最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1527 少しづつだが、何かがおかしい気がする

公開日時: 2025年4月10日(木) 00:21
文字数:2,037

●前回のおさらい●


 大人と違い、学生には2日酔いに対する有給休暇がない事を愚痴る倉津君。

だが、そんなものは『法律上でも未成年がお酒を飲んじゃいけない』ので、ある訳ないと気付き(笑)

 ……っとまぁ、目覚めにアホな事を考えながら。

昨晩、酔った勢いをそのままに、眠りについてしまったカウンターの上から、二日酔いで痛い頭を必至に持ち上げ。

毎度毎度のノタクタとした感じで目を覚ます訳なんだがな。


そんな寝ぼけ頭でキョロキョロとスタジオ内を見た所で、当然の様にアホンダラァの姿は、何所にも無い。


昨日、あれだけ一緒に飲んだと言うのに。

どうやら、あのアホンダラァは早くも出勤しており、もうこの場には居ないらしい。


その証拠にだな。

俺が眠りについていたカウンターの上には、ご丁寧にも『パンシロン』と『ソルマック』がセットに成って置かれてあり。

更に『ちゃんと学校に行きなさい』っと、やけに丁寧な言葉で書かれた嫌味な手紙まで添えられてある始末。


なんか言葉の使い方が、妙にムカツク。


でもまぁ、流石に、昨日、あれだけ色々な話をされて、いつまでも日拠ってる場合でもないと判断した俺は『パンシロンを、ソルマックで飲む』っと言う、効き目が薄れそうな荒業を敢行した後。


またしても、いつも通りノタクタと行動を開始する。

(↑此処の基本は、中々変わらない俺)


そんでまぁ、一旦は家に帰らないと、私服のまま手ぶらで学校に行く羽目に成っちまうし。

奈緒さんや、眞子、それに沙那ちゃんを放置したままの状態に成っちまうから、大層にも『家に帰る』事を堅く決意する。


……なんだけどな。


そうやって、このスタジオから出て行こうとしたらだな。

『STAFF ONLY』ってプレートで書かれた場所から、何故か大量に流れる水の音が聞こえてくる。


一瞬『水の出しっ放しか?』っと単純に思ったんだが。

あのアホンダラァのこった、スタッフ用にシャワー室まで完備してやがるんだろうと勝手に思い込み、それを無視して、俺はこの場を去る事にした。


流石に、崇秀がシャワー室に居る事が解っていても。

昨日酔った勢いとは言え、あんな、おかしな事を言っちまったもんだから、今はまだ面を合わし難いからなぁ。


勿論、2日酔い明けの頭で、奴の裸なんざ見たくもないしな。


色んな意味で、眼がバーストしちまう。


そんな訳で俺は、無作法なまま、仲居間スタジオを後にする事に成った。



時間は現在朝の8時。


***


 トロトロ歩いて帰ったから、無駄に20分も掛かっちまった。


いや、実は、そうなったのには訳があってな。

これは、実に間抜けな話ではあるんだがな。

昨日の晩、崇秀のアホが徒歩でウチの実家までやって来てやがったもんだからよぉ。

俺も、そのまま、あのアホに釣られて、一緒に徒歩でアイツのスタジオに行っちまったもんだから、愛車である『チャリを乗り忘れた』んだよな。


お陰で、この有様だ。


まぁ勿論、まだ酒が残ってるのかして。

シャキシャキ歩く事が出来なかったってのも、その原因の1つなんだろうけどな。


兎に角、家に到着した頃には、時間は8時20分に成っていた。



……んでまぁ、昨日の出来事の報告をする為に、自分の部屋に戻ってみたら、奈緒さんの姿はおろか、眞子や、沙那ちゃんの姿まで何処にもない。


おかしい。


これは、明らかにおかしい。


まぁ100歩譲れば、眞子が居ないのは学校に行ったと判断すれば、此処に居ないのも判らなくも無いんだが。

今現在、学校に行く必要の無い奈緒さんや、まだ学校に行けない筈の沙那ちゃんが、此処に居ないのは、あまりにも変だ。


それになにより、奈緒さんや、眞子が、沙那ちゃんを放ったらかしにして、何処かに行くとは、あまりにも考え難い。


どうにもこうにも、なにもかもがおかしい。


……なんて思って居たら。

庭の方から、沙那ちゃんの楽しそうに、はしゃぐ声が聞こえてきた。


だから、コソッと障子を開けてみるとだな。

そこには、玄さんに遊んで貰っている沙那ちゃんの姿が有った。


……って事はだな。

奈緒さんは、なにか用事が出来て、何処かに出掛けて行き。

眞子が、玄さんに沙那ちゃんを任せて、学校に行ったと考えるのが順当なラインか。


なるほど。


奈緒さんの用事が、何かまでは解らないが。

あのお方は、大人気のアーティストなだけに緊急の用事が入ったのかも知れないから、此処は、後で連絡してみるのがベストだな。

若しくは学校で、眞子に事情を聞くのが一番手っ取り早いかも知れないしな。


まぁ……沙那ちゃんに聞くってのが、多分、今、一番てっとり早い方法ではあるんだがな。

今から登校する俺が、学校にイケナイ沙那ちゃんにそれを聞くってのは、あまりにも酷な話だろ。


それだけは、余りにもタブーってもんだからな。


そんな訳なんで、サッサと自室で準備を済まし、俺は裏口から出て学校に行く事にした。


奈緒さんが家に居たら、学校を休もうと思ってたのによぉ。

(↑結局サボろうとしてた俺)


……あぁ、因みになんだけどな。

沙那ちゃんの親父さんは、今日の夕方ぐらいに、ウチに来てくれる手筈に成っているから、あしからず。

その時点から、今後の改装プランなんかを立てて、店内の内装をどうするかをジックリ相談しようと思っている。


そこに関しては、今現在そんな感じですな。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


少しづつ……ほんの少しづつ。

自身が知る常識が崩れていくのが、ホラーの定番なのですがね。


今回は、それに倣って、小さな変化だけを齎してみましたぁ。

なのでまぁ、実際は、まだそこまで気にするレベルの変化じゃないかもしれませんがね。


こうやって恐怖は浸食していくものなんですよ( ̄ー ̄)ニヤリ


さてさて、そんな中。

なんだかんだ言いながらも学校に向かって行った倉津君なのですが。


此処では、どの様な変化が齎されているのか?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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