●前回のおさらい●
崇秀のお陰で、なんとか生理の痛みを抑える事が出来た倉津君。
だが、それと同時に、倉津君を女性にしてしまった罪悪感が再び崇秀を襲う。
それを見てられない倉津君は……
「いやいや、だからなんで、オマエが凹むんだよ。……つぅか、この痛み止めの薬、マジで良く効くよな。痛みが、かなり引いたぞ」
「あぁ、それな。それはオマエ、親父が処方してもんだから、普通の『市販品』より効力が高いし、健康的にも害がない。……付け加えるなら、薬に依存しても効力は薄れないって言う、中々スペシャルな物だからな」
「オイ、ちょっと待て……オマエの親父さんが作った物って、本当に大丈夫なのかよ、これ?」
不安だ……
コイツの親父って本当にロクでもないから、なにを作ったもんかわかったもんじゃねぇ。
この間の睡眠誘発剤が俺にとっては『女になる薬』だった訳から、この薬を飲んで、翌朝目が覚めたら『毒虫』とかに成ってる可能性も無きにしも非ずなんだよな。
そんな事に成るなら、いっそ『生理』を一生我慢した方がマッシってもんだぞ。
つぅか……痛みの余り、もぉ飲んじまったから、今更どうしょうもねぇけどな。
「あぁ、まぁ、そんな心配しなくても十中八九、大丈夫だろ」
「そうなん?でも、なんで十中八九なん?」
「あぁまぁ、なんつぅか。それ自体は、生理のキツイ人を対称にして、何人も試した漢方だから、基本的には安心なんだがな。オマエの場合は、常人が使っても、正確なデータを取れたとは言えねぇんだよ」
「あぁ……確かに、そうだな。嫌過ぎるな、俺の体」
「いやまぁ、そうは言っても、市販品使うよりは100倍以上マッシだぞ。なんせ、普通のものだと、飲み続ければ効力が落ちるし、依存性も高い。……それにだ。仮に効果が持続したとしても、効果が有る分、リスクも高い。そっちの方が、俺としちゃあ、お薦め出来無いんだけどな」
「そう……なんだ」
この崇秀の言う、生理の痛み止めの話は少し心当たりが有るな。
なんてたってウチの新しい母親の友美さんは、生理の痛みが露骨に表情に出るぐらい生理がキツク。
生理になる度に『市販の痛み止め薬』を常用してるもんな。
そんで此処最近は、その効果が薄くなって来てるのか。
友美さんは生理が始ったら、部屋に閉じ篭って出て来なくなる日すらある。
なるほどなぁ。
ホント、解れば、解る程、女って大変だな。
「まぁつっても。それ、漢方だから、その1錠で5000円ぐらいコストが掛かってるんだけどな」
「ぶっ!!」
なにぃ!!一回の生理痛を抑えるだけで『5000円』ですか?
これはまた、とんでもなくハイ・コストな漢方薬だな。
「オイオイオイオイ、そんなに高いのかよ?」
「まぁ、ユーザーが増えて量産体制でも出来りゃ、コストの値下げも出来るだろうが。今の処は、最低限でも、それぐらい掛かってるな」
「オマエねぇ。……そう言う事は、先に言えっての」
「なんでだよ?俺、オマエに、ちゃ~~んと言った筈だぞ。女の間に掛かる金は『俺が全額負担する』ってな」
コイツ、自腹か……
そんな事を言われたら、余計に気を使うわ!!
つぅか!!オマエの話じゃ、生理って、今日から3~7日続くんだろ。
それ=日にち×5000で、最高、一回の生理で35,000円も掛かちまうじゃねぇかよ!!
一般家庭で考えりゃ、ハイ・コストも良い所だな。
ってか、こんなもんを常用出来るなんざ、どこのセレブやねん!!
「ちょっと待てって、幾らなんでも、生理1つで、そのコストは掛かり過ぎだろ」
「いいや、そうでもないんだよ」
「なんで?」
「……いや、これ、実はな。結構、特殊な漢方でな。体内での滞在期間が長いから、大体、一回一錠飲むだけで、一回の生理が終わるまで効果が続くんだよ。だから、生理が始っても、一回一錠で済むんだよな」
「なに?それって、どういう原理なん?」
「あぁ……ちょっと説明が難しいが、聞くか?」
……難しいの?
じゃあ、辞める。
どうせ聞いてもわかんねぇもんよ。
「……いや、遠慮する」
「あっそ。……まぁ取り敢えずだ。そんな事よりも、今日一日は、兎に角、ゆっくりしてろ。生理に慣れたら、検査に付き合って貰わねぇとイケネェからな」
「なんかスマンな。……それに、その件、スッカリ忘れてた」
「いや、問題ねぇよ。女に成り立てのオマエに『それをしろ』って言う方が酷だったからな。少しでも生理が楽になってきたら、明日にでも行きゃ良いんじゃねぇの」
「なんかオマエ。……妙に優しいな」
「そっかぁ?いつもと変わんねぇけどな」
いやいやいやいや、男だった時の俺を扱う態度とは、明らかにが違うだろ。
いつもなら、容赦なく、もっとボロカスに言うじゃんかよ。
・・・・・・
なんだ?
