さぁさぁ、この物語の序章の最期のお話である『第五十話 しまらねぇな』が始まるよぉ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
050【しまらねぇな 一部完】
崇秀が奈緒さんを騙して、俺との事の顛末も話さず、意とも容易く逃亡した。
その逃亡を図る為だけに巡らせた策謀は、メフィスト座のゴールドセイントの名に相応しい、狡猾で素早い動きだった。
あっと言う間に、この部屋から去って行き、その姿を消し、それを見た奈緒さんは唖然とするばかりだった。
これにより、控え室に取り残されたのは、俺と、奈緒さんの2人のみになった。
去れど俺は……崇秀のせいで、俺の体はピクリとも動かず、地べたの這い蹲ったまま。
仰向けに寝転がって、まるで亀の様な無様な格好を、奈緒さんの目の前に晒し続けている。
そんな無惨な俺の姿をジッと凝視しながら、奈緒さんはジワリジワリと近付いてきた。
彼女は、崇秀の逃亡を怒っているのだろうか?
それとも無様に敗北を喫した俺を見て、なにかしろの苛立ちを感じているのだろうか?
どちらにせよ、やや表情は険しい様だ。
そうやって奈緒さんが俺の眼前まで歩いて来ると、彼女は、その場にしゃがみ込み。
更に、俺の顔を覗き込む。
これにより彼女と俺との距離は殆ど0。
彼女の顔は、俺の鼻先数センチまで迫っていた。
事態が事態なだけに、妙なプレッシャーが掛かる状況だ。
「ねぇ、クラ。……それで、仲居間さんとはなにがあったの?君の口から、ちゃんと言ってみ」
矢張り、少し怒ってるいるのだけは間違いない様だ。
言葉の節々には険が見受けられ、それらを現す様な感情も見え隠れしている。
俺は、そんな彼女を目の当たりにして危険を感じる。
故に、当たり障りの無い様な妥当な回答を口にしてみる事にした。
「いや、あの、あれッスよ、あれ、いつものクダラナイ喧嘩ッスよ。だから、ちょっとした意見の喰い違いが、この喧嘩の原因ッスね」
「はぁ……そんな見え透いた嘘を言わないの。そんな程度の事で、あそこまで殴り合う様な関係じゃないでしょ」
「うっ……」
「まぁ、それ以前の問題として、君の嘘なんて小学生でも見抜けるんだからさ。嘘を付くだけ無駄だよ無駄。ちゃんと、本当の事を言ってみ」
「ぐっ」
……どうやら俺の嘘は、小学生でも見抜ける様な稚拙で間抜けなレベルらしい。
それ自体が、もぉ悲しい認識なんだが。
それ以上に悲しいのは、ドンだけ知能レベルが低いんだよ俺!!
……とも嘆きたくなる。
どちらにしても、矢張り、悲しい結末でしかない。
……って、いつの間にか、口が動く様になってるぞ。
これは、蓄積したダメージが回復した証拠か?
いやいや、ちょっと待て……そう言えば、崇秀の奴、扉から出て行く際、最後に『指パッチン』したよな。
まさかとは思うが……そのせいか?
そうやって、タイミングよく動く様になった口の謎すらも深まる。
「クラ。……先に言って置くけどね。あぁやって仲居間さんが逃げた以上、君が、私に、ちゃんと説明しなきゃいけないんだからね。これは義務だからね、義務」
「いや、ホント、なんにも無いッスよ。いつもの他愛も無い喧嘩ッスよ」
「あぁ~~~っそ。君は、そうやって、私にまで隠し事をしちゃうんだ。……いいよ、いいよ、君が、そう言うつもりなんだったら。金輪際、私も、君の質問には一生答えないし、隠し事とかも一杯してやるからね。そのつもりでいなよ」
うぅ……正直、それは困る。
奈緒さんを好き勝手にさせたら、なにを仕出かすか解らない。
それは今までの彼女の行動が大きく物語っている。
兎に角、彼女は放置すると危険な存在だ。
けど……今回の件は、話が話だけに、そう簡単にベラベラと喋る訳にもいかないんだよな。
下手に『崇秀に解雇通告』されたなんて言ったら……奈緒さん、また怒って、崇秀に怒鳴りに行き兼ねないもんな。
どうしたもんだコリャ?
