●前回のおさらい●
倉津君の甘い考えを、呆れながらも細川君が擁護しようとする理由とは?
今、その真相が明らかに!!
「……ふむ。それって、相手の事を考えてないからダメって事」
「そう言うこった。本来の『利益上げる』って意味は『その場限りの利益を上げる』って事じゃないのさな。お互いが利益を上げて、次に繋がるルートを模索して、初めて利益を上げたって言うんだよ。だから『一方的な利益』を上げる思考をカットして、話をするからこそ、旦那の意見は有用に成ってくる。そう言うのって、結構、頭に『利潤計算』が残ってるから、骨が折れるもんなんじゃないのかい?」
「あぁ、そっかぁ。一人勝ちじゃ意味がないんだ」
「そう言うこったな。現に、今の眞子助には、旦那みたいな意見を出す事は出来なく成ってる筈だからな」
「あぁ……そうだね。じゃあ私は、どうしても勝ちたいって意思が強いから、真っ先に、利潤を追い駆けるスタイルに成っちゃってるのかなぁ」
「お悩みだな。なら、自己判断する為に、今回のこの案件を、そのスタイルで動いたら、どうなるさな」
「今の案件で、例を挙げれば良いの?」
「まぁ、それで良いんじゃないかい」
なんかよぉ。
メインの話をそっちのけにして、やけに、ややこしい話がメインに成ってきたな。
これってよぉ。
一見すると、無駄な話っぽいが、お互いを理解する為の話なんかな?
「だったら、問答無用で引っ張り込むだろうね。迷惑が掛かる以前に、勝ちさえすれば問題無いって考えるだろうし。私は、崇秀さんや、奈緒ネェに勝つ為に、このサイトに移籍したんだからね」
「だろうな。そうなって当然さな」
「だよね」
「でもな、旦那はそうは考えない。勝つ為の手段は、他にもある筈だから、まずは対象者の意見を尊重しようとする。違うかい?」
「そうだね。そこは細川君が言ってたみたいに、他人ありきで話をするよね。でも、ヤッパリ、それだけじゃあ、甘いだけなんじゃないの?」
そんなに甘い甘い言うなよぉ。
そりゃあ全く知らない奴が相手になら、俺だって無慈悲にも成れるってもんだがな。
対象者が知り合いと成ると、ヤッパリ、その人の生活をメインに考えちまうのは当たり前だろうに。
特に相手が子供となると、この辺は尚更だ。
「まぁ、そうさな。これ自体は、眞子助の言う通り、非常に甘い話なんだがな。さっきの眞子助の様に『そう言う意見も有るんだ』っと気付かされる面も有るんじゃないかい?これがなきゃ、本当の利益を追求した、お互いが納得する妥協案を提示する事は難しいんじゃないかい?」
「あぁ、そっかぁ。言われてみれば『勝ちを与える』って考え自体が、一方的で傲慢な考えにも成っちゃうのかぁ」
「そういうこった。……まぁ、要約すれば。同じ意見を持つ者同士が集まっても、アッサリ意見が一致するだけで、意味がないって話さな。ビジネスで冷徹に徹する事も大事だがな。この手の商売は、相手の気分を害したり、壊したんじゃ意味がない。だから、旦那みたいな人の好い意見も、実は、結構有用に成って来るって事さな」
ふ~~~ん、そんなもんなんだな。
俺が普通だと思ってる事って、結構、世間からズレてるんだな。
だからいつも『なぁ~~んで、こんな当たり前の事を……』って言葉を繰り返さなきゃイケナイ訳だな。
なるほど、なるほど。
そう言う理屈か。
「そっかぁ。じゃあ、結構、私って、冷血人間なんだね」
「いや、それはそうじゃない。ただ単に、大人と接しすぎて、考え方が一般的な大人の思考に成っちまってるだけに過ぎない。そう言う思考も、ある意味、必要不可欠さな」
「そうなんだ」
「けどな。言っちゃ悪いが、所詮は、そんな大人の思考は一般的な思考でしかないから、世の中に有り余っていて、余り需要がない。だから、そう言う部分では、眞子助より、旦那の方が、俄然有用な人間に成る。……それが有るからこそ、俺は、旦那と組む事を選んだんだしな」
いや……そう言ってくれるのは、非常に嬉しい所なんだけどよぉ。
それは、ちょっと言い過ぎなんじゃないか?
そんな事を言ったら、眞子が可哀想じゃんかよ。
「オイオイオイオイ、そりゃあねぇだろ。眞子は、いっつも真剣に物を捉えて、真正面から戦おうとしてるんだぞ。そう言う言い方はないんじゃないか」
「ほらな。相手が可哀想だと思ったら、直ぐに、こう言う事を言うだろ」
「ホントだね」
「はい?」
煽られたか?
