿体無いなぁ。
頑張ってローン組んででも買っちゃおうかな♪
……今、お金有るけど、無いも同然だけどね……
・・・・・・
あぁ、そうだぁ!!
そうだ、そうだ!!良い事を思い付いちゃった!!
あぁ、いやいや、なんでもないですよ、なんでもないんです。
あぁ、そんな事よりですね。
聞いて下さいよ。
さっきしていたバイトで、どうしても一個だけ納得がイカナイ事があったんで、その話を聞いて下さいよ!!
あのね、それが何かと言いますとね。
裏切り者のホランドさんは、エプロンを服の上から付けて店番してただけなのに!!
なんで私だけ!!レースをふんだんに使い、ふりふりリボンの付いたメイド服なんか着てバイトをしなきゃいけないですか!!
メイド喫茶でバイトをするならまだしも。
楽器屋で、あの格好でバイトするのは、どう考えてもおかしいって!!
まぁその辺は、なんか息子さんの趣味がモロに出てる様な気がしてならないんだけど……そう言う私欲に塗れた制服を渡すのは良く無いですよ!!
……って事なんで。
『GUILD 67 STAR-FIRE4ちゃん』
通称『スタファちゃん』を私が身請けする際は、その辺を考慮して、ちょっとオマケして下さいね。
普通に買ったのでは、ローンを組むにしたって凄く高そうだし……
・・・・・・
……ごめんなさい。
難癖つけて、この値引き交渉がしたかっただけです。
ご厚意でカスタムして貰ってると言うのに、こんな浅ましい事まで考える業突く張りで、すみません。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
ホランドさん……調整して貰えて良かったですね♪
実際、この後の奈緒さんのライブでも爆発的に良い音が出てたと言ってましたので、矢張りプロの仕事と言うのは並じゃない事が証明されたと思います♪
あぁ因みになんですがね。
このホランドさんの調整や、眞子のカスタムをしたご店主さんは『ジムさん』と言いますです(笑)
確か、名前がまだ一回も出てなかったと思いますし、今後も彼が出演する事もあると思いますので、一応、ご報告しておきますね。
……ってな感じで、ホランドさんと言った奇妙な楽器屋さんのお話は、此処で終了なのですが。
それにしても眞子は、何故、敢えて、こんな話をしてたのでしょうか?
そこに何か理由があるのか?
次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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