第四十四話『オッパイ天国と回復話』が始まるよぉ~~~(*'ω'*)ノ
044【オッパイ天国を回復話】
……あの後、誰1人バスから降りる事無く。
再度バスは動き出し、再び、和らいだ雰囲気が訪れる。
だから俺は、この光景に心から安堵しながら、ぼんやりと窓から外を眺めていた。
窓の向こうには、海に向う沢山の人達が、バスの中同様に笑顔で歩いている。
実に微笑ましい光景だ。
そうやって、そのまま5分程バスが走ると浜辺の近くのパーキングに停車。
そこに到着するや否や崇秀が立ち上がり、今回の計画の指示を出し始める。
「さて、んじゃあ、浜辺に到着した事だし。全員で初仕事いってみっか」
「初仕事って……あの、仲居間さん、なにするんですか?」
「んあ?そんなもん決まってんじゃん。女子が全員、水着に着替えてイベントのPR活動。それっきゃねぇだろうに」
「うわっ!!なんですか、それ?考えが、あまりにも下衆い!!」
「そぉ。俺の考えは、至って下衆い。……ちゅ~う訳で、倉津、そこの箱の中にある水着を全員に配ってくれ」
有無を言わさず、さも当たり前の様に、此処は女子に強制してきやがったな。
流石は魔王だ。
「あぁ……どれだ?」
「そこの箱の中に入ってる奴だ。全員のサイズに合わせて作ってあるから、書かれてる名前の通りに1人1人キッチリ渡してくれ」
「あっ、あぁ」
「OKだ。……んじゃま、そう言う事で、此処の事は、全てオマエに任せるからな。後の事ヨロ」
崇秀は、相当、忙しいのか。
それを言い残して、運転手を引き連れて足早にバスから出て行く。
俺は、それを目だけで見送ると。
崇秀の指定した箱から水着を取り出し、1人1人丁寧に水着を渡していく作業に移った。
***
女子達は、そうやって俺から水着を受け取ると、バスの窓をシャットアウトする為にカーテンを閉めて、早急に水着に着替える準備を始める。
さて、俺はと言うとだな。
流石に、女子達が着替える場に居る訳にも行かないので、水着を全員に渡し終わった事だし『俺も外に出るか』っと思い、バスの乗降口に向って歩く……
……けどな。
『ガチャ、ガチャ』
うん?オイオイ、何故に扉が開かないんだい?(大泉洋風)
『ガチャガチャ』
うん?まさかとは思うが、これは扉の故障かい?(大泉洋風)
『ガチャガチャ』
いや、オイ、ホント、ちょっと待てよ!!
マジで扉が開かねぇって、どういう事だよ?
大泉洋風で遊んでる場合じゃねぇぞ、これ!!
この状況じゃあ、これは、マジでシャレになんねぇぞ!!
『ガチャ……ガチャ……』
あれ?マジで開かねぇでやんの……
ひょっとして俺……崇秀の罠に掛かったのか?
一気に焦りが生じ。
何度もガチャガチャと扉を開けようとするが、矢張り、全く開く気配はない。
ヤベェ……マジで嵌められた!!
俺……なんも悪い事してねぇんだけど……
これじゃあまるで、女子更衣室に覗きに行って、1人だけ取り残された間抜けな野郎じゃねぇか!!
ヤベェ!!ヤベェって!!
『ガチャガチャガチャガチャ』
……ヤッパ開かねぇ。
あの野郎だきゃあ……
「うん?クラ、どうしたの?さっきから、なにをガチャガチャやってんのよ?」
「いや、あっ、あのッスね、奈緒さん。戸がね……なんでか戸が開かないんッスよね」
「ハァ……そう言う事ね。此処に来て、また仲居間さんの悪戯だね」
「そっ、そうッスね。多分、そうッスね。100%そうッスね」
「まぁ良いんじゃない。扉が開くまで此処に居れば。仲居間さんも、その内、飽きるでしょうし」
「いやいやいやいや、なに言ってんッスか。そう言う訳にもいかないッスよ。ほっ、ほら、俺、これでも一応、男ッスから」
「わかってるよ、そんな事ぐらい」
「あぁそうッスか、そうッスよね。良かったぁ~~~……って、奈緒さん!!」
「うん?なに?」
もぉ解るよな……
如何にも、この人がやりそうな事だから……
それだよ、それ。
「いやいやいやいや、奈緒さん!!なにやってんッスか?幾らなんでも、今のこの状況で、着替えを始めちゃ不味いッしょ!!」
「なんでよ?時間が無いんだから、しょうがないじゃない」
「いやいやいやいや……」
この人だけは……
幾ら、此処に居るメンバーが全員、俺と奈緒さんが付き合ってるって事を知ってるとは言え、流石に、それはマズイでしょ。
これじゃあまるで、Hしたのを公言してるのと一緒ですよ。
「へぇ~~~、奈緒って、意外と大胆なんだねぇ」
「そぉ?別にクラにだったら見られたって平気だし。見られて減るもんじゃないしね」
「あぁ、そっか。……言われてみれば、確かにそうだよね。うんうん、そっか、そっか、兄貴君だったら、別に見られても良っか」
いや、美樹さん!!
