最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
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604 どこのセレブやねん!!

公開日時: 2022年10月3日(月) 20:55
更新日時: 2023年1月15日(日) 13:16
文字数:3,176

●前回のおさらい●


 崇秀のお陰で、なんとか生理の痛みを抑える事が出来た倉津君。

だが、それと同時に、倉津君を女性にしてしまった罪悪感が再び崇秀を襲う。


それを見てられない倉津君は……


「いやいや、だからなんで、オマエが凹むんだよ。……つぅか、この痛み止めの薬、マジで良く効くよな。痛みが、かなり引いたぞ」

「あぁ、それな。それはオマエ、親父が処方してもんだから、普通の『市販品』より効力が高いし、健康的にも害がない。……付け加えるなら、薬に依存しても効力は薄れないって言う、中々スペシャルな物だからな」

「オイ、ちょっと待て……オマエの親父さんが作った物って、本当に大丈夫なのかよ、これ?」


不安だ……

コイツの親父って本当にロクでもないから、なにを作ったもんかわかったもんじゃねぇ。

この間の睡眠誘発剤が俺にとっては『女になる薬』だった訳から、この薬を飲んで、翌朝目が覚めたら『毒虫』とかに成ってる可能性も無きにしも非ずなんだよな。


そんな事に成るなら、いっそ『生理』を一生我慢した方がマッシってもんだぞ。


つぅか……痛みの余り、もぉ飲んじまったから、今更どうしょうもねぇけどな。



「あぁ、まぁ、そんな心配しなくても十中八九、大丈夫だろ」

「そうなん?でも、なんで十中八九なん?」

「あぁまぁ、なんつぅか。それ自体は、生理のキツイ人を対称にして、何人も試した漢方だから、基本的には安心なんだがな。オマエの場合は、常人が使っても、正確なデータを取れたとは言えねぇんだよ」

「あぁ……確かに、そうだな。嫌過ぎるな、俺の体」

「いやまぁ、そうは言っても、市販品使うよりは100倍以上マッシだぞ。なんせ、普通のものだと、飲み続ければ効力が落ちるし、依存性も高い。……それにだ。仮に効果が持続したとしても、効果が有る分、リスクも高い。そっちの方が、俺としちゃあ、お薦め出来無いんだけどな」

「そう……なんだ」


この崇秀の言う、生理の痛み止めの話は少し心当たりが有るな。

なんてたってウチの新しい母親の友美さんは、生理の痛みが露骨に表情に出るぐらい生理がキツク。

生理になる度に『市販の痛み止め薬』を常用してるもんな。


そんで此処最近は、その効果が薄くなって来てるのか。

友美さんは生理が始ったら、部屋に閉じ篭って出て来なくなる日すらある。


なるほどなぁ。

ホント、解れば、解る程、女って大変だな。



「まぁつっても。それ、漢方だから、その1錠で5000円ぐらいコストが掛かってるんだけどな」

「ぶっ!!」


なにぃ!!一回の生理痛を抑えるだけで『5000円』ですか?


これはまた、とんでもなくハイ・コストな漢方薬だな。



「オイオイオイオイ、そんなに高いのかよ?」

「まぁ、ユーザーが増えて量産体制でも出来りゃ、コストの値下げも出来るだろうが。今の処は、最低限でも、それぐらい掛かってるな」

「オマエねぇ。……そう言う事は、先に言えっての」

「なんでだよ?俺、オマエに、ちゃ~~んと言った筈だぞ。女の間に掛かる金は『俺が全額負担する』ってな」


コイツ、自腹か……


そんな事を言われたら、余計に気を使うわ!!


つぅか!!オマエの話じゃ、生理って、今日から3~7日続くんだろ。

それ=日にち×5000で、最高、一回の生理で35,000円も掛かちまうじゃねぇかよ!!


一般家庭で考えりゃ、ハイ・コストも良い所だな。


ってか、こんなもんを常用出来るなんざ、どこのセレブやねん!!



「ちょっと待てって、幾らなんでも、生理1つで、そのコストは掛かり過ぎだろ」

「いいや、そうでもないんだよ」

「なんで?」

「……いや、これ、実はな。結構、特殊な漢方でな。体内での滞在期間が長いから、大体、一回一錠飲むだけで、一回の生理が終わるまで効果が続くんだよ。だから、生理が始っても、一回一錠で済むんだよな」

「なに?それって、どういう原理なん?」

「あぁ……ちょっと説明が難しいが、聞くか?」


……難しいの?


