最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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423 俺じゃなく、オマエが病院に行け!!

公開日時: 2022年4月5日(火) 00:21
更新日時: 2022年12月30日(金) 13:21
文字数:2,860

●前回のおさらい●


 広田君の借金を返済する為に、音楽室を改装してまである計画を立ててた倉津君。


だがそこに、不意にカジ君がやって来て問い詰められるが。

そこは、なんとか半分以上脅して、事なきを得たのだが……


その時、再び音楽室の扉が開いた(笑)

『ガチャ!!』



「すまない、倉津。少し準備に梃子摺ってしまった。……うん?梶原?」

「おはよう、倉津君♪あぁそうだ、これ似合うかな?とかとかね……って、あれ?梶原君?」

「広田に、津田ッちゃん?……あぁ、そうか、そう言う事か。なるほどなぁ」


にゃああぁぁあぁぁ~~~!!

なんてこったい!!

まさか広田とダッツが、このタイミングで音楽室に入って来るとは、想定外だった。


折角、隠し通したのによぉ。

こりゃあ完全に一撃でバレたな。


―――うん?『何故かって?』


そりゃあアンタ、コイツ等3人って、元々同じ小学校の出身だからだよ。

朴念仁広田の趣味と実益を兼ねた仕事が『カメラマン』だって事を、カジが知ってるからだよ。


それにな、なにも知らずに、突発で、この音楽室に訪れた奴の為に、ダッツには、予備に作って置いたメイド服を着て貰ってるからでもあるな。


―――なに?『何故、ダッツがメイド服を着てるか』だと?


んなもん、100%決まってんだろに。

一枚でも多く、広田にメイドの写真を撮らせる為だよ。


―――なに?『どういう事かわかんねぇ』だと?


こんだけ親切・丁寧に解答してんだから、少しは脳漿を沸かして、わかれよな!!


要するにだな、意味もなくフラフラと此処に来た奴でも、可愛いらしいダッツを見ればだな。

ひょっとしたら、一緒に写真を撮って欲しくなるかも知れないだろに。


早い話……『広田の借金を返す為の金だよ金』


それに、広田の借金ってのはな。

ダッツも知る処だから、彼氏の借金返済の為に、その身を捧げて、この依頼を気持ち良く引き受けてくれたんだよ!!


解ったかボケ!!


……にしてもダッツは、いつもいつも健気な奴じゃのぉ。

そんなダッツの健気で献身的な心に報いる為にも、この計画を、此処で頓挫する訳にはもイカネェ。


矢張り、カジには死んで貰うしか無い様だな。


うん、そうだそうだ、間違いない。



「チッ。全てを知られたからには仕方ねぇな。ヤッパリ、オマエには記憶を無くして貰うしかなさそうだな」

「おいおい、クラッさん。……それ、明らかに殴りたいだけだろ」


なんでわかった?


チィ!!広田達の登場で、折角、カジを思いっ切り殴る良い口実が出来たって言うのによぉ。

危険感知をする高性能直感のお陰で、この野郎2度も命拾いしやがったよ。


奴の勘の良さに敗北した俺は、イケメン撲滅運動に失敗した。


運の良い野郎だ!!



「倉津?なにがしたいんだ?」

「うん?イケメンのカジを、壁に吹っ飛ぶぐらいブン殴りたいだけだ。今『イケメン撲滅運動』が、巷で絶賛開催中からな」

「ちょ!!なんなんだよ、その言われ無き暴力は?」

「確かに梶原の言う通り、それは言われ無き暴力だぞ。暴力は良くないぞ」


あれ?広田君って、こんなに重度のお脳の病気に罹ってたっけ?


それとも、なにか?『暴力は良くない』ってのは、俺の幻聴か?


もしこれが、幻聴でないなら大変な事だぞ。

奴の脳が、完全に死滅しきってるからな。


そのままの状態じゃ、ダッツが、あまりにも可哀想だから、早く大きな病院にでも入院して、集中治療室で治療して貰って来い。

きっと今なら、ダッツも、オマエの事を待っててくれる筈だから、心置きなく『黄色い救急車』に乗って精神病院に行け。


なんなら紹介してやるぞ。


……ってかオマエさぁ。

中学の入学式で、先輩を絞めてた奴の言うセリフじゃねぇぞ、それ。



「オマエが言うな!!いや、オマエと、崇秀と、山中だけは、絶対に、その言葉を言っちゃいけねぇ!!少しは自分ってモノを弁えろよな……恥を掻くぞ、オマエ」

「何故だ?それも言われ無き言葉の暴力だな」


う~~~ん、困ったなぁ。

治療が出来無いぐらい進行が早く。

どうやらこの子は、既に末期の重症患者みたいだな。


自分のしてきた悪行の数々の記憶すら、完全に消え失せてるんだもんなぁ。


こりゃあ、ホントに治療不可だ。


お可哀想に……



「あぁ、もぉ良い。頭痛くなってきた」

「そうか。なら此処は俺と里香に任せて、早く保健室か、病院に行った方が良いぞ。体は仕事の基本だから」


こんボケ!!