美樹さんが良くても、俺が全然良くねぇから!!
ってか!!そんな事を言いながら、美樹さんまで平気な顔して脱がない!!
顔を真っ赤にして俺は、瞬時に、みんなに背中を向けた。
すると……
その俺の姿が、かなり面白かったのか。
他の皆様方も、続け様にゴソゴソと衣服を脱ぐ音が聞こえてくる。
オイオイオイオイ、俺をからかって楽しんでるんだろうが……よくもまぁ、そんな大胆な事が出来たもんだ。
良いッスか、女子諸君!!
女の子は、みだりに、野郎に肌を見せちゃいけないんッスよ!!
大和撫子諸君、羞恥心を持ちなさいよ!!
なんて思ってはみるんだが、当然、声に出して反論は出来無い。
……そして、そんな俺の意に反して、女の子達の困った声が聞こえて来る。
「兄貴君かぁ……まっ良っか、肌を触れ合った仲だし、今更か」
だからぁ~!!
さっきも、奈緒さんにも言いましたけどね、真美さん。
それ、何1つとして良くねぇッスよ!!
「うん、そうだね。兄貴君って、ウチの弟と同い年だしね。気にならないと言えば、気になんないか」
いや……俺、理子さんの弟じゃねぇし!!
血ぃ繋がってねぇ異性だし!!
「兄貴君、そんな所でちじこまってないで、コッチ来たら?」
行かねぇし!!
元香さん!!俺にはそんな根性ねぇし!!
「マコ君、こっち見ちゃ……ダメだよ」
あぁ……なんて正当な意見なんだ、咲さん。
女の子は恥じらいを持って、そう有るべきッスよ。
でも……言葉と裏腹に、服を脱いでる気がするのは、何故ッスかね?
「ダーリン。私も着替えるから、コッチに来て手伝ってよぉ~」
オマエなぁ。
前から何度も言ってるだろ……俺は、オマエのダーリンじゃねぇし!!
それに幾ら千尋とは言えども、着替えの手伝いなんて出来ねぇわ!!
「ねぇねぇ後輩さん、後ろのホックが付けれないよぉ。付けてぇ」
しょうがないなぁ椿さんわ。
ホントにもぉ……って、行ける訳ねぇし!!
「そこまでして見たいんですか、産廃?」
オマエの裸なんざ見たかねぇよ!!
……嘘。
見たい。
……けど、見ねぇし!!
最悪だ……
いや……普通に考えれば、こんなオッパイ天国なエロゲー状態は、男にとっては最高なシュチュエーションの筈なんだろうがな。
それに反して、この状況って、気持ち的には最悪なもんなんだぞ。
だってよぉ、エロゲーなんかで、こう言う光景を見た時『羨ましいな』とか馬鹿な事を、昔、何度か思った事があったが……ありゃあ、嘘だな。
画面で見るのと、実際にやられるのとでは雲泥の差がある。
まずにして俺……女の子に、これだけ平然と着替えをされるって事は、絶対に男として見られてないって事だろ。
付け加えて言うなら、それを、この人数でやられたらな。
もぉなんかな、自分の存在すら否定されてるのに匹敵する辛さだぞ。
これは、結構、きついもんだぞ。
マジで凹むな、これ。
・・・・・・
あれ?さっきそう言やぁ、女の子達の反応の中に、素直の反応が一切無かったな。
あぁ……まぁ多分アイツのこった。
恥ずかしいから、みんなと同じ行動が取れず、1人でオロオロして困り果ててるんだろう。
背中越しだから、素直の姿は見えないが、そんな姿が眼に浮かぶ。
なら、ど~~~うしたもんかな?
まぁ……俺にゃあ、ど~~~しょうもねぇんだけどな!!
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>
こうして、第四十四話の物語は波乱の幕開けをした訳なのですが……
はい、すみません。
ぶっちゃけ、前回のお話が真面目なお話をしてしまったので。
今回は、ちょっとお笑いパートでも入れようと思ってたら、こんな事に成ってしまいました(笑)
さて、そんな嬉しくも悲惨な目に合ってる倉津君を他所に。
他の女子陣と違い、恥ずかしがり屋の素直ちゃんは着替えが出来ないみたいですね。
なので、この後どうなるかは、次回の講釈。
また良かったら、遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ
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