●前回のおさらい●
眞子の意識不明だった間、髪の手入れまでキッチリしてくれていた崇秀。
そんな嬉しい情報に眞子は自然とにやけてしまうのだが……それを見た奈緒さんが、またなにやら良からぬ事を。
果たして眞子は、そんな奈緒さんにどんな髪形にされたのか?(笑)
「ブッ!!……ナンデスカ、この髪形は!!ただの、オデコ全開のパイナップルちゃんじゃないですか!!」
「そうだよ。気に入った?」
「嫌ですよ嫌ですよ!!こんなにオデコ出さないで下さいよ!!これじゃあただのオデコちゃんはじゃないですか!!ちゃんとやって下さいよぉ、奈緒ネェ」
「ヤダ。私は、自分よりも幸せな奴を見るのが嫌いだ。パイナップル頭のまま、これでも喰らえ」
『ピシッ!!ピシッ!!』
「ちょ!!痛いです!!痛いですってば!!モロに出てるオデコに、デコピンなんてしないで下さいよぉ」
「ヤダ。ヤメテ欲しかったら、眞子より、私の方が幸せだと証明しなさい」
「また、難儀な事を……」
「ほれ。お姉ちゃんの方が幸せだと、早く言え」
「ヤですよ。確実に私の方が幸せですね。奈緒ネェは残念ながら2番ですよ」
『ピシッ!!ピシッ!!』
「だから痛い!!痛い!!だって、これは本当の事なんだから仕方が無いじゃないですか」
「仲居間さんより、クラの方が良い男だと言え」
「そんなの比べ物にならない位、崇秀の方……」
『ピシッ!!ピシッ!!』
「痛い!!痛い!!」
「……言え。嘘でも良いから言え。言ったら、ちゃんと綺麗にしてあげるから言え」
脳出血で1ヶ月も昏睡してた人間のオデコに、普通、無慈悲に6発もデコピンしますか!!
しかも、それだけに留まらず、脳にダメージを与えた上に、無茶な脅しを掛けて来るなんて人道を外れすぎですよ。
崇秀と、真琴ちゃんを比べて、真琴ちゃんの方が良いなんて言う人は、奈緒ネェ以外の誰に聞いても『真琴ちゃんが良い』なんて言いう人はいませんよ。
もし居たら……その人は色々な意味で病気です。
それになによりですね。
奈緒ネェ指は細いから、デコピンの一発一発が痛いんだよね。
今、絶対に、丸出しのオデコが真っ赤になってるよ。
最悪だよ……この人。
「……やだ」
「ふ~~~ん」
あぁ……嫌だぁ!!
それは本気でヤメテ!!
右中指を、左手の親指で押さえる超威力なデコピンだけは辞めて下さい。
それ……ギャラクティカ・マグナムに匹敵する痛さなんですよ。
そんなもんを食らったら、また昏睡状態に逆戻りしちゃいますよ!!
「あぁ、いや、あれでした。私が間違っていました。真琴ちゃんは最高です!!なにやっても死なないから最高です」
「あっ……」
あれ?どうかしましたか?
奈緒ネェが求めていた答えの筈なのに、それを聞いた瞬間、なんか急にまた凹んじゃいましたね。
あの、因みにですが、今の話で崇秀の生死の話が気にしているのなら大丈夫ですよ。
今は、そこを言っちゃいけない所ですから。
「はい?……あぁ、崇秀の件なら、今は全然気にしてないですよ。今の真琴ちゃんの話にしても、偶々出ただけの話ですから」
「そぉ……なの?でも、本能的に気にして出た言葉じゃないの?」
「あぁ、まぁ、流石に、その辺は多少は否めない話なんですけど。アイツ自身の言葉で『自分は蘇る』って断言したんですから。きっと、アイツは死んでも蘇るんでしょ。大丈夫ですよ」
そりゃあね。
『心配じゃない』とか『気にしてない』とか言ってはいるけど、そんな訳はないんですけどね。
実際は崇秀の事が心配で堪らないですよ。
だから……『全く気にしてない』って言うのは、本当は嘘。
……でも、その不安な気持ちに反して。
例え、今日アイツが死んだとしても、きっと近日中に、まるで、なにもなかった様に『ケロッっとした顔で現れる』と言う確信は持ってる。
そぉ……アイツは、そう言う奴だから。
なので、これは確信。
だって崇秀は、今まで自分の口で言った事には、嘘偽りなんか1度もなく、必ず『有言実行』で応えてくれますからね。
だから信用してます。
それにアイツは、自分の彼女を残して死に絶える様な、無様な真似をする様な男では決してありませんよ。
どんな手段を使ってでも、必ず帰ってきます。
それに帰って来てくれさえすれば、体なんて、基本的には関係ないですからね。
どんなハードであろうと、私の求める『崇秀と言うソフト』さえ入っていれば、それは既に『崇秀』ですからね。
だから最終的には気にしちゃ負けなんです。
私は、崇秀の言葉を信じて、彼が、いつ帰って来ても良い様に準備だけ整えて、ただ只管に待てば良いだけの話なんですよ。
もっと簡単に言えば、ただ……『信じれば良い』だけの話なんですよ。
「眞子……」
「あぁ、奈緒ネェ。ホント、大丈夫だって。どんな形であれ。絶対にアイツは帰って来るからさぁ。心配ないって、心配ないって。凹まないで、凹まないで」
「眞子。なんだか逞しくなったね。以前の君の面影がドンドン消えて行くよ」
あぁ……まぁ、確かに昔の私は人に迷惑ばかり掛けている様な、本当にただの馬鹿でしたからね。
そんな風に元の私自体が馬鹿だっただけに、自然と成長度合いが高い様に見えるから、急成長してる様に見えるだけなんじゃないですかね?
