●前回のおさらい●

　奈緒さんの『浮気OK』な特殊な考え方を聞いて驚く倉津君。

だが、そんな中でも『浮気相手は気に成るのか？』が気になる倉津君は……

「あの、ところで奈緒さん」

「うん？なに？」

「仮になんッスけど、その状態で浮気されたとして、浮気相手って気になります？」

「う～～～～ん、そうだねぇ。全然、気にならない方向かなぁ」

「また、これも断言しましたね」

「そりゃあそうだよ。さっきの話も含めて、浮気相手が気になる様じゃ、自分に自信が無いって証拠でしょ。そんなのはね。自分を磨く事を忘れた馬鹿な女の遠吠え。此処が断言出来無いようじゃ、本当の恋愛としては成立してないよね」

「それが、例えバンド仲間であった素直でもですか？」

「あぁ、なるほど。……今回のクラの浮気相手って『素直』だったんだぁ。ふ～～ん、じゃあ尚更、気にならないね」

恋愛話の時の素直に対しては、相変わらず、酷い扱いだな。

奈緒さんって、実は、素直の事が嫌いなのか？

俺には、そんな風には一切見えないんだけどなぁ。

女って深いな。

「あのッスね。じゃあ、敢えて、奈緒さんでも気になる相手が居るとすれば、誰ッスか？敢えてで良いッスよ。敢えてで」

「王家さんじゃない」

「真上さん？なんでまた、そんな即答なんッスか？」

「ふふ～ん。自分の胸に手を当ててごらんよ。きっと思い当たる節が、幾つかある筈だよ。彼女はね。そう言う『性的魅力』を持って生まれた『魔性の女』だもん」

「奈緒さん程の人でも、真上さんを、そう言う風に捉えちゃうんですか？」

「そうだね。あの子に関してだけは、絶対的にそう思うね。同族嫌悪って奴なのかなも知れないけど、私個人としては、クラには、あの子とは、あんまり深く関わって欲しくないかな。……あのタイプの女の子に嵌ると、簡単に身を滅ぼしちゃうからね」

心当たり満載だな……

真上さんの、あの独特の雰囲気は、男なら我慢出来無い。

勿論そうは言っても、決して、あの雰囲気は作られたものじゃないんだが、上手く男の描く『理想の女の子像』が表現されてるからな。

天然だけに怖い、って事もあるんだな。

「……っで、納得出来た訳？」

「はぁ、なんつぅか。『女の人って、凄いんだな』って思うばかりッスね」

「うわっ!!天然だ」

「なっ、なにがッスか!!」

なんで？

「はぁ……あのねぇクラ。君って、王家さんと同じ類の人間だよ。自然に『女を虜』にする『魔性』を持ってるよ」

「いぃぃぃいいいぃいぃいい……!!」

「ダメだ、この子。ヤッパリ気付いてなかったよ。『超』が付く天然だね」

「そんな馬鹿な!!」

無い無い無い無い!!

俺に、そんな面白おかしな『能力』は無い!!

みんな、からかってるだけッスよ!!

「じゃあさぁ。君は、なんで私が、君に嵌ってると思ってるの？」

「馬鹿だから、からかい易いからッスかねぇ」

「うん、正解。なぁんだ、ちゃんと解ってるじゃない」

「・・・・・・」

……酷くないか？

「さぁ、話は終わり。これからどうする？」

しかも、自己完結までされて終わられた……

もぉ良いッスよ……馬鹿で……

「奈緒さんは、何所か行きたい所あるッスか？」

「ふふ～ん。じゃあ、恒例の２択」

「なんッスか、それ？」

「君の、今の覚悟を聞く為の２択」

また変な事を言い出したよ。

よくもまぁ、そんな次から次へと、そんな事を思い付くもんだな。

「……っで、その２択って、なんなんッスか？」

「①私の家に行く②クラの家に行く。……さぁどっち？」

「いや、だったら……」

「ふふっ、もう一回確認するね。私は『君の覚悟』を計ってるからね。……そこを、お忘れなく」

「うん？」

どういう事だ？

なんで、そんな２択で、俺の覚悟が計れるんだ？

どっちに行っても、特に、これと言った問題は無いんじゃないのか？

……わかんねぇ？

「さぁ、後１０秒。答えれなかったら、君、此処で２回目の公開オナニーね」

「いぃいぃいぃ～～～!!」

「９・８・７・６」

「ちょ!!奈緒さん、それ、全然関係ないじゃないッスか!!」

「５・４・３・２」

聞いちゃあいねぇ!!

