最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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699 女性として見られる事の意味

公開日時: 2023年1月6日(金) 00:21
更新日時: 2023年1月23日(月) 14:10
文字数:3,729

●前回のおさらい●


 眞子が、ホランドさんをからかう為に言った『私の事がホランドさんは好きなんですよ』っと言う言葉が引き金に成り。

それをホランドさんが真剣に考察して結果。

『それは正しい』っと言う風に成ってしまった。


眞子、完全に自爆(笑)

「いや、あの冗……」

「だが、そうなると問題だな。何故、私は、最初から、それに気付かなかったんだ?こんなに間の抜けた事は生まれて初めてだな」

「いや、だから、それは、あの、冗……」

「そうか、そうかそうか、そこですら無意識だからこその……『恋』と言う訳か」

「いや、そうじゃなくて、ただの冗……」

「眞子、唐突で悪いんだが。出来れば、私と付き合ってはくれないか?君に一生不自由をさせないだけの自信ならあるのだが、どうだろうか?」


いやいやいやいや、そんな真顔で言われても……


でも、本気で真面目に言ってるんだろうなぁ……この人の場合。



「いや……あの……困ったなぁ……」

「その反応を、私に見せると言う事は。私では嫌と言う意味か?不満なのか?」


いや……ホントごめんなさい。

そんな悲嘆に暮れた様な悲しい顔をしないで下さい。


あぁもぉ……素直過ぎるよ、この人。

ドンだけ純粋な細胞構造してるのよ?



「不満なんて有りませんよ。寧ろ、全然ありませんよ」

「そうか、それは良かった。今、一瞬、眞子に嫌われたのかと思った。君に嫌われるのだけは、心底嫌だと思えたからね」

「いや、でも、なんでそんな急に……」

「さっきの自己判断して解った事なんだが。思い返してみれば、君が、私の音楽を聴きたいと言い、あの土砂降りの雨の中ズッと待って居てくれた、あの時点で、私は、音楽に対する君の一途な姿に感動していた様だ。だから、普段なら、絶対に無視する所を、何度も出て行った。……此処からは、今、君に言われて解った事なんだが。そんな君の健気な気持ちを見せつけられて、私は、無意識の内に、君を好きになってしまったのだろうな。……だが、今は、それを自覚してる」


思い込みですよ……それは。



「いや、でも、ほら……」

「それになにより、君は見た目が郡を抜いて素晴らしい。正に文句なしの女性だ」

「あぁ、でもでも、その分、私、頭おかしいですよ」

「それは、頭がおかしいのではなく『個性』だ。私は、君の本質が解らなかったからこそ、そう言う言葉を使ってしまったのだろう。……なんとも、情けなくも、愚かな話だ」


うわ~~~!!本気で困ったなぁ……これ。

此処まで良い様に取られたら、何を言っても良い様にしか捕らえてくれないだろうし。

そうなったら、自動的に言い返す言葉もなくなってきたよ。


どうしよう?

なんかこのままじゃ、自分自身から見ても、凄い自分が嫌な女に見える。


こんな純情な人を、からかって最悪だよ。


ホントどうしようっかなぁ?



「あの、あの、あの……」

「うん?どうかしたのか眞子?」

「あの、非常に嬉しいんですが。……あの、なんと言いますか。私……」

「矢張り、私の様な偏屈者は嫌いか?」

「いえいえ、それは絶対に無いです。ホランドさんの様な優しい人は、基本的には大好きですよ。けど……」

「けど?けどなんだ?」

「あのですね。包み隠さず、正直に言いますと……私、ホランドさんが、私を好きに成ってくれた様に。あの……私にも、好きな人(奈緒さんね)が居るんですよ」


ごめんなさい。

こんな悪さは後味が悪いんで、もぉ2度としませんから許して下さい。


あぁでも、基本的な部分では、ホランドさんの事、本当に大好きなんですよ。


優しいし。


それになにより、かなり『素』で話せるのは、ちょっと……あぁいやいや、凄く嬉しかったりしてます。


故に、このままの関係の方が良いです。



「そうか。……それは悪い事をした。私の気持ちだけを、眞子に一方的に押し付けてた様だな。すまない」

「いえいえ、そんなそんな。とんでもないです」

「だが、少し疑問に思ったのだが。眞子程の女性のハートを射止めた男性は、一体どんな男性なんだ?」


あぁ……また困ったなぁ。


『一難去って、また一難』だ。


だってさぁ、此処で、好きな人が奈緒さんって言ったら、私も、奈緒さんも、同時に変な目で見られちゃうよね。

一般的に見れば、まだ多くの偏見の目で見られている同性愛者に見えちゃう訳だし。


それは、あまりにも、今後の為にも良くない。

なんてったってホランドさんには、奈緒さんの全米十箇所ツアーで、絶対にギターを担当して欲しい人材だもんなぁ。

それを変な目で見られたら100%の確率で、話がお釈迦になっちゃう可能性しかない。


はぁ~~~……こうやって打算バッカリしてる自分は嫌だけど。

奈緒さん為になるなら、此処は必要な嘘と判断して言葉を発するべきなんだろうな。


ホントごめんなさい。



「あの……実は、崇秀なんです」

「仲居間さん?」

「あっ、はい。あぁ勿論、私の一方的な片想いなんですけど。昔からズッと好きと言うか、一緒に居て楽しいと言うか。……なんて言うんでしょうかねぇ。なんでも出来ちゃう崇秀が大好きなんですよね」


