最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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433 誤魔化せなくても、俺が嘘を付き続ける理由

公開日時: 2022年4月15日(金) 00:21
更新日時: 2022年12月31日(土) 19:24
文字数:2,049

●前回のおさらい●


 サボっていた言い訳を色々繰り出す倉津君だが……そんな物が上手く行く筈がありません(笑)


そんな倉津君を哀れに思ったのか、此処で素直ちゃん『疲れてたんですよ』っと言うフォローが入るのですが……

「疲れてるねぇ。……ねぇ素直。じゃあ、なんでクラがトイレで寝込む程、ドッと疲れてるか教えてあげようか?」

「えっ?向井さん?真琴君は、文化祭の準備で疲れてるんじゃ……ないんですか?」

「うぅん、全然違うよ。それは、とんだ的外れな解答だよ。なんせ昨日クラはねぇ……」


ヤッ、ヤッ、ヤッ、ヤバイ!!

素直がフォローをしてくれたからって、この話の展開や、流れに身を任せるのは、非常にヤバイ!!


メーデーだ!!メーデーだ!!


レッド・アラートでゲスぜ!!


―――なんでかって?


いや、だって、考えてもみろよ。

これを緊急事態と言わずして、なにを緊急事態って言うんだ?


ほらほら……素直は良いとしてもだな。

奈緒さんの性格を考えたら、直感的にも、直ぐに答えが出て来る筈だぞ。


あのな。

この人の事だから、きっと、平然とした涼しい顔をしてだな。

絶対に、昨晩の『連続暴発行動&室内異臭騒動の話』を面白おかしく脚色を加えて、細部まで克明に暴露する気だとしか考えられんのだよ。


しかも、困った話は、それだけに留まらず。

それ=奈緒さんと俺が付き合ってるのが、由佳や、伊藤……それに、グチまでにバレてしまうんだよ。


これは『俗世間一般から見たら、危険極まりない爆弾発言になる』事は必須なんだよな。


この人、芸能人としての自覚が、全くと言って良い程『皆無』って言うか……

自分の素性の事なら、なにがバレても、平然としてると言うか……兎に角、自分が面白いと判断しちまったら最後。

絶対に、その意思を通そうと人だから、それだけでも特A級の危険人物。


故に、此処で下手に奈緒さんを喋れせてはいけない。


こりゃあ、流石にマズイ!!

ゴチャゴチャ説明しながら考えてる余地はねぇ!!

一刻も早く謝罪して、この暴走を止めなきゃな!!



「あっ、あの~~~、すみません。嘘付きました。良く考えると、俺、寝てませんでしたね」

「うん。倉津君が口を開いた時から、誰も信用してないからね」


酷い……酷過ぎる……

幾ら、職場放棄をかましてサボってたとは言え、嶋田さん、そりゃあ、ちょっとないんじゃないッスか!!


確かに、ある人を守る為に、俺が嘘を付いてるのは、褒められた行為じゃないですけどッスね。


その言い方は無しッスよ!!


それに嶋田さん。

ちょっとぐらいは他人の言う事を信用しないと、過度の人間不信の人だと思われちゃいますよ!!


偶には、椿さんだけじゃなく、俺の言う事も信じてみましょうね。


贅沢言いませんから『偶に』で良いんで……


つぅか、久しぶりに嶋田さんの意地の悪い発言を聞いたんだがな。

相変わらず、直接的にグサッとくる、強烈にキツイ一言を放ちますな。


俺みたいな鈍感な精神的無痛症の人間じゃなきゃ、一発でコロッと死んじゃいますよ。


マジで即死ですよ……



「っで、兄貴君。嘘なのは、みんなが解ってた事なんだけど。本当の処は、なにしてたの?」


……嶋田さん同様に、真美さんも何気に酷いな。



「いや、あの、ほら、あれッスよあれ。……本当の事を言うとですね。家にベースを忘れて来ちゃってッスね。慌てて取りに行ってたんですよ。だから、学校に居なかったんッスよ」

「仮にそうだとしても、じゃあ、なんで、今まで嘘を言う必要があったの?」

「そりゃあ、あれッスあれ。ベースを弾く人間が『楽器忘れた』じゃ、あまりにも格好が付かないなって思ったもんで……つい」


これどう?


今度こそは、いけそうな雰囲気じゃないか?

今回の言い逃れの為に言った嘘は、結構、上手く行ったんじゃないか?


だって、これってよぉ、如何にもミュージシャンッぽい発言だしよぉ。

聞き様に寄っちゃあ、如何にも、それっぽくに聞こえね?

(↑楽器を忘れる時点で、ミュージシャンじゃないと気付かない俺)



―――なに?『いい加減、無様にバレる様な嘘を付くぐらいなら、正直に言って、素直に謝れ』だと?


いやいや、人から、どんなに無様に見られ様がな。

今回はどうあっても、ソイツだけは出来ねぇ相談だ。


今回だけに限ってはだな。

この人達全員が全員『諦める』か『完全に呆れる』まで、嘘だろうが、なんだろうが、絶対に付き通さなきゃいけねぇんだよ。


―――なに?『何が俺を、そこまで突き動かすか』だと?


わかんねぇかなぁ?

サボった俺と一緒に居た、真上さんの事だよ真上さんの。


彼女が、みんなに変な誤解をされたら貯まったもんじゃないから、こうやって嘘八百を並べ続けてるんだよ。


幾らな、1人で忙しく出店をしている真上さんを放って置けなかったとは言え。

此処の業務を完全に放棄して、自分1人だけがサボって、真上さんを手伝いに行ったのは、どこまで行っても事実だろ。


だから俺の序で、彼女まで変に疑われちまったら困るんだよ。


勿論、真上さんは、なにも悪い事はしてねぇんだから、そんな誹謗中傷を、なにがあっても受けちゃイケネェのも考慮の内だ。


もしそんな事にでも成ったら、人として申し訳がたたねぇだろうに。


だから、その為にも、必至扱いて嘘八百を並べてんだよ。


わかったか?わかってくれたか?

(↑既に誰に言ってるのかさえ、解ってない俺)


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>


なんの為に必死に言い訳してるのかと思ったら……真上さんの事を思っての事だったんですね。


いやはや、こう言う所だけはしっかり気が利くみたいです(笑)


ただまぁ、そんな面倒な真似をせずに。

此処は素直に『サボってて、すみませんでしたぁ』って言った方が早いと思うんですけどね(笑)


ほんとアホですね(笑)


さてさて、そんな中。

それにまだ気付けない倉津君は、更に言い訳を続けていくみたいなのですが、今後どうなって行くんでしょうね?


その辺が少しでも気になって下さったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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