つぅか、そんな事を俺にさせて、なにが楽しいんだよ!!

訳がわからん!!

「ちょ!!」

「１・０……はい、終了。さぁどうぞ♪」

「あの……マジで言ってます？」

「勿の論」

「あの、敢えて、もう一回言いますけど。関係なく無いッスか？」

「うん、関係ないよ」

「じゃあなんで、そんな意地の悪い事を、平然とした顔で言うんッスか？」

「面白いから」

「あの、奈緒さんって、ひょっとして『サディスティック』な人ですか？」

「うん、サドだね。よく知ってたね」

こんな時だけ『これでもか!!』って言う様な、真顔で言うんじゃありません!!

「いやいや、仮にそうだとしても、これ、おかしいですよね？」

「うぅん、全然。……ってかね。クラが真っ赤な顔しながら『ぴゅ～～～』って出すの。あれ、面白いから見たい」

「見せたく無いです。……つぅか!!絶対ヤラないッスよ!!」

「良いじゃん、ケチ。……どうせ、浮気する程、溜まってるんだからさぁ。此処で『ぴゅ～～～』って出しちゃいなよ。『ぴゅ～～～』って」

あれ？

やっぱこれって、奈緒さん怒ってるんじゃないのか？

「あの……怒ってます？」

「『怒ってる』って言ったら、やってくれるの？」

「いや、それはヤラないッス」

「じゃあ、怒ってない」

怒ってないか。

「こう言うの辞めましょうよ。ねっ、ねっ、奈緒さん」

「良いよ。その代わり、一生クラとはＨしない。……それでも良い？」

「ヤです」

「じゃあ、やって」

「ヤです」

「やって!!やって!!やって!!やって!!」

「駄々っ子ですか!!つぅか、なんでそこまでして、そんな事をやらせたいんですか？」

「えぇ～～～、だって、アレ、滅茶苦茶格好良いじゃない」

「はぁ？」

なぁ……これのどこが格好良いんだ？

つぅか、海辺でチンコ丸出しにして、彼女の前でオナニーなんぞ、逆に格好悪くねぇか？

寧ろ、ただの変態じゃん。

「いや、なにが、格好良いんッスか？」

「うん？敢えて、こんな所で、そんな事をして貰ったら『愛して貰ってるなぁ』って思うじゃん。だから格好良いの」

「訳わかんないんッスけど？」

「なんでよぉ？じゃあ、逆に聞くけど。私が此処でオナニーした時、君はどう思ったの？」

「あっ!!……いや、それは、その『愛されてるなぁ』って思いました」

「ほら、自分で答えを言ってるじゃん」

まぁ、そうかも知れんから、否定はしねぇがな。

女の子がやるのと、男がやるんじゃ、価値が違い過ぎやしませんかい？

大体ッスね、女の子は、男なんぞより体裁を気にし……あぁダメだ。

これ言ったら１００％自爆だ。

なんか違う方法を考えて、奈緒さんを説き伏せよう。

「いや、ほら、奈緒さんは女の子だから解んないかも知れないッスけど。男の『それ』って、結構、デリケートなもんでッスね。オカズが無いと出来無いもんなんッスよ」

「くすっ……じゃあ、これでどぉ？」

奈緒さんは、邪悪な笑いを浮かべて、俺の眼の前で一回転する。

すると、俺を嘲笑うかの様に、パンツがチラッとだけ上手い具合に見えた。

……不覚!!

聞くな!!

なにが有ったかは、想像に任せるからよ……

(↑無様なまでに、一撃で『勃起』しただけ……)

うわ～～～～ん!!俺の『息子』の馬鹿!!