だから多分、事実だけを追求すれば、そんなに大した成長して無い筈ですよ。
「そうですかね?……まぁまぁ、私が『向井眞子』である以上。奈緒ネェの脳は、私を、私としか認識出来なくなって行くでしょうね。でも、もぉ直ぐ、真琴ちゃんが帰って来るんだから。私の事はドンドン更新して貰って結構ですよ。……私は、向井眞子。奈緒ネェの妹で、崇秀の彼女ですからね」
ちょっと言葉がキツイかなぁ?
でも、私はもぉ、倉津真琴っと言う存在では一切ないと誓った以上、こう言うしかなかった。
確かに今の現状でも、真琴ちゃんとは幼馴染で、親戚だと言う関係は変わらないですけど、私と、彼とでは、もぉ全く別の存在。
共通点は、殆ど無くなってると思うしね。
まぁ、敢えて共通点を言えば、2人して、お馬鹿ちゃんな所ぐらいかな。
「その言い方だと……完全に、私の事も割り切ったって事?」
「あぁまぁ、なにも隠さずに言うなら、そう言う事になりますね。今の私は、奈緒ネェに姉妹と言う関係だけを望みます」
「そりゃあ、そうだよね。仲居間さんが正式な彼氏になったんだから、もぉ、眞子には、私は必要ないよね」
う~~~ん、そこはそうじゃないんだけどなぁ。
そこは関係ないんですけどね。
「あの、奈緒ネェ。……勘違いだけはしないで下さいね。私は、奈緒ネェが必要じゃないなんて事は一度たりとも思った事ないですよ。常に大切には思ってますよ」
「あぁ、そうなんだ。……でもさぁ、仲居間さんが居るんだったら、私は必要なくない?」
奈緒ネェと、私の関係で、崇秀は、全くと言って良い程、関係ないんだけどなぁ?
まぁでも、元々がそう言う関係だったから、此処は普通なら拘っちゃうか。
だったら此処は、なんて言ったら丸く収まるのかなぁ?
「う~~んとですね。要るとか、要らないの問題じゃないんですよ。ただ私は、一生、奈緒ネェと共に姉妹として生きて行きたいって思ってるんですよ。だから、言うなればですよ。今は血縁である以上、もっと助け合って行きたいって意志が強く成ってるんじゃないですかね。……自分勝手な言い分ではあるですけど、出来れば、こう言う御理解が頂ければ有り難いですね」
「たった、紙切れ一枚の話なのに?」
「あの、奈緒ネェ。……ひょっとして、嫌がってませんか?」
「うぅん、全然。……って言うかね。仲居間さんに、眞子を取られちゃった感が、まだ残ってるんだよね」
「あぁ、そっかぁ。……でも、奈緒ネェさぁ。奈緒ネェは、真琴ちゃんが好きなんでしょ?私、真琴ちゃんじゃないよ」
「あぁ……まぁねぇ。それも解ってはいるんだけどねぇ。そうやって心で解ってても、なんかアンタに拘っちゃうんだよね」
これは、本能的な話かなぁ?
それとも、認識的な話なのかなぁ?
この場合はドッチだろ?
まぁ、どちらにしても、今後の事を考えると、その考えは少々危険ですね。
だったら……
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
眞子が思ってるよりも、倉津君の世間での評価は高いんですけどね。
それでもまぁ考えてみれば、元は自分の事ですから、中々、その良さは解らないものなのかもしれませんね。
まぁ、それで昏睡明けの頭にデコピンを6発も喰らってりゃ世話ないですが(笑)
さてさて、そんな話題の中。
今後の為にも奈緒さんとの関係をハッキリさせようとして、眞子は色々考えている様なのですが。
今度こそ奈緒さんを傷付けずに、その辺のケジメを付ける事が出来るのか?
次回は、その辺を書いて行きたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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