●前回のおさらい●
ちょっとしたアクシデントがあった後。
倉津君達が演奏をし……そして、終わった。
さてさて、その評価のほどは?
『『『『『わぁぁあぁぁあぁ~~~、なんだよこれ!!まじで最高じゃん!!もぉ死んでも良いぐらい最高だわ!!』』』』』
校舎自体がビリビリと揺れ動く程の、地響きにも似た大きな歓声が会場内に巻き起こる。
それに伴って、波の様に押し寄せてくる拍手の渦が、意識の飛んでいた俺の正気をキッチリ取り戻させてくれた。
そんな風に俺が気が付いた時には、熱気と熱狂が会場に渦巻いていた。
……って事はだな。
意識を飛ばしてたから状況は良くは解らんが、取り敢えずは、上手く行ったのかのぉ?
(↑相変わらずの無責任な俺)
『『『『『アンコール!!アンコール!!アンコール!!アンコール!!アンコール!!……』』』』』
おっ!!この様子なら、なんとか大丈夫そうな雰囲気だな。
それに、声援以外にも、これだけのアンコールが掛かってるなら、無事に演奏を終えたと考えても過言は無いだろ。
あぁ、けど、そうやってアンコールをして貰うのは非常に有り難いんだが……アンコール自体は無理だな。
現状じゃ、どうやっても出来ねぇぞ。
いやまぁ、これは、先持って言って置くがな。
これはなにも『ケチ』で、こんな事を言ってる訳じゃねぇんだぞ。
こんだけ盛大にアンコールを貰ってるんだから、俺としては、その観客の気持ちに応えてやりたい気持ちは大にしてあるんだぞ。
これ、まごう事無き本心な。
けどよぉ。
カジとグチとの基本的な練習は、完全に、この一曲に絞ってやってたもんだから、幾らアンコールして貰っても、他の曲を奏で様にも奏でられないんだよな。
それ故に、幾ら気持ち的にはやりたいと思っても、これ以外の曲が演奏出来ねぇんじゃ、アンコールに応え様がねぇってもんだ。
まぁ、早い話だな、俺たちゃ、情けない話だが、これしか演奏出来ねぇの。
こんなに期待して貰ってるのに、一曲しか演奏出来ねぇ雑魚バンドで……すまんのぉ。
けど、それ以前に、コンテストでアンコールなんて聞いた事もねぇけどな(笑)
『『『『『アンコール!!アンコール!!アンコール!!アンコール!!アンコール!!……』』』』』
『『『『『アンコール!!アンコール!!アンコール!!アンコール!!アンコール!!……』』』』』
『『『『『アンコール!!アンコール!!アンコール!!アンコール!!アンコール!!……』』』』』
『『『『『アンコール!!アンコール!!アンコール!!アンコール!!アンコール!!……』』』』』
……って、オイオイ、オイオイ、マジで勘弁してくれよ。
アンコールなんぞ放っときゃいずれ終わると思ってたけど、なんか、このアンコール鳴り止まないぞ……
マジで、どうすんだよ、これ?
違う意味で収集がつかなくなってんじゃん。
まぁ、つってもだな。
俺達が、アンコールを、全く出来ない状態だとしてもだな。
これ自体は、俺等を褒め称えるコールだから、俺としては、遠慮なく、幾らでも続けてくれても構わねぇんだけどな。
それにだ、この事態を収拾をつけるのは、俺達、バンドマンの仕事じゃないしな。
それ自体が、金を貰って、此処の責任者として雇われてるMCの勤めだからな。
……つぅ事でだ。
頑張れケン山本!!負けるな伊藤!!
そして……さっきみたいに、なんとかしろ素直!!
……俺は、コンテストにエントリーして演奏しただけだから知らんぞ。
(↑THE無責任な俺)
……って、訳にもいかねぇか。
だってよぉ。
司会をしている由佳・伊藤・木根はおろか、素直や、ケン山本まで、どうして良いか解らなくなってオロオロしてる様じゃ、話になんねぇもんな。
はぁ……もぉ面倒臭ぇなぁ……
「お~~~い、皆さん方よぉ。申し訳ねぇんだが、そうやってアンコールして貰っても、アンコールは無理だからな」
「うぉ!!なんでだよ、魔虎兄貴!!そんなつれねぇ事を言わずにアンコール・プリーズだぜ!!なぁロン」
「あぁ!!モヒィの言う通りだぜ兄貴!!プリーズ・プリーズ!!せめて後一曲だけでも良いから演奏してくれよ!!」
「いや、根本的に無理だから。……ってか、正直言えば俺等はな。この一曲しか練習してねぇから、後は、なんにも弾けねぇのな。だから、待てど暮らせど弾いてやれねぇの」
「えぇえぇ~~~~」
「『えぇ~~』じゃねぇし」
「ぶぅ~~~~~」
「豚語わかんねぇし。……まぁ兎に角だ。後のライブ予定も詰まってんだからよぉ。そろそろ、もぉこの辺にしとけ」
「「ちぇ!!」」
おっ……漸く、聞き分けの無い馬鹿共が、俺の言う事を、ちょっとは聞く様になりやがったな。
これで、ちょっとは大人になれたなモヒ&ロンよ。
序にだ、この2人との会話を聞いていた聴衆も、アンコール自体が無駄だと知り、会場全体が段々と収まりが付いて行く。
よしよし、これでみんなも、晴れて大人の仲間入りだな。
つぅか、やるぅ俺!!
……な訳が無いよな。
この程度の揉め事を収拾した程度で済むなら、最初に『酷い飛び火が掛かって来た』なんて言葉は使わねぇよな。
当然の如く……此処から、予想外以上の悪い展開が起こる。
それは、1人のメイド服を着た女の子が、VIP席から、会場に飛び込んで来た事が始まりだった。
もぉ、この人だけは……
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>
演奏自体は好評を博した上で、観客の説得にも成功した倉津君なのですが……それで終わる筈がありません(笑)
さぁ、ステージに駆け上がってきた人物は、だ~~れだ?(笑)
次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。
また良かったら遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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