●前回のおさらい●
奈緒さんに頼まれ。
リフォーム中の家に、エッチラホッチラと夕飯の料理を運ぶ倉津君。
まぁそんな感じで。
かなり遅めの夕食を摂る為に、慌てて、奈緒さんから依頼された運搬クエストを実行に移してるんだが。
リフォーム中だった筈の家に戻ってみて吃驚仰天だよ。
嘘だろ?
全部……リフォームが完了してやがんの。
しかも、大将が到着した時、表に放り出されていたショーケースが、内部の要らない部分が綺麗にカットされ、色を塗り替えられて、表面にガラスを張って、アッサリと、ギター用のショーケースに早変わりしてやがんの。
驚きの手際の良さだな。
腕の良い職人が、リフォームのスケジュールとか関係なしにやっちゃえば、こんなにも早く出来ちまうもんなのか?
まぁまぁまぁまぁ、そうは言っても。
壁のコンクリは渇いてはいるけど、まだ手付かずな状態なので、そこだけは剥き出しに成ったままなんだがな。
此処だけは、どうやっても時間が掛かるみたいだ。
(↑安く上げる為に、速乾剤をあまり混ぜて使ってなかったからな)
それでも、この完成スピードは尋常じゃないよな。
マジ感心した。
(↑後半なにもしていない俺(;´д`)トホホ)
***
……っと言う様な感想を心で述べながら、5人で昼飯を摂った一番奥の部屋に行き。
今度はブルーシートの上じゃなく、張り替えられたフローリングの上に、実家から持って来た机を置いて、飯の準備は完了。
全員が、各々の思う席に着く。
因みにだが沙那ちゃんは、胡坐を欠いた俺の上に座ってる居るのは言うまでもない。
SET-ONだ。
そんで、奈緒さんが作ってくれた『奈緒飯Ver寿司』を、みんなで摘みながら食事を摂り始めた。
しかしまぁ、相変わらず、なにを作らせても美味いッスな。
***
……彼是、30分程。
寿司をつまみ、軽くビールを飲みながら歓談していたら、そこで突然、大将が、こんな事を言い出した。
「しかし、あれだな。ホント奈緒ちゃんって器量良しだし、料理も美味いから、良いお嫁さんに成るよな」
奈緒さんの話題を振って来たんだよな。
まぁ特別、変わった話題でもないから、余り、なにかを気にしてる訳ではなかったんだが、なんか波乱の予感がする。
「そうですかねぇ?」
「まぁ、そうやな。偶にイラン事するけど。奈緒ちゃんは、誰に嫁いでも、良い嫁には成るやろな」
「なになに、カズまで、そんなに褒めても、なにも出ないよ」
「出さんでえぇちゅうねん。もぉ十分なまでに出してもろとるし」
「そぉ?じゃあ、まだデザートが有るけど、カズだけは無しで良いわね」
「それは、ケチケチせんとくれ。デザートも含めてセットメニューやんけな」
「はいはい。……飲んでる時に、デザートって言うのもどうかとは思うけどね」
「まぁ、そう言わんと」
奈緒さんは、誰に何も言われなくても、そんなものまで用意していた。
まぁこれは恐らく、お酒を飲まない沙那ちゃんの為に用意したもんだとは思うんだが。
そういう細かい点まで配慮してくれてるとは、ウチの大切な未来のお嫁様は果てしなく気が利くなぁ。
……っで。
そんな未来のお嫁様が、テーブルの上に出してきたデザートは『ゼリー』
但し、ゼリーの上に泡の様な物が乗っていて、なんか生ビールみたいな感じのゼリーなんだよな。
なんじゃこりゃあ?
