●前回のおさらい●
広田君の借金を返済する為に、音楽室を改装してまである計画を立ててた倉津君。
だがそこに、不意にカジ君がやって来て問い詰められるが。
そこは、なんとか半分以上脅して、事なきを得たのだが……
その時、再び音楽室の扉が開いた(笑)
『ガチャ!!』
「すまない、倉津。少し準備に梃子摺ってしまった。……うん?梶原?」
「おはよう、倉津君♪あぁそうだ、これ似合うかな?とかとかね……って、あれ?梶原君?」
「広田に、津田ッちゃん?……あぁ、そうか、そう言う事か。なるほどなぁ」
にゃああぁぁあぁぁ~~~!!
なんてこったい!!
まさか広田とダッツが、このタイミングで音楽室に入って来るとは、想定外だった。
折角、隠し通したのによぉ。
こりゃあ完全に一撃でバレたな。
―――うん?『何故かって?』
そりゃあアンタ、コイツ等3人って、元々同じ小学校の出身だからだよ。
朴念仁広田の趣味と実益を兼ねた仕事が『カメラマン』だって事を、カジが知ってるからだよ。
それにな、なにも知らずに、突発で、この音楽室に訪れた奴の為に、ダッツには、予備に作って置いたメイド服を着て貰ってるからでもあるな。
―――なに?『何故、ダッツがメイド服を着てるか』だと?
んなもん、100%決まってんだろに。
一枚でも多く、広田にメイドの写真を撮らせる為だよ。
―――なに?『どういう事かわかんねぇ』だと?
こんだけ親切・丁寧に解答してんだから、少しは脳漿を沸かして、わかれよな!!
要するにだな、意味もなくフラフラと此処に来た奴でも、可愛いらしいダッツを見ればだな。
ひょっとしたら、一緒に写真を撮って欲しくなるかも知れないだろに。
早い話……『広田の借金を返す為の金だよ金』
それに、広田の借金ってのはな。
ダッツも知る処だから、彼氏の借金返済の為に、その身を捧げて、この依頼を気持ち良く引き受けてくれたんだよ!!
解ったかボケ!!
……にしてもダッツは、いつもいつも健気な奴じゃのぉ。
そんなダッツの健気で献身的な心に報いる為にも、この計画を、此処で頓挫する訳にはもイカネェ。
矢張り、カジには死んで貰うしか無い様だな。
うん、そうだそうだ、間違いない。
「チッ。全てを知られたからには仕方ねぇな。ヤッパリ、オマエには記憶を無くして貰うしかなさそうだな」
「おいおい、クラッさん。……それ、明らかに殴りたいだけだろ」
なんでわかった?
チィ!!広田達の登場で、折角、カジを思いっ切り殴る良い口実が出来たって言うのによぉ。
危険感知をする高性能直感のお陰で、この野郎2度も命拾いしやがったよ。
奴の勘の良さに敗北した俺は、イケメン撲滅運動に失敗した。
運の良い野郎だ!!
「倉津?なにがしたいんだ?」
「うん?イケメンのカジを、壁に吹っ飛ぶぐらいブン殴りたいだけだ。今『イケメン撲滅運動』が、巷で絶賛開催中からな」
「ちょ!!なんなんだよ、その言われ無き暴力は?」
「確かに梶原の言う通り、それは言われ無き暴力だぞ。暴力は良くないぞ」
あれ?広田君って、こんなに重度のお脳の病気に罹ってたっけ?
それとも、なにか?『暴力は良くない』ってのは、俺の幻聴か?
もしこれが、幻聴でないなら大変な事だぞ。
奴の脳が、完全に死滅しきってるからな。
そのままの状態じゃ、ダッツが、あまりにも可哀想だから、早く大きな病院にでも入院して、集中治療室で治療して貰って来い。
きっと今なら、ダッツも、オマエの事を待っててくれる筈だから、心置きなく『黄色い救急車』に乗って精神病院に行け。
なんなら紹介してやるぞ。
……ってかオマエさぁ。
中学の入学式で、先輩を絞めてた奴の言うセリフじゃねぇぞ、それ。
「オマエが言うな!!いや、オマエと、崇秀と、山中だけは、絶対に、その言葉を言っちゃいけねぇ!!少しは自分ってモノを弁えろよな……恥を掻くぞ、オマエ」
「何故だ?それも言われ無き言葉の暴力だな」
う~~~ん、困ったなぁ。
治療が出来無いぐらい進行が早く。
どうやらこの子は、既に末期の重症患者みたいだな。
自分のしてきた悪行の数々の記憶すら、完全に消え失せてるんだもんなぁ。
こりゃあ、ホントに治療不可だ。
お可哀想に……
「あぁ、もぉ良い。頭痛くなってきた」
「そうか。なら此処は俺と里香に任せて、早く保健室か、病院に行った方が良いぞ。体は仕事の基本だから」
こんボケ!!
