最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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425 天使の微笑みは、地獄の罪悪感

公開日時: 2022年4月7日(木) 00:21
更新日時: 2022年12月30日(金) 13:35
文字数:2,855

●前回のおさらい●


 音楽室を後にした後。

教室に向かう長蛇の列を見て逃亡を図る倉津君(笑)


そして、その足は、フリマスペースに居る真上さんの元に……←後先考えない馬鹿。

「真上さ~~ん」

「あっ、おはようございます、倉津さん。今日も、良い笑顔で頑張られてますね」


『☆ピカァァ~~~!!☆』

(↑笑顔と共に、真上さんの背後から後光が出る効果音)


ぎゃああぁぁぁぁ~~~!!

(↑そして早くも、サボりの報いを受ける俺)


真上さんの癒しの笑顔が、出会い頭から『サボっている』と言う、俺の邪悪な魂を溶かして行く。


一人じゃ大変だろうと思って、手伝いに来たんだが……忙しいクラス・メイト達を置き去りにした上に、友人に音楽室での仕事を全投げしてきた俺には、真上さんの笑顔と、心遣いが……眩し過ぎる。


そして俺は……出会い頭の見事なまでの一撃で、激しい罪悪感と共に、多大なテンションダウンを喰らう。



「あっ、あの、俺……」

「あっ、はい。どうか……されましたか?あぁそうか、私ったら、お気付き出来ずに、すみません。昨日まで準備で、お疲れが残っているんですね。気が利かなくて、ごめんなさい」


ぎゃああぁぁぁ~~~~!!

お願いですから、もぉ許してえぇぇぇぇ~~~!!

心が……心が千切れそうだあぁぁ~~~!!


サボってる、俺が悪かったッスぅ~~~!!


うぅぅ~~~、このままじゃ、真上さんの気遣いに殺されちまうよ、俺。



「いや、あの……」

「あぁっと、無理はしちゃいけませんよ。それに良く見ると、少しお顔色が優れない様ですし。宜しかったら、少し休憩されていきますか?」


グハッ!!


……ち~~~ん……

(↑倉津真琴・死亡確認)


……ずんばぜんでじだ。

だからもぉ、その純粋で慈愛に満ちた視線で、俺を見ないで下さい!!


マジで許して下さい!!


これからは心を入れ替えて『働き蟻』や『牛馬の如く』一生懸命働かさせて頂きますから。


って事で。

まずは教室に戻らず、気合を入れて真上さんの手伝いから……



「あっ、あの、真上さん!!」

「あっ、ハイ!!なっ、なんですか?」


……っとイカンな。

気合を入れ過ぎて、真上さんを吃驚させてしまった。


けど、俺の軽い暴走は止まらない。



「折り入って、真上さんに、お願いが有るんッスよ!!これだけは、絶対の絶対に聞き入れて欲しいッス!!」

「あっ、はい。私に出来る事でしたら、なんなりとお申し付けて頂いて結構ですよ」

「おっ、俺をッスね。俺をボロボロになるまで、此処でコキ使って下さい!!お願いします!!」

「えっ?えっ?そんなの無理ですよ。幾ら、倉津さんのお願いでも、それは聞けません」


ダメっすか?


いやいや、この程度の拒否は、いつもの事じゃないか。

折角、心を入れ替えたんだから、此処で折れてる場合じゃないよな。



「なんでッスか?こんな俺じゃあ、真上さんの邪魔にしかならないッスか?」

「えぇっと、落ち着いて下さい、倉津さん。そうじゃなくてですね」

「そうじゃなくて?」

「あっ、はい。商品がですね。あの……その……もう全部売り切れてしまって、在庫が無くなってしまいました。ですので、倉津さんのお願いを、お聞きしてあげたいのは山々なんですが……お聞き入れする事が出来ないんですよ」


ぶっ!!開始約20分で、もぅ全ての商品が完売しちゃったんッスか?


