最後まで奏でられなかった音楽

どこかお間抜けDQNな不良さんのゆったり更生日誌(笑)
殴り書き書店
殴り書き書店

第四十四話 オッパイ天国と回復話

253 不良さん、閉じ込められる

公開日時: 2021年10月17日(日) 00:21
更新日時: 2022年12月13日(火) 12:48
文字数:3,166

第四十四話『オッパイ天国と回復話』が始まるよぉ~~~(*'ω'*)ノ

 044【オッパイ天国を回復話】


 ……あの後、誰1人バスから降りる事無く。

再度バスは動き出し、再び、和らいだ雰囲気が訪れる。


だから俺は、この光景に心から安堵しながら、ぼんやりと窓から外を眺めていた。


窓の向こうには、海に向う沢山の人達が、バスの中同様に笑顔で歩いている。


実に微笑ましい光景だ。


そうやって、そのまま5分程バスが走ると浜辺の近くのパーキングに停車。

そこに到着するや否や崇秀が立ち上がり、今回の計画の指示を出し始める。



「さて、んじゃあ、浜辺に到着した事だし。全員で初仕事いってみっか」

「初仕事って……あの、仲居間さん、なにするんですか?」

「んあ?そんなもん決まってんじゃん。女子が全員、水着に着替えてイベントのPR活動。それっきゃねぇだろうに」

「うわっ!!なんですか、それ?考えが、あまりにも下衆い!!」

「そぉ。俺の考えは、至って下衆い。……ちゅ~う訳で、倉津、そこの箱の中にある水着を全員に配ってくれ」


有無を言わさず、さも当たり前の様に、此処は女子に強制してきやがったな。


流石は魔王だ。



「あぁ……どれだ?」

「そこの箱の中に入ってる奴だ。全員のサイズに合わせて作ってあるから、書かれてる名前の通りに1人1人キッチリ渡してくれ」

「あっ、あぁ」

「OKだ。……んじゃま、そう言う事で、此処の事は、全てオマエに任せるからな。後の事ヨロ」


崇秀は、相当、忙しいのか。

それを言い残して、運転手を引き連れて足早にバスから出て行く。


俺は、それを目だけで見送ると。

崇秀の指定した箱から水着を取り出し、1人1人丁寧に水着を渡していく作業に移った。


***


 女子達は、そうやって俺から水着を受け取ると、バスの窓をシャットアウトする為にカーテンを閉めて、早急に水着に着替える準備を始める。


さて、俺はと言うとだな。

流石に、女子達が着替える場に居る訳にも行かないので、水着を全員に渡し終わった事だし『俺も外に出るか』っと思い、バスの乗降口に向って歩く……


……けどな。


『ガチャ、ガチャ』


うん?オイオイ、何故に扉が開かないんだい?(大泉洋風)


『ガチャガチャ』


うん?まさかとは思うが、これは扉の故障かい?(大泉洋風)


『ガチャガチャ』


いや、オイ、ホント、ちょっと待てよ!!

マジで扉が開かねぇって、どういう事だよ?


大泉洋風で遊んでる場合じゃねぇぞ、これ!!


この状況じゃあ、これは、マジでシャレになんねぇぞ!!



『ガチャ……ガチャ……』


あれ?マジで開かねぇでやんの……


ひょっとして俺……崇秀の罠に掛かったのか?


一気に焦りが生じ。

何度もガチャガチャと扉を開けようとするが、矢張り、全く開く気配はない。


ヤベェ……マジで嵌められた!!


俺……なんも悪い事してねぇんだけど……

これじゃあまるで、女子更衣室に覗きに行って、1人だけ取り残された間抜けな野郎じゃねぇか!!


ヤベェ!!ヤベェって!!


『ガチャガチャガチャガチャ』


……ヤッパ開かねぇ。


あの野郎だきゃあ……



「うん?クラ、どうしたの?さっきから、なにをガチャガチャやってんのよ?」

「いや、あっ、あのッスね、奈緒さん。戸がね……なんでか戸が開かないんッスよね」

「ハァ……そう言う事ね。此処に来て、また仲居間さんの悪戯だね」

「そっ、そうッスね。多分、そうッスね。100%そうッスね」

「まぁ良いんじゃない。扉が開くまで此処に居れば。仲居間さんも、その内、飽きるでしょうし」

「いやいやいやいや、なに言ってんッスか。そう言う訳にもいかないッスよ。ほっ、ほら、俺、これでも一応、男ッスから」

「わかってるよ、そんな事ぐらい」

「あぁそうッスか、そうッスよね。良かったぁ~~~……って、奈緒さん!!」

「うん?なに?」


もぉ解るよな……


如何にも、この人がやりそうな事だから……


それだよ、それ。



「いやいやいやいや、奈緒さん!!なにやってんッスか?幾らなんでも、今のこの状況で、着替えを始めちゃ不味いッしょ!!」

「なんでよ?時間が無いんだから、しょうがないじゃない」

「いやいやいやいや……」


この人だけは……


幾ら、此処に居るメンバーが全員、俺と奈緒さんが付き合ってるって事を知ってるとは言え、流石に、それはマズイでしょ。


これじゃあまるで、Hしたのを公言してるのと一緒ですよ。



「へぇ~~~、奈緒って、意外と大胆なんだねぇ」

「そぉ?別にクラにだったら見られたって平気だし。見られて減るもんじゃないしね」

「あぁ、そっか。……言われてみれば、確かにそうだよね。うんうん、そっか、そっか、兄貴君だったら、別に見られても良っか」


いや、美樹さん!!

