最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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430 真上さんのお友達

公開日時: 2022年4月12日(火) 00:21
更新日時: 2023年9月9日(土) 18:57
文字数:1,809

●前回のおさらい●


 色々な事件に巻き込まれた真上さんは学校に行けなくなって「フリースクールに通っている」っと言う真実が、同級生の岡田君の口から聞いて浮き彫りになった。


そして彼は、そんな真上さんの復学を切に望みながら去って行ったのだが。

その後、今度は、真上さんの同級生の女子と遭遇する事に成る。

「真上、そちらは?」

「えぇっと、あっ、あの、お世話になってる倉津さんです」

「ふ~~ん。そうなんだぁ」


毎度毎度、事ある毎に、真上さんにお世話になってる倉津です。


そして、人相の悪い雑魚です。


けど、見た目より、そんなに怖くはないんッスよ。



「あっ、あの、ひょっとして、私の記憶が間違ってなかったら、貴方ってGUILDの倉津さんだと思うんですが。……違いますか?」

「へっ?はぁ、まぁその倉津だけど」

「ウッソ!!マジで!!実物の方が超カッコイイんですけど!!まさかこんな所、お逢い出来るなんて思ってもみませんでした。感激です。私、青山千秋って言います。よっ、良かったら握手して下さい」

「へっ?はぁ、まぁ、こんな手で良かったら、幾らでも……」


俺は、訳も解らず。

青山さんって、真上さんの友達らしき女の子と握手した。



「ってか!!倉津さん、滅茶苦茶優しいし!!マジで感激なんだけど!!折角だから、みんなも握手して貰いなよ」

「「あっ、じゃあ、お願いします」」

「はぁ……どうぞ」


あれあれ?

俺なんぞみたいな超雑魚に、そんなに喜んで貰っても困るんだけどな。


……にしてもだな、みんなテンションの高い子達だな。



「あの~、倉津さんって、これから、お暇ですか?」

「はぁ、まぁ、これと言った予定は無いけど。敢えて言うなら、真上さんと、出店回ってる途中だな」

「だったらぁ、私達も一緒に廻って良いですかね?」

「はぁ、まぁ、どうぞ」

「やったぁ!!」


喜んでる……何故に?


なんて思っていたら……



『ピンポンパンポ~ン2年B組の倉津真琴君、至急教室までお戻り下さい。繰り返します』


ゲッ!!こんな大々的な文化祭の最中に、名指しで呼び出しを喰らったぞ俺!!


こんな楽しい時間を過ごしてる時に、誰だよ!!

……って、言いたいんだけど、明らかに2-Bの皆さんが、お怒りなんですね。


はい、そうですね。



「あぁ悪ぃ。呼び出しだわ」

「えぇ~~~、うそぉ~~~」

「いや、ホント。マジで悪ぃ。多分、サボってるのがバレたんだよ」

「そっかぁ~~~。折角、一緒に回れると思ったのに、残念」

「ホント悪ぃな。真上さん、呼び出し喰らったんで、取り敢えず、教室に行きましょうか」

「あっ、はい。そうですね」

「あぁっと、倉津さん」

「うん?」

「真上とは、久しぶりに逢ったんで。真上を借りても良いですか?」


あっ、あぁそうか。

さっきの岡田って奴の情報からしても、今、真上さんは学校に行ってないから、この子達に逢うのも久しぶりなんだ。


だったら、彼女達の一緒に遊びたい気持ちも解らなくもないな。


……って、イカンイカン。

そんな彼女達の気持ちも察せずに、何を俺は、真上さんをこのまま教室に連れて行こうとしてるんだよ。


ホント気が効かねぇな、俺って奴は……


こりゃあまた、知らず知らずの内に、真上さんを独占しようとしてたみたいだな。


ホント、イカンねぇ俺。

(↑昨日散々イッたのに、イカン魔神な俺……ほっとけ!!)



「あぁ、まぁ、真上さんがそうしたいなら、それで良いんじゃないか?」

「えぇっと……」

「真上、一緒に廻ろ」

「あっ、えぇっと、あぁっと……」


なにやら、俺の方をチラチラ見てるな。


まぁ、この人の事だから、俺の事を気遣ってんだろうな。


ホント、この人だけは……



「真上さん」

「あっ、はい、なんですか?」

「俺の事は気にしなくて良いんで、みんなと、俺の分までタップリ遊んで来て下さいね」

「あっ……はい。そっ、そうですね」

「じゃあ、決定。倉津さん、真上をお借りしますね。後で、クラスの方にも、必ず寄せて貰いますんで、ご心配なく」


おぉ、流石、真上さんのご学友だ。

よく俺の心理を読んでらっしゃる。


こう聞かされるとだな。

気兼ねなく、一旦、別れられるってもんだ。


いやいや、実に良いお友達をお持ちですな、真上さん。



「じゃあ、そう言う事なんで。また後で……行くよ真上」

「あっ、はい」


そう言い残してだな。

真上さんと、青山さん御一行は、大量に出展された出店へと消えた行った。


良いなぁ~~~。


楽しそうだなぁ~~~。


俺も一緒に行きてぇなぁ~~~。



『ピンポンパンポ~ン繰り返します。2年B組の倉津真琴君、至急教室までお戻り下さい』


あぁもぉ、やかましいわ!!


言われんでも、十分にわかっとるわ!!


しつこい放送に対して、心の文句を垂れながらも、地獄と化してるであろう教室に俺は向かって歩き出した。



けど、なんだろうなぁ?


今までの楽しさが嘘の様に……欝な気分だ。

(↑自業自得)


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>

これにて第一章・第十二話『表裏文化祭【序】』はお仕舞に成るのですが、如何でしたでしょうか?


文化祭での表面だけでなく、裏で動く大人の事情や。

倉津君が密かに思い付いた『広田君の借金返済』の為の企画。

それに、出店を出してくれている真上さんの事情など、色々盛り込んでみましたが、楽しんで頂けたでしょうかね?


まぁ、とは言え、まだこれは【序】

まだまだ文化祭でのお話は続きますので、良かったら、皆様、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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