病院に行くのは、オマエだつぅの!!


この朴念仁め!!


それともそれは、笑いを取りたいボケなのか?



「あぁ、そうだな。そうさせて貰うわ。後の事は頼んだぞ」

「あぁ、任せて置いてくれ。倉津の期待に沿える様に、頑張っておく」


……もぅ良い。


面倒臭ぇ。



「……信じらんねぇ」

「何か言ったか」

「なんも言ってねぇよ。お2人で、お幸せにぃ~~~」

「なっ、なにをだ?」

「行くぞカジ」

「おっ、おぉ……だな。これは酷い」

「おっ、おい、倉津、梶原……」


Mr朴念仁が、俺等に対してなんか言ってるみたいだが、放って置いても大丈夫だろ。

第一、それらの対応に長けているスペシャリストで、優秀な助手であるダッツが奴の傍に居るんだからな。


まぁ、一応、これで一安心……か?

(↑ダッツも、天然だった気がする俺)


まぁまぁ、それはさて置き。

広田の『ガンジー発言』には、カジも少々呆れ気味だから、この場は早急に去ろう。


それがお互いの為ってもんだ。


―――うん?『何故かって?』


そりゃあ、広田の本性を多少知る俺が、こう言う反応を取るのは別としてもだな。

カジが、俺と同じ様な態度を取るのには、れっきとした理由が有るからだよ。


その答えってのはな……去年の入学式に広田が巻き起こした『上級生襲撃事件』の事が原因なんだよ。


この学校内じゃな。

あの事件に噂が噂を呼び、今では知らぬ者が居ない(女子を除く)程、結構、有名な話になってるんだよな。


それを知らぬは、広田本人ばかりってな。


その上でだ。

広田の普段の生活態度も、無愛想で、如何にもあれッポイだろ。

実は、この様子と、良からぬ噂を信じて、地味に広田を恐れてる奴も、校内に少なくはないんだよな。


通称『レオン』若しくは『掃除屋』と呼ぶ奴もいるぐらい知れ渡ってる。



まぁまぁ、カジが『どう広田の事を知ってるのか』までは不明瞭な点だが。

ある程度の事を知っているなら、カジのこの飽きれた態度にも頷けるってもんだ。


あぁヤダヤダ。


暴力で、有名なお人は怖いのぉ。

(↑色んな意味で)



ってな訳でだ。

『ドキッ☆メイドさんと一緒に撮影は、なんと600円ポッキリ作戦』はだな。

ダッツと、Mr朴念仁の称号を持つ広田に任せて、俺は、カジと共に、足早に、この音楽室を去る事にしたって訳だ。


……っと、その時、丁度。

『只今よりぃ~文化祭を開催いたしますぅ~。ご来場の皆様は心行くまでお楽しみ下さい』なんて、中学生バリバリの下手糞過ぎる、如何にも棒読みな開催宣言が行なわれた。


さぁ~~てと、これで漸く、本格的に『欲望塗れの文化祭』も始ったみたいだな。

メイドの撮影を、広田とダッツに任せたから、俺は、これで1つやる事も減った事だし。

取り敢えず、カジと一緒に、千尋&素直のメイド姿でも拝む為に、一旦教室にでも行ってみるか。


向こうで、面倒な事が起こってなきゃ良いけどな。



けど、この切実な願い事が叶う事なんて無く、多分、なにかしろの面倒が有るだろうな……


所詮、俺だし……


所詮は、そう言う運命だし……(;´д`)トホホ


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>


前回の熱意ある説得(?)も空しく。

カジ君には、ほぼ全部内容がバレちゃいましたね(笑)


まさに前回のお話は、ただの無駄(笑)


まぁまぁ、それでも、この件をカジ君も黙っててくれるでしょうから。

取り敢えずは、万事上手く行ったと言っても良いのではないかと思います(笑)


さてさて、そんな中。

次回は、カジ君と一緒に教室に向かって行く事に成るのですが。


当然、何事もなく、上手く行くなんて事はありませんので、此処がどうなるかを楽しみにして頂けるとありがたいです♪


なので、また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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