ひょっとして、俺に逢ってみたら『モブ女』じゃなかったから、急に優しくしてるのか?
惚れたか?惚れたのか?
うむ……確認序に、からかったろ。
「いや、明らかに優しいぞ。まるで、彼女を扱ってるみたいだ」
「彼女ねぇ……」
「オマエさぁ。実は、俺に一目惚れとかしたんじゃねぇの?」
「ふむ。……まぁ、一目惚れの線は無しとしても。恋愛対称として見るなら、それも悪くねぇかもな。いや、寧ろ、良いんじゃねぇの」
「はぁ?」
「いや、考え様によっちゃあ、それも悪くねぇなぁって思ってよ」
へっ?
嘘だろ?
マジで……あの天下無双の女誑し仲居間崇秀が、俺に惚れちゃったの?
スゲェな倉津眞子!!
けど、死ぬ程ヤダ!!
「なんで?……なんでだよ?なんで、そんな奇妙な心情になる?」
「いやな。なんて事ぁない話なんだがな。オマエってさぁ、結構、俺とは長い付き合いだろ。だから、俺の事を誰よりも良く解ってる。だったらお互い、必要以上に干渉しねぇ訳じゃん。そう言うの、気楽で悪くねぇと思うんだけよな」
そこか。
けど、やっぱり……
「いやいやいやいや、冗談だよ冗談。無理無理」
「あぁ、心配しなくても、俺も冗談だ。……誰が、オマエみたいな馬鹿女を、好き好んで彼女にするかよ。死んでもお断りだモブ」
はい?
「こっ……この野郎ぉ~~~!!からかいやがったな!!」
「あぁ、からかったな。……つぅか、モブ女のくせに調子にのんな。俺と付き合おうなんて厚かましい思考は、ビッグバーンから考え直した方が良いぞ」
酷い……
そこまで逆戻りしないと、ダメなのかよ!!
ドンだけ、人としての価値がねぇんだよ……
俺はゴミか?塵か?芥か?
『まるで倉津はゴミの様だ』っとでも、再度、某ムスカに言わせたいのか?
うわ~~~ん!!屈辱!!
「ムカツク野郎だな。こんな可愛い子を捕まえて、良くも、そんな惨い事が言えたもんだな。泣くぞ!!」
「勝手に泣け……モブ。俺の知った事か」
「モブって言うな!!」
「じゃあ、モブ以下の背景か?それとも壁の落書きか?」
腹が立つ……
どこをどう見たら、俺が、背景や、壁の落書きレベルなんだよ?
良く見ろつぅの!!
かなり可愛いつぅの!!
「オマエなぁ……」
「つぅか。それだけ元気があれば、明日は、まず大丈夫そうだな」
「えっ?へっ?あぁはい?」
「……んじゃま、用事も済んだ事だし。俺、まだ、これからやる事が有るから、そろそろ帰るな」
オイオイ、果てしなく、自分勝手な野郎だな。
散々人を馬鹿にした上に、言いたい事を言ったら、直ぐに帰るのかよ!!
「オイオイ、人のテンション上げて置いて、急に帰るなよ……」
「オマエに付き合うのは、ほとほと飽きた。時間の無駄だ。それに俺は忙しいの」
「こんな時間から、なにするって言うんだよ?」
「んあ?んなもん決まってるだろ。研究で遅れた分の勉強を、今の内に取り戻すんだよ」
「オマエ、馬鹿じゃねぇの?マジで、ちょっとは自分の体も労われよな」
「ヤダね。そんな事して、なんの意味がある?時間の浪費は、人生の浪費だ。それを俺に敢えてしろだなんて、正気の沙汰じゃねぇぞ」
なんで、そんなに生き急ぐんだ?
ってか、なにがコイツを、此処まで突き動かすんだろうな?
前々から酷い悪性の病気だと思っていたが、此処まで酷いとなると、なにか正式な理由がある様に思えるんだが……
メッチャ怖いけど聞いてみよ。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
今回崇秀が使用した漢方の説明をしたかったのですが。
アホの倉津君が、それを拒んでしまったので、今回は辞めて置きますです。
それをすると、説明ばかりに成っちゃいますしね(笑)
さてさて、そんな中。
崇秀の悪性の病気が、またしても発動してしまったので。
そこについて、チャレンジャーの倉津君が、なにやら問う様な雰囲気に成ってきましたので。
次回は、その辺について語って行こうと思います。
なので、少しでも興味を持って頂けましたら、是非、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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