最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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539 女性としての衣類

公開日時: 2022年7月30日(土) 00:21
更新日時: 2023年1月10日(火) 13:48
文字数:2,454

●前回のおさらい●


 崇秀の仮説を聞き。

そして更に、自身が加害者の可能性が出た崇秀に、多額の賠償金まで提示され。

困惑しつつも、今の現状に向き合う気持ちに成った倉津君。


だが、第一の難関が目の前に……

 2人の大きな安心感に包まれながら。

一息付こうと思い、ポケットに直して置いた『セッタ』を取ろうとする。


だがポケットは、そこにはなく。

そこを目で確認すると、自分の生足だけが視界に飛び込んできて、ズボンを履き忘れている事を思い出す。


・・・・・・


オイオイ俺、あんな長時間、男モノのパンツ丸出しで必至に喋ってたんだな。


なんだこの無様さは……恥ずかし過ぎんぞ!!


それにしても、なんだな。

俺って隙だらけの女だな。


その内、こんな馬鹿バッカしてたら野郎に犯されちまうよな。


それに、この状態の時に、急に誰か尋ねて来たら、どうするつもりだったんだろうな?

こんな無様な姿じゃ、なんの言い訳も出来ねぇよな。


そんな自分の間抜けさに、ガックリと肩を落すと同時に、頭も垂れる。


すると『ある物』が視界に入った。


・・・・・・


うわ~~~、そうだった。

この『女物を着る』って、今現在一番ハードルの高い問題が、まだ残ってたんだぁ。


しかしまぁ、なんかこれ。

なんの躊躇もなく、簡単に着替えちまえる様な良い方法ねぇもんかなぁ?


……ねぇな、うん、ねぇよな。

そんなご都合主義的なものは、何処にも存在しねぇ。


いや、つぅか、もぉ、そう言うレベルの話をしてる場合じゃねぇよな。

今更ジタバタしたって、今現在じゃ、どうにもなんねぇんだし。

その為にも、さっき崇秀と話して、今の自分自身が『女でしかない』って、自分でもある程度は踏ん切り付けたんじゃねぇかよ。


それにだ。

幾ら、崇秀が頑張ってくれたとしても、元に戻してくれるまでには、どうやっても『女である期間』が存在する。

その間、ビビッて、風呂にも入らず、ションベンもしない訳にもいかない。


だったら四の五の言わず、この状況に、いち早く慣れなきゃな。


第一よぉ、俺、自分で言うのもなんだけど、結構『可愛い部類』だしよ。

美少女の代表格とも言える奈緒さんや、真上さんみたいに、意外と何を着ても似合いそうじゃんか。


あぁ、だったら、もぉやったらぁ!!


なんじゃい!!

女物の服を、今、女の俺が着ても、問題なんかなんもないわい!!


……あぁけどぉ。

奈緒さんに借りた服が汗臭くなったらイカンから、せめて先に風呂には入ろ。

そんで、その際に、今着てる服を浴槽に放り込んで、着れない位ビチャビチャに濡らしてしちまえば、もう後には戻れない。


決意を固める為にも、その捨て身の作戦を実行しよう。


そんな訳で俺は、まずそれらを有言実行をする為に、宣言通り、勢い良く、そして荒々しく今着てる上着を脱ぎ捨てた。



「はぅ……」


・・・・・・


えっ?えっ?なになに?

今、何処からともなく、女の子の妙にエロイ声が聞こえたんだけど?

それに、なんか今、胸の辺りがビビッて来る感じで、スゲェ気持ち良かったんッスけど?


なにこれ、なにこれ?


あっ、あれ?でも、ちょっと待てよ。

冷静に考えたら、今、奈緒さんの家には俺しか居ない、って事は……ひょ、ひょ、ひょ、ひょっとして、今のって俺の声?

上着に、乳首が擦れた程度で感じて、あんな妙にエロイ声を出しちまったって言うのか?


いっ!!いっ!!いっ!!嫌過ぎる!!


もしそれが事実なら、冗談じゃねぇぞ!!