美樹さんが良くても、俺が全然良くねぇから!!


ってか!!そんな事を言いながら、美樹さんまで平気な顔して脱がない!!


顔を真っ赤にして俺は、瞬時に、みんなに背中を向けた。


すると……


その俺の姿が、かなり面白かったのか。

他の皆様方も、続け様にゴソゴソと衣服を脱ぐ音が聞こえてくる。


オイオイオイオイ、俺をからかって楽しんでるんだろうが……よくもまぁ、そんな大胆な事が出来たもんだ。


良いッスか、女子諸君!!

女の子は、みだりに、野郎に肌を見せちゃいけないんッスよ!!


大和撫子諸君、羞恥心を持ちなさいよ!!

なんて思ってはみるんだが、当然、声に出して反論は出来無い。


……そして、そんな俺の意に反して、女の子達の困った声が聞こえて来る。



「兄貴君かぁ……まっ良っか、肌を触れ合った仲だし、今更か」


だからぁ~!!

さっきも、奈緒さんにも言いましたけどね、真美さん。


それ、何1つとして良くねぇッスよ!!



「うん、そうだね。兄貴君って、ウチの弟と同い年だしね。気にならないと言えば、気になんないか」


いや……俺、理子さんの弟じゃねぇし!!


血ぃ繋がってねぇ異性だし!!



「兄貴君、そんな所でちじこまってないで、コッチ来たら?」


行かねぇし!!


元香さん!!俺にはそんな根性ねぇし!!



「マコ君、こっち見ちゃ……ダメだよ」


あぁ……なんて正当な意見なんだ、咲さん。

女の子は恥じらいを持って、そう有るべきッスよ。


でも……言葉と裏腹に、服を脱いでる気がするのは、何故ッスかね?



「ダーリン。私も着替えるから、コッチに来て手伝ってよぉ~」


オマエなぁ。

前から何度も言ってるだろ……俺は、オマエのダーリンじゃねぇし!!


それに幾ら千尋とは言えども、着替えの手伝いなんて出来ねぇわ!!



「ねぇねぇ後輩さん、後ろのホックが付けれないよぉ。付けてぇ」


しょうがないなぁ椿さんわ。


ホントにもぉ……って、行ける訳ねぇし!!



「そこまでして見たいんですか、産廃?」


オマエの裸なんざ見たかねぇよ!!


……嘘。

見たい。

……けど、見ねぇし!!


最悪だ……


いや……普通に考えれば、こんなオッパイ天国なエロゲー状態は、男にとっては最高なシュチュエーションの筈なんだろうがな。

それに反して、この状況って、気持ち的には最悪なもんなんだぞ。


だってよぉ、エロゲーなんかで、こう言う光景を見た時『羨ましいな』とか馬鹿な事を、昔、何度か思った事があったが……ありゃあ、嘘だな。


画面で見るのと、実際にやられるのとでは雲泥の差がある。


まずにして俺……女の子に、これだけ平然と着替えをされるって事は、絶対に男として見られてないって事だろ。

付け加えて言うなら、それを、この人数でやられたらな。

もぉなんかな、自分の存在すら否定されてるのに匹敵する辛さだぞ。


これは、結構、きついもんだぞ。


マジで凹むな、これ。


・・・・・・


あれ?さっきそう言やぁ、女の子達の反応の中に、素直の反応が一切無かったな。


あぁ……まぁ多分アイツのこった。

恥ずかしいから、みんなと同じ行動が取れず、1人でオロオロして困り果ててるんだろう。


背中越しだから、素直の姿は見えないが、そんな姿が眼に浮かぶ。


なら、ど~~~うしたもんかな?


まぁ……俺にゃあ、ど~~~しょうもねぇんだけどな!!


最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ<(_ _)>

こうして、第四十四話の物語は波乱の幕開けをした訳なのですが……


はい、すみません。


ぶっちゃけ、前回のお話が真面目なお話をしてしまったので。

今回は、ちょっとお笑いパートでも入れようと思ってたら、こんな事に成ってしまいました(笑)


さて、そんな嬉しくも悲惨な目に合ってる倉津君を他所に。

他の女子陣と違い、恥ずかしがり屋の素直ちゃんは着替えが出来ないみたいですね。


なので、この後どうなるかは、次回の講釈。


また良かったら、遊びに来て下さいねぇ~~~(*'ω'*)ノ

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート