●前回のおさらい●
時間を忘れる位に、楽しい時間を真上さんと過ごしてしまう倉津君
気付けば時間は……( ゚д゚)ハッ!
……っで、気付けば、日付変更線をとっくに越えて、今現在深夜の2時。
俺の見境が無い行動が、知らぬ間に、彼女に迷惑をかける事になってしまっていた。
やっちゃったよ……
「うん、今日は、こんなものですね」
そう言いながら、彼女は、椅子に座ったまま背中を伸ばす。
「あの、真上さん」
「あっ、はい?なんでしょうか?」
「すみません。こんな遅くまでお邪魔しちゃって」
「私は、全然、構いませんよ。……って、そう言う話じゃないですね。私の方こそ、こんな時間まで無理にお引止めしちゃって。お忙しいのに、本当にすみません。久しぶりに楽しかったもので……つい」
本当に真上さんは、人のせいにしない人だな。
これじゃあまるで、真上さんが、俺を引き止めてたみたいになってるじゃないか。
そうじゃないんッスよ、真上さん。
俺も楽しかったからこそ、迷惑と解りつつ、此処に居たんッスから……って言うか、寧ろ、居たかったんッスから……
けど、真上さんに、それを言っても折れない筈だから、此処は1つ違う方向で攻めよ。
「いやいや、俺の方こそ楽しかったッスよ。最近、なんか自分のしたい事を、全然してなかったんで。こう言う時間を提供して貰えて、ホント、ありがたかったッス」
「そう言って頂ければ、私も少し気が楽になりました。お気遣い頂いて、ありがとうございます」
「そんな、そんな……じゃあ、そろそろ俺、お暇させて貰いますね」
上手く行った。
真上さんの性格を上手く使えたぞ。
完璧だ。
「あの……帰られると言われても、電車が走っていませんが。……どうやって、お帰りになるのですか?」
「いや、タクシーっすけど」
「あぁ、でしたら、私が、お送りしますよ……無免許ですけど」
ブッ!!
無免許って……
あぁ!!そう言えば、さっき、商品を取りに行く時も、なんの躊躇もなく運転席に座ろうとしてたな。
「いやいやいやいや、ご心配には及ばないッスよ。タクシーでチョイチョイっと帰れば済む話ですから」
「私の運転じゃ不安……ですか?」
「そうじゃなくてッスね。真上さんも疲れてるのに、送ってまでして貰ったら悪いじゃないですか」
「あぁ、そうかぁ。そう言う風に、とって頂けてるのかぁ。……あぁ、でしたら、軽トラですけど、お貸ししましょうか?倉津さん、運転には慣れてられるみたいですし」
あの……一応、俺も無免許なんっすけど。
いやまぁ、確かに『免許証モドキ』なら、財布に入ってますが……
「いや、あの……」
「あぁ、そうかぁ。倉津さんも、お疲れですよね。でしたら、矢張り、私がお送りするのが筋ですね。倉津さん、お送りします」
「いや、だからッスね……」
「そんなに、お嫌……でしょうか?」
……そう言う、懇願する様な眼は辞めて下さい。
無条件で、話に乗っちゃいそうになりますから。
「そんな事ないッス、そんな事ないッス。寧ろ、ありがたいッス。けどッスね」
「『けど』なんでしょうか?」
「その場合、真上さんが往復しなきゃダメじゃないですか。だったら、行きだけでも、俺が運転しても良いですか?じゃないと、流石に疲れちゃいますよ」
この時点で、俺自身が言ってる事がおかしいんだよな。
俺の言い分が正しいなら『車を借りて帰れば良い』だけなんだよな。
けど、気持ち的には、まだ真上さんと話し足りないんだろうな。
これって、ヤッパ、真上さんに嵌ってるのかな?
「でしたら、車をお貸しします。そんな風にお気遣い頂いてたのでは、倉津さんの安眠妨害になり兼ねませんので」
「そうッスね……」
一人、本末転倒。
無様俺!!
そんで、結局の処、真上さんの家の車を借りて帰る事になったんだが……なんか知らねぇけど、一人って、こんなに虚しいのな。
多分、さっきまでの楽しさの反面が、こう言う風になって現れてるんだろうけど、ギャップが有り過ぎて辛いな。
ヤッパリ俺、真上さんに嵌ってる?
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ~~~<(_ _)>
これにて、第一章・第七話『魔性の女とか言うな』はお仕舞に成るのですが……如何でしたでしょうか?
私個人としましては、真上さんの魔性の女っぷりが表現出来た上で。
意外と普通の女の子、だと言う部分も同時に表現出来たと思っております(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
まぁでも、あれですよね。
今の倉津君の姿からしても、奈緒さんが『これは手強いね』って言った意味は理解して頂けたとは思います。
真上さんは『天然で手強いです(笑)』
さてさて、そんな感じの中。
次回からは再び、文化祭本編の方の話を書いて行きたいと思うのですが。
まずは状況説明が入りますので、どうぞ宜しくお願いしますです♪
っで、次回のタイトルは『多方面に拡大する嵐』っとなっておりますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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