最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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374 楽しい時間の終焉と共に

公開日時: 2022年2月15日(火) 00:21
更新日時: 2022年12月26日(月) 14:59
文字数:1,555

●前回のおさらい●


 時間を忘れる位に、楽しい時間を真上さんと過ごしてしまう倉津君


気付けば時間は……( ゚д゚)ハッ!

 ……っで、気付けば、日付変更線をとっくに越えて、今現在深夜の2時。

俺の見境が無い行動が、知らぬ間に、彼女に迷惑をかける事になってしまっていた。


やっちゃったよ……



「うん、今日は、こんなものですね」


そう言いながら、彼女は、椅子に座ったまま背中を伸ばす。



「あの、真上さん」

「あっ、はい?なんでしょうか?」

「すみません。こんな遅くまでお邪魔しちゃって」

「私は、全然、構いませんよ。……って、そう言う話じゃないですね。私の方こそ、こんな時間まで無理にお引止めしちゃって。お忙しいのに、本当にすみません。久しぶりに楽しかったもので……つい」


本当に真上さんは、人のせいにしない人だな。

これじゃあまるで、真上さんが、俺を引き止めてたみたいになってるじゃないか。


そうじゃないんッスよ、真上さん。

俺も楽しかったからこそ、迷惑と解りつつ、此処に居たんッスから……って言うか、寧ろ、居たかったんッスから……


けど、真上さんに、それを言っても折れない筈だから、此処は1つ違う方向で攻めよ。



「いやいや、俺の方こそ楽しかったッスよ。最近、なんか自分のしたい事を、全然してなかったんで。こう言う時間を提供して貰えて、ホント、ありがたかったッス」

「そう言って頂ければ、私も少し気が楽になりました。お気遣い頂いて、ありがとうございます」

「そんな、そんな……じゃあ、そろそろ俺、お暇させて貰いますね」


上手く行った。


真上さんの性格を上手く使えたぞ。


完璧だ。



「あの……帰られると言われても、電車が走っていませんが。……どうやって、お帰りになるのですか?」

「いや、タクシーっすけど」

「あぁ、でしたら、私が、お送りしますよ……無免許ですけど」


ブッ!!


無免許って……


あぁ!!そう言えば、さっき、商品を取りに行く時も、なんの躊躇もなく運転席に座ろうとしてたな。



「いやいやいやいや、ご心配には及ばないッスよ。タクシーでチョイチョイっと帰れば済む話ですから」

「私の運転じゃ不安……ですか?」

「そうじゃなくてッスね。真上さんも疲れてるのに、送ってまでして貰ったら悪いじゃないですか」

「あぁ、そうかぁ。そう言う風に、とって頂けてるのかぁ。……あぁ、でしたら、軽トラですけど、お貸ししましょうか?倉津さん、運転には慣れてられるみたいですし」


あの……一応、俺も無免許なんっすけど。


いやまぁ、確かに『免許証モドキ』なら、財布に入ってますが……



「いや、あの……」

「あぁ、そうかぁ。倉津さんも、お疲れですよね。でしたら、矢張り、私がお送りするのが筋ですね。倉津さん、お送りします」

「いや、だからッスね……」

「そんなに、お嫌……でしょうか?」


……そう言う、懇願する様な眼は辞めて下さい。


無条件で、話に乗っちゃいそうになりますから。



「そんな事ないッス、そんな事ないッス。寧ろ、ありがたいッス。けどッスね」

「『けど』なんでしょうか?」

「その場合、真上さんが往復しなきゃダメじゃないですか。だったら、行きだけでも、俺が運転しても良いですか?じゃないと、流石に疲れちゃいますよ」


この時点で、俺自身が言ってる事がおかしいんだよな。

俺の言い分が正しいなら『車を借りて帰れば良い』だけなんだよな。


けど、気持ち的には、まだ真上さんと話し足りないんだろうな。


これって、ヤッパ、真上さんに嵌ってるのかな?



「でしたら、車をお貸しします。そんな風にお気遣い頂いてたのでは、倉津さんの安眠妨害になり兼ねませんので」

「そうッスね……」


一人、本末転倒。


無様俺!!


そんで、結局の処、真上さんの家の車を借りて帰る事になったんだが……なんか知らねぇけど、一人って、こんなに虚しいのな。

多分、さっきまでの楽しさの反面が、こう言う風になって現れてるんだろうけど、ギャップが有り過ぎて辛いな。


ヤッパリ俺、真上さんに嵌ってる?


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ~~~<(_ _)>

これにて、第一章・第七話『魔性の女とか言うな』はお仕舞に成るのですが……如何でしたでしょうか?


私個人としましては、真上さんの魔性の女っぷりが表現出来た上で。

意外と普通の女の子、だと言う部分も同時に表現出来たと思っております(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


まぁでも、あれですよね。

今の倉津君の姿からしても、奈緒さんが『これは手強いね』って言った意味は理解して頂けたとは思います。


真上さんは『天然で手強いです(笑)』


さてさて、そんな感じの中。

次回からは再び、文化祭本編の方の話を書いて行きたいと思うのですが。


まずは状況説明が入りますので、どうぞ宜しくお願いしますです♪


っで、次回のタイトルは『多方面に拡大する嵐』っとなっておりますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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