「ふふ～ん。はい、どうぞ♪」

「……お願いしますから、もぉ許して下さい」

「ぶぅ、見せ損だ」

「じゃあ、あの、今度、なんでも言う事を聞きますから。……あぁ但し『これ』は無しですよ」

「しょうがないなぁ。じゃあ、それでチャラにしてあげるよ。……っで、結果的には、どっちに行くの？」

「あぁっと、じゃあ、奈緒さん家で……」

「……ヘタレめ」

奈緒さんが、ボソッと何かを言った。

俺は聞き逃したので、確認する事にした。

……だってよ。

今の状況じゃ、なにを言ったか解らないのは、非常に危険だからな。

「なんか言いましたか？」

「ヘタレって、言ったのよ。このヘタレ!!」

「つんまてん……」

結局、この場は、俺が自分のヘタレっぷりを謝罪して事無きを得たんだが……

この後、奈緒さんの家に行って、何故かＨをする方向の話になったんだがな。

この人な……散々、俺のチンコを弄んで、イク寸前に成ったら、絶対にイカさない様するんだよな。

しかも、そのやり口ってのが強烈で……竿には触れずに、敏感な亀頭だけを集中して弄繰り回すんだよ。

これってな、スゲェ気持ちが良いんだけど、イキそうでイカない。

どんだけやられても、快楽だけが先行して、何故か射精にだけは至らないんだ。

正に、快楽が永遠に続く『亀頭攻め』地獄だった。

……っで。

そんな意地の悪い事を平気でしていた当の本人である奈緒さんは、と言うとだな。

自分だけは一回イッたらな。

俺を見捨てて、スッキリした顔をして、さっさと寝ちまいやんの……

結果、俺は、彼女の家に行って、彼女が横で寝ているにも拘らず。

性欲を抑えきれずに×回も、自分で『自慰行為』に耽る羽目になった訳だ。

正に、海辺じゃなくて、彼女の家で『ぴゅ～～～ぴゅ～～～』ですよ。

こうなったのは、勿論、奈緒さんが意地の悪いのが原因の１つなんだが、そうだと解っていても、これは、人として耐え難いものがあった。

心の奥底から情けなくて……涙出てくらぁ!!

……でな。

俺、此処でフッと思った訳なんだけどな。

奈緒さん、海辺で色んな事を、俺に語っていたけどな。

『やっぱり、怒ってねぇか？』

『いや、明らかに怒ってるだろ』って結論に行き着いた訳だ。

けど、本当の意味で、此処で一番学ばされた事はだな。

こんな冷酷で残酷な仕打ちにも似た『性的な意地悪』をされるぐらいならな。

……もぅ『浮気は懲り懲りだよ』って事だ。

反省だよ、反省。

奈緒さん、もぉ２度としないから許しちくり!!

しかし、反応はなく。

横で可愛らしい寝顔で眠っている、奈緒さんの安らかな寝息だけが聞こえてた……

くっそぉ～～～!!あんな意地の悪い事を、平気な顔をしてするクセに可愛いなぁ!!

……もぅ一回、抜いとくかな？

＊＊＊

　こうやって、俺のクズ思考は衰える事を知らず。

奈緒さんを眺めてズッと勃起したまま、気付けば、朝を迎える羽目に成った。

うぉ!!今日、文化祭なのに一睡も出来てねぇ～～～!!

こんな事で大丈夫なのか、俺？

そんな深い『自業自得』感と、得も言えぬ『不安』感だけが残る。

……地獄だ。

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>

これにて、第一章・第十一話『思考回路の違い』はお仕舞なのですが……如何でしたでしょうか？

結局は、最後は奈緒さんにオチョクラレテ終わってしまった回だったのですが。

そこに至るまでの奈緒さんの思考は、かなり格好の良い考えだったと思いますです。

まぁただ……こんな調子で倉津君は、明日から始まる文化祭は大丈夫なんですかね？

って事でして。

長い長い準備期間を経て、とうとう文化祭が開始されます♪

そしてお題は!!『表裏文化祭(序)』っとなりますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ～～～(੭ु´･ω･`)੭ु⁾⁾