最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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550 女子のトイレに於ける作法と、ある覚醒

公開日時: 2022年8月10日(水) 00:21
更新日時: 2023年1月11日(水) 14:29
文字数:3,348

●前回のおさらい●


 奈緒さんと話して、またまたアッサリ和解。

そして、倉津君にとっての秘密兵器であるXX眞子と、再度打ち合わせをする為にトイレに行こうとしたが。


そこで奈緒さんに『一人でトイレ出来る』っと尋ねられ。

『なんのこっちゃ?』っと思う間抜けな倉津君の運命は!!

(↑大事な事を忘れてます(笑))

「いや、おしっこぐらい1人で出来ますよ。子供じゃないんッスから」

「あぁっと、そう言う意味じゃなくてさぁ。君、今、自分が女の子だって事を自覚してる?そう言うの初体験とかじゃないの?」


( ゚д゚)ハッ!!!そうだった!!

そう言えば、朝起きてから、まだ一回もトイレ行ってねぇや。


それに奈緒さんが、急に、そんな事を言うから、今、変に意識しちったじゃないッスか!!


もぉ、やめて下さいよ。


……あぁけど、今の所、取り敢えずは大丈夫か。

翌々考えたら、今は眞子と作戦会議をする為だけにトイレに行くだけッスからね。


特に問題なしだ。


セーフ・セーフ。


……なんか、先延ばしにしてるだけの様な気もするけど。



「大丈夫ッス、大丈夫ッス。なんて事……」


『ぶるっ』


言葉途中で、突然、体が身震いを起した。


ヤバイ……話してる途中で、変に意識しちまったのか『尿意』を催してきちまったぞ。



「クラ、顔が青いよ。……ホント、大丈夫なの?」

「あっ、あの、奈緒さん。因みになんッスけど、トイレって、男と女じゃ、なにが違うんッスかね?」

「うん?違い?あぁ、難しい質問だね。私、男子の方がわかんないから、なんとも言えないけど。最低限度おしっこした後は、ちゃんと拭かなきゃダメだよ。それと、排泄行為をする前には、必ず水を流す事ね」


拭くのは、なんとなくわかってたけど、なんでオシッコする前に水を流す必要があるんだ?


水を流すのなんて、排出物を下水に流す以外、なんの為に流すんだ?


ってかな。

あれって以前から不思議に思ってたんだけど、女の人って、必ずあれやるよな。


なんか意味でもあんのかな?



「あの、奈緒さん。なんで、最初から水を流すんッスか?」

「人に排泄の音が聞こえたら嫌じゃない。そう言うの、恥ずかしいと思わないとダメだよ」

「あぁ、けど、あんまりしない人とかも居ますよね」

「それ……女として終わってるから。些細な事でも恥ずかしいって思う気持ちが無くなったら、女としては終了。後は、なにも気にしない汚い糞ババァになるだけだよ。だから、クラは、ちゃんとやって」


あぁ、そう言う事だったんだ。

通りで若い女の子が100%近い確率で、水を流してる訳だ。

それに中年のおばさんとか、結婚して自分を見て貰う異性が居ない人って『節水』とか言って、あんま流さないもんな。


特に糞ババァは、ほぼ流さない。


逆に言えば、中年だろうが、おばぁさんだろうが、比較的、綺麗に身繕いしてる人って、異性の目を気にしてるから高確率で流してる。


ほぉ~~~、なるほど、あれには、そう言う女性の心理作用が働いてたんだな。


勉強になった。



「わかったッス。奈緒さんが、そう言うなら、それは、絶対にやります」

「うん、そぉそぉ、良い子良い子。……あぁ、後ね。臭い消しの芳香剤が無い家とか有るから、そこも気をつけてね。……臭いも残ってたら、嫌でしょ」

「あぁ、でも、無かったら、どうするんッスか?」

「まぁ、基本的には、窓を開けて換気して、臭いが消えるのを待つのが定番なんだけど」


あぁ、なるほど。

だから野郎に比べて、女性のトイレは長くなりがちなんだな。


そう言う理屈か。



「ふむふむ」

「それでも気になる様だったら『マッチ』でも擦れば良いよ」

「マッチですか?」

「うん。マッチには燐が含まれてるから、硝煙の匂いで、ある程度、排泄物の臭いが消せるのよ。これ、結構お薦めだよ」


なるほど、なるほど……


だから真菜(妹)がトイレから出て来た後、俺が直ぐに入ろうとしたら、真っ赤な顔して怒ってたんだな。


アイツ、臭いを気にしてたんだな。


……それにしても、トイレ1つとっても女子は大変じゃのぉ。

男ならションベンしようが、糞しようが、基本的に水流だけで終了だもんな。


いやはや、女子ルールは大変だ……



「ウッス。じゃあ、奈緒さんの教えに従って、マッチは出来るだけ常備しておきます。……あの、奈緒さん。因みに、トイレに関する注意点は、それぐらいで大丈夫ッスかね?」

「……オナラとかも出来るだけ気を付けた方が良いよ。下手したら、あれが一番恥ずかしいから」

「へっ?いやいやいやいや、オナラぐらい良いじゃないですか。自然現象なんだし」

「嘘ぉ~~、嫌だよ」


そうかなぁ?

