●前回のおさらい●
奈緒さんと話して、またまたアッサリ和解。
そして、倉津君にとっての秘密兵器であるXX眞子と、再度打ち合わせをする為にトイレに行こうとしたが。
そこで奈緒さんに『一人でトイレ出来る』っと尋ねられ。
『なんのこっちゃ?』っと思う間抜けな倉津君の運命は!!
(↑大事な事を忘れてます(笑))
「いや、おしっこぐらい1人で出来ますよ。子供じゃないんッスから」
「あぁっと、そう言う意味じゃなくてさぁ。君、今、自分が女の子だって事を自覚してる?そう言うの初体験とかじゃないの?」
( ゚д゚)ハッ!!!そうだった!!
そう言えば、朝起きてから、まだ一回もトイレ行ってねぇや。
それに奈緒さんが、急に、そんな事を言うから、今、変に意識しちったじゃないッスか!!
もぉ、やめて下さいよ。
……あぁけど、今の所、取り敢えずは大丈夫か。
翌々考えたら、今は眞子と作戦会議をする為だけにトイレに行くだけッスからね。
特に問題なしだ。
セーフ・セーフ。
……なんか、先延ばしにしてるだけの様な気もするけど。
「大丈夫ッス、大丈夫ッス。なんて事……」
『ぶるっ』
言葉途中で、突然、体が身震いを起した。
ヤバイ……話してる途中で、変に意識しちまったのか『尿意』を催してきちまったぞ。
「クラ、顔が青いよ。……ホント、大丈夫なの?」
「あっ、あの、奈緒さん。因みになんッスけど、トイレって、男と女じゃ、なにが違うんッスかね?」
「うん?違い?あぁ、難しい質問だね。私、男子の方がわかんないから、なんとも言えないけど。最低限度おしっこした後は、ちゃんと拭かなきゃダメだよ。それと、排泄行為をする前には、必ず水を流す事ね」
拭くのは、なんとなくわかってたけど、なんでオシッコする前に水を流す必要があるんだ?
水を流すのなんて、排出物を下水に流す以外、なんの為に流すんだ?
ってかな。
あれって以前から不思議に思ってたんだけど、女の人って、必ずあれやるよな。
なんか意味でもあんのかな?
「あの、奈緒さん。なんで、最初から水を流すんッスか?」
「人に排泄の音が聞こえたら嫌じゃない。そう言うの、恥ずかしいと思わないとダメだよ」
「あぁ、けど、あんまりしない人とかも居ますよね」
「それ……女として終わってるから。些細な事でも恥ずかしいって思う気持ちが無くなったら、女としては終了。後は、なにも気にしない汚い糞ババァになるだけだよ。だから、クラは、ちゃんとやって」
あぁ、そう言う事だったんだ。
通りで若い女の子が100%近い確率で、水を流してる訳だ。
それに中年のおばさんとか、結婚して自分を見て貰う異性が居ない人って『節水』とか言って、あんま流さないもんな。
特に糞ババァは、ほぼ流さない。
逆に言えば、中年だろうが、おばぁさんだろうが、比較的、綺麗に身繕いしてる人って、異性の目を気にしてるから高確率で流してる。
ほぉ~~~、なるほど、あれには、そう言う女性の心理作用が働いてたんだな。
勉強になった。
「わかったッス。奈緒さんが、そう言うなら、それは、絶対にやります」
「うん、そぉそぉ、良い子良い子。……あぁ、後ね。臭い消しの芳香剤が無い家とか有るから、そこも気をつけてね。……臭いも残ってたら、嫌でしょ」
「あぁ、でも、無かったら、どうするんッスか?」
「まぁ、基本的には、窓を開けて換気して、臭いが消えるのを待つのが定番なんだけど」
あぁ、なるほど。
だから野郎に比べて、女性のトイレは長くなりがちなんだな。
そう言う理屈か。
「ふむふむ」
「それでも気になる様だったら『マッチ』でも擦れば良いよ」
「マッチですか?」
「うん。マッチには燐が含まれてるから、硝煙の匂いで、ある程度、排泄物の臭いが消せるのよ。これ、結構お薦めだよ」
なるほど、なるほど……
だから真菜(妹)がトイレから出て来た後、俺が直ぐに入ろうとしたら、真っ赤な顔して怒ってたんだな。
アイツ、臭いを気にしてたんだな。
……それにしても、トイレ1つとっても女子は大変じゃのぉ。
男ならションベンしようが、糞しようが、基本的に水流だけで終了だもんな。
いやはや、女子ルールは大変だ……
「ウッス。じゃあ、奈緒さんの教えに従って、マッチは出来るだけ常備しておきます。……あの、奈緒さん。因みに、トイレに関する注意点は、それぐらいで大丈夫ッスかね?」
「……オナラとかも出来るだけ気を付けた方が良いよ。下手したら、あれが一番恥ずかしいから」
「へっ?いやいやいやいや、オナラぐらい良いじゃないですか。自然現象なんだし」
「嘘ぉ~~、嫌だよ」
そうかなぁ?