「ほぉ~~~っ、ビールゼリーとは、これまた粋なものを」
「解りますか。この間SNAP×SNAPでやって奴なんですけどね」
「あぁ、そう言やあ、こんなのTVで作ってたな」
「ですよね。だから、飲みながらの食事になると思いましたんで。デザートは、これにしてみたんですよ。良かったら、召し上がって見て下さい」
「あぁ、そうだね。戴くよ」
大将は、そう言いながら、ゼリーを口に運ぶ。
そして一言。
「おぉ~~~っ、これは、思って以上に美味いね。ビールの苦味が残ってるのに、甘みがシッカリ出てる。飲んでても、口当たりが良いからスルッといけちゃうな」
「ホントですか?ドンピシャで良かった」
「うん。マジで、これ、美味いわ。奈緒ちゃん、ウチの嫁に成ってくれや」
「うん。ごめん。死んでも嫌だから。お断り。前世から出直して来い」
「なんも、そこまで言わんでも……」
確かに、満足の行く一品ですな。
そして山中に対する粗悪な扱いも、満足の行く一撃を、お見舞いしてくれましたな。
……つぅかな、陰獣。
厚かましい事を言って、奈緒さんに手を出そうとしてんじゃねぇぞ!!
奈緒さんは、俺だけのもんだ!!つぅの。
「あぁ、でも、山中が、そう言いたくなる気持ちは解らなくもないな。俺も、こんな彼女欲しい~~~」
「大丈夫ですよ。大将さんは、馬鹿のカズとは違いますから。きっと良い彼女が見つかりますよ」
「そうかなぁ?此処最近、女ッ気がないしなぁ。……奈緒ちゃんみたいな子って、何所に居るんだろうなぁ」
そんなものは、何処にも居ませんぞ、大将。
こんな完璧な彼女は、世界中、何所を探し廻っても、そう易々とは居ませんぜ。
でも、口説いちゃダメだぞ。
俺のもんッスからな。
「その辺一帯に、一杯生息してると思いますけど」
「いやいや、奈緒ちゃんみたいな生き物が、この辺一帯に一杯生息してたら、ある意味、怖いって」
「カズ、それ……どういう意味?」
「うっ!!そっ、そっ、それは、あっ、あれやあれ、あれやがな。ふっ、深い意味は無いんねんけどな。男共が興奮して、世の中が豪い事に成るって話やがな。変な意味ちゃうで。俺全然、奈緒ちゃんが床上……」
「黙れ」
『ポコ』
「痛ぁ~~~ッ!!メッチャ痛い!!久しぶりに喰ろうたけど。相変わらずの激痛やのぉ!!」
「解ってるなら、余計な事は言わないの。……次は、命がないからね」
「……すんません」
いや、痛いのも、命が無いのも解るが。
そのノート……何所から出したんッスか?
4次元ポケットっすか?
「ははっ、なんか明るい家庭になりそうだな」
「そうやろ。奈緒ちゃんが居れば、いつでも、どこでも、明るい家族計……」
「オマエ、人の話聞いてたか?」
「ひっ、奈緒ちゃん、冗談やが……」
「……一回、死んどけや」
『ポコ』
うん、死んどけ。
オマエだけは、マジで一回死んどけ。
けど、こう言う日常ってのも悪くはないわな。
なんて、ほのぼのした雰囲気に浸っていたら。
「うぅ……」
……っと、沙那ちゃんが、なにやら不機嫌そうな感じで、小さく唸った。
まさかとは思うが、これが俺が感じていた波乱の幕開けか?
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
山中君じゃないですが、奈緒さんとの結婚生活って本当に楽しそうですよね(笑)
容姿が端麗なのは元より、気が利くし、料理は上手いし、床上手。
その上で、異常なまでに美意識の高い子なので、男性にとっては理想と言えば理想のお嫁さんですもんね。
まぁ時折、イラン事をするのはお愛想っと言う事で(笑)
さてさて、そんな常に注目される奈緒さんの姿を見て。
沙那ちゃんが、なにやら不満そうな唸り声をあげてる様なのですが。
突然、どうしちゃったんでしょうか?
次回は、その辺を書いていこうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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