なんなんだよ、この無駄なまでに敏感な肌は!!


女の子の肌って、みんな、こんな敏感なものなのか?

こんなもんでイチイチ感じてる様じゃあ、普段の生活にも支障が出るレベルだぞ!!


こんなんじゃ俺、生きていけないぞ!!


やべぇ~~~~!!


つぅか!!それよりも、さっきの勢い良く脱いだ上着で、乳首モゲたりしてねぇよな?

あれだけ感じるって事は、相当、ヤベェ脱ぎ方したんじゃねぇの?


不安になった俺は、なにも考えずに、鏡で乳首を確認しようとした。


するとな。

そんな風にオッパイ弄ってたら、鏡の中の俺と視線が合っちまったんだよ。


それを見て思ったんだけどな。

『ハッキリ言って、俺、スゲェ美少女だわ』って自分で確認出来るぐらい可愛い顔が鏡に映ってる訳だぁな。


ホンで、それを見た俺は、無意識の内に、鏡に顔を寄せて、自分の髪を弄ってみたり、オッパイをポヨポヨ持ち上げてみたりして、女の子の真似事をしてる訳だ。


・・・・・・


アカンって!!

……俺、こんな事を続けてたら、強烈なナルシストになりそうだ。

それに一瞬だけど『こんだけ可愛いんだったら、いっそ、このままでも良いかなぁ』とか思っちまったよ。


序に言えば、女の子が『自分が一番可愛い』と思って生きてる意味が、なぁ~~んと無くだが解った様な気がする。


ってか今の俺って、奈緒さんに匹敵する可愛さだもんな。



「ハクショ~~~ィン!!」


アカン!!アカン!!

ホンマに、アカンって!!

幾ら美少女が鏡に映ってるからと言って、このままそんな自分の姿を鏡でウットリしながら眺めてたら、風邪引く!!風邪引く!!


鏡で自分の姿に見蕩れて、風邪引くなんざ間抜けにも程が有るよな。


馬鹿じゃねぇの俺!!


……にしても、あれだな。

さっきのクシャミの仕方は無いよな。

美少女は『くしゅん』って可愛らしいクシャミで、上手く自分を演出するもんだからなぁ。


あんなオッサンみたいなクシャミを人前でしたら、男共の幻想を打ち砕いちまいそうだし、此処は1つ、1人の女性として、ちょっとクシャミをする時の仕草も練習しとくべきかな……


・・・・・・


……って、危ねぇ、危ねぇ。

今、俺、なに考えてたんだよ?

大体にして、俺が男に幻想抱かして、どうするつもりなんだよ?


こんな事バッカリ考えてたら、仕舞いには俺に魅了された男共に襲われちまうぞ。

女に成って、以前より非力になっちまってるんだから、此処等辺はホント少しは自重しないとな。


本気で犯されちゃう。


それにしても、俺って、ホントにアカンね……

なんでか知んねぇんだけど、自分が今は女だって意識し始めたら、一気に女性化が進んでる。

違う意味で、女性初体験中の俺が、これ以上、余計な事を考えたら、本当に危険そうなので、サッサと風呂にでも入って頭の中をスッキリさせよ。


こう言う場面での、頭のリセット大事。


にしても、ホントなんなんだよ、この女の魔性を詰め込んだような体は?


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


ある程度の覚悟を決めた倉津君ですが。

矢張り、まだ女性の衣類を身に纏うのには抵抗があるのか、必死に成ってましたね。


まぁでも、これは仕方がないですね。

今までの倉津君の人生を振り返ってみても『まさか自分が女性物の衣類を身に纏う日が来る』なんて、想像もしなかった筈ですからね。


……っと言う訳で。

今着ている自分の服を、お湯の張った浴槽に突っ込み。

後戻り出来ない状況を作った上で、一旦、風呂でリラックスしてから、このチャレンジに挑むようです。


さてさて、心が折れずに、そのチャレンジを敢行する事が出来るのか?


それは次回の講釈。

また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


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