最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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405 素直、それ、誰の話だよ?……って、オイ!!

公開日時: 2022年3月18日(金) 00:21
更新日時: 2022年12月28日(水) 21:38
文字数:2,095

●前回のおさらい●


 前日から色々あり過ぎてお疲れ気味の倉津君。

カジグチ君達との練習を終えた後、そのまま音楽室で寝てしまったのだが……


目を覚ますと、何故か、背中で寄り添うように素直ちゃんが寝ていた!!

 ……10分後。

小さく丸まっていた素直は、寒くなったのかして『ぶるっ』っと1度体を震わせてからムクッと起き上がった。


そして、自分の置かれている現状が把握出来ないまま、不安そうな顔で周りをキョロキョロと見回している。



「うっ、う~ん……此処どこ?……学校?……」


何かを見て、此処が学校だと言う事だけは、なんとか判断出来た様だが、この様子から見て、まだ完全に寝惚けてるようだ。

そんな素直は、更にキョロキョロと周りを見渡しながら、髪を手櫛で梳いている。


この辺は、実に、女の子らしい仕草だな。

自分の置かれてる現状が解らなくても、身嗜みを整え様とするなんてよ。


流石、女子だな。


そうして髪を梳きながらキョロキョロしていてると、何気に俺と眼が合う。



「よっ、おはようさん」


っと、わざとらしく右手を上げて、素直に俺を認識させる。


まぁ、なんで、こんな状態に成ってるのかは、俺にもよくは解らんが。

取り敢えず素直の奴は、そうやって俺を認識した瞬間に慌てるぞ、慌てるぞ。


女子は、寝顔を見られる事を、異常に恥ずかしがる生き物だからな。



「えへへ、おはよう、真琴君。……今日も窓から入って来て、起こしに来てくれたんだね。ありがとう」

「へっ?」


あっ、あれ?

なんか俺が予想していた方向とは、全く違う方向に話が行っちまってるみたいだな。


それにしても素直は、一体、なんの話をしてるんだ?

俺は生まれてこの方、オマエを起こしに、家に行った記憶なんて全く無いぞ。


ってかよぉ、まだ夢心地なのは良いけど、オマエの中の俺って一体なにキャラなんだよ?


少女マンガか、なんかのカッコイイキャラが、窓から起こしに来るならまだしも。

俺なんかが窓から毎朝起こしに来たら、ただの性質の悪い借金取りか、空き巣じゃねぇかよ!!


『毎度おはようございます有野さ~ん。早く借金返して下さ~い。期限過ぎてますよ~』ってな感じのよ。


それ……想像上でもダメだろ。



「どうかしたの、真琴君?……」

「いや、あの、素直。俺だぞ俺、解ってるか?認識出来てるか?」

「うん……勿論」


アカンは、この子。

やけに反応が鈍いし、現状が全く把握出来ていない。


確かに、この仕草自体は凄く可愛らしく、目に見張るものがあるんだが……どうやら素直は、奈緒さん同様、寝起き『ぽぉ~~~』っとする癖が有るらしい。


ヤバイヤバイ、このままじゃ、素直がなんかやらかしそうだ。


その証拠に、起き上がった素直は、段々コッチに向って近付いて来ている。


これはもぉ、早く、なんとかしなきゃな。


なんとか……


・・・・・・


……ってオイ!!

素直が慌てる予定だったのに、なんで俺が慌ててんだよ!!


『ちゅっ』



「へっ?」


えっ?


オイ……いま、おまえ、なにした?


……って!!


いぃいいぃいぃいぃ~~~!!

オイオイオイオイ、イキナリ、やっちゃったよ素直の奴。


これまで素直とは色々なハプニングは有ったが、キスだけは1度たりともしてなかったのによぉ。


素直の奴、寝惚けたまま……不意打ちで、俺にキスしやがったよ!!


しかも、素直の唇、柔らかくて『プニプニ』してやがんの。

(↑そこだけはキッチリ確認する俺)



「あっ、あれ?……えっ……えっ?……えっ!!えぇええぇえぇぇ~~~~!!嘘!?……僕……どうして?なっ、なに?どうして、真琴君が僕に家に居るの?」


あっ、素直の唇にリアルな感覚が伝わって、漸く、ハッキリと頭が覚めたらしいな。


しかし、とんでもない事態になっちまったな。

マジで、どう収拾すんだよ、これ?


・・・・・・


いやいや、イカンイカン。

男である俺が、素直と一緒に激しく動揺しててどうすんだよ。

此処は1つ、TVに出ている大人の様に冷静な対処すべきだな。


……けど、某が、ポーカフェイスが苦手なのは先刻承知でござろう。


早い話、ヘタレでござる。


故に、期待せずに見守って欲しいでござるよ。



では、取り敢えず、そんな感じで……


3・2・1……キュー!!



「オイオイ、やけに大胆だな素直。オマエって、そんな大胆な事をするキャラだっけ?」

「あっ、あの、違うの、違うの、違うんですよ。ぼっ、僕、今、ちょっと寝惚けてて、その……真琴君の事も夢だと思っちゃって、その……」

「ほぉ。って事は、あれか?素直は、夢の中じゃ、そんなに大胆なんだな」

「あっ……えぇっと、そっ、そんな事ないですよ。今日は偶々……そぅそぅ、偶々なんです偶々」

「そっか。じゃあ、仕方ないじゃねぇの?偶々そうなったんだからよ」

「そうですよね、そうですよね。偶々だから仕方ないですよね」

「まぁな」


おっ?世界に誇る大根役者である俺が、なんか知らんが、上手く事を運べたぞ。


これは、まさに奇跡体験だな、奇跡体験!!アンビリバボォ~~~だぜぇ~~~!!


まぁ、一応事故とは言え、奈緒さんに、この事はキッチリ報告はするが。

取り敢えず、現状だけは、なんとか事なきを得れそうな雰囲気ではあるな。


けど、そんな心境の俺とは裏腹に、素直の奴、なぁ~~~んか納得いかない顔してるぞ。


なんだ、その表情は?


いやこれは、なんか、やな予感が……


オイオイ、折角、上手く纏まってるんだから、この期に及んで此処で変な事を言い出すなよ。


素直、マジで頼むぜ、オイ!!


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>


色々ありながらも、ある程度は順風満帆に運んできた、此処まででしたが。

此処に来て、とうとう大きめのハプニングが起こってしまいましたね(笑)


事故とは言え、素直ちゃんとキスをしてしまうと言うハプニングを!!


まぁ勿論、これ自体は、倉津君に非はないのですが。

素直ちゃん相手に、これをやってしまった以上、ただで済む筈もなく。

また、若干ややこしい方向に話は進んで行きます(笑)


さぁ、対応しきれるか!!


それは次回の講釈。

また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾



オイ、殴公、マジでいい加減にしろよ(;゚Д゚) ('ω'*)いやです

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