最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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1117 想いを受け入れられない

公開日時: 2024年2月25日(日) 00:21
文字数:2,234

●前回のおさらい●


 素直ちゃんが3B-GUILDに参入した理由は、たった1つ。

『倉津君が喜んでくれると思ったからこそ、参入を決意した』と言う事実が、彼女の口から白日の下の晒された。


その真実を知った倉津君は……

「すっ、すまん、素直」

「謝らなくて良いんです。これは、僕が勝手に思い込んでやった事ですから、真琴君になんの責任も有りません」

「けど、それじゃあ……」

「良いんです!!これは僕が馬鹿だから……勝手に思い込んだ結果なんです。……だから、真琴君は謝らないで……」

「……素直」


まいったなぁ。

謝罪すら許して貰え無い程、素直は思い込んでいたみたいだな。


それだけに俺には、素直に掛ける言葉が見つからない。


そう思って、少し俯いていると……



「……でも……でも、そんな僕の事を、少しでも哀れだと思って貰えるなら……僕を……僕を、今、此処で抱いて下さい。……この哀れで馬鹿な女を慰めて下さい」


なっ!!

俺が沈黙していたら、そんな思いも拠らない様な言葉を発した後、素直は着ている衣服を脱ぎ始めた。


ちょ……



「オッ、オイ、素直!!ちょっと待てって!!ヤメロって!!そんな事を易々とするな!!そんな事をしたってなにも解決しないだろ!!」

「解決しますよ。……僕は、ズッと真琴君に、そうして欲しかった。向井さんって言う彼女が居るにも拘らず、僕はズッと、そうして欲しかった。浅ましい女だと思ってくれても構いません。でも『僕に対して悪いなぁ』って思う罪悪感が少しでも有るなら、たった一度だけ、僕だけを見て下さい。……お願いします真琴君」

「ヤメロ、素直……俺には、そんな真似は出来無いんだ。こんな事でオマエを傷付けたくなんかないんだ」

「これは傷じゃないです」

「えっ?」

「僕は真琴君との思い出を体に刻み込みたいだけなんです。だから真琴君に少しでも座悪感があるのなら、僕の願いを叶えて思い出を下さい。僕は、それだけで満足しますから。もぉ2度と、こんな馬鹿な真似はしませんから、1度だけ、もう1度だけ僕と過ちを犯して下さい」


あぁもぉ……こんな場面、一体どうしたら良いんだよ?

素直自身が、これが過ちだと解っている上で、こう言う関係を求められたら、どう対処すれば良いのかなんて、何処をどう捻ろうとも対応策なんて出てこない。


いや寧ろ、俺にはなにも思い付かない。


けど……こうしてしまっている素直の気持ちだけは解らない訳でもない。

コイツは、誰に褒められる事もなく、ズッと俺だけの為に我慢して必死に頑張ってくれてた。

その上で、いつまで経っても、なにも気付かない俺に対するストレスが爆発してしまい、こう言う結果に成ってしまっているんだろうしな。


そんな理由があるだろうからこそ俺は、そんなコイツの気持ちを踏み躙る事なんて出来無い。


だが、そうやって素直の願いを叶えると言う事は、当然、奈緒さんを裏切る事になる。

これは、なにがあっても出来無い。

いや寧ろ、絶対にやっちゃいけない事だ。


出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い…………


現状の俺では、なに1つとして今の素直に対してなにもしてやれない!!


そんな俺は……一体なんなんだ?



「止めてくれ、素直。頼むからそう言うのは止めてくれ」

「此処までしてもダメなんですか?」

「そうじゃなくて……」

「それは僕の胸が歪に大きいから嫌なんですか?チンチクリンのチビだから抱くのも嫌なんですか?」

「違っ……」

「だったら僕……一体どうしたら、真琴君に見て貰えるの?こんなにも嫌われる様な体にしか成れないんなら、もぉ死にたい。なんで僕は……こんなにも魅力のない、なにもかもダメな女にしかなれないの?こんなにも真琴君の事が好きなのに、何1つとして気に入って貰えないなんて、僕は一体なんの為に生きてるの?……もぉヤダ……こんな体なんていらない!!うわ~~~~~ん!!」


違う!!

なんでオマエが、そんな卑屈に成る必要が有るんだよ。



「素直、そうじゃねぇんだよ。俺は、オマエの事も好きだし、本当に魅力的な女性だと思ってる」

「だったら!!」

「けど、例えそうであっても、奈緒さんは裏切れねぇ。だから俺は、オマエを抱いてやる事は出来ねぇんだよ。もぉ前みたいな事に成るのは、お互い嫌だろう」

「うっ、うっ……だったら、向井さんなんか嫌いだ」

「えっ?」

「死んじゃえ!!死んじゃえ!!なんであの人はこの世に存在するの?なんであの人は、僕と同じ時代に生まれてきたの?向井さんさえ居なければ、僕みたいな女でも、少しぐらいなら真琴君に見て貰えたかもしれないのに……嫌い。自分一人だけ真琴君に愛され続けてる姿を、僕に見せ付けて来る向井さんなんか大嫌いだ!!消えてなくなってしまえば良いんだ!!」


少し奈緒さんの話題が出ただけで、ここまで怒りが爆発してしまう程、素直は、この件について思い詰めてたのか……


以前からそう言う気質はあったものの、まさか此処までとは気付いてやれなかった。


なのに俺は……そうだと解った今でも、素直には何もしてやれない。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>


素直ちゃんを大事に思う気持ちはあっても、もう二度と奈緒さんを裏切る様な真似はしたくない。

この気持ちが彼の此心に葛藤の渦を作り出し、完全にどうして良いか解らない状況に成ってしまっていますね。


これは現実で起こっても厳しい状況なので。

なにも倉津君だけが混乱してしまうと言う訳ではないと思います。


そして、この事象こそが眞子の言っていた『素直ちゃんとの関係を清算しなきゃいけない状況』


果たして倉津君は、この状況を乗り切る事が出来るのか?

そして仮に、どうにもならない状況に成ってしまった場合、なにかしろの助け船は出るのか?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


因みになんですが、次回からは、この問題に第三者の視点を入れる為に眞子視点に成りますです。

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

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