最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1503 夕飯

公開日時: 2025年3月17日(月) 00:21
文字数:2,539

●前回のおさらい●


 奈緒さんに頼まれ。

リフォーム中の家に、エッチラホッチラと夕飯の料理を運ぶ倉津君。

 まぁそんな感じで。

かなり遅めの夕食を摂る為に、慌てて、奈緒さんから依頼された運搬クエストを実行に移してるんだが。


リフォーム中だった筈の家に戻ってみて吃驚仰天だよ。


嘘だろ?

全部……リフォームが完了してやがんの。


しかも、大将が到着した時、表に放り出されていたショーケースが、内部の要らない部分が綺麗にカットされ、色を塗り替えられて、表面にガラスを張って、アッサリと、ギター用のショーケースに早変わりしてやがんの。


驚きの手際の良さだな。

腕の良い職人が、リフォームのスケジュールとか関係なしにやっちゃえば、こんなにも早く出来ちまうもんなのか?


まぁまぁまぁまぁ、そうは言っても。

壁のコンクリは渇いてはいるけど、まだ手付かずな状態なので、そこだけは剥き出しに成ったままなんだがな。


此処だけは、どうやっても時間が掛かるみたいだ。

(↑安く上げる為に、速乾剤をあまり混ぜて使ってなかったからな)


それでも、この完成スピードは尋常じゃないよな。


マジ感心した。

(↑後半なにもしていない俺(;´д`)トホホ)


***


 ……っと言う様な感想を心で述べながら、5人で昼飯を摂った一番奥の部屋に行き。

今度はブルーシートの上じゃなく、張り替えられたフローリングの上に、実家から持って来た机を置いて、飯の準備は完了。


全員が、各々の思う席に着く。


因みにだが沙那ちゃんは、胡坐を欠いた俺の上に座ってる居るのは言うまでもない。


SET-ONだ。


そんで、奈緒さんが作ってくれた『奈緒飯Ver寿司』を、みんなで摘みながら食事を摂り始めた。


しかしまぁ、相変わらず、なにを作らせても美味いッスな。


***


 ……彼是、30分程。

寿司をつまみ、軽くビールを飲みながら歓談していたら、そこで突然、大将が、こんな事を言い出した。



「しかし、あれだな。ホント奈緒ちゃんって器量良しだし、料理も美味いから、良いお嫁さんに成るよな」


奈緒さんの話題を振って来たんだよな。


まぁ特別、変わった話題でもないから、余り、なにかを気にしてる訳ではなかったんだが、なんか波乱の予感がする。



「そうですかねぇ?」

「まぁ、そうやな。偶にイラン事するけど。奈緒ちゃんは、誰に嫁いでも、良い嫁には成るやろな」

「なになに、カズまで、そんなに褒めても、なにも出ないよ」

「出さんでえぇちゅうねん。もぉ十分なまでに出してもろとるし」

「そぉ?じゃあ、まだデザートが有るけど、カズだけは無しで良いわね」

「それは、ケチケチせんとくれ。デザートも含めてセットメニューやんけな」

「はいはい。……飲んでる時に、デザートって言うのもどうかとは思うけどね」

「まぁ、そう言わんと」


奈緒さんは、誰に何も言われなくても、そんなものまで用意していた。

まぁこれは恐らく、お酒を飲まない沙那ちゃんの為に用意したもんだとは思うんだが。


そういう細かい点まで配慮してくれてるとは、ウチの大切な未来のお嫁様は果てしなく気が利くなぁ。


……っで。

そんな未来のお嫁様が、テーブルの上に出してきたデザートは『ゼリー』


但し、ゼリーの上に泡の様な物が乗っていて、なんか生ビールみたいな感じのゼリーなんだよな。


なんじゃこりゃあ?