「・・・・・・」
「ほらほら、クラ。……いつまでも隠してないで早く言ちゃいなよ。心配しなくても、私は全部受け入れるからさ。なにがあっても、取り乱さないからさ。ほれほれ、言ってみ」
「・・・・・・」
こう言われると、余計に言い難くなるよな。
以前までの俺だったら、直ぐに、彼女のこの好意に甘えていたんだろうが……今回の事で、少なからず俺は、本当に反省している。
だから、矢張り、此処は甘えるべきではない様に思えて仕方が無い。
「ねぇ、クラ、いつまで待たせるつもりなのよ?……それとも君、本気でなにも言わないつもりなの?」
「あっ……あの、奈緒さん」
「うん?なに?」
俺が言葉を発したら、彼女の怒った様子も消え。
いつもの様に、問い掛けてに応えてくれている。
こういう行為は、奈緒さん特有のものなんだが……妙に安心感を与えてくれる。
本当に彼女の優しさは有り難い。
だけど……それだけに、この奈緒さんの有難い行為に甘えてばかりじゃあいけないよな。
そうやって意を決して俺は!!
「あの……今回の件は、全部、俺が招いた結果なんで、今回だけは、出来れば全て自分で解決したいんッスよ。……だから、非常に申し訳ないんッスけど。今回ばかりは、奈緒さんと言えども口に出しては言えないッス」
この件に関しては、既に『自分自身の覚悟』を決めている。
そして、その意思表示を明確にする為に、奈緒さんにはハッキリそう言った。
この行為は、自分を追い込む為にも必要な事だと自認している。
それに、こんな事を言ってしまえば、奈緒さんに余計な心配をかける事に成るのもよく解っている。
でも、それだけに、これで完全に俺自身も後には引けなくなったのも事実だろう。
だが、それで良い。
これからは、常に、そうでなくちゃいけないんだろうしな。
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>
とうとう、この物語の序章最期のお話が始まりましたね(笑)
なので此処で、凄く馬鹿げたカミングアウトを1つしたいと思います。
実は、今までズッと黙っていましたが。
此処までのお話と言うのは『倉津君にとっては、完全に下積み部分』でしてね。
今後、色々と活躍していくであろう倉津君が、どう言う下積みをして活躍出来る様に成ったかを、300話ほど使って書き記していた部分だったんですよ(笑)
要するに『此処までで、本当に序章に過ぎなかった』んですよ(笑)
……っでまぁ、なんで、こんなおかしな事を思い付いたか?と申しますとね。
『昨今、主人公が物語上で活躍するにしても、それに見合う人生経験を記した部分を書かれている作品が少なかった』からなんですよ。
まぁ、こう言う事を書いちゃうと『小話』みたいな話に成っちゃうんですが。
小説って、言わば、その物語の主人公や、周りのキャラクター達を人生を記した様な物。
要するに、その物語の主人公が活躍すればする程、そこに登場する人物達の過去や、人生経験から学べる事って多いと思うんですよね。
(どういう形であれ、主人公達は、何かしろの成功を収めてる訳ですからね)
なのに、昨今の小説では、主人公の活躍ばかりが先行して書かれており。
どう言う経緯で、その主人公が、その思考や行動に至ったかすらも、全然記されていない状況。
非常に悪い言い方をしてしまうと……
「そう言う一番大事な部分が抜けている」上に「ご都合主義だけが過ぎている」と思わざるを得ないんですよね。
まぁこれ自体は、私の個人的な意見でしかないのですが。
私は、こう言うご都合主義的な物が、あまり好きではないので。
せめて自分の作品では、そう成らない様に『今回は、この様に序章で300話も使うと言う無謀な手法』を取らせて頂きました(笑)
勿論、読んで下さった皆様が、これを、どう感じるかはわかりません。
ですが『此処までキッチリと【キャラクター紹介】や【設定】を書いて置けば』
キャラクター達の整合性も出るでしょうし、物語の辻褄が合わないなんて事だけはなくなると思いますよ(笑)
そして何より『主人公達の成長度合いも目に見えて解り易い』とも思います。
なので皆さんも良かったら、ほんの少しでも良いんで考慮してみて下さいね。
……っとまぁ、そんなアホなカミングアウトでございましたぁ(*'ω'*)ノ
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