じゃあ、辞める。

どうせ聞いてもわかんねぇもんよ。



「……いや、遠慮する」

「あっそ。……まぁ取り敢えずだ。そんな事よりも、今日一日は、兎に角、ゆっくりしてろ。生理に慣れたら、検査に付き合って貰わねぇとイケネェからな」

「なんかスマンな。……それに、その件、スッカリ忘れてた」

「いや、問題ねぇよ。女に成り立てのオマエに『それをしろ』って言う方が酷だったからな。少しでも生理が楽になってきたら、明日にでも行きゃ良いんじゃねぇの」

「なんかオマエ。……妙に優しいな」

「そっかぁ?いつもと変わんねぇけどな」


いやいやいやいや、男だった時の俺を扱う態度とは、明らかにが違うだろ。


いつもなら、容赦なく、もっとボロカスに言うじゃんかよ。


・・・・・・


なんだ?

ひょっとして、俺に逢ってみたら『モブ女』じゃなかったから、急に優しくしてるのか?


惚れたか?惚れたのか?


うむ……確認序に、からかったろ。



「いや、明らかに優しいぞ。まるで、彼女を扱ってるみたいだ」

「彼女ねぇ……」

「オマエさぁ。実は、俺に一目惚れとかしたんじゃねぇの?」

「ふむ。……まぁ、一目惚れの線は無しとしても。恋愛対称として見るなら、それも悪くねぇかもな。いや、寧ろ、良いんじゃねぇの」

「はぁ?」

「いや、考え様によっちゃあ、それも悪くねぇなぁって思ってよ」


へっ?


嘘だろ?

マジで……あの天下無双の女誑し仲居間崇秀が、俺に惚れちゃったの?


スゲェな倉津眞子!!


けど、死ぬ程ヤダ!!



「なんで?……なんでだよ?なんで、そんな奇妙な心情になる?」

「いやな。なんて事ぁない話なんだがな。オマエってさぁ、結構、俺とは長い付き合いだろ。だから、俺の事を誰よりも良く解ってる。だったらお互い、必要以上に干渉しねぇ訳じゃん。そう言うの、気楽で悪くねぇと思うんだけよな」


そこか。


けど、やっぱり……



「いやいやいやいや、冗談だよ冗談。無理無理」

「あぁ、心配しなくても、俺も冗談だ。……誰が、オマエみたいな馬鹿女を、好き好んで彼女にするかよ。死んでもお断りだモブ」


はい?



「こっ……この野郎ぉ~~~!!からかいやがったな!!」

「あぁ、からかったな。……つぅか、モブ女のくせに調子にのんな。俺と付き合おうなんて厚かましい思考は、ビッグバーンから考え直した方が良いぞ」


酷い……


そこまで逆戻りしないと、ダメなのかよ!!


ドンだけ、人としての価値がねぇんだよ……


俺はゴミか?塵か?芥か?

『まるで倉津はゴミの様だ』っとでも、再度、某ムスカに言わせたいのか?


うわ~~~ん!!屈辱!!



「ムカツク野郎だな。こんな可愛い子を捕まえて、良くも、そんな惨い事が言えたもんだな。泣くぞ!!」

「勝手に泣け……モブ。俺の知った事か」

「モブって言うな!!」

「じゃあ、モブ以下の背景か?それとも壁の落書きか?」


腹が立つ……


どこをどう見たら、俺が、背景や、壁の落書きレベルなんだよ?


良く見ろつぅの!!

かなり可愛いつぅの!!



「オマエなぁ……」

「つぅか。それだけ元気があれば、明日は、まず大丈夫そうだな」

「えっ?へっ?あぁはい?」

「……んじゃま、用事も済んだ事だし。俺、まだ、これからやる事が有るから、そろそろ帰るな」


オイオイ、果てしなく、自分勝手な野郎だな。


散々人を馬鹿にした上に、言いたい事を言ったら、直ぐに帰るのかよ!!



「オイオイ、人のテンション上げて置いて、急に帰るなよ……」

「オマエに付き合うのは、ほとほと飽きた。時間の無駄だ。それに俺は忙しいの」

「こんな時間から、なにするって言うんだよ?」

「んあ?んなもん決まってるだろ。研究で遅れた分の勉強を、今の内に取り戻すんだよ」

「オマエ、馬鹿じゃねぇの?マジで、ちょっとは自分の体も労われよな」

「ヤダね。そんな事して、なんの意味がある?時間の浪費は、人生の浪費だ。それを俺に敢えてしろだなんて、正気の沙汰じゃねぇぞ」


なんで、そんなに生き急ぐんだ?

ってか、なにがコイツを、此処まで突き動かすんだろうな?


前々から酷い悪性の病気だと思っていたが、此処まで酷いとなると、なにか正式な理由がある様に思えるんだが……


メッチャ怖いけど聞いてみよ。


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


今回崇秀が使用した漢方の説明をしたかったのですが。

アホの倉津君が、それを拒んでしまったので、今回は辞めて置きますです。


それをすると、説明ばかりに成っちゃいますしね(笑)


さてさて、そんな中。

崇秀の悪性の病気が、またしても発動してしまったので。

そこについて、チャレンジャーの倉津君が、なにやら問う様な雰囲気に成ってきましたので。

次回は、その辺について語って行こうと思います。


なので、少しでも興味を持って頂けましたら、是非、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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