ごめん崇秀。


男性で雲の上に居る様な存在は、崇秀しか思い付かなかった。


だって。

山中君とかは、生理的に絶対嫌だし。

遠藤さんは、ヤクザだし。

勿論、真琴ちゃんなんて……世界一論外。


そんな訳で……知り合いの中じゃ、崇秀しか居なかったのよ。


厄介な事になるかも知れないけど……ごめんね。



「そうか、眞子の意中の相手は仲居間さんか。……では、眞子。その件について1つ聞きたいんだが、良いだろうか?」

「あぁ、はい、勿論」

「仮にの話になって申し訳ないのだが。……私が、仲居間さんを抜いた場合は、少しはコチラも見て貰える、と言う解釈は持っても良い物なのだろうか?」

「えぇっと、それって、全体的な話でですか?」

「眞子が、それを望むと言うのなら、出来る限りを尽くしてみよう。こう見えても私は、本気で君を『自分のもの』にしたいと思ってる。だから出来れば真面目に答えて欲しい」


これって……またトンデモナイ化物を、世に放つって事じゃないの?

また神様は『核ボタン』同様の恐ろしいボタンを、私に渡すんですか?


……嫌過ぎる。


あぁ……でもさぁ、世の中に、化物を『放つ』『放たない』は、別としてもさぁ。

私が、この状況を招く様な嘘を付いたんだから、ホランドさんに対して真摯に返答するのが、言葉を出した者の責任ってもんだよね。


・・・・・・


うん……そうだよね。

ホランドさんが、崇秀を抜いたら、1度本気で考えるよ。

そこまで努力をしてくれるって言うのなら、コチラも本気で考えなきゃ失礼に値するしね。


奈緒さんゴメンね。


なんか知らないけど。

少しだけからかうつもりが、いつの間にか、こんな大変な事になってしまいました。



「はい、そう言うのカッコイイと思いますよ。……でも、正直言いますと、その時にならないと答えは出せません。だから現状では、軽はずみな発言は避けたいと思います」


ヤッパ……言えないよ。


卑怯な事を言ってるかも知れないけど。

どこまで行っても、奈緒さんの事が好きなんだもん!!


だから、適当な事は、もう言わない!!



「うん、流石に良い答えを返してくれる。この程度の覚悟を聞かされてぐらいで、心が揺らぐ様じゃ、君の気持ちは安過ぎるからね。今は、その回答で十分だ」

「えっ?」

「ふっ。実際の所、眞子の事が無くても、いずれにせよ仲居間さんは倒すべき相手だ。今の話は、私が『二兎を一気に得ようとした』に過ぎ無い。……卑怯な真似をして悪かったな」


そう言う風に捉えられるんだ。


どこまでも、凄い純粋に出来てるんだなぁ。


なんか眩しいや。



「あの……それって、ちょっと格好良過ぎですよ」

「本当か?」

「本当ですよ。……でも、好きとか、嫌いとかって言う感情は、まだ抜きですよ。純粋に格好良いと思っただけですから」

「そうか。なら、今はそれで良い。……それにしても眞子」

「あっ、はい、なんですか?」

「恋愛と言うのは中々楽しいものだな。君を見てるだけで、なんだかヤル気が湧いてくる。本当に良い気分だ。それに……」

「それに?」

「それに、今、私は、君のお陰で、自分の能力の全てを試す覚悟が出来た。……だから此処は、ありがとうっと言わせて貰おうか」

「そんな、私は……」


悼まれない。


こんな馬鹿な私の為に、そんな言葉……



「兎に角、やれるだけの事は頑張ってみる。だから、少しだけでも、私を見ていて欲しい。……此処だけは、お願い出来るか?」

「あぁ……はい。喜んで」

「そうか。なら、今日のライブからが始まりだ。まずは、私の、今持てる全ての力を見せてあげよう。眞子に気に入って貰えると有り難いがね」

「そんなの、全然大丈夫ですよ。……私、ホランドさんの優しい音は、初めて聞いた時から大好きですよ」

「そうか。それはありがとう」

「そんなそんな」


うわ~~~、良い人過ぎる……


あのっ、こう言っちゃなんだけどさぁ。

私さぁ、多分、奈緒さんや、崇秀と言う存在が居なかったら、この場でホランドさんを受け入れてたと思う。


だってさぁ、ホランドさんに、こんな事を言われたもんだから。


また……パンツが濡れてるんだもん。


これって、意識して濡れてるんだから……絶対的に浮気OUTだよね。



はぁ~~~、もぉダメかも。

今後も、こんな事がある様だったら、その内、誰かとHやっちゃうかも……


もぉ、自信なんて、なにもないよ……



……そう思っていると……


ホランドさんの車が、ワシントンDCに入っていった。



とっ、兎に角……今は、そんな事より!!


きょ、今日の、ラッ、ライブ頑張るぞぉ!!


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


この人誑しだけは、本当も、もぅどうしようもないですね。

余計な事ばっかり考えるから、こう言う自爆気味にロクデモナイ事に成ると気付いて欲しいものですよ(笑)


まぁまぁ、そんな困ったトラブルメーカーなのが眞子なので、これは仕方がないのかもしれませんがね。

こうやって女性として扱われる事によって、色々な問題が生じそうなので、そこだけは本当に気を付けて欲しいです。


さてさて、そんな中。

今日のライブハウスのあるワシントンDCに到着した2人なのですが。

此処でもまた、新たあるアクシデントがありますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭

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