最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
殴り書き書店

556 チヒロンは、矢張り余計な事をする

公開日時: 2022年8月16日(火) 00:21
更新日時: 2023年1月11日(水) 15:18
文字数:2,286

●前回のおさらい●


 素直ちゃんの大きな悩みである『人付き合い』を、女友達としての立場で少しだけ解決してあげた倉津君。


そして、そんな折……

「ただいまぁ~~~。あぁ、もぉ重いなぁ」

「ちょっとぉ奈緒。奈緒の方が荷物が少ないんだから文句言うな」

「なに言ってんのよ。これから私は、まだアンタの餌を作らなきゃいけないのよ。少しぐらい荷物を多く持っても、罰は当たらないでしょうに」

「う~~~ん……確かにそうだよね。うんうん、奈緒の言い分の方が正しいね」

「もぉ、この子だけは……」


なんて掛け合い漫才をしながら、お2人がご帰還。


そのまま一旦、2人で荷物を台所めで持って行き。

電波怪獣だけが、少しダルそうに部屋に帰ってくる。


当然コイツからは、常に危険な臭いがしている。



「あぁ~~~、疲れた」

「お疲れ様でした」


素直は、さっきの話で、なにか切欠でも掴んだのか、積極的に樫田に絡んで行った。


その姿は、まさにチャレンジャーだ。



「あれ?素直、やけに機嫌が良いじゃない。眞子ちゃんとなんか有ったの?……もしかして、2人でエロイ事してたとか?」

「なっ!!しっ、してませんよ!!」

「抑制したんだ。眞子ちゃん可愛いから大変だったんじゃない?」

「だから、してませんって!!眞子ちゃんは、僕にとっては『清らかな天使』みたいな人なんですから。眞子ちゃんが居るのに、変な事を言わないで下さい」


天使って……素直さん。

俺の目標である『清らかな乙女』よりも、遥かにレベルの高い存在に認定されてるんですが……


そこまで行ったら、幻想を抱き過ぎですよ。


現に眞子は、さっきトイレの前で、奈緒さんと女同士なのにキスしてましたよ。

結構、眞子は俗っぽいんですよ。


中身が俺なだけに、ただのエロですよ。



「ふ~~~ん。清らかなんだ」

「そうなんですよ。もぉ、これでもかってぐらい、眞子ちゃんは凄い純粋で清らかなんですよ」


『純粋』まで追加された……


ギャ~~~!!もぉやめてくれ!!

これ以上、無駄に眞子のハードルを上げるんじゃない!!



「それって、遠回しに田舎者って言ってるとか」

「なっ!!そんな事は思ってません」

「ふ~~~ん、そうなんだ。そんなに純粋で、清らかなんだぁ」


なんッスか、なんッスか?

素直の言葉を聞いて、電波様が、コチラをジッと見腐りやがってますな。


しかもコタツから出て、じわりじわりと俺との距離を詰めながら……


こりゃあ、なにかロクでもない事を思い付いた証拠だな。

俺のポンコツな危険信号が、レッド・アラート全開に鳴り響いてやがる。


……そして気付けば、毒電波女王は、俺の目の前まで迫って来ていた。



「あっ、あの、なっ、なにか?」

「えぇっと、確か、眞子ちゃんだっけ」

「あっ、あぁ、はい。そうですけど……なっ、なにか?」

「ちょっと、良いかな?」


……っと言いながら、コタツ布団を捲る。


なにする気だオイ!!



「あぁ、はい、良いですけど。……なにが良いんですか?」

「とりゃ」


『バサッ』



「へっ?」


俺の股ら辺に、一瞬、寒気が通過して。

上から『ふわっ』とした感じで、布が膝の上に落ちてくる。



「ふふっ、スカイブルーかぁ。……うんうん、確かに、純粋で、清らか色だと言えるね。私としては、白が希望だったんだけど」


へっ?……スカイブルー?


スカイブルーって言えば、確か、今、俺が履いてる……


・・・・・・


にゃにぃぃぃぃいぃぃ~~!!


しっ……しっ……しっ…………信じられねぇ~~~~~~コイツ!!


この欲豚!!

俺に近寄って来て、イキナリなにをするのかと思えば。

初対面の俺に、なんの躊躇もなく『スカートめくり』して来やがった!!


マジであり得ねぇな、コイツだけは!!


つぅか!!最悪だよコイツ!!

まだ俺、男の気持ちしかねぇから、そんな事されるなんてのは想定外。


この場でスカート捲りされるなんて、夢にも思ってなかったよ!!

ってか!!なにが悲しゅうて、男の俺(気持ち)が、女のオマエに『スカートめくり』なんぞされにゃあならんのだ!!


う~~~わっ!!ダメだこれ。

これ、思った以上に精神的なダメージがデカイし、滅茶苦茶恥ずかしい気持ちになりやがるな。

って言うか、って言うか、死ぬ程、恥ずかしいぞ!!


この調子じゃ、今、俺、自分の体温が解るぐらいだから、顔面も、相当、真っ赤っかになってる筈だぞ!!


多分、奈緒さんにプレゼントしたPEAVEY・B-NINETYより赤いんじゃないか?


・・・・・・


あぁ~~もぉダメだ。

奈緒さんの家の中で、千尋にこんな羞恥プレイをされるなんて……頭が真っ白になってきた。


……でも、なんか言わなきゃな。



「ひっ……酷い……なんで、なんで、こんな事するんですか?……私、樫田さんに、なにか気に触る様な事しましたか?……どうして?……酷い」

「ちょ!!ちょっと樫田さん!!なんて事をするんですか!!」

「へっ?」

「「へっ?」じゃないですよ樫田さん!!樫田さんが酷い事するから、眞子ちゃん、ポロポロ涙を流して泣いてるじゃないですか!!可哀想じゃないですか!!」


俺……泣いてるのか?


そうかぁ……女の子の体って感情が昂ぶると、自然に涙が出てくるシステムが付いてるんだな。

余りの屈辱に、ポロポロと大粒の涙が頬を伝って行くのが解るぐらいだもんな。


それにしても……涙を流すのなんて、何年ぶりだろうな。

今朝の奈緒さんとの話し合いの時以外じゃ、ほぼ記憶がねぇぐらい、泣いた事なんてねぇからね。


ひょっとしたら、お袋が死んだ時すら泣いてなかった様な気がするな。


それなのに……寄りにも拠って『スカートめくり如き』で女子に泣かされるなんてな。


情けな過ぎるぞ……


自分に対する、あまりにも情けない有様から。

更に感情が昂ぶった俺は、表情だけは崩さず、ただ只管、悔し涙を流し続けた。


こんな目に遭うなんて、もぉ死にてぇ~~~。

(↑やっと正気に戻った俺)


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


( ´,_ゝ`)プッ

流石チヒロン、イラナイ事ばかりしますね(笑)


ですがまぁ、この程度の事は、女子しかいない場所ではよくある話なので。

此処で感情的に成ってる様では、まだまだ倉津君も、眞子としての自覚が足りませんな。


さてさて、そんな中。

チヒロンのスカート捲りに対して、眞子の事が気に入ってる素直ちゃんは大激怒中(笑)


この事の顛末は、一体、どう言う形で決着がつくのか?


……は、次回の講釈。

また良かったら、遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート