●前回のおさらい●
5日間ほぼ寝てない崇秀に『奈緒さんとの今後についての悩み』を聞いて貰い。
客観的な意見で、それらの悩みをほぼ解決して貰う倉津君。
だが、それらの解答には続きがあった。
「先生。それは、なんなんッスかね?」
「恒例の『覚悟』だよ」
「覚悟とな?」
なんの?なんの覚悟だ?
ひょっとして、奈緒さんと女同士で生きて行く為の覚悟って奴か?
それなら、今の時点でも、なぁ~~~んとなくは出来てる感じだぞ。
自分でも『ありかなぁ』って思ってる部分がない訳でもないしな。
「あぁ、覚悟だ。向井さんが現状に耐えられなくなった時、オマエから『彼女に別れを切り出してやる覚悟』だ。それさえ最初からありゃあ、取り敢えずの処は、現状を楽しみゃあ良い。……これが、オマエの悩みに対する、全ての回答だ」
「あぁはい……ですね」
調子に乗ったのに二の句が出ない……
それに悩んでた事に対する、まんま、正解の解答じゃねぇかよ!!
あぁけど、だったら此処は、恥ずかしい序に、もう一個質問してみようかな?
この調子だったら、意外と簡単に解答してくれそうだし。
(↑結局、人任せな操り人形な俺)
「あのよぉ、崇秀……」
「知るか。……男に戻った後の事まで俺が責任取れるかよ。そんな事は、テメェで無い知恵を絞って考えろ。この脳タリン」
「ですね。……甘え過ぎてました」
「ハァ……ったく。オマエは、ホント、どうしようもねぇな。あのなぁ、良く考えてもみろよ。テメェが男に戻ったら、以前同様、全てが元に戻るだけなんじゃねぇのかよ?だったら四の五の考えず、向井さん本人の意思を尊重して結婚でもなんでもすりゃあ良いんじゃねぇかよ。……ったく、この蛸助だけは」
「ですよねぇ~……まんまッスね」
☆デスネ星人です☆
お世話ばっかり懸けますが、仲間なので、嫌がらずに、今後とも宜しく。
いやいや、宝石もマグも要りませんから……どうぞ、御自由にお使い下さい。
(ファミコンの女神転生風)
「んじゃま。この辺で、テメェの糞クダラネェ悩みも解決した事だし。……そろそろ、難しい、お勉強の時間にでも行ってみますか」
「あのッスね、崇秀先生。……先生が言われる程。今からされる説明は、そんなに難しい話なんッスかね?」
「いや、基本的には簡単だが……まぁ、馬鹿にゃあ、少々難しいだろうな」
「でわでわ、出来れば、お手柔らかに」
「手が柔らかいのは、テメェの手だ」
「へっ?」
「……どうせ、この5日間。おかしな悩みバッカリしてて、ロクにベースも弾いてねぇんだろ。違うか?」
「あぁはい、仰る通りでございます。……大変申し訳ありませんでした」
なんで、そんな全部わかんだよ?
オマエ……ひょっとして、俺が、あまりにも可愛いからって、俺のストーカーに成り下がっちまったのか?
いや……余計な事言ったら、電話越しに殺害されそうだから辞めとこ。
「じゃあ、簡潔に説明すんぞ。その腐り切った耳を穴かっ穿って、良く聞いてやがれ」
「あぁ、はい。宜しくお願いします」
崇秀の地獄の様な説明が始った。
「まず1点目。オマエの体についてだ」
「あっ、はい。自分から見ても、結構、エロイ体してます」
「あっそ。そんなもんには微塵も興味ねぇから……つぅか、余計な事を言ってねぇで、オマエは、ちゃんと話だけ聞けな」
「はい、すんまそん」
なんとなくでも興味を持たせるのは無理でした。
けどよぉ、俺だって、これでも一応は女の子なんだから、そんなに粗悪に扱わなくても良いんじゃね?
(↑都合の良い時だけ、自分を女と言う俺)
あっ、そう言えばコイツは、男女で扱いを変える様な奴じゃなかったな。
じゃあ、しょうがねぇな。
「謝るんなら、最初からすんなつぅの」
「はい……先生、重ね重ね、すんません」
しかしまぁ俺は、女に成ってからも、コイツには謝ってバッカだな。
賢いお方は、これだから嫌いだよ。
「ったく、時間の無駄ばっかりしやがって……説明に戻るぞ」
「はい、宜しくッス」
「なんか、話すのも嫌に成ってきたな……」
「そう言わずに」
「まぁ良い。良いか、倉津?まず、オマエの体についてなんだが。オマエの体は、正式に『真性半陰陽』だって事が判明した。これについては、オマエの生まれた病院から正式なデータを貰ったから100%間違いない」
??
「あの~~~、先生。1つ質問して良いッスかね?」
「んだよ?」
「そう言うプライベートな情報って、病院側は、そう簡単に開示してくれるもんなんッスかね?」
「まぁ、状況次第では開示してくれなくもねぇが。今回は、その手続きを踏むのにも時間が掛かるから割愛させて貰った」
「どういう事?」
「オイオイ、ヤクザの出来損ないの癖に、やけに飲み込みが悪いな、オマエ。……一葉が、病院から、オマエのパーソナルデータを、ちょっと拝借したんだよ」
「あぁ、あのモジャモジャか……」
そりゃあ、早いわ。
しかも、あのクラッカー野郎のモジャモジャが関わってると聞けば。
誰だって、なんの疑いも無く、100%納得の行くアンサーだしな。
「もぉ良いか?」
「あぁ、いや、じゃあ、序にもぅ一個」
「なんだよ?真性半陰陽の事か?」
はい正解。
「おぅ、それ、なんだ?」
「ハァ~~~~……良いか、倉津?この間の電話でも説明したと思うが、半陰陽の話で、何か覚えてる事はないか?」
「あぁ確か、両方の生殖器を持ってるって話だろ」
「あぁ、それだそれ。その両方の生殖器=性腺を持ってる者を『真性半陰陽』。遺伝子と外見とで、性別の異なる者を『仮性半陰陽』と呼ぶんだよ」
「って事は、あれか?仮性半陰陽ってのは、性同一性障害に繋がるのか?」
「あぁまぁ、正確に言えば、ちょっと違うんだがな。取り敢えずは、その認識で良い。真性半陰陽のオマエには関係ないしな」
「そっか……」
なんかでもよぉ。
真性って響きが、なんとなく嫌な感じだな。
包茎みたいだし。
まぁ仮性でも嫌だけどよぉ。
「っでだ。真性半陰陽のオマエが、突然、女になった。……さて、どういう話だって、話なんだよ」
「どういう話なんだよ」
「いや、実はな。調べ物をしてる間に、例の仮説よりも、かなり有力な情報が見付かってな」
「なんだよ、それ?急に『女に成る病気』なんて、世界中でも前例が1つも無いって、オマエ、そうハッキリ言ってたじゃん」
「あぁ、確かに、それについての報告は1例も無い。ただな、それに酷似した現象は有るんだよ」
マジでか!!
俺以外にも、こんな苦しみを味わってる人が居るんだな。
その人達を救済する為にも、オマエが頑張れ!!
俺には無理だから……
所詮、俺は馬鹿だから……
「っで、それって、なんなんだよ?」
「『クラインフェルター症候群』って病名でな。通常男性は『XY染色体』で構成されてんだがな。このクラインフェルター症候群の患者は『XXY』若しくは『XXXY』もっと言えば『XXXXY』の染色体で体が構成されてんだよ」
「なんか良くわかんねぇけど『X』の数が豪く増えたな。それが増えると、女に成る確率でも上がるのか?」
「いや、そうじゃねぇんだよ。『X』が増えれば増える程、女っぽくは成るが、決して完全な女には成らない。そう言う前例は、さっきも言ったが1つもないからな」
「へっ?じゃあ、違うんじゃねぇのか?今の俺、明らかなまでに、完全に女になってるぞ」
お門違いじゃね?
「まぁ、そう慌てずに聞けって」
「あっ、あぁ」
「良いか?さっき、オマエにも言った通り。この病気の疾患者は、比較的、女性っぽくなるんだよ。実例で挙げるとだな。成人しても『ガキっぽい面のまま』だったり。男っぽくない『華奢な体格』だったり。『声変わりしなかったり』『筋肉が付きにくく』『運動能力が低かったり』『全体的な体毛が薄く』て『陰毛腋毛が発生しない』ってのが症例として有るんだ。……これ、オマエに、結構、当て嵌まるんだよな」
なんで?
どこが?
「どこがだよ?厳つい顔して、筋肉モリモリじゃんか?それに俺、運動神経、そんなに悪くねぇぞ」
「そうか?オマエは、自分じゃあ、顔が厳ついと思ってるだろうが。それは顔を顰めて生きてるから、そう思うだけだ。それに筋肉は付いてるとは言え、基本的には細身。……あぁ、因みに言って置くが、全部が当て嵌まる訳じゃねぇからな。これは、あくまで症状だからな」
あっ、そうか。
これは可能性の話をしてるのであって。
もしこれらが全部当て嵌まったら、まんまクラインフェルター症候群って事に成っちまうもんな。
なるほど、なるほど。
「後、序に言えば、胸が大きくなるって症状もある」
「あぁ、それは、間違いなく、完璧に当て嵌まってるな。結構なデカさでな」
「でだ……」
『胸がデカイ』を流しやがったよ!!
この『貧乳好き』め(知らんけど)!!
あぁでも、奈緒さんは、全然Okなんッスよ。
奈緒さんの場合に限っては『貧乳はスティタス』ッスからね。
……今の俺が言ったら、マジで命がねぇな。
「最後に、もう一点聞くが。オマエ、向井さんとSEXしたら、いつも膣の中に中出ししてるだろ」
ブッ!!なにを言い出すかと思えば……
急に、なんちゅうプライベートに突っ込んだ、話を振るんじゃコイツは!!
あぁビックリした!!
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
『真性半陰陽』の確定に伴い。
更に『クラインフェルター症候群』の併発している可能性を示唆する崇秀なのですが。
倉津君は、どうやらイマイチ解ってない様子ですね(笑)
まぁ実際の話、お医者さんでもない限り、こんな小難しい話を急にされたとしても混乱するのが普通の中学生ではあるんですけどね。
さてさて、そんな中。
崇秀は『生殖行為中に【中出し】していたのではないか?』っと言う質問をぶつけて来ましたが。
これは、一体、クラインフェルター症候群と、どの様な関連性があるのでしょうか?
その辺を少しでも興味を持って頂けましたら、是非、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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