病院に行くのは、オマエだつぅの!!
この朴念仁め!!
それともそれは、笑いを取りたいボケなのか?
「あぁ、そうだな。そうさせて貰うわ。後の事は頼んだぞ」
「あぁ、任せて置いてくれ。倉津の期待に沿える様に、頑張っておく」
……もぅ良い。
面倒臭ぇ。
「……信じらんねぇ」
「何か言ったか」
「なんも言ってねぇよ。お2人で、お幸せにぃ~~~」
「なっ、なにをだ?」
「行くぞカジ」
「おっ、おぉ……だな。これは酷い」
「おっ、おい、倉津、梶原……」
Mr朴念仁が、俺等に対してなんか言ってるみたいだが、放って置いても大丈夫だろ。
第一、それらの対応に長けているスペシャリストで、優秀な助手であるダッツが奴の傍に居るんだからな。
まぁ、一応、これで一安心……か?
(↑ダッツも、天然だった気がする俺)
まぁまぁ、それはさて置き。
広田の『ガンジー発言』には、カジも少々呆れ気味だから、この場は早急に去ろう。
それがお互いの為ってもんだ。
―――うん?『何故かって?』
そりゃあ、広田の本性を多少知る俺が、こう言う反応を取るのは別としてもだな。
カジが、俺と同じ様な態度を取るのには、れっきとした理由が有るからだよ。
その答えってのはな……去年の入学式に広田が巻き起こした『上級生襲撃事件』の事が原因なんだよ。
この学校内じゃな。
あの事件に噂が噂を呼び、今では知らぬ者が居ない(女子を除く)程、結構、有名な話になってるんだよな。
それを知らぬは、広田本人ばかりってな。
その上でだ。
広田の普段の生活態度も、無愛想で、如何にもあれッポイだろ。
実は、この様子と、良からぬ噂を信じて、地味に広田を恐れてる奴も、校内に少なくはないんだよな。
通称『レオン』若しくは『掃除屋』と呼ぶ奴もいるぐらい知れ渡ってる。
まぁまぁ、カジが『どう広田の事を知ってるのか』までは不明瞭な点だが。
ある程度の事を知っているなら、カジのこの飽きれた態度にも頷けるってもんだ。
あぁヤダヤダ。
暴力で、有名なお人は怖いのぉ。
(↑色んな意味で)
ってな訳でだ。
『ドキッ☆メイドさんと一緒に撮影は、なんと600円ポッキリ作戦』はだな。
ダッツと、Mr朴念仁の称号を持つ広田に任せて、俺は、カジと共に、足早に、この音楽室を去る事にしたって訳だ。
……っと、その時、丁度。
『只今よりぃ~文化祭を開催いたしますぅ~。ご来場の皆様は心行くまでお楽しみ下さい』なんて、中学生バリバリの下手糞過ぎる、如何にも棒読みな開催宣言が行なわれた。
さぁ~~てと、これで漸く、本格的に『欲望塗れの文化祭』も始ったみたいだな。
メイドの撮影を、広田とダッツに任せたから、俺は、これで1つやる事も減った事だし。
取り敢えず、カジと一緒に、千尋&素直のメイド姿でも拝む為に、一旦教室にでも行ってみるか。
向こうで、面倒な事が起こってなきゃ良いけどな。
けど、この切実な願い事が叶う事なんて無く、多分、なにかしろの面倒が有るだろうな……
所詮、俺だし……
所詮は、そう言う運命だし……(;´д`)トホホ
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>
前回の熱意ある説得(?)も空しく。
カジ君には、ほぼ全部内容がバレちゃいましたね(笑)
まさに前回のお話は、ただの無駄(笑)
まぁまぁ、それでも、この件をカジ君も黙っててくれるでしょうから。
取り敢えずは、万事上手く行ったと言っても良いのではないかと思います(笑)
さてさて、そんな中。
次回は、カジ君と一緒に教室に向かって行く事に成るのですが。
当然、何事もなく、上手く行くなんて事はありませんので、此処がどうなるかを楽しみにして頂けるとありがたいです♪
なので、また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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