最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1569 笑われたよ……失礼な!!

公開日時: 2025年5月22日(木) 00:21
文字数:2,038

●前回のおさらい●


 ヒナちゃんが自信のなさから『コッチの世界で手伝うべきだよ』っと言われ焦る倉津君。

更に『義理や人情の話』まで引き合いに出され、早急にギブアップ。


だが、この憑依状態には、人体に及ぼす影響の問題が残っているので。

それを聞きに、一旦は崇秀の元に帰ろうとするが……ヒナちゃんが(笑)

 ……んで結局。

そこから更に1時間が経過し、時間は、既に22時に成っていた。


そんでまぁ、結論から言えば。

長い説得の上、やっとヒナが折れてくれた訳なんだが、そんなにしてまで俺を重要視する必要性が有るのか?


全く持って訳の解らん女だ。


***


 そんな感じで、取り敢えずは、向こうの世界に戻る話には決着が付いた訳なんだが。


此処で即座に戻る訳にはいかない。

何故ならヒナは、Y軸の調整しか出来ないからだ。


当然そうなると、向こうの世界で、俺が帰宅するまでの時間を待たなければいけない。


同世界で、精神が被ったら、なんかヤヴァイ事に成りそうな気がするしな。


でも、そう思っていても、それを実行するにはある問題があった。


それが何か?と言えば。

ヒナには門限と言うものが有り。

静流さんが心配するかもしれないから、此処(スタジオ)でズッと待機してる訳にも行かないって部分だ。


なので、ウチの実家に移動する事にした。


まぁ、静流さんに対する言い訳としては『眞子の家に泊まりに行く』とでも言えば、幼馴染なだけに納得して貰える様な気がしたんだよな。


そんで結論としてはだな。

そこはヒナの交渉が上手かったのか、静流さんを見事に説得した様でアッサリと交渉は成立したらしく。

実家に戻った後。

俺は24時を過ぎたぐらいに、ヒナのブレンドした、あの忌まわしい酒を飲んで、深い眠りに落ちて行く。


けど、これって、あれだよなぁ。

何回飲んでも、恐怖感が拭えない代物なんだよなぁ。


毎度毎度、ちゃんと戻れるのかが不安だし……


***


 ……戻れてるなぁ。


まぁ、戻れてるんだけどよぉ。

なんか、この非日常的な行為が、段々と日常化して来てるのが、凄く嫌な感じだな。


既に、今日一日で三回目も、アッチの世界に行ったり、コッチの世界に戻って来たりして……受験生なのに、なにやってるんだろうな俺?


……っとまぁ。

いつまでも、しつこく文句をタラタラ垂れ流してても意味がないんで。

例の酒を持って、再び、崇秀の家に向って、俺はチャリを漕ぎ出す。


ホント、なにやってるんだろうな俺?


まるで二重生活を送ってるみたいで、頭がおかしくなりそうだ。


***


 崇秀の家の前に着いてから電話をする。

毎度の事ながら1コールで電話には出てくれたのまでは良かったのだが。


電話に出た瞬間……奴には笑われた。

そんで、序とばかりに言われたセリフが『ハハハハッ……そろそろ来ると思ったよ。なんの相談だ?』だってよ。


腹立つわぁ。

まさに『先読みの出来る能力が有る人は良いですね』って感じだ。


けど、実際、そこには、もぉ、なにも感じねぇや。

どうやらこの分じゃあ、精神的な無痛症が再発しそうな勢いだな、こりゃあ。


ダメだこりゃあ。


***


 ……っでまぁ。

今回はスタジオの方には行かず、崇秀の部屋の方に上がらせて貰うんだが。


いつも通り、何もかもがキッチリと整頓されてて、清潔極まりない部屋ですな。

ホント、果てしなく嫌な感じだな、オマエって……なんて思いながら、此処も毎度毎度のコタツに無断で入っていく。


でも、そんな無作法な俺を、奴は気に止める様子もなく。

相も変らず、糞寒い極寒の部屋の中で、暖房も付けずにデスクの方に座っている。


そんで、椅子をクルッと廻して、コチラに向き直るなり。



「プッ……オマエって、本当に予想を裏切らない男だな」


またしても笑われた上に。

しかも今度は、イキナリ酷い言われ様のオマケ付だな。


オイオイオイオイ、それじゃあまるで、俺が、オマエの予想通りにしか動けない、単純な生き物の様な言われ方じゃねぇかよ。


まぁ、言わずと知れた、単純単細胞だけどよ。


そりゃねぇだろう。



「うっさいわ!!そう思うんなら、サッサと答えを寄越しやがれ!!どうせ、なにもかも全部、解ってるんざんしょ」

「まぁそうだな。んじゃまぁ、一応は説明ッスけど。どっちからが良い?」


語るに落ちたな崇秀。

その発言は、あまりにも間抜けすぎるぞ。



「フフフッ、崇秀君。この僕が、そんな単純な誘導尋問に引っ掛かるとお思いか?」

「んあ?なんの話だよ、それ?」

「説明するならするで、君の好きな方からすれば説明すれば良いじゃないか。……さぁさぁ、どうぞ、どうぞ、ド遠慮なく」


この馬鹿者めが!!

どんな質問が来るか、本当は解ってねぇくせに。

『どっちからが良い』とか如何にもらしい事をぬかして、俺から質問内容を引き出し。

それを更に、そうやって如何にも知ってた様な雰囲気を醸し出そうとしてるんだろうがな。


そう毎度毎度、易々とそんな手口に引っ掛ってたまるかよ。

俺だって、何かしろ、微弱ながらも成長してるかも知れないんだぞ。


いつまでも昔のままの俺だと思うなよ。

(↑単純だと思われるのが嫌だから、咄嗟に矛盾な事を言って必死に抵抗を試みようとしてるだけの俺)


まぁ所詮は……その成長も微弱なものだがな。

もしくは、その成長してると思ってる事すら錯覚かも知れんがな。


取り敢えずは、なんの情報もなしに、即座に答えを言ってみやがれ。

(↑そして更に、その抵抗にも自信がないから、弱気な発言をする俺)


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


笑われましたね(笑)


まぁ、倉津君の性格からして。

崇秀は、こうなる事は予想出来たでしょうから、順当と言えば順当なのですがね。


ですが、そんな崇秀に対して抵抗を試みた倉津君。


果たして、それは成功するのか?


次回は、そこを成否を書いていこうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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