●前回のおさらい●
病院に運び込まれた真上さんを見舞う為に、由佳ちゃん達、倉津君のクラスメイトが集まっていた。
そして、真上さんの現状を話した時点で夜遅くなっていたので、全員に帰宅を促し、自分だけが病院に残る。
そぉ……倉津君には、まだやるべき事が残っているのだから。
……さて、素直達クラスメイトも全員帰った事だし。
そろそろ、一番問題の青山さん達の方も片付けるとするか。
「はぁ……そこの角に居るの青山さん達だろ。コソコソ隠れてないで出て来いよ」
そうなんだよな。
クラスの奴が居たから、敢えては声を掛けなかったんだが。
ウチのクラスの連中が来た時点より、ズッと前から、青山さん達が此処に来ていた気配は感じていたんだよ。
けど、あのタイミングで彼女達を呼んじまったら『真上さんの学校生活についての質問が集中して』話がアヤフヤな方向に行ってしまい、虐めの件が有耶無耶になる可能性が高かった。
これでは本末転倒だ。
それにだ、彼女達には、真上さんに、由佳達と言う新しい仲間が居る事を示して置きたかった。
そんな理由から、気が付いていても声を掛けなかった訳だ。
だが、クラスの奴等が全員去った今なら、彼女達の心理を探るのに、なにも問題はない。
話をするのなら、今が絶好の好機だと思えた。
「あっ、あの、倉津さん……まっ、真上は大丈夫なんですか……」
「あぁ、さっき聞いての通りだ。俺は医者じゃないからハッキリ大丈夫とまでは言えねぇが、一応、一命は取り留めたよ」
「そう……ですか。じゃあ、一応は無事だったんだ……良かった」
「なぁ、青山さん。……それ、ちょっと違くねぇか?それによぉ。言うべき事は、たったそれだけなのか?それだけしか言えないのか?」
「……あっ、あの、なんで、こんな事になっちゃったんでしょうね」
「とぼけんなよ。そんなもん、明らかにアンタ等のせいだろ。今更、変に隠すなよ」
「えっ?……私、そんなつもりじゃ」
この様子から見ても解る様に、矢張り、抑制出来無い子供の残酷性が出たみたいだな。
さっきの酷い虐めに関してでも、悪気や悪意なんてものは、ほんの少ししかなかったんだろう。
だが、事件が救急車まで呼ぶ事態になって気焦りが生じ、訳の解らないまま慌てて此処に来た。
まぁ、こうやって彼女達を上手く此処に誘導する事が出来たんだから、強ち玄さんに頼んだ偽装搬送も間違いではなかったみたいだな。
けど、このままじゃ終われない。
もっと自分達のした事を、深く理解して貰わなくちゃならないからな。
(↑自分達の意思で此処に来たし、真上さんが復讐なんて望んでないから手加減はするがな)
「オイ、勘違いすんなよ。オマエ等のやった事は殺人未遂。未成年だろうが何だろうが、立派な犯罪なんだぞ。しかも、相手に精神的苦痛を与える拷問にも似た一番性質の悪い殺人未遂だ。それを俺の大切な友達にやらかしたんだ。……タダで済むと思うなよ」
「えっ?本当に、そんなつもりじゃなかったの。ちょっと、からかうだけのつもりだったんだよ」
「じゃあ、その理屈で、俺も、ちょっとからかうつもりで、アンタ等にも怖い目に遭って貰うぞ。文句はねぇよな」
「えっ?ちょ……」
「玄さん、早速で悪いんだけど頼むわ」
『ガチャ』
「はいよ、坊ちゃん。此処からは、あっし等プロに任せてくだせぇ。悪い子猫ちゃん達には、あっしの方で、ちゃんと躾けさせて貰いやすぜ」
真上さんの病室以外から、ウチの組員である15人程の厳ついおっさん達がゾロゾロと出て来る。
これが、玄さんに頼んだ、もう1つの頼み事。
『ヤクザの脅迫だ』
その皆が、一往に青山さん達を睨み付け。
強烈に威圧しながら、段々と、その範囲を狭めて行く。
「えっ?ちょっと、なにこれ?どういう事?」
「あぁ、言ってなかったっけ?ウチの実家ってさぁ、実は、でっかいヤクザの組なんだわ」
「えっ?」
「それによぉ、最近じゃ、色々な方面に手を出しててよぉ。全てに置いて、人が不足してんだよなぁ。だからよぉ、俺のダチに手を出したアンタ等には、それを、ちょっと手伝って貰おうって寸法だ」
「ちょ……いや!!助けて!!」
「あぁ、幾らでも、声を出しても構わねぇがな。……此処は、ウチの知り合いが経営してる病院だから、どんだけ騒いでも無駄だぞ」
「えっ?」
「それにアンタ等さぁ。それと同じ事を、真上さんも言わなかったか?それなのに辞めなかったんだろ。だったら、自分達だけ助かろうってのは、余りにも虫の良い話っしょ。……オマエ等、調子の良い事を言うのも大概にしろよな」
真上さんの事だから、黙って耐えてたのかも知れないけどな。
「違う……違うの。真上は『辞めて』なんて一言も言ってない。なにも言ってないの」
ヤッパリか……忍耐力が強過ぎるんだよな、真上さんは。
「あぁ、そう。じゃあ、アンタ達も黙ってれば?それが虐めをした人間の筋ってもんしょ」
「そんなの……理不尽だよ」
「玄さん。……早く全員確保して。コイツ等、ゴチャゴチャうるせぇわ」
「へい、坊ちゃん」
「ヒッ!!やっ、辞めて、お願だから、こんな事やめてよぉ……」
「そりゃあ、無理な相談っしょ。組のやってる事を、これだけベラベラ喋ったんだ。外に漏れない為にも、アンタ等は、もぉまともな生活は戻れねぇ。運が悪かったな」
「助けて……いや……もぅしませんから……」
「残念だったな。もぅ少し、それに早く気付けていたら、こんな事にはならなかったんだがな。俺も最初は、こんな真似をする気はなかったんだが。真上さんを、あそこまでやられたんじゃ黙っちゃ居られねぇ。玄さん、猿轡して、真上さんが虐められた時と同じ様に、なんでも我慢出来る様にしてやってくれ」
「いや……ひゃめへぇ……おへはいはから……」
はぁ……ヤダね、こう言うの。
けどな、物事ってのは、徹底的にやんなきゃいけない事も有るんだ。
勿論、真上さんの意向が有る以上、俺も、これ以上、青山さん達に酷い事をするつもりは無いけどな。
自分達がやった事が、如何に怖い事を招くかって事を、シッカリと認識して置いて貰わなきゃ困るのも事実だ。
それにだ、この件についても、気が付いたのが俺だったから良かったものの、他の奴だったら、こうは行かない可能性もあるからな。
だから、もぅ一切、青山さん達に危害を加えるつもりはないが、もう少し彼女達にはこの恐怖には付き合って貰う。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
倉津君の考える報復。
それは、青山さん達が真上さんに与えた恐怖以上の物を彼女達に与えて、その自身のやった苛めの恐ろしさを身を持って体験させる事。
まぁ、そうは言っても相手は女の子。
流石に倉津君の性格上、暴力を働く事はないでしょうが。
暴力を奮わないからこその恐怖を、青山さん達は体験する事に成るでしょうけどね。
さて、そんな倉津君の報復を次回からは書いて行こうと思うのですが。
また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
読み終わったら、ポイントを付けましょう!