●前回のおさらい●
素直ちゃんが3B-GUILDに参入した理由は、たった1つ。
『倉津君が喜んでくれると思ったからこそ、参入を決意した』と言う事実が、彼女の口から白日の下の晒された。
その真実を知った倉津君は……
「すっ、すまん、素直」
「謝らなくて良いんです。これは、僕が勝手に思い込んでやった事ですから、真琴君になんの責任も有りません」
「けど、それじゃあ……」
「良いんです!!これは僕が馬鹿だから……勝手に思い込んだ結果なんです。……だから、真琴君は謝らないで……」
「……素直」
まいったなぁ。
謝罪すら許して貰え無い程、素直は思い込んでいたみたいだな。
それだけに俺には、素直に掛ける言葉が見つからない。
そう思って、少し俯いていると……
「……でも……でも、そんな僕の事を、少しでも哀れだと思って貰えるなら……僕を……僕を、今、此処で抱いて下さい。……この哀れで馬鹿な女を慰めて下さい」
なっ!!
俺が沈黙していたら、そんな思いも拠らない様な言葉を発した後、素直は着ている衣服を脱ぎ始めた。
ちょ……
「オッ、オイ、素直!!ちょっと待てって!!ヤメロって!!そんな事を易々とするな!!そんな事をしたってなにも解決しないだろ!!」
「解決しますよ。……僕は、ズッと真琴君に、そうして欲しかった。向井さんって言う彼女が居るにも拘らず、僕はズッと、そうして欲しかった。浅ましい女だと思ってくれても構いません。でも『僕に対して悪いなぁ』って思う罪悪感が少しでも有るなら、たった一度だけ、僕だけを見て下さい。……お願いします真琴君」
「ヤメロ、素直……俺には、そんな真似は出来無いんだ。こんな事でオマエを傷付けたくなんかないんだ」
「これは傷じゃないです」
「えっ?」
「僕は真琴君との思い出を体に刻み込みたいだけなんです。だから真琴君に少しでも座悪感があるのなら、僕の願いを叶えて思い出を下さい。僕は、それだけで満足しますから。もぉ2度と、こんな馬鹿な真似はしませんから、1度だけ、もう1度だけ僕と過ちを犯して下さい」
あぁもぉ……こんな場面、一体どうしたら良いんだよ?
素直自身が、これが過ちだと解っている上で、こう言う関係を求められたら、どう対処すれば良いのかなんて、何処をどう捻ろうとも対応策なんて出てこない。
いや寧ろ、俺にはなにも思い付かない。
けど……こうしてしまっている素直の気持ちだけは解らない訳でもない。
コイツは、誰に褒められる事もなく、ズッと俺だけの為に我慢して必死に頑張ってくれてた。
その上で、いつまで経っても、なにも気付かない俺に対するストレスが爆発してしまい、こう言う結果に成ってしまっているんだろうしな。
そんな理由があるだろうからこそ俺は、そんなコイツの気持ちを踏み躙る事なんて出来無い。
だが、そうやって素直の願いを叶えると言う事は、当然、奈緒さんを裏切る事になる。
これは、なにがあっても出来無い。
いや寧ろ、絶対にやっちゃいけない事だ。
出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い、出来無い…………
現状の俺では、なに1つとして今の素直に対してなにもしてやれない!!
そんな俺は……一体なんなんだ?
「止めてくれ、素直。頼むからそう言うのは止めてくれ」
「此処までしてもダメなんですか?」
「そうじゃなくて……」
「それは僕の胸が歪に大きいから嫌なんですか?チンチクリンのチビだから抱くのも嫌なんですか?」
「違っ……」
「だったら僕……一体どうしたら、真琴君に見て貰えるの?こんなにも嫌われる様な体にしか成れないんなら、もぉ死にたい。なんで僕は……こんなにも魅力のない、なにもかもダメな女にしかなれないの?こんなにも真琴君の事が好きなのに、何1つとして気に入って貰えないなんて、僕は一体なんの為に生きてるの?……もぉヤダ……こんな体なんていらない!!うわ~~~~~ん!!」
違う!!
なんでオマエが、そんな卑屈に成る必要が有るんだよ。
「素直、そうじゃねぇんだよ。俺は、オマエの事も好きだし、本当に魅力的な女性だと思ってる」
「だったら!!」
「けど、例えそうであっても、奈緒さんは裏切れねぇ。だから俺は、オマエを抱いてやる事は出来ねぇんだよ。もぉ前みたいな事に成るのは、お互い嫌だろう」
「うっ、うっ……だったら、向井さんなんか嫌いだ」
「えっ?」
「死んじゃえ!!死んじゃえ!!なんであの人はこの世に存在するの?なんであの人は、僕と同じ時代に生まれてきたの?向井さんさえ居なければ、僕みたいな女でも、少しぐらいなら真琴君に見て貰えたかもしれないのに……嫌い。自分一人だけ真琴君に愛され続けてる姿を、僕に見せ付けて来る向井さんなんか大嫌いだ!!消えてなくなってしまえば良いんだ!!」
少し奈緒さんの話題が出ただけで、ここまで怒りが爆発してしまう程、素直は、この件について思い詰めてたのか……
以前からそう言う気質はあったものの、まさか此処までとは気付いてやれなかった。
なのに俺は……そうだと解った今でも、素直には何もしてやれない。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>
素直ちゃんを大事に思う気持ちはあっても、もう二度と奈緒さんを裏切る様な真似はしたくない。
この気持ちが彼の此心に葛藤の渦を作り出し、完全にどうして良いか解らない状況に成ってしまっていますね。
これは現実で起こっても厳しい状況なので。
なにも倉津君だけが混乱してしまうと言う訳ではないと思います。
そして、この事象こそが眞子の言っていた『素直ちゃんとの関係を清算しなきゃいけない状況』
果たして倉津君は、この状況を乗り切る事が出来るのか?
そして仮に、どうにもならない状況に成ってしまった場合、なにかしろの助け船は出るのか?
次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
因みになんですが、次回からは、この問題に第三者の視点を入れる為に眞子視点に成りますです。
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