トイレで屁なんぞ扱いた所で、トイレとトイレの間には仕切りってもんが有るんだから、そんな気にしなくても良いと思うんだけどなぁ。

第一、顔が見えないんだから遠慮する必要ないと思うんだが……


それに、欧米なんかじゃ、オナラより、ゲップの方が嫌われるって言うじゃん。


奈緒さんの意見の意味が、わからんな?



「なんでッスかね?」

「考えてもみ。凄い可愛い子が、トイレに入った途端。『ぶぅ~~~~!!』って強烈に大きな音でオナラ落したら、クラ、どう思う?」

「うぇ……それは流石に100年の恋も覚めちゃいますね」


そう言う事ね……そりゃあ、確かにヤダわ。


それに常に、そう言う考えでいなければ。

女子トイレならまだしも、人に家でトイレを借りた時に、無意識の内にデカイ屁をかましてしまう可能性が高い。


そりゃあイメージ悪いわな。



「ほら、ヤッパリ嫌なんじゃない。良いクラ?」

「あぁはい」

「女と、男の決定的な違いは、恥ずかしい事や、臭いに対して、凄く敏感でなきゃいけないの。此処を忘れちゃったら、だらしない女と思われるか、汚い糞ババァに直行便。だから、この辺いついては細心の注意を払わなきゃダメなのよ」

「あの~~~、奈緒さん。一応、俺、男に戻る予定なんッスけど。それ、全部しなきゃダメっすかね?」


……っとは言え。

こういう女子特有の習慣ってのが男には無いから、直ぐにでも忘れそうな気がするんだよな。


なので、あんま自信がないんよな。

まだまだ、自分が女って自覚も薄いしよぉ。



「ダメ。絶対ダメ。クラが女の子で居る間は、絶~~~対ッ、全部やらなきゃダメ」

「断言って……また、なんでダメなんッスか?」

「だって、女の子に成っても、クラは私のものなんだから、みんなには、絶対、良い印象を持って欲しいもん。……それに、究極的な話で言えば、君自身が戻んない可能性もある訳じゃない。だから、そう言う習慣は、少しでも早く身に付けて置いても損は無いと思うよ」


……ですね。

完全に男に戻れる事を前提にして、話をしてましたね俺。


今が女である以上、女子の意見を素直に受け入れて、此処は女子ルールに従うべきだよな。



「……ですね。わかりました。俺、出来る限り、頑張ってみます」

「うん、頑張れクラ。今現在、君は、本当に可愛い女の子になっちゃってるんだから、男の子の幻想を打ち砕く様な真似はしちゃダメなんだよ」


いや……流石に男の幻想まではパスで……


つぅか、知ったこっちゃない方向で……



「いやいや、奈緒さん。流石に、そこまでは要らなくないッスか?」

「コラコラ。男の子の幻想が、理想の女の子なんでしょ。だったら君が、そこを追求すれば、より完璧な女の子に成れんるんじゃないの?……さっき、クラが言った『清らかな乙女』っての。私、良いと思うよ」

「えっ?……まさか奈緒さん……」

「ふふん。頑張って、やってみ」


全部、話が繋がってたんだ。


多分、奈緒さんは賭け云々を言い出した時から『自分が居なくても、俺が自力でなんでも出来る様にしよう』と思って、清らかな乙女の設定をフォローする気で居てくれたんだな。


そんな奈緒さんに比べて俺って奴は……

トイレで眞子と入れ替わって、その場を凌ごうと思ってただけの卑怯者って……根底からして、先の見据え方が違い過ぎる。


……あまりにも考えが甘え過ぎだよな。


・・・・・・・


……良し!!

なら、この入れ替わりが卑怯だと解った以上、もぉ此処からは、必要以上に眞子の力を借りるのは止めよう!!

キッチリと奈緒さんの気持ちを汲み取って、真正面から、自分自身の力だけで取り組むべき案件だしな。


もぉ女言葉が恥ずかしいとか、そんなレベルの低い話を言ってる場合じゃねぇ!!


やってやる!!

あぁ、やってやるともさ!!


男が抱く『理想の女子』って奴を、俺だけでも見事に体現してやるともさ!!

(↑うん?男の理想系って真上さん?あの人、基本的にモテモテだもんな)



……あぁでも。

演じるのは良いとしても、出来れば、心の中だけは男で居させて下さいませませ。


そこだけは切にお願いします。


マジで勘弁しちくり。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


ちょっとまぁ、シモの話になっちゃったのですが。

男女の性別の差で、トイレのやり方って凄く変わるので、今回は、こう言うお話を入れさせていただきました。


実は、結構、重要な話なんですね。


そして、奈緒さんの丁寧な説明や、彼女が先を見据えて『こう言う女子の作法を教えてくれてる事』に気付いた倉津君は。

此処からは変にXX眞子に頼らず、自分自身の力で切り開こうと言う考えに変わりました。


此処が、今回のお話に於ける最重要ポイントですね♪


……ってな訳で次回からは。

自分で一生懸命考えながらも、孤軍奮闘する倉津君の姿をご紹介していきたいと思いますので。

また良かったら、遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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