●前回のおさらい●
崇秀が、またなにやらGUILD内で、おかしな事を始めたのかして。
奈緒さんの持つGUILDの見解が、半分の正解でしかないと言い出した。
その真相は?
「じゃあ此処で、ちょっと向井さんには、逆に質問してみようか」
「質問ですか?……あぁ、はい、なんですか?」
「じゃあ、率直に聞くけど。……向井さんの中で『GUILD』ってなに?」
「えっ?単純に『音楽サイト』じゃないんですか?」
「ヤッパリな。思った通り『半分の正解』だな。向井さんは、GUILDってものを激しく勘違いしてる」
「えっ?だって……」
まさか……
「じゃあ、なんで、こんな便利なサイトが『音楽サイト』だけだと思えるの?」
「えっ?じゃあ、まさか……」
「はい、今度は、ご名答。『GUILD』は、ただの音楽サイトじゃない」
やっぱりなぁ。
聞いた瞬間、そうだと思ったよ。
……って事はなんですか。
今の、その話からして……
「ねぇ崇秀。ひょっとしてさぁ。他の業種にも着手してたりする?」
「ほぉ、賢いじゃん。そぉ、GUILDは『音楽関係』だけじゃなく。『美容関係』『飲食関係』『IT関係』『雇用関係』……まぁ業種を言い出したら切りがないが、そういう在りとあらゆる業種のスペシャリストを集めて、その全員で運営してるのが『今のGUILD』の正体だな。……まぁつっても。開設当初からある『音楽関係』に比べると、出遅れてる他の業種は、まだまだ規模が小さいけどな」
こっ……この子、やっぱりアホだ!!
なにをどぉ考えたら、いつもいつも、そんな馬鹿げた発想に行き着くんだろ?
それにさぁ、そう言う人達って、どうやって集めたの?
「でも仲居間さん。そう言う人材って、どうやって集めたんですか?」
あっ……余りに馬鹿な話し過ぎて、呆気に取られてる間に、奈緒さんに先に聞かれちゃった。
まぁ、奈緒さんだから良いか。
「んあ?あぁ、基本的には、本人との『直接交渉』……まぁ、俺に時間の無い場合や、場所が離れてる場合は、俺の知り合いの中でも信用出来る専属のスタッフを派遣してるね」
「えぇっと……それって、いつ頃から始めてるんですか?」
「去年の『GUILD』を立ち上げたぐらいだから、確か8月から9月の間かなぁ。まぁ、それ以前から『人集め』の話は、一葉とやってたんだけどね」
「一葉?一葉って、あのモジャモジャの子ですよね」
そぉ、恐らくは、各悪魔が最も信用を置いている『悪魔専用の大幹部』『悪魔達の腹心』の事でしょうね。
そして、言わずと知れた、世の中で最も危険な人物に部類される男ですね。
奈緒さんみたいな良い人は、絶対、近付いちゃダメな存在ですよ。
「そぉそぉ。その一葉が、ネットを通じて、まずは主流になる人物を集め。そこから『枝分かれ』をドンドンと人材を増やしていって……まぁ、現在に至る訳だな」
「へぇ~~~っ。でも、仲居間さんって、ホント、いつも凄い事を考えますよね」
「いやいや、これに関しては、そうじゃねぇよ」
「どうしてですか?」
「いや、これってな。実は、みんなが、普通に考えてる様な一般的な事なんだよな。だから大した話じゃない。けど、それだけに、こうやって沢山の人間が簡単に『共感をしてくれた』んだと思うんだよな。だからな。実際に思い付くのだけだったら簡単。……ただ、余りにも馬鹿げてるから、みんな、行動に移さなかっただけなんじゃないのかな」
「あぁまぁ……確かに『こうなったら良いなぁ』とか言う夢レベルの話でなら、誰でも思い付きますよね」
あぁ……不沈艦だと思われた奈緒さんが、崇秀のたった一撃で見事に沈没した。
攻撃力がハンパじゃないね。
……ってかね。
既に思考レベルが『核ミサイル』並み?
それとも、全てを蒸発させる『気化爆弾』並ですか?
「……さてさて、俺の話は、これでお仕舞い。……っで、向井さん、なんの用?」
「うっ……普通、それを、今、聞きますか?」
「基本的に『後回し』は無し。こうやって、ゆっくりと向井さんの話を聞けるのも、今日だけだからね。俺にやって欲しい事があるんだったら、ちゃんと言ってみ」
いやいや崇秀、今の想像を絶する様な壮大な話を聞かされたら。
自分の悩みとの規模が違い過ぎて、多分、中々言い難い状況だろうと思うんだけど……
だから、意地悪言わずに、ちょっとだけ待ってあげてよ。
……ってか、ちょっとお互いが落ち着く為にも、紅茶でも飲もうよ。
「ねぇ崇秀」
「んあ?」
「取り敢えずなんだけどさぁ。話を、一旦、此処で切り上げて、お茶にしない?今日1日在るんだったらさ。そんなに慌てなくても良いじゃん。……完全に、眼がビジネスモードになってるよ」
「あぁ、確かに、そうだな。向井さんの件は、今日中にケリを付ければ良いだけなんだから。偶には、呑気に行くのも悪かねぇか」
「そぉそぉ『慌てる乞食は貰いが少ない』って言うからね」
「『乞食』は、テメェの、さっきの髪型だろ」
「うっさいよ!!」
なんでそう言う事を言うかなぁ。
まっ、まぁ良いっか……
私の髪型の話が犠牲には成ったけど。
取り敢えずは、崇秀の奈緒さんに向っていた思考が止まっただけでもOKとすべきだね。
なんか、すっごく腑に落ちないけど……
嘘!!……全然、納得出来無いけどね!!
なんて、呑気に、お茶会が始まると思ってたら……
奈緒さんは、突然……
「あぁ……あの……あのですね、仲居間さん」
「んあ?」
「先送りにするのは、私も嫌いなんで、もう今率直に言っちゃいますけど。……仲居間さん、私を買ってくれませんか?」
「ぶうぅぅぅ~~~!!えっ?えっ?えっ?なっ……奈緒さん?」
へっ?
なになになになに?
なに?この急に、天から落下してきた様な爆弾発言?
それ、どういう事ですか、奈緒さん?
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
崇秀によるGUILDの拡大も去る事ながら。
なにやら奈緒さんが『自分を買ってくれませんか?』っと言う、謎の言葉を吐いて、今回の物語はお仕舞に成ったのですが。
この奈緒さんの言葉の真意とは、一体如何なるものなのか?
次回は、その辺りを書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾
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