最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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第三十三話 アクシデント

178 不良さん、ライブの現状を説明をする

公開日時: 2021年8月3日(火) 00:21
更新日時: 2022年12月2日(金) 17:21
文字数:2,146

第三十三話『アクシデント』が始まるよぉ~~~(*'ω'*)ノ

 033【アクシデント】


 熱気を帯びたライブも、いよいよ佳境に入って後半戦。


ライブ開始当初より、大量に吐き出され続けたCo2も順調に増え続け。

あまり換気系統の良くないこのハコの温度は、確実に5℃以上は上昇している。


そのお陰で、今では、ステージ上で呼吸をするのさえ困難な程の熱気を孕んでいる。


更に追い討ちを掛ける様に、ライブハウス特有のヤニと、アルコールと、人の出す汗の匂いが交じり合い。

俺の頭がクラクラする程の酸欠状態に誘っていく。


兎に角、呼吸しているのか?していないのか?さえ解らない状況だ。


そうさせた理由は、勿論、前半~中盤に掛けて演奏されていた9曲。

今更だが、一応、それらをリストアップしておこう。


1【Serious stress】(重いストレス)作詞/作曲:向井奈緒

2【Back street】作詞/作曲:嶋田浩輔

3【Hybrid Memory】作詞/作曲:嶋田浩輔

4【Original intention accomplishment】(初志貫徹)作詞/作曲:向井奈緒

5【Dash eater】作詞/作曲:嶋田浩輔

6【Un happy school life】作詞/作曲:嶋田浩輔

7【Miserable fellow】(情けない奴)作詞/作曲:向井奈緒

8【朧月】作詞/作曲:嶋田浩輔

9【Anarchy】作詞/作曲:嶋田浩輔

―――――――――――――――――――――――――――――――――

10【Troubling】(四苦八苦)作詞/作曲:向井奈緒

11【Fuckin face】作詞/作曲:嶋田浩輔

12【Business zombies】作詞/作曲:嶋田浩輔

13【Please look at me】(私を見て下さい)作詞/作曲:向井奈緒

14【Fool's Rocker】作詞/作曲:嶋田浩輔


……っで、今現在、ラインを引いた9曲目までが終了している訳だな。


その中でも、前半から中盤に掛けて、観客から大量のCo2が吐き出される要因となった好評だった曲は……


奈緒さんの作った【Serious stress】

嶋田さんの作った【Hybrid Memory】【Dash eater】&【朧月】の、この4曲だ。


出だしは、俺が余計な事をしたせいで、凄いグタグタ感が有ったにも拘らず。

早弾き等の特殊なアレンジが功を奏し、それらのミスを一気に吹き飛ばした【Serious stress】


この曲は、誰が聞いても凄く解り易いパンクの曲だから、盛り上がり易く。

矢張り、最初の曲に持ってくるには最適の曲だった様だ。


それに加えて、嶋田さんが作った曲の中でも、かなり盛り上がった3曲。

これも、かなり秀逸な作品だ。


あぁっと『秀逸』と言っても、今まで嶋田さん曲を説明した事がなかったから解り難いか。


因みに、少し嶋田さんの曲を説明すると、こんな感じだ。


【Hybrid Memory】


この曲も、パソコンの高速処理を唄った早弾きがメインの曲。


基本的に、解り易くも困難な技術である『早弾き』を使っているので、観客が盛り上がるのは当然。

付け加えて、どこをどうやってるのかは知らないが、この曲の中にはタイプライターを叩いている様な奇妙な電子音が混じっている。


更に言えば、英語で唄われている歌詞の意味が理解出来れば『パソコンを扱う人間と、コンピューターの演算処理の差』を唄った嫌味な曲なので、もう一段階上の楽しみ方が出来る筈だ。



【Dash eater】


この曲は『早喰い』と言う意味では『喰い逃げ犯』の心理を唄った歌。


冒頭のスローパートでは、バラード調で悲しいほどの貧乏な青年の心理を描き、涙を誘う。

そんで中盤以降では、一気に曲調が変更され、突然ファーストパートになり。

食い逃げ後、店主に追い駆けられながらも、必死に逃げ焦る主人公の心理が描かれている。


曲調は、普通に聞けば、全体的に格好が良いんだが、歌詞は、なんともコミカルな曲に仕上がっている。


これも英語の歌詞の意味が解れば、更に一段階面白く聞ける曲だ。


また、歌詞の意味を知らずに、カラオケなんかでカッコ良く唄っても、みんなに笑われると言うオマケが付いてくる、中々面白い曲だ。



最後に【朧月】


知っての通り、ウチのバンドの曲の多くは『ロック』『パンク』で構成されている。

だが、この【朧月】と言う曲は、そんなウチのバンドでは異彩を放つ、完全なスローバラード。


恐らく観客は、突然の曲の変調に、意表を突かれた形になったのだろう。


嶋田さんが、別に用意したセミアコギターからは、しっとりした音を奏で、素直、本来の声の良さを引き出していた。


この音と声の競演は、いとも容易く聞く者を魅了していく。


此処でも付け加えて言うなら。

この曲が好評だったのは、矢張り、ライブ会場に居る女性の影響が大きい。


一般的な心理の話になるのだが、女性は年齢を問わず『バラードがお好き』な様だ。

なんせ、男性客よりも、女性客の方が、素直の声に魅了されていた比率が高かったからな。


序に1つだけ言わせて貰えば。

別に、他の5曲が盛り上がらなかった訳ではない。

この4曲が、異常に大きく盛り上がったのでピックアップしただけの事だ。



……っとまぁ、こんな感じで。

4/9の確率で大きな盛り上がりを見せ、5/9で普通の盛り上がり、後半戦に突入する訳だ。



んな訳で、後半戦一曲目気合入れていくぞ!!


最後までお付き合い下さり、ありがとうございましたです<(_ _)>


取り敢えずではありますが、ライブは順調に進んでるみたいですね。


ただ『アクシデント』なんてタイトルが付いてる以上、何事も無く平穏に終わる……なんてある筈もなく。

次回から、早速、大きな問題が提示されます。


まぁ、この時点で、気付いてる方も居られるかもしれませんが。

一応、そこは、また次回の講釈と言って置きますね(笑)


また良かったら、遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ


【ヒント】は曲順です(笑)

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

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