●前回のおさらい●
色々な事件に巻き込まれた真上さんは学校に行けなくなって「フリースクールに通っている」っと言う真実が、同級生の岡田君の口から聞いて浮き彫りになった。
そして彼は、そんな真上さんの復学を切に望みながら去って行ったのだが。
その後、今度は、真上さんの同級生の女子と遭遇する事に成る。
「真上、そちらは?」
「えぇっと、あっ、あの、お世話になってる倉津さんです」
「ふ~~ん。そうなんだぁ」
毎度毎度、事ある毎に、真上さんにお世話になってる倉津です。
そして、人相の悪い雑魚です。
けど、見た目より、そんなに怖くはないんッスよ。
「あっ、あの、ひょっとして、私の記憶が間違ってなかったら、貴方ってGUILDの倉津さんだと思うんですが。……違いますか?」
「へっ?はぁ、まぁその倉津だけど」
「ウッソ!!マジで!!実物の方が超カッコイイんですけど!!まさかこんな所、お逢い出来るなんて思ってもみませんでした。感激です。私、青山千秋って言います。よっ、良かったら握手して下さい」
「へっ?はぁ、まぁ、こんな手で良かったら、幾らでも……」
俺は、訳も解らず。
青山さんって、真上さんの友達らしき女の子と握手した。
「ってか!!倉津さん、滅茶苦茶優しいし!!マジで感激なんだけど!!折角だから、みんなも握手して貰いなよ」
「「あっ、じゃあ、お願いします」」
「はぁ……どうぞ」
あれあれ?
俺なんぞみたいな超雑魚に、そんなに喜んで貰っても困るんだけどな。
……にしてもだな、みんなテンションの高い子達だな。
「あの~、倉津さんって、これから、お暇ですか?」
「はぁ、まぁ、これと言った予定は無いけど。敢えて言うなら、真上さんと、出店回ってる途中だな」
「だったらぁ、私達も一緒に廻って良いですかね?」
「はぁ、まぁ、どうぞ」
「やったぁ!!」
喜んでる……何故に?
なんて思っていたら……
『ピンポンパンポ~ン2年B組の倉津真琴君、至急教室までお戻り下さい。繰り返します』
ゲッ!!こんな大々的な文化祭の最中に、名指しで呼び出しを喰らったぞ俺!!
こんな楽しい時間を過ごしてる時に、誰だよ!!
……って、言いたいんだけど、明らかに2-Bの皆さんが、お怒りなんですね。
はい、そうですね。
「あぁ悪ぃ。呼び出しだわ」
「えぇ~~~、うそぉ~~~」
「いや、ホント。マジで悪ぃ。多分、サボってるのがバレたんだよ」
「そっかぁ~~~。折角、一緒に回れると思ったのに、残念」
「ホント悪ぃな。真上さん、呼び出し喰らったんで、取り敢えず、教室に行きましょうか」
「あっ、はい。そうですね」
「あぁっと、倉津さん」
「うん?」
「真上とは、久しぶりに逢ったんで。真上を借りても良いですか?」
あっ、あぁそうか。
さっきの岡田って奴の情報からしても、今、真上さんは学校に行ってないから、この子達に逢うのも久しぶりなんだ。
だったら、彼女達の一緒に遊びたい気持ちも解らなくもないな。
……って、イカンイカン。
そんな彼女達の気持ちも察せずに、何を俺は、真上さんをこのまま教室に連れて行こうとしてるんだよ。
ホント気が効かねぇな、俺って奴は……
こりゃあまた、知らず知らずの内に、真上さんを独占しようとしてたみたいだな。
ホント、イカンねぇ俺。
(↑昨日散々イッたのに、イカン魔神な俺……ほっとけ!!)
「あぁ、まぁ、真上さんがそうしたいなら、それで良いんじゃないか?」
「えぇっと……」
「真上、一緒に廻ろ」
「あっ、えぇっと、あぁっと……」
なにやら、俺の方をチラチラ見てるな。
まぁ、この人の事だから、俺の事を気遣ってんだろうな。
ホント、この人だけは……
「真上さん」
「あっ、はい、なんですか?」
「俺の事は気にしなくて良いんで、みんなと、俺の分までタップリ遊んで来て下さいね」
「あっ……はい。そっ、そうですね」
「じゃあ、決定。倉津さん、真上をお借りしますね。後で、クラスの方にも、必ず寄せて貰いますんで、ご心配なく」
おぉ、流石、真上さんのご学友だ。
よく俺の心理を読んでらっしゃる。
こう聞かされるとだな。
気兼ねなく、一旦、別れられるってもんだ。
いやいや、実に良いお友達をお持ちですな、真上さん。
「じゃあ、そう言う事なんで。また後で……行くよ真上」
「あっ、はい」
そう言い残してだな。
真上さんと、青山さん御一行は、大量に出展された出店へと消えた行った。
良いなぁ~~~。
楽しそうだなぁ~~~。
俺も一緒に行きてぇなぁ~~~。
『ピンポンパンポ~ン繰り返します。2年B組の倉津真琴君、至急教室までお戻り下さい』
あぁもぉ、やかましいわ!!
言われんでも、十分にわかっとるわ!!
しつこい放送に対して、心の文句を垂れながらも、地獄と化してるであろう教室に俺は向かって歩き出した。
けど、なんだろうなぁ?
今までの楽しさが嘘の様に……欝な気分だ。
(↑自業自得)
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>
これにて第一章・第十二話『表裏文化祭【序】』はお仕舞に成るのですが、如何でしたでしょうか?
文化祭での表面だけでなく、裏で動く大人の事情や。
倉津君が密かに思い付いた『広田君の借金返済』の為の企画。
それに、出店を出してくれている真上さんの事情など、色々盛り込んでみましたが、楽しんで頂けたでしょうかね?
まぁ、とは言え、まだこれは【序】
まだまだ文化祭でのお話は続きますので、良かったら、皆様、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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