●前回のおさらい●
倉津君と真菜ちゃんの輪の中に入りたい眞子。
それを感じた2人は『眞子を兄弟として迎えてくれた上に、食事の誘いまでしてくれた』
……さて、私がそんな風に1人で感動していると。
私の可愛い可愛い妹の真菜ちゃんは、台所に昼食の準備をしに行ってくれた。
どんな手料理を作ってくれるのか楽しみです。
まぁそれで、料理を作りに行った真菜ちゃんが部屋に居なくなったので。
当然の如く、部屋には真琴ちゃんと2人になるんだけど。
私は、この時点で、少し真菜ちゃんについて気になる事があった。
良い機会だから、今、そこを少し真琴ちゃんに聞いてみようと思う。
「ねぇねぇ、真琴ちゃん」
「うん?なんだよ?」
タバコを吹かせていた真琴ちゃんが、コッチを向いた。
コラコラ、せめて煙は人が居ない方向に向けて吐き出しなさいちゅの。
他人に『受動喫煙』させないのは、喫煙者の基本的なマナーってもんですよ。
まぁ、真琴ちゃんは未成年だから、それ以前の問題なんだけどね。
「あぁ、うん。唐突で悪いんだけど。……真菜ちゃんって、学校でどうなの?」
「ふぅ……今さっきの真菜の様子からして、やっぱり、オマエも気に成ってたかぁ。それにオマエの、その言い様じゃあ、真菜の成績の話じゃねぇよな」
「あぁ、うん。残念ながら、その通りだね」
そぉ。
さっきの私の自分の話で思ったんだけど『真菜ちゃんも、昔の私と同じ悩みを抱えてる』んじゃないかなって……
その上で、私は、真菜ちゃんとは1年以上接していなかった。
故に、現状が飲み込めていない。
まぁ、それ自体は、1年間昏睡設定だった今の真琴ちゃんも、そんなに変わらないとは思うんだけど。
この復帰してからの1ヶ月で、なにか情報を得ていれば良いと思っての質問をしてみた。
「そっか。けどまぁ、実際の話で言えば、俺が此処に帰って来てからの約1ヶ月。真菜とは、オマエの話以外は、殆ど口を利いてなかったからなぁ。アイツの詳しい事情までは、わかんねぇなぁ」
あぁ……やっぱり、そうですか。
今さっきの勉強の状況を見てても『そうじゃないかなぁ』っとは思ってたんだけどね。
一応、此処は確認ね確認。
「そっか、そっか。じゃあ、以前のあまり良くない状態と変わってないって認識を持つしかないかぁ」
「多分な。それで間違いないだろうな。……けどまぁ。真菜本人が、余り人に弱みを見せたがらない奴だし。結構、普段から気丈に振舞っちまうのも事実だしな。だから、事実だけを追求すりゃ、現状は悪化しているとも限らねぇな。アイツの立場上、結構、お嬢様学校の生活はキツイと思うぞ」
「だよね。真菜ちゃん『強がりさん』だもんね。本当は、繊細で、か弱い子なのにね」
なんだよね。
真菜ちゃんは、真琴ちゃんが言った通り、余り表立って弱音を吐かない子だから、なんでもかんでも自分の中に抱え込んじゃうんだよね。
それに付け加えての問題が『ヤクザの娘』って事。
これだけでも、一般人からは、かなり敬遠されてるだろうしね。
その上で真菜ちゃんが通ってる学校は女子校だから、異性の目を気にせずに露骨な無視とかもありそうだしなぁ。
辛い学校生活を強いられてる可能性が高いんだよね。
だから此処は、私がなんとかしないとダメなんだと思う。
「そうなんだけどな。アイツは、そう言う表現が下手糞だし、変に意固地な部分もあるからなぁ。中々表面上には出せないんじゃないか」
「そうだよね。……でもさぁ、あんな良い子が、そんな目に遭うのって間違ってるよね」
「まぁなぁ。けど、事実だけを言えば、一方的に相手だけが悪い訳でもねぇからなぁ。ヤクザ関連の人間には関わりたくないって気持ちは解らなくもねぇぞ」
まぁ、そこはそうだよね。
私自身も、この体に成った時は、ヤクザとは一切関わりたくないと考えてたしね。
それは非常に的を得た意見だと思うよ。
「だよね。本当に、そうだよね。……あぁ、でもさぁ。真琴ちゃんみたいに交友関係が広い所を、みんなに見せ付ければ、そう言う気持ちって少しは薄れないかなぁ?」
これ、実体験なんだけどね。
私みたいな『訳の解らない存在』でも。
なぁ~~んとなく、沢山の人と知り合ってれば。
なぁ~~んとなくだけど、相手の見る目が変ってくるもんなんだよね。
所謂、交友関係が広い事による安心感みたいなものを、相手に植え付ける事が出来るのよ。
だから此処を上手く利用すれば、真菜ちゃんも楽しい学園生活を送れる様に成るんじゃないかな?
こう言う提案じゃダメかな?
