最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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609 現代科学の進歩は浪漫砲

公開日時: 2022年10月8日(土) 00:21
更新日時: 2023年1月15日(日) 13:58
文字数:2,056

●前回のおさらい●


 話の流れからして『他人に成りたい願望』から、眞子のままでありたいと思う気持ちを吐き出した倉津君。

そんな彼に対して崇秀は、ある提案をする為に『それならば倉津君の生き様を見せてみろ』っと言い始めた。


その真意とは?

「『生き様』?だと……なんだよそれ?一体どういう事だよ?」

「ふっ……まぁ、その解答をする前に、最後の質問だ。取り敢えずは、それだけでも聞いてくれよ」

「質問ねぇ。この期に及んで、なにが聞きたいんだよ?」


突然、話が見えなくなったな。


本当にコイツは、一体、なんの話しているんだ?



「今のオマエが今日1度眠って、明日眼が覚めたら倉津真琴に戻っていたとしよう。そしたら、この10日余りの眞子としての経験を、オマエは『夢』だと思えるか?(此処が最大に重要なんだよな。コイツにこれが出来なきゃ、全てがパァだな)」


なんの話だ?


この展開から言って、ひょっとしたら、もぉ既に男に戻る準備が整っていて、明日起きたら元に戻ってるって事なのか?


・・・・・・


いや……違うな、そうじゃないな。

もしそうなら、明日の『検査』の話を持ち出す必要性なんてないからな。


此処は、そんな意見じゃ腑に落ちない。


なら、なんだ?



「どういう質問だよ?質問の意図がわかんねぇよ」

「良いから、思ったままを、素直に答えてみろ」

「難しいな。……それは、俺個人だけの問題と捉えて良いのか?奈緒さんの件も踏まえての話か?」

「いや、此処に関しては、向井さんの事を考える必要はない。オマエ個人の意見だけで結構だ」

「だったら、思えるんじゃねぇかな?」

「そうなんか?」

「あぁ。まぁ流石に、日数の経過が有るから、その辺の問題だけは解決しなきゃイケネェだろうけど。その辺に関しても、時間さえ掛ければ受け入れられると思うがな」

「そっか…… (これは思った以上に良い反応が返って来たもんだが。そうなると、後はコイツが、この話に『乗る』か『反る』かだけが問題だな)」


崇秀の奴、本当に、どういうつもりなんだ?


男に戻って今日の記憶だったら、ギリギリ、ナントカ、男思考で納得出来るだろうけど。

明日、男に戻らないなら、こんなものは『机上の空論』を話してるだけに過ぎないんじゃねぇのか?


だったら、今の所、そんなもん、なんの意味もねぇじゃねぇかよ。



「なぁ、崇秀。……本当に、さっきから、なんの話をしてるんだ?全くオマエの質問の意図が見えねぇんだが」

「なぁにな。なんて事はねぇ話なんだがよぉ」

「おっ、おぅ」

「……オマエが、さっきの話が受け入れられるって言うのが本音だって言うなら、明日、自分の脳味噌から記憶を取り出してみるか?」

「はっ、はぁ?」


へっ?はぁ?


って、えぇ~~~!!なに、その突然、降って湧いた様なSF的な発想?

今までの経過からして、話の内容自体は合ってるかも知れないけどもだ。


なんで、そんな急にSFな方向に行くんよ?


大体にして、そんな事が、今現在の化学で出来るのか?


そんな話は聞いた事も無いぞ。



「ちょっと待て、ちょっと待て!!俺にゃあ科学の話なんぞは良くわかんねぇけど。……そんな事が可能なのかよ?」

「あぁ、人権問題があるから公にはされてないが、そう言う実験は、結構、昔から頻繁に行なわれてるな。それに、その成果も色々な国で沢山あがってる。ハッキリした証拠が欲しいなら、ウチの親父が所属している機関の命題は……それだ」

「命題だと?ってか、なんで、そんな人道を外れた真似をする必要が有るんだ?」

「記憶の保存だよ」

「記憶の保存?」

「あぁ……ってか、人間ってのは絶対に老いには勝てないだろ。だから、死ぬ間際に新しい体に記憶を埋め込み。国の重要人物の若返りを図る。……これはある意味、現代に於ける『不老不死』の実現化だな」


んな馬鹿な話が……



「それで、遺伝子工学の博士であるオマエの親父さんが、そこの機関に呼ばれたって事か?」

「まぁ、そう言うこったな」


コイツの言い様だと、本当に『不老不死』なんて馬鹿げた物を、真剣に取り組んでる奴等が居るみたいだな。


なんて狂った連中なんだ。


秦の始皇帝かよ!!


けどまぁ、確かに、その『不老不死』に成功すれば、世界的な成果を挙げる事になるだろう。


でもよぉ、それって、本当に自分自身なのか微妙だよな。


なんとも言えねぇな。



「けどよぉ。それって、世間から見て、本当にソイツだと確証出来るものなのか?」

「恐らくは、似て非なる者って認識になるのが正解だろうな。他人から見れば、ソイツ自身だと言い切るには、些か難しいのも事実だ。……ただな、記憶を植えられた体は、そう認識はしない。ただ『若返った』としか思わないからな」

「だったら、本当の意味で、そんなのなんの意味もねぇじゃん」


それじゃあ、本人自身が死ぬ事には、なんら変わりないんだからな。

『不老不死』と言うには、物足りなさを感じる。


……っていうか、大体にして『不老不死』と『俺』って関係なくね?


別に俺は、最初から、そんな事を望んでもいねぇし。



「いや、そうじゃねぇんだ。オマエの場合に限っては、この手段は、かなり有効なんだよ」

「なんでだ?別に俺は『不老不死』になりたい訳じゃないぞ」

「『不老不死』は関係ない」

「じゃあ、なにが言いたいんだよ?」

「『記憶の固定化』」


へっ?またなんか、このアホンダラァは訳の解らん事を言い出したぞ。


なんじゃそりゃあ?


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


突然SFの様な話に成っちゃってるんですが。

実際、この実験と言うのは、完全に不可能ではない時点までは来てるんですよね。


なので、今回は、その可能性に賭けて、このお話を構成してみました♪


ちょっと浪漫砲が過ぎたかもしれませんがね(笑)


さてさて、そんな中。

次回は、その辺を『どう活用するか?』の説明が為されて行く訳なのですが。


一体、どの様な内容になるのでしょうか?


その辺を気にして頂けましたら、是非、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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