●前回のおさらい●
自身に非がある為に、奈緒さんの言う通りに行動する倉津君。
そして妙な不安を抱えたまま。
以前、奈緒さんが奇妙な行動を起こした現場である赤レンガ倉庫に到着した。
赤レンガ倉庫に到着すると。
直ぐ様、奈緒さんは、2人でゲリラ・ライブをやった所まで駆け出し。
そして、なにやらコード弄くった後、妙に納得して俺に話し掛けてくる。
なんだ?
「ヤッパ、此処かぁ、みぃつけた♪」
「なっ、なにをッスか?」
「これこれ」
「どれ、どれッスか」
「ほらほら、憶えてないかなぁ?此処のコードを切って、2人でライブした時の思い出のコード」
「あぁ、本当だ。ぷぷっ!!スタッフの奴等、まだちゃんと修理してなかったんッスね」
赤レンガ倉庫を管理してる大企業でも、意外と不手際な事もあるんもんなんだな。
もっとこう、こう言う事に関しては、毎日の様にチェックしてるのかと思ってた。
いやいや、それにしても、このコード、どこから見ても普通のコードにしか見えないな。
まるで修理されてるか、初めから切られて無い様に見えなくもないな。
「さて、それはどうだろうね。でもさぁ。あの時ってさぁ、ライブが終わった直後で疲れてたのに。2人でテンション上がっちゃって、馬鹿みたいにガンガンに鳴らしたよね」
「あぁ、そうだったッスね。けど、俺としては、盛り上がったって言うより、ヒヤヒヤしてた方がデカイッスけどね。……けど、あれッスね。そのコードが、そのまんまって事は、意外と修理箇所って見付からないもんなんッスかね?」
「ふふ~ん。そりゃそうだよ。みつからない様にしてあるもん」
「えっ?どういう事ッスか?どうやってるんッスか?」
「うん?教えな~い。多分、君でも見つけられない様に細工してあるから、これは誰にも解らないも~~ん」
「えっ?なんで、俺にも解らない様にしてるんッスか?」
「あぁっと、それはね。これは、私の思い出だから……私だけの思い出だから……クラとは言え、誰にも知られたくないの」
えっ?なんだ?
奈緒さんが、突然、また変な事を言い出したぞ。
今の言い様だと、なんかまるで、思い出だけが生きてるみたいな言い方だ。
ホントになんだ?
また、この間の様に、奈緒さんの身になんか有ったのか?
それとも……
「奈緒さん……」
「はい。此処は、これで終わり。次、行くよクラ……ほら、早く」
全部を言い終わる前に、俺の手を、強引に引っ張って行く。
***
次に、奈緒さんが目指した場所は、当然、ゲリラ・ライブの後に行った海辺だ。
着くなり奈緒さんは、愉しそうに軽くはしゃいでる。
けど俺は……さっきの奈緒さんのおかしな言動が気になって、全てがハッキリしない状態。
モヤモヤした、よく解らない気持ちで、彼女の後を歩いていた。
「ねぇねぇクラ。此処での思い出は?」
徐に振り返った彼女は、笑顔で俺にそう尋ねる。
けど、此処での思い出っと言えば……
「えっ?いや、あの、その、それはッスね……」
「なになに?恥ずかしがらずにさぁ。私に解る様に、ちゃ~んと言ってみ」
「いや、だから、その、奈緒さんの……」
「ふふ~ん。だよね。私のオナニーだよね」
「いや……そんなストレートに言わなくても」
「ねぇねぇ、また見たい?それとも、もう2度と見たくない?」
なんの質問なんだ、これ?
質問の真意も見えないし、話の内容自体が明らかにおかしいぞ?
それに、さっきに引き続き、奈緒さんの様子も、どこか変だ。
矢張り、これは、また奈緒さんの身に何かが有った『前兆』なのだろうか?
この人が奇行を起こす時は、大概そうだからな。
そう考えるのが順当か……
「どうしたの?ちゃ~んと答えてみ」
「奈緒さん」
「うん?」
「奈緒さん、なんかあったんッスか?さっきから変ッスよ。それは、ヤッパリ、俺のせいなんッスか?」
「うん?う~~ん?ちょっと、それ、なんの話?」
「いや、だから、その……」
「あっ!!あぁそっか、ひょっとして、さっきのコードの話で拗ねてんの?」
「いや、そうじゃないんッスよ。なんか奈緒さんが遠くに感じるって言うか。俺の事を、もぅ見てくれてないって言うか」
「ふふっ……ば~か」
「……ばか?」
あれ?なんか違うのか?
「あのねぇクラ。なんで君が、そんな風に考えてるのかは知らないけど。私は、君が私を嫌いにならない限り、一生クラの事が大好きだよ。これだけは変らない」
「けっ、けど、奈緒さん。さっき『自分だけの思い出』だって言ってたじゃないですか。……そこに、俺は居なかった様に感じましたよ」
「なになに?それじゃあ、やっぱ、拗ねてるんじゃない」
「あっ、はい。……拗ねてますね」
「ふふっ、じゃあ、なんで私が、あぁ言ったか教えてあげようか?」
「あぁ、はい!!是非」
理由があるのか?
素直とキスしちゃったからッスか?
「あれはね。クラが、私にくれた『私だけの思い出』だから、そう言ったの。それにね。これからクラは、もっと沢山の女性と知り合わなきゃいけない。勿論、その時には肉体関係なんてモノも有るかも知れない。だから『あれ』は、私だけの思い出って誇張したかっただけ」
なっ、なにを、そんな馬鹿な事を言ってるんッスか!!
俺は、奈緒さんしか要らないんッスよ。
奈緒さん以外は必要ないんッスよ。
奈緒さんだけが居れば、それで満足なんッスよ。
それなのに、その言い様は、流石にないッスよ!!
ヤッパ……素直とのキスが……奈緒さんに、そう言わせるんッスか?
「ちょっ!!奈緒さん!!なに言ってんッスか!!俺は、奈緒さんだけが居れば、他の女なんて要らないッスよ!!」
「ダ~メダメ。そんなんじゃ、器の小さい男になっちゃうよ」
「そんなぁ……あっ、あれッスか?俺が浮気なんかしたから、そんな事を言うんッスか?」
「うぅん、違うよ。私は、最初からクラの浮気は公認してるつもりだよ。それに、電話で『もっと、やっちゃえ』って、ちゃんと言ったじゃない」
「うぇ!!あれ、本気……だったんッスか?」
「至って」
『浮気を公認』してるから『浮気をされてもなんとも思わない』って言うのか?
どういう思考なんだよ、それ?
俺の腐った脳味噌で、必死で理解しようと努力はするものの、サッパリ解らないぞ?
奈緒さんが、なにを考えて、こんな事を言ってるのか、全く理解が出来無い。
いや、話が話だけに、俺自身が拒否反応を起こして彼女の意見を理解したくないと思っているのかも知れない……
けど、それを加味した上でも、理解しがたい思考だな。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>
奈緒さんのこの発想……皆さんなら、どう思われます?
確かに、普通では考えられない常軌を逸した考えに見えるかもしれませんが。
彼女がこの思考に至るまでの経緯として『倉津君の特殊な立場』っと言う物があります。
さて、それは一体、なんなのか?
それは次回の講釈なのですが。
少しでも気に成りましたら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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