「まぁ、人間、効率重視に成っちまったら、こう言う意見は、逆立ちしようが、地球が逆様に成ろうが出て来なくなるだろ。でも、旦那は、それを平然と言ってのける。しかも大真面目にな。けど、それを聞かされた人間は、自ずと旦那に引き込まれていく。それこそが、旦那の有用性で有り。人を惹き付ける魅力だと、俺は認識してる。だから、馬鹿だとか、甘いとか言って、無視する意見ではないと思うがね」
「だね。……でもなんか、人の在り方を教えられちゃった感じ。ちょっと凹んじゃうね」
「いいや。それは、それで大きな成長さな。効率を重視する考えは、決して悪い訳じゃないからな。そこに関しては、人の成長パターンの問題だしな」
なんか、褒められてるんだろうが、褒められてる様な気にならないのは何故だ?
いや寧ろ、子供っぽいとか、成長が著しく遅くて幼稚臭いって、言われてる様な気すらするな。
気のせいか?
「まぁまぁ、少し本筋から脱線し過ぎた感じだから。旦那の話は、これぐらいにして、話を戻させて貰うぜ」
「あぁ、そうだね。なんか話の腰を折っちゃって、ごめんね」
「いや、構わねぇさな。……ってな訳なんで、旦那。俺に橘親子の件は、一任して貰って良いかい?」
「あぁ、まぁ、絶対に無茶しないって約束するならな」
まぁ、実際の話で言えば、俺はモジャを少々誤解してたらしい。
人を良く観察しているのは、前々から解ってはいたんだがな。
この一件でモジャは、意外にも人の意見を尊重して取り入れるタイプなんだと思い知らされた。
俺は、もっと我儘な奴だと思っていたからな。
ホント予想外だった。
「左様ですか。んじゃま、ご期待に添える様には努力してみるさな」
「おぅ、じゃあ頼んだ。……っで、話は終わりか?」
「いいや、全然終わってないさな。この程度で終わる訳ないだろ」
だよな。
終わる訳ねぇよな。
これも、甘いの一環か?
なんか違うな。
「……とは言っても。今日の所は、次の話で終わりさな」
「そうなんか?アンタの事だから、もっと企画し捲くってるのかと思ってたぞ」
「いや、勿論、企画自体は沢山立ててるさな。ただ、今の段階では、まだ話すには値しない様な与太話でしかないから、話さないだけさな」
……だと思ったよ。
コイツが本気で話し出したら、2~3日の徹夜は覚悟しなきゃいけないもんな。
そう考えると、与太話の段階で良かった、良かった。
なら、その辺を早く片付けて、家に帰ろ。
「……っで、今日、最後の話ってなんだよ?」
でも、嫌な予感がするのは言うまでもない。
「なぁ~に。そんな大層な話じゃないさな。旦那に引き抜いて貰う、眞子助と双璧に成すウチの看板バンドの話さな」
「はい?」
引き抜き?
しかも、俺がヘッドハンティングするの?
俺に、人事の真似事をしろってのか?
無理無理無理無理!!
こんなもん、嫌な予感的中じゃねぇかよ!!
うん……これだけは、ホント、誰に何と言われようと無理だからな。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
前回の後書きでも少し触れさせて頂いたのですが。
他人の生活を考えずに、利益を追い駆け様とする資本主義的な考えでは、もうそろそろ限界が来てるんですね。
例えば、その一例として挙げられるのが『今現在の日本の政治』
国民の事を考えずに増税増税を繰り返し、無駄なインフレだけを引き起こしてしまう。
勿論、好景気の時であれば、これは物の価値が上がるから良いのですが。
これを不景気の最中になんかやってしまった日には、今現在の日本の様に酷い状態になってしまいます。
結局の所、こうやって目先の利益だけに目を捕らわれてるだけでは駄目なので、倉津君の様な意見が必要になってくる訳です。
……っで、こういう意見を極自然に言える人間って言うのは稀。
だからこそ細川君は、倉津君に対して、自分にないものを見出して、一緒に組んでみたいと思ったわけでもあります。
まぁ、言うに易しな案件ではあるのですが。
難しい事だからこそ、やる価値がある訳ですし。
こう言うやりがいを求めて、細川君も倉津君と組む事を望んだのでしょう。
さてさて、そんな中。
その第一弾として、倉津君に「引き抜き」を提案してきた細川君なのですが。
果たして、倉津君にそんな真似が出来るのか?
次回は、その辺を書いていこうと思いますので。
良かったら、また遊びに来てくださいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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