トイレで屁なんぞ扱いた所で、トイレとトイレの間には仕切りってもんが有るんだから、そんな気にしなくても良いと思うんだけどなぁ。
第一、顔が見えないんだから遠慮する必要ないと思うんだが……
それに、欧米なんかじゃ、オナラより、ゲップの方が嫌われるって言うじゃん。
奈緒さんの意見の意味が、わからんな?
「なんでッスかね?」
「考えてもみ。凄い可愛い子が、トイレに入った途端。『ぶぅ~~~~!!』って強烈に大きな音でオナラ落したら、クラ、どう思う?」
「うぇ……それは流石に100年の恋も覚めちゃいますね」
そう言う事ね……そりゃあ、確かにヤダわ。
それに常に、そう言う考えでいなければ。
女子トイレならまだしも、人に家でトイレを借りた時に、無意識の内にデカイ屁をかましてしまう可能性が高い。
そりゃあイメージ悪いわな。
「ほら、ヤッパリ嫌なんじゃない。良いクラ?」
「あぁはい」
「女と、男の決定的な違いは、恥ずかしい事や、臭いに対して、凄く敏感でなきゃいけないの。此処を忘れちゃったら、だらしない女と思われるか、汚い糞ババァに直行便。だから、この辺いついては細心の注意を払わなきゃダメなのよ」
「あの~~~、奈緒さん。一応、俺、男に戻る予定なんッスけど。それ、全部しなきゃダメっすかね?」
……っとは言え。
こういう女子特有の習慣ってのが男には無いから、直ぐにでも忘れそうな気がするんだよな。
なので、あんま自信がないんよな。
まだまだ、自分が女って自覚も薄いしよぉ。
「ダメ。絶対ダメ。クラが女の子で居る間は、絶~~~対ッ、全部やらなきゃダメ」
「断言って……また、なんでダメなんッスか?」
「だって、女の子に成っても、クラは私のものなんだから、みんなには、絶対、良い印象を持って欲しいもん。……それに、究極的な話で言えば、君自身が戻んない可能性もある訳じゃない。だから、そう言う習慣は、少しでも早く身に付けて置いても損は無いと思うよ」
……ですね。
完全に男に戻れる事を前提にして、話をしてましたね俺。
今が女である以上、女子の意見を素直に受け入れて、此処は女子ルールに従うべきだよな。
「……ですね。わかりました。俺、出来る限り、頑張ってみます」
「うん、頑張れクラ。今現在、君は、本当に可愛い女の子になっちゃってるんだから、男の子の幻想を打ち砕く様な真似はしちゃダメなんだよ」
いや……流石に男の幻想まではパスで……
つぅか、知ったこっちゃない方向で……
「いやいや、奈緒さん。流石に、そこまでは要らなくないッスか?」
「コラコラ。男の子の幻想が、理想の女の子なんでしょ。だったら君が、そこを追求すれば、より完璧な女の子に成れんるんじゃないの?……さっき、クラが言った『清らかな乙女』っての。私、良いと思うよ」
「えっ?……まさか奈緒さん……」
「ふふん。頑張って、やってみ」
全部、話が繋がってたんだ。
多分、奈緒さんは賭け云々を言い出した時から『自分が居なくても、俺が自力でなんでも出来る様にしよう』と思って、清らかな乙女の設定をフォローする気で居てくれたんだな。
そんな奈緒さんに比べて俺って奴は……
トイレで眞子と入れ替わって、その場を凌ごうと思ってただけの卑怯者って……根底からして、先の見据え方が違い過ぎる。
……あまりにも考えが甘え過ぎだよな。
・・・・・・・
……良し!!
なら、この入れ替わりが卑怯だと解った以上、もぉ此処からは、必要以上に眞子の力を借りるのは止めよう!!
キッチリと奈緒さんの気持ちを汲み取って、真正面から、自分自身の力だけで取り組むべき案件だしな。
もぉ女言葉が恥ずかしいとか、そんなレベルの低い話を言ってる場合じゃねぇ!!
やってやる!!
あぁ、やってやるともさ!!
男が抱く『理想の女子』って奴を、俺だけでも見事に体現してやるともさ!!
(↑うん?男の理想系って真上さん?あの人、基本的にモテモテだもんな)
……あぁでも。
演じるのは良いとしても、出来れば、心の中だけは男で居させて下さいませませ。
そこだけは切にお願いします。
マジで勘弁しちくり。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
ちょっとまぁ、シモの話になっちゃったのですが。
男女の性別の差で、トイレのやり方って凄く変わるので、今回は、こう言うお話を入れさせていただきました。
実は、結構、重要な話なんですね。
そして、奈緒さんの丁寧な説明や、彼女が先を見据えて『こう言う女子の作法を教えてくれてる事』に気付いた倉津君は。
此処からは変にXX眞子に頼らず、自分自身の力で切り開こうと言う考えに変わりました。
此処が、今回のお話に於ける最重要ポイントですね♪
……ってな訳で次回からは。
自分で一生懸命考えながらも、孤軍奮闘する倉津君の姿をご紹介していきたいと思いますので。
また良かったら、遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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