「ほぉ~~~っ、ビールゼリーとは、これまた粋なものを」

「解りますか。この間SNAP×SNAPでやって奴なんですけどね」

「あぁ、そう言やあ、こんなのTVで作ってたな」

「ですよね。だから、飲みながらの食事になると思いましたんで。デザートは、これにしてみたんですよ。良かったら、召し上がって見て下さい」

「あぁ、そうだね。戴くよ」


大将は、そう言いながら、ゼリーを口に運ぶ。


そして一言。



「おぉ~~~っ、これは、思って以上に美味いね。ビールの苦味が残ってるのに、甘みがシッカリ出てる。飲んでても、口当たりが良いからスルッといけちゃうな」

「ホントですか?ドンピシャで良かった」

「うん。マジで、これ、美味いわ。奈緒ちゃん、ウチの嫁に成ってくれや」

「うん。ごめん。死んでも嫌だから。お断り。前世から出直して来い」

「なんも、そこまで言わんでも……」


確かに、満足の行く一品ですな。

そして山中に対する粗悪な扱いも、満足の行く一撃を、お見舞いしてくれましたな。


……つぅかな、陰獣。

厚かましい事を言って、奈緒さんに手を出そうとしてんじゃねぇぞ!!


奈緒さんは、俺だけのもんだ!!つぅの。



「あぁ、でも、山中が、そう言いたくなる気持ちは解らなくもないな。俺も、こんな彼女欲しい~~~」

「大丈夫ですよ。大将さんは、馬鹿のカズとは違いますから。きっと良い彼女が見つかりますよ」

「そうかなぁ?此処最近、女ッ気がないしなぁ。……奈緒ちゃんみたいな子って、何所に居るんだろうなぁ」


そんなものは、何処にも居ませんぞ、大将。

こんな完璧な彼女は、世界中、何所を探し廻っても、そう易々とは居ませんぜ。


でも、口説いちゃダメだぞ。


俺のもんッスからな。



「その辺一帯に、一杯生息してると思いますけど」

「いやいや、奈緒ちゃんみたいな生き物が、この辺一帯に一杯生息してたら、ある意味、怖いって」

「カズ、それ……どういう意味?」

「うっ!!そっ、そっ、それは、あっ、あれやあれ、あれやがな。ふっ、深い意味は無いんねんけどな。男共が興奮して、世の中が豪い事に成るって話やがな。変な意味ちゃうで。俺全然、奈緒ちゃんが床上……」

「黙れ」


『ポコ』



「痛ぁ~~~ッ!!メッチャ痛い!!久しぶりに喰ろうたけど。相変わらずの激痛やのぉ!!」

「解ってるなら、余計な事は言わないの。……次は、命がないからね」

「……すんません」


いや、痛いのも、命が無いのも解るが。


そのノート……何所から出したんッスか?


4次元ポケットっすか?



「ははっ、なんか明るい家庭になりそうだな」

「そうやろ。奈緒ちゃんが居れば、いつでも、どこでも、明るい家族計……」

「オマエ、人の話聞いてたか?」

「ひっ、奈緒ちゃん、冗談やが……」

「……一回、死んどけや」


『ポコ』


うん、死んどけ。

オマエだけは、マジで一回死んどけ。


けど、こう言う日常ってのも悪くはないわな。


なんて、ほのぼのした雰囲気に浸っていたら。



「うぅ……」


……っと、沙那ちゃんが、なにやら不機嫌そうな感じで、小さく唸った。


まさかとは思うが、これが俺が感じていた波乱の幕開けか?


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


山中君じゃないですが、奈緒さんとの結婚生活って本当に楽しそうですよね(笑)

容姿が端麗なのは元より、気が利くし、料理は上手いし、床上手。

その上で、異常なまでに美意識の高い子なので、男性にとっては理想と言えば理想のお嫁さんですもんね。


まぁ時折、イラン事をするのはお愛想っと言う事で(笑)


さてさて、そんな常に注目される奈緒さんの姿を見て。

沙那ちゃんが、なにやら不満そうな唸り声をあげてる様なのですが。


突然、どうしちゃったんでしょうか?


次回は、その辺を書いていこうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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