最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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861 場の雰囲気を変えるのは

公開日時: 2023年6月16日(金) 00:21
文字数:2,062

●前回のおさらい●


 前を向き始めた眞子だったが、奈緒さんは、まだどこか蟠っている様子。

そんな彼女の姿が気に成ったので、眞子は会話で少しづつテンションを上げようとし。


今の自分の行いが……

「えぇ?私は、凄くなんてないですよ。だって、これ……奈緒ネェの真似ですから」


実は、そうなんですよ。


奈緒ネェってさぁ。

こう言っちゃあなんだけど……真琴ちゃんの為なら、なんでもしてあげてくれてたじゃないですか。


それを今度は、私が崇秀にしようとしてるだけの事なんですけどね。


でも、奈緒ネェは、この事が全然解ってないみたい。

意外と……自分の事は見えてないんだよね。


正直言えば、途中で気付くかなって思ったんだけど、一向に気付かないんだもん。


逆にビックリだよ。



「へっ?なにが、私の真似なのよ?」


ははっ……マジですか?


此処まで包み隠さずハッキリ言ってるのに……



「えっ?ひょっとして奈緒ネェ、まだ気付いてないの?」

「なにがよ?」

「この考え方って、奈緒ネェが、真琴ちゃんにやってくれてた事だよ」

「はぁ?ちょっと待って。どこがよぉ?私、そこまでクラの願いを、キッチリ叶えてあげられなかったけど」

「えっ?えぇっと……」


あれれ?

本当に何を言ってるんですか、このお姉さんわ?


本当に自分の事になると、全く見えてないんだね。


無自覚で、あそこまで出来るなんて驚愕の域だよ。



「なによ。その奇妙な表情は?まるで『自分が見えてない』って、言いたそうな顔してるんだけど」

「あぁっと……すみません、そのまんまですね。言って良いものかと、悩んでました」

「うくっ!!……ちょっと待ってよ、眞子。私のクラへの想いって言うのは、まだ恋愛感情の延長線上にあるの。君のは、明らかに『夫婦の感覚』じゃない。それだけでも全然違うんだけど」

「いやいやいやいや、奈緒ネェの思考の方が、明らかに夫婦の思考ですよ。あれは明らかに、夫を頑張って支えるお嫁さんじゃないですか」

「はぁ?なんで、そうなる訳?私、結構、クラには意地悪した筈だよ。眞子は、そう言うの考えてないでしょ」


まぁ……全く考えてないですけど……


それ以前に、もっと大きな問題が……



「いや、それはそうなんですけど。私なんかじゃ、崇秀相手に、そんな事を考えた所で、反撃されるのがオチじゃないですか?意地悪されて終わりですよ」

「あぁまぁ、そうだね。……私がするよりも酷い目に遭うだろうね」

「でしょ。……まぁまぁ、それ以前にですね。私の場合は、奈緒ネェとは違って。崇秀を支える訳じゃなくてですね。崇秀と言う『とんでもないロケット』に同乗したい訳ですよ。その乗車チケットの競争率が高いから。崇秀が認めている『奈緒ネェみたいなシッカリした人に成らなきゃいけないなぁ』って思っての行動ですね」

「あぁ、そう言う事ね。……でも、多分、あの人は、私程度じゃ、本当は、なにも満足なんかしてないよ。自分の彼女だったら、もっとハードルを上げて来るかもよ」


確かに……あの男の要求はキリが無さそうですね。

無限に湧いてくる要求を、終わる事無く、無限に突き付けられそうな感じですよね。


……でもですね。

それは『彼女』だから、しょうがないじゃないですかね。


それにですね。

奈緒ネェのお陰をもちまして、数ある崇秀を求める女性から、妥協して私なんかを選んでくれたんだから、その要求ぐらいは飲んでも、これは然りな事だと思いますよ。


……って言いますかね。

『高い要求』を求められたら。

それだけ『自分を向上させるチャンスが増える』って考えれば、それも、そんなに悪く無いですよ。


寧ろ、ドンドン要求してOKって感じですよ。



でも、ドM感が増して行ってる様な感覚に陥るのが拭えないのは、なんでなんでしょうね?


……ってか、私が真性のドMなだけですか?



「あぁ、良いですね、それ。それを要求をして貰えるって事は、まだまだ自分に期待して貰ってる証拠だし、伸び代も、まだまだ残ってるって意味ですもんね。なら、その程度の事ならドンと来いですよ、ドンと来い」

「うわ~~~、なにこの子、ドM過ぎるんだけど……」

「あの……それは、言わないで下さい。多少なりとも、自分がMなんじゃないかなぁ?って自覚はあるんで……」

「ふふっ、そうなんだ。自覚は有るんだ?」


あっ……今の私の言葉に反応して、奈緒ネェがやっと笑ってくれた。


だったら、今回は私が、このまま奈緒ネェの笑顔を取り戻す為に出来る限り牽引していきますね。



「あぁ、はい。これは、なんて言いますかね。女の身って、そう言うのが、ちょっと喜ばしく感じちゃう節があるんですよね。なんか、それが『この人の好みなんだぁ?』ってか思うと、ついつい、それをやってあげたくなると言いますか。……やりたいと言いますか」

「ぷぷっ、なによそれそれって、典型的な男を甘やかすダメな女性思考じゃない。だったら君って、ただの『尽くし女』だよ」


よしよし。

この様子だと、会話もなんとか上手くいってる感じだ。


でも、奈緒ネェは、そうやって私の事を笑ってますけど。

奈緒ネェだって、大概、人の事が笑えないぐらいの『尽くし女』ですよ。


しかも……強烈なぐらい。


ホントに、そう言う所だけは『自覚のない姉』だなぁ。



なら、奈緒ネェの気分をもっとほぐせる様に、此処は、ちょっと怒られるのを覚悟で自覚させてみよっと。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


こんな場合、皆さんならどうしますか?

まぁ、普通なら、まずにして此処まで考える状態じゃないと思いますので、こう言う場面に直面する事は少ないとは思うんですがね。


こう言う場合って、慌てず、ゆっくりと会話を続けて行く事が大事なんですよ。


一気に場の雰囲気を変え様として、変わるもんでもないですし。

なにより、本心を言えば、眞子だって、その辺が割り切れてる訳ではありませんからね。


さてさて、そんな中。

そうやって、少しづつ場の雰囲気を変え様としている眞子はなのですが。

なにやら、奈緒さんに怒られる覚悟で、なにかを発言しそうな様子。


一体彼女は、何を語ろうとしているのか?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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