最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1571 アカンか?

公開日時: 2025年5月24日(土) 00:21
文字数:2,090

●前回のおさらい●


 秘かに、向こうの世界に崇秀を召喚しようとする倉津君。


一体、何を企んでるのか?


どうせ、ロクデモナイ事でしょうが(笑)

「あぁ、いや、あのよぉ。正直言うとな。俺が初めてライブした時があったじゃん。あの時によぉ。オマエが、俺をバンドに誘った事とかがあっただろ」

「んあ?オマエの初ライブの時だと?なんだ、豪く前の話だな。……去年の4月の話か?」

「そぉそぉ、あの時よぉ。俺は、オマエの誘いを断ったけどよぉ。もしあの時、オマエと組んでたら、どう成ってたのかな?って思ってよ。そこら辺を実験的に知りたかっただけだ」

「あぁ、なにを考えてるのかと思ったら、そう言う事な。確かに、ケースとしては似てるよな。向こうの世界じゃ、お互い知名度が低い状態みたいだしな」


そうなんだよな。


今のこの崇秀って言うのは、世間から見ても、もぉ雲の上の存在どころか。

大気圏まで突破して宇宙の存在する様な『外なる神』的な存在に成っちまってるからだな。


今の崇秀と組んでも、売れて当然で、なんにも面白くないんだよな。


そんな折、今回、折角、こう言う稀なケースに恵まれたんだから『一度ぐらいやり直してみたい』って、気持ちが微妙にあったりしたんだよな。


だから、この提案を思い付いた訳だ。


まぁ、そうは言っても。

これは、ただの自分勝手で我儘な、興味本位な話だから、話すかどうか悩んでたんだよなぁ。



「だろ」

「だな……まぁかと言ってだ。流石に、諸手を挙げて賛成出来る代物じゃねぇな。今の現在が、こうある以上『タラレバ』みたいなモノは世の中には存在しないし。自分勝手に、相手方の人生を狂わす訳にもいかない。だから、遊び感覚で、そう言う事はしちゃダメだな」

「ですね。……ですな」


軽く怒られたよ。


まぁでも、そりゃあそうだよな。

普通に考えても怒られるわな。



「まぁなんにせよ、その話は無しな方向だ」

「おぅ」

「……っで、次の話なんだが。多分、時空計算の話だと思うんだが……どうだ?」

「おぉ、まさに、その通りだ。ヒナの奴が、そこをスゲェ知りたがってたからな」

「だと思ったよ。なら、この数式を、頭の中に叩き込んから向こうに行け。相手方が見れば、それだけで大体は理解出来る筈だ」


解らん。


なんじゃこれ?


崇秀のアホンダラァは、涼しい顔でスラスラと計算式を書いていくんだが。

その式は、なにやらややこしい文字がズラズラズラズラと18行程並び立てられてるだけで、既に数字すらない。


だから俺には、サッパリ意味が解らん。


つぅか!!

式も意味も解らんのに、こんなもん、簡単に憶えれるかよ!!


もっと簡単なのにしろ!!


プリーズ!!

プリーズ!!



「ゲッ!!なんだよ、この訳の解らん式は?」

「まぁ、そう言うなって。これでも、かなりシンプルに纏めたもんだから、細かい点までは突き詰めた計算式には程遠い代物なんだからよ。けど、大凡は、この程度の式で、相手は想像がつくと思うぞ」


いや、ソッチの心配をしてる訳じゃねぇんだけど。



「いや、そうじゃなくてだな。憶えられねぇよ、こんなもん」

「あぁそぉ、そっちか。あまりにも簡潔だから不安に成ってるのかと思ったら、ソッチな訳な。だとしたら、そりゃあ困ったな。どうしたもんかな?……あぁ、やっぱそうなるとだ。数式じゃなく、言葉で理論を憶えるしかねぇか」


そっちの方が無理。


数式さえ憶えられないって言うのに。

その数式さえ理解出来ない頭で『理屈を理解しろ』って、どういう神経をしてたら、そんなアホな発言が出来るんだよ?


オマエ、実は馬鹿だろ。



「オイオイ、あんま無茶言うなよ」

「いやいや、そんな身構える様な話じゃねぇ」

「なんでだよ?」

「いや、だってよぉ。ただ単にだな。どの軸を使うにしても。最終的には、どの軸も球体からハミ出す事はない。なら、そこに存在する時空の計算式は、何所まで行っても、球体の式が基本に成る。……っとまぁ、コレだけ教えとけって話なんだからよ」


あぁ、そうなの?


そんな話を憶えるだけで良いの?



「解ったけどよぉ。因みに、それでアイツが理解出来なかったら、どうすんだ?」

「そりゃあオマエ。その場合は、どうやってでもオマエが、さっきの式を憶えるしかねぇわな」

「NOOOOoooooぉおおぉおぉ~~~~!!」


これは、キッチリと憶えて。

それだけで、ヒナには理解して貰わなきゃいけねぇな。


えぇっと、なんだっけか?

崇秀のアホンダラァは、なんて言ってたっけな?


・・・・・・


あぁそぅそぅ、球体だな球体。


解った。

球体って憶えて置けば、ヒナの奴は理解出来るんだったな。

(↑既に危なっかしい臭いがする俺)



「そんじゃまぁ、これで講義は終わりだ。なんか他に質問あるか?」

「質問と言うか。……1つだけ頼んで置きたいんだが」

「んあ?なんだよ?」

「泊まって良いか?質問の都度、此処に来るのが面倒臭ぇ」

「はいはい。どうぞご自由に。……その代わり、今から仕事するから、喋り掛けるなな。黙って寝ろな」

「おぅ」


そんじゃま、情報も仕入れた事だし、また向こうの世界に行って見ますかね!!

(↑ローストビッチ(ヤケクソ)な俺)


……っとまぁ、途轍もなく順応性の高い俺は。

なんか知らんが、既に、この状況にも慣れて来た風格を醸し出しながら、またしてもアッチの世界に旅立つのだった。


でも、ホントなにこれ?


なにやってんだ、俺は?


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


世の中には、タラレバみたいなものは存在しないのですが。

もし仮に、そんなものが存在するとするならば。

それに縋ってみたくなるのも、人としての性ではないかと思います。


なので、倉津君の言動は、特に珍しいものではないのですが。

例え、その環境があったとしても、やっぱ、やっちゃダメなものはダメですよね(笑)


……っとまぁ。

そんな風に怒られながらも、情報収集に成功した倉津君なのですが。


果たして、崇秀が教えた時空計算のヒントを、ヒナちゃんに上手く伝える事が出来るのか?


次回は、その辺を書いていこうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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