「まぁ、多少の、そう言う見方は変わるだろうけどよぉ。まずにしてアイツ、人付き合いが、そんなに上手く無いぞ。そこを、どう対処するんだ?」
「あぁ、そっか。……あぁ、けど、最初は、私や、真琴ちゃんの知り合いを真菜ちゃんにドンドン紹介すれば良いんじゃないのかなぁ?まずはハードルを低く設定して、人付き合いに成れるまでは交友関係を築ける様な環境を作ってあげるのが、先決だと思うし」
「おぉ、なるほどなぁ。そりゃあ名案だな。……けど、誰を呼ぶんだよ?」
「今、この場に来れる全員1人残らず招集しちゃえば良いんじゃない」
「なっ!!」
自分勝手に家を捨てた私を、まだ家族だと思ってくれた真菜ちゃんに報いる為にも、呼べる人間は全員呼ぶのが良策でしょ。
こうやって、私を幸せにしてくれた人達なら、真菜ちゃんの事も、必ず同じ様に幸せにしてくれる筈だから。
故に、なにがあっても全員此処に呼ぶ!!
「奈緒ネェも、崇秀も、ステラさんも、山中君も、細川君も、飯綱ちゃんも、真上さんも、素直ちゃんも、嶋田さんも、椿さんも、武藤さんも、遠藤さんも、咲さんも、千尋さんも、美樹さんも、真美さんも、理子さんも、元香さんも、木根さんも、大谷さんも、伊藤さんも、エディさんも、ホランドさんも、ディックさんも、ミラーさんも、ジムさんも出来る限り、私や真琴ちゃんが知り合った人は全員呼ぶ。そうしたらきっと、真菜ちゃんも幸せに成れる筈だから」
「オイオイ眞子。幾らなんでも、そりゃあ無茶ってもんだろ」
「そうでもないよ。奈緒ネェ達【奈緒グリ】のメンバーは、今度の木曜日に凱旋ライブをするから日本に戻ってるし。その他の人達も今なら殆どが日本に居る。だから真琴ちゃんが協力さえしてくれれば、これは不可能な事じゃないと思うよ」
まぁ確かに真琴ちゃんの言う通り、無茶ではあるけどね。
そして無謀でもあるし、忙しい人を名指しで呼び出すなんて厚かましくもあるんだけどね。
「無茶苦茶だな、オマエって……けどよぉ、奈緒さんが帰ってるのは、昨日来てくれたから知ってっけど。そんな有名人ばっかり集めて、どうすんだよ?」
「うん?そりゃあ真琴ちゃん。有名人が知り合いだったら、みんな、まずは、それ目当てにして真菜ちゃんに近寄って来るじゃん。その後は、真菜ちゃんが、自分自身で友達を選択すれば良いだけなんじゃないの?要するには『客寄せパンダ』みたいなもんだね」
「オイオイ眞子。幾らなんでも、友達を、そんな風に使うもんじゃないぞ」
「まぁそうなんだけどさぁ。……私の妹を、みんなに紹介したいじゃん。これは、その序みたいなものだよ」
これが一番の本音かも……
「なんて我儘な奴なんだ……」
当たり。
***
こうして、私と、真琴ちゃんは。
その詳細を伝える為に、みんなに電話をし捲くってみた。
兎に角、1人でも多くに電話をして、此処に来て貰える確率だけは出来る限り上げて行った。
集合場所は『此処真琴ちゃん家』
まぁ……予定の有る忙しい人が多いので、どれだけの人が来てくれるかは、私にも解らないけど。
もし1人でも、此処に来てくれれば、その人は、きっと『ヤクザ』を、なんとも思っていない人だと思うので、真菜ちゃんにとっても最高の知り合いになってくれる可能性が高い筈だからね。
皆さん、どうか1人でも多く、私の可愛い妹の為に来て下さいね。
***
でも、これって……とんでもない事を思い付いちゃったもんでしょ。
因みにですがね。
これが、私が最初に言った『自ら招いた自爆』って奴ですね。
この受験シーズン真っ只中に『バンドのお誘いを頂いてる人達を集めて、どうするんだ』って話じゃないですか?
もぉ、ただのアホでしょ。
言わなくても……アホですね。
はい、すみません。
***
―――次回予告。
お裾分けしなとね。
幸せの1人占めは良くないからね。
なんとしても私は、真菜ちゃんを幸せにしたい。
だから……次回わ。
『Meet to meet』
「集合」
……を、お送りします。
皆さん、私の事なんて、もぉどうでも良いですから、皆さんの力で、ウチの可愛い真菜ちゃんを助けてあげてください……
どうぞ、宜しくお願いします。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>
これにて第一章・第六十四話【Study & Love%(勉強と好感度)】はお仕舞なのですが如何でしたでしょうか?
倉津君の勉強を見に行って、偶然にも真菜ちゃんと出逢い。
眞子が渇望して止まなかった『真菜ちゃんに姉妹だと思って貰える』って願いも、どうやら叶ったようですね♪
それ故に眞子は、真菜ちゃんの持つ現状(ヤクザの娘として疎遠にされてる)に着目し。
なにやら、またトンデモナイ事を言い出したみいたです(笑)
さてさて、そんな中、次回から始まる第一章・第六十五話【Meet to meet(集合)】では。
様々な人を、倉津家に呼び出して行く話になるのですが。
果たして上手くいくのか?
そんな感じの話を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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