あぁ~あっ、折角、手伝おうと思って気合入れたのに……俺って、トコトン役立たずな男だな。


悲しいです。


……あぁけど、それとは別に1つ気になる事を言ってたな。


聞こ。



「あの、真上さん」

「あっ、はい、なんですか?」

「まず、先に謝りますね。取り乱して、すんませんでした」

「大丈夫ですよ。お気になさらずに」

「どもッス。っで、あのッスね。今さっき『完売した』って言いましたけど、一体、一枚、幾らで売ったんですか?」


そうなんだよなぁ。

疑問だったのは、これなんだよ、これ。


勿論、この短時間で真上さんが売った枚数も気に成る所なんだが。

真上さんって、意外と金銭感覚が無いから、持って来た商品に無茶苦茶低い金額を提示してる可能性が非常に高いんだよな。


まぁ勿論、この人が、幾らの金額を付けて売ったのかまでは解らないが。

この疑問は、かなり気になっての質問なんだよな。


無茶してない事を祈る!!



「えぇっと、1枚500円で売りましたよ」

「ブゥゥゥ~~~!!たっ、たった500円ッスか?OHKAブランドの商品を、たった500円で売ったんッスか?」

「あっ、はい。そんなに慌てられる程、私、なにかおかしな事をしたでしょうか?」


あぁ~あっ、早速、やっちゃったよ、この人。

幾ら、文化祭に出展してるブースだからって、初っ端からサービスし過ぎッスよ。


始めは、それなりの金額を付けて、時間が経過するか、相手が交渉して来たら『値引き』するのが出店商売の基本ッスよ。


それに真上さんのやり方じゃ、儲けが、殆ど無いに等しいじゃないですか。


もぉダメっすよ!!



「いや、だって、真上さん、その……」

「あっ、はい、なんでしょうか?」

「普段、川崎の店じゃ1枚1500~2000円の間で売ってるんッスよね」

「そうですよ」

「だったら、その値引き価格は、些かヤリスギじゃないッスか?」

「いいえ、そうじゃありませんよ。今日、此処に来て頂いた皆さんに喜んで頂ければ、私は、それで十分満足なんですよ」


……出たよ。

採算度返しの『奉仕的』ウルトラ割引が……


大体ッスね。

原価が一枚256円で仕入れて、売り値が一枚500円じゃ、一枚に付きたった244円しかないじゃないですか。


しかもッスね。

此処までの交通費や、商品の包装代。

それに真上さんの人件費を差し引いたら、殆ど、儲けが残らないじゃないですか。


もうちょっと、ちゃんと計算しないとダメっすよ。


直売だからって『薄利多売』し過ぎッス!!



「いや、そうじゃなくてッスね」

「はぁ?なにか?」

「商売してる以上、効率良く利益を出さないとダメじゃないッスか」

「あっ、その点なら大丈夫ですよ。ご心配には及びません」


うぅ~~~ん、なんでだろうなぁ?

真上さんのこの意見って……聞き返すのが怖いぐらい、嫌な予感しかしないぞぉ。


なにを言うつもりだよ、この人?



「なっ……なんでッスか?」

「あっ、はい。今回はですね。皆さんが頑張られてる『メイド喫茶』の宣伝をしたかっただけですので」

「はい?」


なんて?



「えぇっとですね。今回、色々お世話になった倉津さんや、愉しくご一緒させて頂いた大谷さんを初めとするクラスの皆様への恩返しが、どうしてもしたかったんですよ。ですから、完売させて頂いた時点で、当初の『宣伝って言う目標』は、少くなからず達成出来ました」


何故に、そんな奇特な発想に……


ってかッスね。

お世話になったのは、我々2-Bのクラス一同の人間でしてね。

寧ろ、真上さんは、ウチの奴等から恩返しして貰う方の立場の人間なんッスよ。


なのに、この人だけは……



「あの、因みにッスけど。何枚ぐらい売られたんッスかね?」

「えぇっと、400枚です」

「ブッ!!」


マジかよ……

開催されてからの、あの短時間に400枚って……


包装や、接客時間も含めたら、絶対に無理な時間だ。


どうやって、そんな大量の枚数を捌いたんだ、この人?


仏さんみたいな人だけに、神業でも使えるのか?


後、正体が『千手観音』とか?


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>


アホですね。

ホント、この子だけはアホですね(笑)


良からぬ事をした後に真上さんに逢ったら、必ず罪悪感に苛まれる事を忘れるなんて……学習能力のないアホとしか言い様がないですね(笑)


まぁまぁ、そんなアホな倉津君は、何処かに放り投げるとしてですね。

真上さんは、文化祭が開始されて間もないこの時間だけで400枚のTシャツを売りさばいたと言い出しました。


果たして彼女は、どうやって、そんな枚数をさばいたのか?


その辺は次回の講釈なのですが。

また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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