●前回のおさらい●
沙那ちゃんの住居に成るであろう家のリフォームを手伝ってくれる山中君。
そんな中にあって、腕の良さから、組の賃貸物件のリフォーム関連の依頼を出して、山中君の実家を含めて恩返しをしようとしてたら……
「そうか。そりゃあ、なんとも有り難い話やのぉ。……そやかて、あれやのぉ」
「うん?なんだよ?」
「そないに家や店舗をぎょうさん持っとるとか言われたら、なんか家の格の違いを思い知らされんのぉ」
「はぁ?なんでだよ?なんで、そんな事を言うんだよ。そんなの関係ねぇじゃん」
「いや、そやかてオマエ。方や仕事貰う立場で、方や仕事を与える立場やったら、全然立場がちゃうやんけな」
「アホクサ。なにを言うかと思えば」
「なんでやねんな?それが現実やんけな」
この馬鹿タレ。
そう言うので、立場なんてものは関係ねぇの。
これは『家の格差』とかの問題じゃなくて、重要なのは『利害の一致』の話なの。
良い仕事さえしてりゃ、仕事や、立場に貴賤なんてモノはねぇの。
それが例え、仕事を請け負う側の立場であろうと、仕事を依頼する側の立場であろうと、これは、なにも変わりはしねぇ。
逆に言えば、リフォーム業者が居なきゃ、ウチの商売もあがったりな部分も有るんだから、所詮は、持ちつ持たれつな関係に過ぎない。
だから、本当に立場なんてモノは関係ねぇ。
それによぉ。
安くで、丁寧な仕事を請け負ってくれる会社があるなら、そこに依頼を出して請負って貰うのが、ウチの組としても有り難い事じゃねぇかよ。
この件に関しては、ただ、それだけの事だぞ。
「あのなぁ、山中。そりゃあな。ある意味、立場や、金には困ってねぇのかもしんねぇけどな。その分それは『世間体』って言う大きなリスクの上に成り立ってる様なもんだぞ。こんなもん、実際は、全然良い立場でも、なんでもねぇぞ」
それにだ。
良い立場なんてものは、傍から見れば良い様に見えるだけの話だぞ。
実際体験したら『人に避けられて生きる』って大きなハンデを背負わされるだけだであって、それに対するメリットが『金に困らない』ってだけだぞ。
こんなもんが羨ましいか?
「まぁ、そやろうけどやな。心の何所かに『アイツの所に仕事やってる』とか普通は思うやろ」
「はぁ?そんな事、全然思わねぇつぅの。大体にして、なんで、そんなアホな事を思わにゃあならんのだ?意味が解んねぇわ」
「いやいや、普通、思うやろ」
「いや、そんなの全然思わねぇぞ。……つぅか、そんな考え、小学生以下の幼稚な考えじゃねぇかよ」
意外と幼稚臭い考えも持ってるんだな。
ってか、俺……そんな風に見られてたのか?
あのなぁ、山中さんよぉ。
そんなもんは『親の社会的な立場を自分も同じだと勘違いして、自分も偉くなったと錯覚する様な馬鹿ガキ』のやる事なんだよ。
大体にしてだなぁ。
親の会社デカさや、親の権力に縋りながら威張って、なんに成るんだよ?
そんなもん『自分には【親の権力】以外は何もない』って、自分自身が無能だと宣言して回ってるだけの虚しい行為だぞ。
どうせ、そう言った親の立場を利用するならするで。
それを上手く使って、自分のコネクションを構築していくのが先決ってもんだろうに。
まぁそれにだな。
みんなで成功を分かち合うからこそ、お互いが良い関係で保って居られるんじゃねぇのか?
オマエ……その代名詞のバンドやってるのに、間抜け過ぎるぞ。
「なんでやな?少しぐらいやったら、そう思うやろ」
「だから思わねぇっての。綺麗事かも知れないけどな。俺は、知り合いみんなで成功したいんだよ。だから、協力して貰ってるとしか感じねぇな」
「マジでか?」
「マジでだ」
いや、まぁ、そりゃあな。
奈緒さんに出逢うまでは、そんな事も微塵も考えず。
前述した通りの馬鹿ガキ同然、自分勝手に好き勝手な振舞いばかりしてたけどだな。
あの人に出逢ってからは、立場なんてモノは『本当に、なにも関係ないんだな』って、本気で思える様に成ったんだよ。
『人の為に貢献する大切さ』『みんなで分かち合う楽しさ』ってもんを、身を持って教えてくれたからな。
それに奈緒さん以外にも、眞子や、崇秀なんかも、そう言う類の生き方をしてる人間。
口惜しいけど……そう言うの格好良いじゃんかよ。
だから、まぁ俺も、少しづつだがそれに倣ってる訳だ。
……ってか、最近、虚勢を張りながら、威張りたいとも思わなくなったしな。
あんなもん、ちっとも楽しくないし……ただ只管疲れるだけだ。
「ふ~~~ん。さよか。……マコ、なんぞ変わったのぉ」
「そっかぁ?基本的に俺は、なにも変わっちゃいねぇぞ。元々、人と接するのは好きだったんだけどよぉ。その接し方が解んなかっただけだからな。……それを奈緒さんが、キッチリ教えてくれただけのこったからな」
「ほぉ~~~。ほんだら、今のオマエが在るんは、全部、奈緒ちゃんのお陰って事か?」
「そういうこったな。あの人が居なきゃ、きっと俺は、糞溜め人生まっしぐらだったろうからな。だから此処は『あの人のお陰だ』って言い切っても過言じゃねぇな」
昨日、そんな奈緒さんに、散々酷い事を言っちまったけどな。
あれについては、キッチリと大反省しやしたんで……お許し下さい。
「ホンマに言い切りよったな」
「まぁな。言い切るも、なにも、現実そうだからな。……それによぉ。今の内に、良い人間関係を構築しとかなきゃ。もし俺が将来ヤクザにでも成っちまったら、誰も遊んでくれねぇ様に成っちまうじゃねぇかよ。幾らヤクザとは言え、そんな人生、虚しすぎんだろ」
「あぁ、なるほどなぁ。この話の本命は、そこやったんか?」
「まさにそこだ」
……って言うのはな。
チビ太のアホが気付かせてくれたんだよな。
アイツはチビで、口が悪くて、態度もデカイ。
それはそれもぉ最悪な奴だけど、悪知恵だけは天下一品だからな。
そう言う面では、アイツから学ぶ事は多い。
実に面白い奴だしな。
……っとまぁ、現実的なオチが付いた所で。
この後、3時間程、淡々と壁にコンクリートを塗って行く訳なんだが。
……意外と終わらねぇな、これ。
そりゃあまぁ、そう簡単に終わる訳ねぇか(笑)
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
今も昔も変わらず。
自分の親の権力を笠に着て偉そうにしてる子って、どの時代にでも結構居るんですが。
冷静に見たら、あれほど、滑稽なものはありませんよね(笑)
本編でも倉津君が語っていました様に、それは『自分の無能さをひけらがし、親の権力を使って有能に見せようとしてる』だけの所業に他なりませんからね。
まぁまぁ、そうは言いましても。
物を知らない子供の頃なんてものは、そんなものが『凄く』見えたりするものなので、幼少の頃ならば有効な手立てなのかもしれませんがね(笑)
さてさて、そんな中。
一旦、話にも落ちが付いたので、此処からは淡々と壁の補修をして行く訳なんですが。
これ……本当に終わるんですかね?
まぁ、どうやっても終わらせなきゃいけないですが。
次回は、その進行状況について語っていきたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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